私、膨乳します!(リメイク版) 第13話「膨乳よ永遠に(その1)」

原作・シリーズ構成 baku
演出・脚本 ハリナ
Copyright 2016 by baku and Harina All rights reserved.

 宗福 来夢(むねふく らいむ)は暑い夏の日差しの中、人がざわめく砂浜から離れてビーチパラソルの影で座っていた。
 せっかくの海水浴日和だというのに、うずくまって動こうとしない。

「はぁ……」

 それどころか口の中から漏れ出すようにため息が出てしまった。
 なぜか、それは砂浜には余りにもスタイルのよい女性がたくさんいたからだった。
 ここは入ヶ浜、とても広い海岸が特徴の有名な海水浴場である。その人気っぷりは夏になれば連日海水浴客でいっぱいになるほどだ。
 そして何よりも最近はここで泳ぐとスタイルがよくなるという都市伝説が流れていた。そのため噂を聞きつけた女性達がこぞって訪れているのだ。
 高校の夏休み。来夢は友達皆で噂のビーチまで来てみたが、そこはやはり人気のスポットということで人込みで溢れていた。しかも都市伝説を裏付けるかのように、人口に対し女性の比率が特に高く、さらにその多くがスタイルの良いボンキュッボンの美女ばかりと来たものである。
 特に身体が、そして胸が小さいことがコンプレックスな彼女にとって周りを見ると巨乳ばかりという状況は耐えがたいものであり、もはや泳ぐ気分ではなくなってしまっていた。

「来夢ーどうしたの? 泳がないの? ほら、みんな待ってるよ?」

「ううん、今はちょっと……気分が悪いから」

 海から少し離れた場所に敷いたシートの上で座っている来夢に友達の一人が誘いに来るが、頑なにそれを断る。
 来夢の友達もなぜか皆そろってスタイルがよい。普段はコンプレックスも感じながらも親友という立場から気にかかるほどではなかった。しかし今この場ではそのスタイルの良さに恨めしさすら感じさせる。

「どうせ、みんなスタイルがいいから一緒にいるのが嫌なんでしょ?」

「……」

「ほら、図星でしょ。こういう時いつもそうなんだから。恥ずかしがることなんてないって。ほら、ちっちゃい子供たちだっているよ?」

「ふん。どうせ私は子供と同じレベルですよ」

「ちょっと来夢ってばー! もう……。じゃあ私達向こうにいるからね!」

 拗ねるようにうずくまり頑なに動こうとしない。
 ふと顔を上げれば、目線の先には水着から零れ落ちそうなたわわな乳房があちこちでその実を揺らしていた。自分でもかなり情けない理由だとは思うが、その光景を見てしまうとどうしても立ち上がる気持ちにはなれなかった。

「はあ、なんでこんなところ来ちゃったんだろう……」

 友達たちは体型を気にしている来夢のためを思って胸が大きくなる都市伝説があるここを選んだのだが、当の本人はそのせいで落ち込むばかりだった。

「……こんなの本当なわけないじゃん」

 手に持った雑誌には胸が大きくなった女性のビフォーアフターが写っていた。かわいらしい膨らみの胸の女性が写った写真の右には、見事にバインバインに膨らんだ乳房がぶら下がった同じ女性が写っている。

「明らかに合成だし、本当は元からあんなんなんでしょ」

 ちらりと砂浜の女性たちを見る。
 あちこちでゆたんゆたんと揺れる胸が、都市伝説のうさん臭ささを物語っている。しかもネットを見ると都市伝説には最終的に身体より大きくなり暴れ始めるというものまである。ここまでくると全く意味が解らない。
 しかし今の来夢にとって胸が大きくなるならどんな風でもよかった。身体よりも大きいなんて明らかに邪魔だと思っても、持たないものからしたらとても羨ましい。そう考えると静かに腹が立ってくる。
 人にあふれた海を眺め、自分も大きくなりたいとため息をつく。だがそれも我慢の限界が来た。

「あーもう! おっぱいおおきくなりたーいっ!」

 できるだけ大きく、しかし辺りにいる人には誰にも聞こえないような大声を殺したような声でめいいっぱい叫んだ。
 すると叫び声に応じたかのように、突然轟音と共に高波が海岸を襲った。

「な、なにあれ!?」

 見るとさほど遠くはない海上にさっきまでなかった大きな影が現れていた。
 影の先には数十メートルを超える島が浮上していた。

「あれなに?」「島じゃないのか!?」「こっちに来る!?」

 まるで瓢箪のように巨大な球体が二つくっついているような形で、海面から丸く飛び出している。しかもその島は、騒ぎ立てる海水浴客をよそに海岸にまっすぐ向かってきていた。
 危険を察した周りの人たちは逃げるように反対方向へ駆けだしている。

「来夢ーっ! どこにいるの!?」

 来夢を探し友達たちが呼びかけるが、逃げ惑う人々が押し寄せ、遮られてしまう。
 ガスタンクサイズの瓢箪島がまさに上陸するとき、中心にある渓谷から黒い霧のような物が吹き出し始めた。

 ブッシュウゥゥゥゥゥ!!!

 黒い霧はあっという間に辺りを覆い、そして逃げようとした来夢の周りを包み込む。

「ひぃ!? な、なに……!? いやぁ!!」

 霧は腕を、脚を、しめつけるように拘束する。そして来夢を地面から引き離して浮かび上がらせた。
 10mほど宙に浮かぶと二つの島の前で静止した。広がった腕に、閉じられた足。それはまるで空に貼り付けられた十字架だ。
 手や足を動かそうと必死に抵抗するがびくともしない。

「誰か! 助けてッ!」

 思わず声を荒げ助けを求めた。

「見てあれ! 来夢じゃない!?」

「来夢! 来夢ゥ!」

 友達の一人が宙に浮かんだ来夢に気づき、皆で呼びかけても、もうどうすることもできなかった。

「助け――ッ!? む、胸が……!」

 来夢の胸が痺れるように疼き、ぐっと身体を反らされて突き上げられる。

「い、いや……!」

 砂浜に乗り上げた瓢箪島は狙いを定めた。まるで捧げられた生贄のように突き出された来夢、いや来夢の胸に。
 巨大な質量はぐにゃりとうねるように圧縮された激流となり黒い霧の中心に飛び込んでいく。

「胸の……中に……いやああああああああああああああっ!」

 ――ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!

 まるでおっぱいが逆噴射するように、滝がそのまま流し込まれるような激流が水着を通り抜けて、来夢の胸の奥へと殺到している。
 強引に突入してくる質量に平らな胸の中で何かが書き換えられ、胸が自分のものではなくなっていく。その事態に来夢の意識は耐えられず遠のいていった。

「あ……あ……ああぁ……」

 それでもバキュームのように胸板の中にどんどん吸収されていく。
 そうしてあっという間に巨大な瓢箪島だったものは、渦となってその質量すべて来夢の胸の中に融合してしまった。

 ドクン!! ドクン!! ドクン!!

 平らな胸板が内側から叩かれるように、力強く振動する。
 闇に消えた意識の中、何かが頭に入って来た。

『大きな乳房がほしい……そうでしょう?』

 深い闇の中で誰かが何かを囁いている。同時に平らな胸の中で何かが蠢いている感覚が襲う。

(な、なにを言っているの!?)

『大きな乳房を願いなさい。ただ大きくなりたいと思うだけでいい』

 その言葉に来夢の心の中が曇っていく。

(大きな……乳房)

 胸が小さい。それが悔しかった。友達もみんな人並み、いやそれ以上。何故自分だけ。もっと大きくなればいいと何度願ったことか。何度も何度も膨らむ胸を想像した。誰もが瞠るほどの胸を。
 そうよ。大きく。もっと大きく――。
 来夢は朦朧とした意識のまま、大きな乳房を願った。

『ふふふ……あなたの願い……確かに叶えてあげるわ……』

 その瞬間、来夢の胸は何かに支配された。
 胸の中でめちゃくちゃなエネルギーが溢れ出し、そして胸の奥に詰まっていた長年溜め込んできた思い――膨乳願望が爆発した。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!」

 一瞬来夢の胸が眩くフラッシュすると、狂ったような絶叫と共に平らな胸が急に膨らみ始めた。
 地面に垂直な胸はあっという間に大きくなっていき、まんまるに飛び出していくおっぱい。そして水着が食い込み、段や谷ができるほど形を歪ませる。
 もぞもぞと悶えるように変形しながらどんどん膨らむおっぱい。
 平らな胸に合わせたビキニタイプの水着を邪魔だと言わんばかりにボンっと膨らみ、そのまま勢いで背中のフックを引きちぎった。丸く弾んだ胸はさらに膨らみ続け、パンパンのビーチボール三つ分、そして四つ分になり、まだ大きくなり続ける。
 心の闇を刺激され、爆発的に膨れ上がった膨乳願望はそう簡単には止まりはしない。

 ギュオオオオオオオオオオオオッ!!!!

 さらに深い谷間が辺りで渦巻く黒い霧を吸い込み始めた。その姿はまるでバキューム。
 物凄い勢いで全て吸い干すと高速で震えだすおっぱい。
 バクン! バクン! と脈打つたび、乳房はどんどん大きくなっていき、体を追い越してもなお止まることはない。
 車を超え、家を超え、いつの間にか地面に着いてガスタンクの大きさになっても大きくなる乳房は、辺りに散らばるパラソルを踏みつぶしながら元々の島サイズまで、いや、それを超えてなおさらに膨張する。
 高さも奥行きも広がるおっぱいは逃げる観光客たちに迫っていく。

『うふふ……いいわ、いいわぁ。もっとよ……もっと!』

 今の来夢にもはや胸以外の感覚はない。しかも身体は乳房によって完全に支配されてしまい、身体に宿る心だけが来夢の存在を繋ぎとめていた。しかしその心、膨乳願望だけを利用され乳房の餌になってしまっている。
 成長を続ける乳房。今やその直径は80メートルを超える。
 するともぞもぞと打ち震えた。

『あぁんっ!』

 ブシュウウウウウウウウウっ!!!!!

 谷間から噴き出す黒い霧。それは避難した海水浴客たちの方向に向かっていった。

「何が起きているんだ!?」「最近流行ってるアレ!?」「おいおい、でかすぎやしないか!」

 禍々しい黒い霧が辺りを覆う。すると、

「うぅ……きゅうに……くるしく……!」「いや!? いやああああああぁぁぁぁ!!」

「ひぐぅっ! な、なに!? む、胸がぁ!」「んぁっ……きた……胸にっ……だめっ……」

 混乱の中、避難していた女性たちが瘴気にあてられ、苦しそうに喘ぎ始めた。
 来夢が妬んでみていた女性達のたわわに実った乳房がゆっさゆっさと揺れ始める。
 爆乳美女たちのおっぱいは重みを感じさせて、水着から零れ落ちそうなおっぱいが弾む。

 ぷるん! ぷるるん!

 そして揺れるおっぱいの谷間は、来夢と同じように黒い霧を吸い込み始めた。
 美女の爆乳だけではない。遊びに来ていた小学生の女の子のぺったんこな胸にも注がれ、中学生の発展途上の胸の中にも入って来る。
 黒いエネルギーは全ての女性の胸に向かって雪崩れ込む。それを吸収したおっぱいは悶えるように震え、上に下に遠慮なく揺れる。

 ボインッ! ボッインッ!

「きもちぃぃ……もっ……とぉ! もっとぉぉ!!」「おっぱいいぃぃぃぃ!!!」

 吸い込まされた黒霧によって欲望が刺激され、膨乳願望が強制的に目覚めさせられてしまった。
 胸の揺れは激しくなり、重力を感じさせないように前に、上に、飛び跳ねる。

「んんぅ! ぐむむ……んあああぁぁぁん!!!」

 そして、中でも特に大きな乳房を持った女性に変化は表れた。

 ぐぐ……ググググ……グググググッ……!

 膨らみ始めるおっぱい。美しく包み込んでいるビキニの中に押し詰めるように強引に膨れ上がる。

 グニッ! グニィッ!

 そして大きくなる乳を締め付け、谷を作るように変形させる。

 どるんっ!

 どるるるんっ!

 さらに前に向かって内側からせり出してくる乳房は形を歪ませ、締め付けてくる水着から、上や下から漏れ出すように溢れ出していた。

「んんぐぅぅぅ……」

 ググググググ……

 ぎっちぎちに締めあげる水着は紐のようになるまで伸び、段を作るおっぱいを変形させ、もうだめと悲鳴を上げている。それでも迫り出すおっぱいは水着を強引に押し上げる。

 ブッチィンッ!

「あっあぁぁんっ!」

 限界まで伸びた水着がはじけ飛んだ。解放されたおっぱいはゴム鞠のごとく勢いよく弾み、体積を増やしながら丸くバウンドする。
 それを合図に、後に続けと言わんばかりに小学生の少女や、観光中のOL、来夢の友達まで女性の胸が一人残らず膨らみ始めた。
 まるでおっぱいの連鎖反応。次々に胸だけ別の生き物のように揺れて膨らんでいく。
 小さな女の子でさえスイカ並みのバスト150センチにまで達しているほどだ。
 様々な音がひしめき合いながら、十人十色の膨らみ方で乳房の体積は増していく。
 200センチ以上に膨らんだバランスボール並のおっぱいは脈略もなく激しく豪快に揺れ、バインバインと生き物のように動き回る。
 乳の大玉があちこちで弾む奇妙な光景。
 来夢から供給されるエネルギーは留まることを知らず、超々乳はまだまだといわんばかりに弾み次の標的に狙いを定めた。
 再び谷間を擦らせもぞもぞと悶えるように震えると、

『あぁんっ! またでちゃうっ!』

 ブシュウウウウウウウウッ!!

 来夢の谷間から噴き出す黒い霧。今度は混乱の中どうすることもできない男性客に襲い掛かる。

「うああああああっ!」「ぐうううううっ!」

 膨乳エネルギーを男性が吸収しても、乳房が無いため普通は効果がない。しかし来夢の爆発的な膨乳願望は彼らに突発的な変化をもたらした。
 全身に駆ける未知の快感。
 ボンッ!と爆発したかのように黒煙が弾けると、そこあったのは華奢なシルエット。細くなった手足にくびれた腰。
 煙の中から現れたのは、

「ふぇぇぇぇ!?」

 細くなったその体型はまさに女性の姿そのものだ。
 あっという間に男性が全て女性に変わってしまった。
 家族で来ていたお父さんも、肉体が若返りグラビアアイドルのような容姿になった。

「なによこれ!?」

 見た目だけではなく喋り方や性格まで女性のそれになっている。
 高校生の男子はカールがかかった金髪のロングの美少女になり、子供たちも身長が大人並みに成長し、美しいシルエットに変わっていく。ほかにも様々な女性の姿に変わる男性達。

「ひぃ! ど、どうなってるの?」

 沢山の泳いでいた人たちはもちろん男用の水着のままなため、上半身を隠すものは何もない。しかも体全体が細くなったので、下半身の水着もずり落ち、柔らかく肉のついたヒップが晒される。

「やぁん!」

 女性化した男性は皆、しなやかにくびれたウェストと丸く美麗なヒップを持っていた。元々女性の者よりも美しいと思えるような身体ではあったが、確かに足りないものがあった。
 それはバスト。乳房。おっぱいだ。
 全ては膨乳のために男性を女性に変えたのだ。こんなところで終わるはずがない。来夢の胸は、元男性達の胸のエンジンに火をつけた。

「はぅっ!」

 ほぼ平坦な胸に刺激が奔る。
 黒く点滅し始め、もぞっもぞっと打ち震える胸。
 おっぱいはここぞとばかりに一気にアクセルを踏み込む。
 瞬間的に送り込まれた膨乳エネルギーによって、元男性全員の胸は唸りををあげて爆発的に加速するように膨らんだ。

「あっああああああぁぁぁっっ!!!」

 ボリュ! ボリュ! ブリュッ! ボン! ボォン! ボイィンッ!!

 男性だった者たちの膨乳は、先ほどまでの女性達の膨乳とはまた違った。
 女性たちは小刻み、もしくは継続的に、絶えず膨らんでいたのに対し、男性は膨らむごとにエネルギーを蓄えて、一回の膨乳で大きく力強く膨らんでいる。
 元々女性ならば、たとえどんなに興味がなかったとしても、女性ホルモンが作り出す刺激により膨乳願望は少なからずある。なのでそれを増幅して膨乳させる。しかし男性には普通は自分の胸を膨らませたいという、女性から生まれるような純粋な膨乳願望はない。それゆえに体を女性にして、無理やり膨乳願望を植え付けることで膨乳が可能になる。
 強引に送り込んだ膨乳願望を一気に開放させ急激に膨らませる。これを繰り返すことで元男性の乳房は成長する。
 爆発するように膨らむそれは強引に膨乳願望を植え付けられたゆえの、コントロール不能なダイナミックな膨乳といえるだろう。

「膨らんじゃうぅぅぅ!!!!」

 ググググググ……!

 点滅しながら、送り込まれるエネルギーを吸収し、そして、

「あんっ!!」

 ボンッ!!!

 一気に二回りも大きくなり、膨らんだおっぱいにまたエネルギーは供給され、

 ボォンッ!!!!

 それが何度も何度も繰り返され、

「キッツィ!」「いやぁぁぁんっ!」

 ボイィィンッ!!!

 大きくなった乳房はバインバインと盛大に弾み、そしてまた爆発的に膨らむ。
 あっという間に元男性の観光客も全て超乳になってしまった。
 さらに、膨らみ続けていた女性たちの胸はさらに大きくなってしまっている。

 ブルルルルルッ!!!

 女性も男性も全て超乳と化した入ヶ浜は、辺り一面様々なサイズの超乳がひしめき合って揺れ弾んでいる。それはまるで肌色の海。数えきれないほどの二つの丸い膨らみが波を作る。
 その揺れるおっぱいはぶるんぶるんとさらに加速し、本人たちの意思を離れて別の生き物になったかのように暴れ始める。

「胸が……! 胸が!」「あああああああぅぅ!!」「おっ、おっぱいぃ! あうっ!」

 乳房はもごもごと谷間を内側に開き、身体を引き込み始めた。

「ひ、ひいぃぃぃっ!」「いや! いやああああああっ!」「食べられちゃうぅ!」

 恐怖が皆を支配したが、自分より大きな乳房に抵抗することもできない。谷間はずぶずぶと体を飲み込んでいき、そして全身を丸呑みにしてしまった。
 そこに残ったのは乳房だけ。完全に乳房だけの存在になってしまった観光客たち。

『うふふ。私の子供たち……さあ、私の所にいらっしゃい』

 ゆさゆさと揺れると、転がっている乳房たちがふわりと浮かんだ。そしてふよふよと漂い、本能的に一番大きな来夢の乳房に引き寄せられていく。
 巨大乳房が求めたもの、それは乳房と乳房の融合。
 自ら生み出した乳房はまるで粘土のように、本体が吸収、合体し、自らの乳の一部とすることが可能だった。
 膨乳願望による内部からの要因と、さらに外部から取り込むことで膨乳をさらに加速させようというわけだ。

(おっぱい……もっとおっぱいぃぃぃぃ!!!!)

 その時、海水浴場いっぱいに存在する大量の乳房を感じ取ったのか、ビクン! と超々乳は震えた。

『やぁんっ! な、なに!?』

 来夢の心の奥底にある膨乳願望が再び爆発した。
 100メートル近くある超々乳が勢いよくバウンドすると、それを合図にしたかのように、無数の乳房たちは一気にそこに飛び込んでくる。
 ゆっくりと吸収することに早くもじれったさを覚え、膨乳願望が乳房を無理やり引き寄せたのだ。

『うそ!? ちょ、ちょっとまってぇ!』

 たじろぐように震える超々乳だが、膨乳願望のアクセルはフルスロットル。ブレーキなんて効きはしない。
 ぶりんぶりんと激しくその身を揺らし、一直線に飛来する乳房たち。

『流石にこんなに一気には無理ィ! いやぁっ!』

 まさしく数の暴力。超々乳の意思を無視して、ありとあらゆる場所に隙間なく押し寄せる。

 もにゅうっ! むにゅっ! ぐにっ! ぐにぐにぃっ!

 抵抗を試みる超々乳だったが、大量の乳房がグイグイと押しこみ、ぎゅうぎゅうにせめぎあうそれらをどうすることもできない。
 乳房たちはおっぱいの表面を強引に変形させ、同時にその乳房たちはおっぱいの中へと溶け込んでいく。

『ふにゃあああああああああぁぁぁぁんっ!!!!』

 超々乳に摺り寄せ押し付けタックルしていた乳房たちはとろけはじめ、徐々に乳の境界線が消えて超々乳の肌になじんでいく。
 さらに次から次に後続が嵐となって押し寄せ、まだまだ終わりが見えそうにない。
 かなり小さいものでもバランスボール二個分。大きいものならアドバルーンを軽く超えている。
 そんなものが超々乳の表面が埋め尽くし、揉みこね回しながら融合していく。大きなお餅と小さなお餅が練り合い混ざり合ってさらに大きいお餅になる。本質はそれと全く変わらない。
 柔らかく変形するそれはどんどんと乳を巻き込んで大きくなっていく。

 ぶっりゅりゅりゅりゅりゅっ!!!!

『うにゅっ! ひぎゅううううううううっ!』

 押し寄せるおっぱいによって強引に膨らまされる乳が悲鳴を上げる。
 超々乳の意識も膨乳願望というおっぱいの中の本能には逆らえない。それが暴走した今ただ受け身でおっぱいを吸収するしかなかった。
 もはやおっぱいの許容範囲を超える限界を超えていた。今やパンパンに張りつめて破裂寸前の風船みたいな状態だ。
 ただ風船とは違い、中に入る質量や大きさに制限はない。急な吸収でその消化が間に合わないのだ。
 食事をして胃がいっぱいになっても少し経てば消化され、また食べることが可能なように、おっぱいもまた融合に時間が必要だった。
 しかし暴走を始め乳一杯に広がった膨乳願望は限界というものを知らなかった。
 おっぱいはレッドゾーンに突入してなおフルスロットル。直径数メートルある乳房は止まることなく飛び込んでくる
 融合率が下がり、融合できずに表面を刺激する乳房。
 しかしそれでも膨乳願望はおっぱいを大きくしようと、強引に押し込もうとする。

(おっぱい……おっぱい……おっぱいぃいいいいいいいっ!)

『や、やめなさい! やめっ……もうやめてぇぇぇぇえええええええええええええッ!!!!』

 必死の抵抗か、超々乳が弾け人間には誰一人聞こえない悲鳴が轟いた。
 しかし今の超々乳は膨乳願望の塊。その悲鳴は膨乳願望を伝える乳の振動波へと変わってしまった。
 乳房たちは凄まじい振動に当てられ、バイバイバイィィンッ! と激しく揺れると、

 ググググググググ……。

 ボイィィィィィィッンッ!!!

 辺りのすべての乳房が一回り、いや二回り以上一気に膨らんだ。
 おっぱいが大きくなっている一瞬だけ吸収は止まっていたが、すぐに超々乳に押し寄せ始め融合が再開した。
 ひしめき合う乳の山はさらに大きく膨張していく。しかし人間で言えば胃もたれのときに無理やり胃に流し込まれてるも同然。なかなか吸収は捗らない。
 当然、今の過剰な吸収を抑えて時間をかければ全ての乳を融合することは容易いだろう。だが今のおっぱいはそんなじれったいことは許さない。
 たわみをつけたおっぱいは地面に自らを叩きつけて、びったんびったんとバウンドする。
 うねって練り上げられ、ぐにゃりとおっぱいが開くと、そこに突撃した乳房たちはハンマーのように超々乳を思いっきり叩いた。

『あっぐぅぎぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!』

 破裂寸前のおっぱいがぺったんとひしゃげる。そこに飛び込んでいく乳房。
 表面に敷き詰められるとバウンドし、包み込んで畳むようにおっぱいがひっくり返され、潰される。そしてそこに再び乳房たちが飛び込む。
 膨乳願望は自らを物理的につきこねることで強引な融合を図った。
 その様子は臼の中でつかれる餅のよう。餅つきならぬ乳付きが始まった。
 直径200メートルもある巨大な質量が何度も何度も地面に打ち付けられ、地震と洪水を巻き起こす。
 乳はつかれ伸ばされる。ただ餅つきと違うのはついた杵がそのまま合体しているということだ。
 つかれればつかれるたびおっぱいの体積は増していく。
 しかし力技で強引に押し詰めるおっぱいは爆発寸前。

『んぎぃ……イァッ! ンガッ……』

 ドクンッドクンッ……。

 鼓動の音が響くたびにうごめき膨張するおっぱい。
 来夢の膨乳願望を利用するつもりが完全にミイラ取りがミイラになり、意識をほぼ完全に支配されてしまった巨大乳房。
 乳房の増殖に飲み込まれちっぽけな存在となった来夢だったが、肥大化した心の闇によって、自分でもコントロールができないほどの膨乳願望を生み出して、その体の小ささに反比例しておっぱいをとめどなく膨張させていく。
 超々乳は自らに襲い掛かる危機を感じて、もがくように成長を始めた。

(おおぉぉぉぉぉぉぱぁぁぁぁいぃいいいいいいいっ!)

 ドクンッ!!

 軋む様に、乳房は激しい鼓動で全身を震わせる。その成長は正に進化といえるものだった。

 ずっぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅっ!!!

 たがが外れたかのように融合スピードが一気に上がり、ひたすら、ただひたすら大きくなる。
 巨大な乳にたくさんの乳が集まり表面上ありとあらゆる場所で触れた瞬間に吸収される。
 表面近くにまとわりついていた乳房のだいたいを吸収すると、激しく膨らみながら跳ね上がった。
 まだまだ後を引くように乳房が向かってくるが、超々乳は谷間を開いて、待ち構えるようにそれを迎え撃った。口のように開いた乳は、飛び込んできたおっぱいたちを捉え、挟み、飲み込んだ。
 ゴクンと吸収すると、めきめきと加重していく乳房。
 限界を超越した膨乳願望は乳房たちから融合する受動的な融合に満足できなくなり、自らおっぱいを食べ始めたのだ。
 ブリンブリンとおっぱいを弾ませながら、大量の乳房を谷間の中にいざなっていく。

『ンッヒィィィィィィィィィィィッ!!!』

 もはや乳房には自分が何をしているかわからなかったが、ただひたすら膨乳願望の求める本能に従っていた。
 まるで列をなすエサを追いかけるパックマンのごとく。乳の谷という大口を開いて、地面を抉りエサをまとめてむさぼりつくしている。
 さらにおっぱいはエネルギーの吸収を求める。すると今度は乳首を変形させ始めた。
 乳首がもごもごと打ち震え、窪むように大きく開いた。これまた大きく開かれた口のよう。

 ジュズゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!

 そこから大量のおっぱいを吸い込み、貪欲にほおばる。
 侵入した乳房は、おっぱいの中でまるで満員電車の中のようにぎゅうぎゅうに押し詰められ、内側からこねくり回す。
 中から押し上げられ、全身がぶにゅぶにゅとデコボコに変形する。
 開かれた入り口に駆け込んでいくおっぱいたち。そして壁に押しつけられたおっぱいの中で吸収され、そして乳房の質量へ変わっていく。
 ボヨンボヨンと震えると、ゴキュッ! と中から押し広げられ膨張していたおっぱいが一気に飲み込まれるように丸く元に戻った。そして容量に空きができたおっぱいはバクバクと食い荒らし、正面の大きな谷間と左右二つの乳首からさらに乳房たちを取り込み続ける。
 見る見るうちに数は減り始め、最後の最後までなめとるように、もはや豆のように感じられる乳粒をきれいに捕食した。
 その大きさと風格は乳の城。いや、辺りを巻き込み他を寄せ付けないそれはもはや乳の要塞。
 大量の乳房を巻き込み、ぐにゅぐにゅと増殖を続ける乳は唸りをあげて強引に更に進化する。

 ボリュリュリュ!!! ギュゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!

 進化を果たしたおっぱいによる異常なまでの膨乳願望の質量還元。膨らむ。さらに膨らむ。
 その大きさはいまや直径500メートル。球体が二つくっついたような形は、タワーのような長い建物とは違い横や奥行きも広がっているためかなりの迫力がある。
 巨大乳房と来夢の膨乳願望が超合体を遂げて、大量の乳房から膨大なエネルギーを得た超巨大乳房はついに完全なる超膨乳生命体になったのだ。
 しかしまだこの程度では満足はしない。ここにいた人間すべてが変貌した乳房全てを取り込んでもなお、胸ペコの乳は膨らんでいた。飢えに飢えながら……。
 こうして入ヶ浜に辺り一面太陽の光を遮るほどの巨大な化け物が現れたのだった。





















 大学が夏休みということもあり、バスタリアンバスターズはここ毎日、ずっと特訓の日々が続いていた。
 もちろん今日も一日特訓する予定だ。
 大型ショッピングモールの中で待ち合わせをしていた美里は、柔華が来るのを待ちながら考え事をしていた。

「うーん……」

「おまたせ、美里。一人でうなって、どうしたの?」

 目の前でおっぱいがたゆんと揺れる。いつの間にか柔華が到着していたようだ。
 彼女はブラウスにミニスカートいう格好で、相変わらずの爆乳が胸から飛び出し丸いラインを作っていた。

「あ、柔華。それがねビーネからもらった過去の戦いの記憶のことなんだけど、うまく思い出せないのよね」

「それなら私ももらっているけど、記憶があるのはわかっているのに、具体的な内容は思い出せないの。これは多分だけど、ネットやパソコンで検索するときにキーワードが必要なように、ただ漠然と思い出そうとするだけではだめなんでしょうね」

「あ、なるほどね。逆に言えば、新しい能力が必要な場面になれば、それがキーになって思い出せるってことかしら」

「美里の妄想力も十分に記憶を引き出すきっかけになってるよ」

「ありがとう柔華。私、新しい膨乳能力のためにもっと妄想するわ!」

「このままだと本当に膨乳生命体になっちゃうわよ?」

「永遠に膨乳し放題ならそれもいいかも……」

「ははは……」

 美里のいつもの膨乳バカっぷりに呆れる柔華。正直果てしない膨乳願望の強さは柔華も同じようなものである。むしろ美里よりも強いかもしれない。

「あ、そうだ。検索で思い出したんだけど、私達やバスタリアン……やっぱりネットでもニュースになっているわね」

 美里はスマホを取り出して、柔華に画面を見せる。そこには掲示板サイトでいくつもの目撃情報が書き込まれていた。
 それにバスタリアンとの戦いの画像がSNSにアップロードされ、巨大おっぱいという検索ワードが急上昇したことは記憶に新しい。
 相変わらず新聞やテレビのニュースではまともに取り扱われはしなかったが、雑誌などではまるでUMAが見つかったかのように特集が組まれたりしていた。

「ええ、フル・ブレスト・モードなら私たちの正体はばれないでしょうけど、ここまで広がってると……」

「確かビーネは大きくなっても膨乳願望が無ければ認識できないみたいなこと言ってたような気がするんだけど……」

「ビーネそんなこと言ってたの? ん、それより美里……なんだか胸が変な感じじゃない?」

「確かになんか胸がピリピリするわね」

 その時、二人に異変が起こった。

「きゃあっ!」

 突然、激しい振動が二人を襲った。
 その強さは建物が崩れ大惨事になると思うほどだ。
 しかしその振動は地震ではなかった。なぜなら揺れているものは地面ではなく、二人の胸だけだったからだ。

 ブルルルルルルルルッ!!!!

 バイバイバイバイィンッ!!!!

 特に柔華は自身の爆乳の影響で物凄い暴れっぷりで、服の上からでもわかるほどに激しく突き上げ、ぶりんぶりんと揺れている。
 辺りから見れば、いきなり声をあげて不自然に胸が揺れている奇妙な光景だ。

「な、なにが起こっているの……っ!?」

 普段は貧乳にしているおかげで影響が少なかった美里も

「ひぐぅっ! 胸が……!」

 凄まじい振動と共に、締め付けられるような刺激が襲い、苦しそうに胸を押さえる。

 ドクン! ドクン! ドクンッ!!

「なにか……きたぁ……っ!」

 突き抜ける快感が駆け巡ると、胸の振動は収まった。

「んうっ……終わったの……?」

 しかし何か胸が不自然だ。
 美里は胸に普段はない重みを感じると思った。それはビーギガンティックした瞬間、超々乳が地面に着くまでに感じる一瞬の重みのような。

「こ、これは!?」

 それは美里の縦に落ちるほどの胸が、深い谷間ができるほどに盛り上がり、へそが見えるほどTシャツが内側から押し上げられていた。

「わ、私の胸が! 爆乳に!」

「み、美里ぃ……」

 横から柔華の喘ぐような声が聞こえた。

「柔華? まさか……」

 振り向くとやはり柔華の爆乳もさらに大きくなっていた。まるでビーチボールのように膨れ上がっている。
 ぎちぎちのボタンホールが伸び、その隙間からブラがのぞいている。

「正直普段もっと膨乳してるから大きさには大して驚かないけど……これはどうなっているの!?」

「でも……きもちいぃ……」

 柔華は法悦な表情で息を上げていた。

「ちょっと柔華! 今はそれどころではないでしょ!」

「だってぇ……ムズムズしてぇ……あ!」

 もぞもぞと震わせた胸から、何とか保っていたボタンがプツンとはじけた。ブラに食い込んで強引に抑えられた胸が隙間から露わになる。

「ボタン取れちゃった……」

 コツンと音を立て床に落ち、転がっていく胸のボタン。

「そんなことより早くここを離れるわよ柔華。私達、すごく目立ってるわ」

 大声をあげて大胆に胸を揺らしたありえないほどの大爆乳の女性がいたら、誰だって注目してしまうだろう。
 美里は柔華の手を引いて駆け出した。二人とも胸がぷるんぷるん揺れてしまう。
 元いた場所から結構離れ、良い感じに人気のない場所まで移動する二人。
 天井まで伸びる柱が作る細いL字の行き止まり。そこは二人を隠すのにちょうどいい広さだ。
 そこには特に何かあるわけでもなく、おそらく建築上の関係でできたスペースだろう。

「ここなら、人は来ないわね」

 混乱の中、目の前の空間がブルルンと震えた。
 そこからいつもよりも慌ただしく揺れてビーネが現れた。

『二人とも大変だ!』

「ビーネ! こっちも大変なの! 私たちの胸が!」

 ぽよんと弾む二人の大きな乳房。

『遅かったか……!』

「遅かったって……?」

『大量のバスタリアンの反応だ』

「大量!?」

「しかもその中の一体の反応は他とは比べ物にならないほど大きい。間違いなく今までで最強の力を持っている』

「最強ってどういうこと!?」

『おそらく膨乳生命体の親玉だろう。君たちの呼び方ならバスタリアンマザーってところだな』

「もしかして、私たちの胸は……」

『そうだ。君たちはバスタリアンマザーの膨乳エネルギーの振動波を受けて膨乳してしまったんだ』

「そんな。だとしたらそのバスタリアンマザーって融合しなくても膨乳させられるってことじゃない。でもどうして私達だけ?」

「そういえばそうね。私たち以外の人は何ともなかったわ」

『おそらく膨乳願望の強い君たちの胸が真っ先に反応したのだろう。私は間一髪退避することができたからよかったが、まともに受けていたらどうなっていたことか。それにもしかしたら他の膨乳願望を強く持つ女性が同じような状態になっているかもしれない』

「じゃあ他の大量のバスタリアンって私達のように膨乳願望を持った人たちってこと? バスタリアンが分裂して融合したにしちゃ速すぎるわ」

 バスタリアンが膨乳させるには、分裂して一人ずつ融合するしかない。バスタリアン反応が現れてから短時間で大量増殖させるのは不可能だ。

『いや、流石に君たちのように元から強い膨乳願望を持った人間がそういるとは思えない。おそらく近くなら分裂融合もせずに膨乳願望の弱い、いや乳房そのものに興味がない者たちも無条件に膨乳させバスタリアン化できるのだろう』

「凄い滅茶苦茶ね」

「それじゃ膨乳させ放題ってことじゃない」

『ああ、このまま放っておけば奴によって人類は全てバスタリアンに、乳房になってしまう。……む?』

「どうしたのビーネ?」

『余りにも多すぎて詳しくはわからないが、増殖したバスタリアンの反応が減っている。どういうことだ?』

「減っているならいいんじゃないの?」

 考え込んでいるのかプルプルと震えるビーネ。

『いや、これは……そうかわかったぞ。バスタリアンマザーは他のバスタリアンのように近くの人間を所かまわず膨乳させるだけではない。自らをさらに膨乳させようとしているのだ。バスタリアン化した人間を一つに集めることによって』

「一つにってことは……まさか」

『そうだ。膨乳生命体の能力の一つ、融合だ』

 融合能力は美里たちも知っていた。何度か体験もしている。

『バスタリアンマザーは大量のバスタリアンを増殖させ、それを融合吸収して膨乳しようとしている』

「自分を膨乳させるために他の人間を膨乳させているなんて」

『このまま放っておけば全人類をバスタリアン化させて吸収し、史上最大のおっぱいが誕生してしまう』

 それだけの大膨乳。考えるだけで興奮が止まらない。美里には羨ましく魅力的に思えた。しかしすぐに頭の理性が否定した。

「……一気に壮大な話になったね」

「膨乳のために人類を滅ぼすなんて、そんなこと許せないわ! それに最大のおっぱいの称号は私たちのものよ!」

「そうね。私達も膨乳するわよ!」

「柔華、急いでブレストテレポートで向かいましょう!」

「ええ。あなたたちが一緒なら怖くないわ!」

『こんな時でも……私は何もできない。頼んだぞ二人とも』

「気にしないでビーネ。さあ行きましょう柔華!」

 二人はフル・ブレスト・モードに変身するため、比較的広い個室、多目的トイレに向かって駆け出した。

「一番近いのはあっちよ!」

向かう途中、女性たちが体調を悪そうに胸を押さえているのを見かけ、そして広場においてあるテレビのニュースで入ヶ浜に巨大物体出現と放送されていた。

「大変! もう始まっているわ! 急ぐわよ!」

二人は急いで多目的トイレに駆け込んだ。

「このくらいの広さがあれば、変身のための超々乳化には十分ね。さすがに二人同時は無理だけど」

 服を脱ごうと柔華がボタンに手をかけた瞬間。

「んっ!?」

 ボンッ!

 いきなり胸が一回り膨らんだ。
 プツンッやブチッとちぎれるような音が同時に聞こえ、腹部や首元のボタンまで吹き飛ばし、ホックがちぎれたブラが胸の弾力で弾き飛んだ。

「ちょっと柔華。そんなにボタンを飛ばしちゃったら帰るときどうするのよ。ブラまで壊れちゃったし」

 美里は腹からTシャツをめくりあげ、爆乳をさらした。

「いやこれはわざとじゃなくて……でもいいわよ。フル・ブレスト・モードで帰るから」

 そして二人はスカートやパンツを脱ぎ、生まれたままの姿になった。その肌はとても綺麗なもので、同年齢の誰もが羨むぐらいにはつやつやだった。バスタリアンの生体エネルギーを吸収しているからかもしれない。
 綺麗に使われている多目的トイレの床とはいえ、服が散らばることになるのは嫌だったので二人は脱いだ衣服をバッグの中に詰め込んだ。

「用意はいいわね! じゃあ私から行くわよ!」

「わかったわ」

 柔華が膨乳に巻き込まれないように隅に移動したのを確認すると、トイレの中心で裸になった美里が叫んだ。

「ビー・ギガンティック!」

 爆乳になった美里はその胸を揺らすと、急スピードで膨らんだ。
 大きさは瞬く間にバレーボール、そしてバランスボールへと進化する。

「チェンジ! フル・ブレスト・モード!」

 身体の本体より一回り大きい超々乳まで一気に膨乳させると、腕を広げ前のめりに倒れ込む。すると乳房が全身を柔らかく受け止め、体がその中にめり込んでいく。
 ずぶずぶと沈み、乳房の中で全身が融合する。

 ボインッボインッ

 左、右と揺れると、超々乳が美里の身体として覚醒した。

『膨乳完了! チェンジ! ビーンズ・ブレスト・モード!』

 ブリュゥウウン!!

 乳房となった美里の身体が弾む。
 膨乳願望をコントロールし、膨らもうとするプラスからマイナスに、乳房が存在するぎりぎりの最弱レベルまで引き下げることで縮乳する。
 グニグニと形を変えながら、あっという間に豆粒大までに小さくなった。
 フル・ブレスト・モードで空間転移すれば正体がばれることはないが、巨大な超々乳が突然現場に現れるのは危険なので、一度小さくなってから空間転移しているのだ。

『柔華! いいわよ!』

 豆粒乳房がプルっと震えて柔華に合図を送った。
 そして裸の柔華はさらけ出された爆乳を揺らしながら叫んだ。

「私の番ね! ビー・ギガンティック!」

 膨乳するための膨乳願望を開放した瞬間。

 バルルルルン!!

 柔華の爆乳が激しく弾む。その揺れは収まるどころか、さらに拡大していく。

「えっ!? ふああああっ!?」

 ブリュリュリュリュリュン! ブルルルルンッ!!

 膨乳には必要ないほど激しい揺れが巻き起こり、一人でに暴れるおっぱい。
 縦横無尽にふり回され、こねられるようにおっぱいは変形する。
 膨乳願望が乳房に満ちると柔華の意思を超えて、一気にあふれ出し前に向かって爆発的に膨らんだ。
 その勢いはまさに乳の洪水。

『ちょっと柔華ぁぁっ!?』

 豆粒サイズしかない美里まで津波のように巻き込む。
 横に置いていたバッグも膨らむ胸によって端まで押されていく。
 そして柔華自身も全身が乳の海に飲まれ、あっという間にそれなりに広いはずの多目的トイレ一杯に広がった。まるで水槽の中に水が満ちるように。

「チェンジ! フル・ブレスト・モードォォ!」

 挟まれた乳に体がそのまま吸収され、おっぱいと融合する。そして部屋を内側から壊さんとする勢いで揺れると、縮乳し美里と同じく豆粒サイズまで小さくなった。

『ふう、死ぬかと思ったわ。流石私のおっぱいね』

 部屋の端っこで豆粒がボインと弾んだ。
 小さくなった美里は柔華の胸に潰されてしまったが、その弾力でガードしていた。

『そんなことより! ちょっと柔華!?』

 美里と同じように小さくなった柔華がぷるぷると震えた。

『ごめん美里……なんだかおっぱいが変になっちゃって……でも気持ちよかったっていうか……』

『柔華のおっぱいはいつも変でしょ? なんにしても気持ちよさばっかだし』

『ひどいよ美里! そんなこと膨乳バカの美里に言われたくないもん!』

『はいはい、わかったわ。じゃあ準備OKね。空間転移で一気に現場まで行くわよ!』

『OK! せーの!』

『『ブレスト・テレポート!』』

 人間には聞こえない低周波音でそう叫んだ二人は、全身を思いっきり震わせる。

 ブルブルブルブルブルブルゥゥ!!!

 小さな豆粒が空間を捻じ曲げるほどのエネルギーを発生させ高速で振動する。
 反応がある場所を念じてボヨンと飛び跳ねると、乳房は歪ませた空間の中に消えて行った。












 捻じ曲げられた空間を超えて二人が現れた場所は砂の上。全身に感じる磯の香り。
 豆粒大になっていることで、地の果てまで続いているように見える砂浜と津波のような波の海が広がっていた。

『この景色、テレビで見たことある! 入ヶ浜よね! ここで泳ぐとスタイルがよくなるんだって!』

 柔華が楽しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねる。

「はあ、そうなの」

 好きなだけ膨乳できる美里にはもはやどうでもいいことだったので、呆れたように聞き流す。

『しかしいくらなんでもおかしいわ。人の気配が全くないなんて』

 この静けさは一体?
 普段ならもっと人がざわめいていて、バスタリアンの周りを囲んでいるはずなのに。
 そればかりか大量に出現したというバスタリアンが見つからない。確かに反応があった場所に来たはず。

『ねえ美里。入ヶ浜にこんな建物あったっけ?』

 二人の後ろには、ビーチから海に向かってそびえたった巨大な建造物。
 見上げても天辺は見えないほどの高さで太陽の光が遮られ、辺り一面が影で覆われていた。

『私はよく知らないってば……ん?』

 よく表面を見るとつややかな弾力が醸し出ていた。それは美里たちがよく知っているものだった。

『ま、まさか……』

『美里? あ……も、もしかしてこの壁みたいなのが……』

『……大きすぎて気づかなかったけど間違いないわ。これがバスタリアンマザーよ!』

 余りにも小さくなっている美里たちにとって、球体にすら見えないそれはただの壁。
 規格外すぎて乳だと認識することができなかったのだ。

『いくらなんでも大きすぎでしょ……って、自分が縮んでいるから余計に大きく見えるのもあるけど』

『ねえ美里。バスタリアンマザーの目的って人間を吸収して自分を膨乳させることだよね? じゃあ人がいないのって……』

『ここに来ていた人間を全員吸収したの……? だとしたらこの大きさも納得できるわ』

『そ、そんな……』

 柔華はかつて自分がバスタリアン化しそうになったことを思い出す。その時は快感に狂わされていたとはいえ、もしかしたら消滅していたかもしれないという死の恐怖が心の奥底から滲み出す。
 バスタリアンの脅威を改めて実感させられ、許せないと思う気持ちが心を覆う。

『柔華、あいつはまだ私たちに気付いてないわ。一気に膨乳して攻撃しましょう!』

 すぐにでも助け出したいと高ぶる柔華だったが、一つの懸念があった。

『だけど美里、あんな大きさどうやって膨乳するの!?』

 バスタリアンマザーの大きさは乳房になった大量の人間を吸収し、すでにスカイツリー並の高さになっている。
 張り合うためには、そんな大きさまで自ら膨乳願望で大きくしないといけない。

『柔華! 忘れたの!? 私たちの膨乳願望を!』

『私たちの膨乳願望……』

『私たちはバスタリアンバスターズよ! 世界最大の膨乳願望を持っているじゃないの!』

『……そうよね美里!』

 バルルンと頷くように弾む柔華。今のバスタリアンバスターズには膨乳できないなんて微塵も思えなかった。
 普段から膨乳を繰り返し、バスタリアン退治にも慣れた二人。この非常識な日常ですら物足りないと思っていたのだ。
 
『それじゃあ柔華はあっちからお願い!』

 膨乳して互いに巻き込まれてしまうことを避けるために間隔をとる二人。
 とんでもない大きさに膨乳する事を想定し、ブレストテレポートを用い、思い切り距離を離した。

『膨乳願望を爆発させるわよ!』

『はあああああああああああっ!』

 小さなおっぱいは砂の上でブルブルと跳ねまわる。豆粒おっぱいの中に満ちていく膨乳願望。

『もっと! もっと!』

 胸に、全身に膨乳願望をチャージする。白い光が何度も全身をつつみ点滅する。

キィィィィィン!

 胸の中に染み込んでいく膨乳エネルギー。

 ドクン。ドクン。

 鼓動が全身を震わせる。

『いいわよ美里! せーの!』

『『ビー・ギガンティック!』』

 無限ともいえる膨乳願望がスパークした。
 轟音と共に衝撃で砂浜に砂煙が巻き上がり、中から突然現れたかのように巨大化する乳房。その場に四つの巨大球体が出現する。

 ブッリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュッ!!!!!

 豆粒サイズから一気に膨乳したのだ。膨らむというより巨大化といった方が速い。
 ヒーローが拳を突き上げてグングンと大きくなるように、一気にバスタリアンめがけて膨乳する。

『あっあああああああああん』

『き、きもちぃいいいいいいいいい』

 豆粒から数千倍に膨れ上がる快感。それは今までの膨乳時を凌駕している。
 
『ッ!?』

 だが膨らむ快感を切り裂くように、全身に電撃が奔ったような衝撃が駆け巡った。
 その直後バルルンと震えて膨乳が完了する。豆粒が巨大建築物になったと考えると、ありえないスピードで大きくなっていた。

『今の衝撃はなに!?』

『柔華! とにかく行くわよ!』

 膨らみ切った瞬間その勢いをつけたまま、バネのように乳を縮ませ、地面に四つの巨大なクレーターができるほどの反動でバスタリアンマザーに飛びかかる二人。

『柔華は左をお願い! 私は右に行くわ!』

『了解!』

『『チェンジ!インバーテッド・ニップル!』』

 一気に膨れ上がり飛び上がった超々乳は、乳首を陥没させてバスタリアンマザーの乳首を狙う。

『『ニップル・コネクト!』』

『いっけぇ!』

『!? きゃぁ!』

 ボインと超々乳同士が衝突したものの、乳首を捕らえることはできず、めりこむような弾力で跳ね返された。
 砂浜に叩きつけられる二人。

『この勢いで私たちが押し負けるなんて!』

『そんな、まさか!?』

 マザーは二人よりも大きかった。美里たちの膨乳がマザーに達していなかったのだ。

『私たちの全力よ!? 膨乳願望が足りないのかしら!?』

『違うわ! さっきの痺れる感じ、あいつに妨害されたのよ!』

 マザーの放つ瘴気が美里たちに干渉して、満足な大きさに膨乳することが出来なかった。

『こんなことも出来るなんて……仕方がないわ! 小さくてもバキューム・インフレーションはできる! 柔華、行くわよ!』

『ええ!』

 ブルンと弾ませマザーに向かってもう一度飛びかかった。

『『ニップル・コネクト!』』

 乳首の正面からの直撃コース。しかし、ニップル・コネクトする寸前でバスタリアンマザーは予想外の行動に出た。
 マザーもインバーテッド・ニップルで陥没乳首化したのだ。

『嘘!? きゃああぁ!』

 陥没乳首と陥没乳首が、そして超々乳同士が激しく衝突した。再び圧倒的な質量の差の前に弾かれ、地面に激突する二人。

『そ、そんな……』

『くっ……。確かに、敵も膨乳生命体だから私たちと同じことはできそうね。バスタリアンも学習しているってことかしら』

 ブルブルと震え狼狽する柔華に対し、冷静に状況を分析する美里。

『ちょっと待って美里、私たちと同じ事ってことは……下手するとこっちが吸い取られるってこと?』

『その通りよ……だからやられる前に攻撃を加えて乳首を引きずり出すしかないわ! 行くわよ! ブレストコンビネーション!』

 バルンと弾ませた美里は突進し、バスタリアンマザーに全身をぶつける。柔華と二人で挟んで乳房を使った全身による連続パンチ。
 しかし質量の差は大きく、表面がバインバインと弾むだけで、ダメージを与えることができない。

『このぉ!』

 二人はバスタリアンマザーを蹴って乳房を弾ませ、ブレストレッグで距離をとる。

『いくわよ!』

 柔華は変形させた乳房を地面に叩きつけ、力強くバウンドさせて天高く飛び上がった。
 大地に衝撃が奔り、二つのクレーターが出来上がっていた。

『ビッグブレストプレス!』

 空中で全身を捻り、超々乳をバスタリアンマザーの上空から落下させる。
 重力によって加速した質量が衝突する。

『え? きゃあぁ!』

 しかしバスタリアンマザーの想像を超えた弾力性が柔華をトランポリンのように弾き返した。

『柔華!』

 遠く離れた美里は、上方向に体を伸ばし肌色のタワーを作り上げた。まるで餅のようにグングン伸びていく。
 そして轟音を立てて、マザーとは反対の方向に倒れた。
 全身を捻ってバスタリアンマザーに狙いを定め、ゴムが弾けるような勢いで突進する。

『はあぁぁぁっ!』

 超々乳は叩き込まれる衝撃の反動で超加速し、ミサイルが如く飛び出した。
 加速する乳の弾丸は空中で回転し、乳首が展開する。

『ミルクバースト!』

 そこからミルクが吹き出しさらにロケットのように加速する。捻りが加えられ、高速回転する乳。
 辺りに乳を噴き散らかし超加速したおっぱいは質量のトルネードと化して、バスタリアンマザーに突撃をぶちかました。

『ブレストォォインパクト!』

 柔らかさが衝突し合い、弾けるような衝撃が砂浜中に響き、爆風のごとく土煙が上がった。

『そんなっ!?』

 美里はバスタリアンマザーの弾力性に受け止められ、全身がめり込んでいた。
 まるでグローブに飛び込んだ野球ボールのように、がっちりとつかまれ、身動きができない。

『くっ! 離しなさい!』

 全身を思いっきり震わせ、ミルクを噴き出すことでようやく逃れる事ができた。

『まさか私達の攻撃にも動じないなんて! どうしたらいいの!?』

『私達が……もっと膨乳が出来たなら!』

 柔華が悔しがり地面に乳房を打ち付ける。
 バスタリアンマザーの全身がボヨンボヨンと揺れ始めた。その巨体が引き起こすそれは凄い揺れだ。
 ムズムズと打ち震える乳首がそそり立ち、そこから黒い霧のようなものが出現した。
 それは美里は見たことのある光景。
 この霧に包まれたものがバスタリアン化してしまう。初めてバスタリアンに遭遇した際も柔華がこれに包まれバスタリアン化してしまった。

『あれは、まさかバスタリアンの膨乳エネルギー!? いけないわ!』

 乳首から噴き出した黒い光流は、一条の光となって柔華のもとに奔った。

『え?』

『柔華!?』

『こ、これは!?』

 ドクン、ドクン。

 同時に柔華の中心から響く鼓動。溢れてくる膨乳願望が柔華の心を蝕んでいく。

『な、なに? この感じ』

 膨乳を妨害され不完全燃焼の膨乳願望が、更なる膨乳を求め黒い光を吸い込み始めた。

『いっやあああああああああああああああっ!!』

 柔華の全身が作る谷間は、押し寄せる竜巻じみた黒い激流を飲み込んでいく。

『柔華ぁぁぁっ!』

 ギュグゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!

『あっ……あっあっああぁーっ!』

 ズルルルルルルルッッ!!!!

 激流の渦はドリルのように回転し、柔華のおっぱいを突き抜ける。そして谷間は激しい黒流を全て吸引し、超々乳がそれを完全に吸収した。
 数秒の沈黙の後、柔華の身体がぶるんぶるん揺れ始めた。超々乳による激しいシェイクダンス。
 こねられる粘土のように、柔軟かつしなやかにグニグニと複雑に変形する。

『ダメぇ! おっぱいが私に!? 私がおっぱいになっちゃってぇ!』

『何言ってるの柔華! 私たちはもうおっぱいよ!』

『違うの! 私が私じゃなくなるのぉ!』

 注ぎ込まれた膨乳願望が柔華の心と混ざり合っていく。

 ボグリュリュリュモモモモモッ!!!

 同時に活性化した柔華の膨乳願望によって、暴れながら膨らむおっぱい。
 バスタリアンの膨乳エネルギーが取り込まれたことによって、おっぱいの性質が変化し、マザーの瘴気を無視して膨乳が可能になった。

『柔華!?』

『あうっ! おっぱいが、止まらない!』

 ブルンブルンブルン!!

 凄まじい揺れで全身がシェイクされる柔華。
 今の柔華は、全身に何かが満ちてそれによって内側から強引に動かされている感覚。止めようと抵抗しても無理やり突き動かされる。
 柔華の抵抗を跳ねのけ、バインと弾けた。
 超々乳はグググと全身を捻ると、バヨンと飛び立ち、美里に襲い掛かった。

『私のおっぱいがいうことを聞かないの! 美里! とめてぇぇ!!』

 辛うじて美里と会話することは出来たが、乳房は完全にコントロールが効かない。
 それはかつて柔華がバスアリアン化しかけた時とは違い、肉体が完全にバスタリアン化してしまった。
 柔華の意識もバスタリアンに取り込まれるのは時間の問題だろう。
 今の柔華の超々乳は柔華自身の膨乳願望をもさえ取り込んだ、他のバスタリアンとは次元が違う存在。言うならば進化したバスタリアン、バスタリアンニューカ。
 そして超々乳同士が激突した。至高の弾力の織り成す衝撃が美里を襲う。

『あぁんっ! 体が……勝手にぃぃぃぃぃぃ!!』

 美里よりも大きくなったバスタリアンニューカは押し潰すように圧し掛かり、美里の全身が大きく歪む。

『ちょっとぉ……ああん……やめなさい……柔華ぁ……っ!』

『と、止まらないのぉ!』

 さらに美里を力強く責め立て、おっぱいを潰し変形させる。
 普段の訓練の時よりも激しく大胆に。そして普段のバスタリアンとも違う濃厚な押し。
 全身で揉みこみ、おっぱいとおっぱいがいやらしく、ねっとりとこね合う。

『あっああああっああああああああああ!!!』

 バスタリアンニューカはガバッと乳頭を上に向けた。するとみるみるうちに太くそそり立つ乳首。それは震え始め、高速振動する。
 激しいバイブレーションは並の金属なら触れただけで削り取ってしまうほど。乳首はもはや掘削機械のようなものになっていた。

『そ、そんなもの駄目よ!』

 美里は全身を使って抵抗するが、バスタリアンニューカは巧みに乳を変形させて抑え込む。

 ギュイィィィィィン!

 振動する乳首をゆっくりと美里に近づけ、

『そこはダメエエエエエエ!』

 陥没乳首に突っ込んだ。

『いっあああああああああああああああああああああぁぁっ!』

 バイブするそれは陥没した乳首を激しく責め立てる。
 美里の陥没乳首に雷に打たれたかのような衝撃が駆け巡り、全身がブルルッと震える。
 染み出すように美里から母乳が溢れトロトロと流れ出し、バイブレータ乳首のピストン運動を潤滑させる。
 そしてニューカの乳首はそのまま穴の中に母乳を発射した。

『ふぎぃいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!』

『ああああああああああああああああああああああああああっ!!!』

 美里と柔華は訓練時よりも激しいと凹の絡み合いに狂ったような快感を全身で味わう。
 強引に大量に注ぎ込まれる母乳を貪欲にも吸収しようとする美里のおっぱい。しかしそれはバスタリアンの膨乳エネルギー。美里に乳房に反発し効果は絶大だ。
 ビクンビクンと震える事しかできず、動くことが出来なくなった。
 陥没乳首からズボっと抜き振動を止めると、バスタリアンニューカは邪魔だと言わんばかりに美里をボヨンと弾き飛ばした。

『柔……華!』

 かつてないダメージを受け、ぐにゃりとつぶされた餅のように倒れる美里。
 バスタリアンニューカは震えながらマザーの元へと向かっていった。
 その時美里は気付いた。
 今のバスタリアンの本能は全てマザーへの融合。それはバスタリアンとして上位の存在になったニューカでも変わりはない。

『まさか……自分から吸収されようと……行っちゃ……だめ……!』

 力を振り絞って、びくびくと震える全身をなんとか回復させる。
 ニューカに向かって跳ねようとするが、マザーの放つ霞が美里に絡みつき、動きを止められた。

『ちょっと……やめなさい!』

 その上胸の中に入ってこようとするが、美里は乳の谷間を絞りガードする。
 するとバスタリアンマザーが震え始め、バルンと跳ねると陥没していた乳頭から勢いよく乳首がせり出した。
 それは直径50メートルはある、ビルのような尋常ではない大きさの乳首
 そこから決壊したダムのように豪快に母乳が噴き出した。ものすごい勢いで放出され一条の軌跡を作り出す。そして真下の海に流れることはなく、直前で方向を変えて空中で絡み合った。
 母乳はその一点にどんどん集まっていく。
 止まることなく注ぎ込まれ、母乳の塊はかなりの大きさになり、ミルクでできたボールとなって宙に浮いていた。
 美里よりも一回り小さい程度になったとき母乳の供給が止まった。そして二つに分かれるかのように、球体は乳房状に変化した。それは正にミルクでできたバスタリアンそのものだ。
 たぷんたぷんぷるぷるとミルクプリンのように震えると、球体から触手状に全身を変形させて美里に絡みつく。
 液体だったとは思えないかなりの力で締め付ける。

『ッ!? しまった!』

 糸のように長く鋭くなって巻き付き絡み合い、全身を揉みながら縛り上げる。何度も何度も緩めては締め付けるそれは、美里を大胆に変形させ続ける。
 美里が動きが止められている間に、ニューカはマザーに接触した。
 巨大な質量同士が衝突する激しい衝撃の後、ニューカは融合しようとグニグニと擦り、食い込むように押し付ける。
 伸びあがり絡みつくその姿はまるでナメクジの交尾のようだ。
 互いの弾力でもっちりと弾きあう。かなりの大きさと密度のせいなのか、他のバスタリアンのようになかなか融合できない。
 埒が明かないと悟ったのか、柔華はマザーに差し出すかのようにそそり立った乳首を向けた。
 バスタリアンマザーが乳首を再び陥没させる。噴乳したばかりの巨大な乳首が、グググと乳輪に沈んでいく。そして完全に埋まり切ったら、その陥没した乳首という口を広げ、美里の乳頭にかぶりついた。

『あっあぁぁん! きもひいぃいいいいいぃっ!!』

『あれは……ニップルコネクト!』

 痛みと快感の混ざり合った刺激が柔華を襲う。そしてバスタリアンマザーが膨らみ始めた。
 それは体積が増え、バスタリアンマザー内部の圧力が下がる現象。つまり、

『まさかバキューム・インフレーション!?』

 そう、数々のバスタリアンを吸収してきたバスタリアンバスターズの必殺の技。
 それが今バスタリアンによって柔華に行われようとしている。

『柔華ぁぁ!』

 美里が乳房を震わせて叫ぶが、柔華の意識に届くことはなかった。

 ギュオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!

 マザーはニューカの乳首を思い切り吸い上げる。全身がバスタリアンと化した柔華には抵抗すらできない。
 胸の中が熱くなっている。しかもおっぱいそのものがその熱でとろけているようだ。まるで鉄板の上のバターが溶けていくように。
 とろとろになったおっぱいは中心から溢れ出し、それが乳首になだれ込む。
 吸い上げられる乳首はもう耐えられず、気持ちよさが極限に高まるのと同時に最後の抑えが決壊した。

『か! い! か! んんんんんっ!』

 ニューカからミルクと共に膨乳エネルギーーが勢いよく吐き出された。

 ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!!!!

 それは圧倒的快感。抵抗なんてできやしない。快感に溺れ、おっぱいに身を委ねた。

『あっひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!』

 膨乳エネルギーがマザーによって吸引され、ニューカの全身は縮乳されていく。
 自分の身体が外に抜け出していき、自分ではなくなる未知の感覚。互いに吸い合う特訓している時とは何もかも違うおぞましい感覚だった。
 乳房そのものである柔華にとって、乳房が吸収されるのは自身が吸収されているに等しい。消滅するという恐怖が津波のように襲い掛かる。しかし恐怖すら快感に変わるカオス。
 命を削るほどの極上の快感は今まで味わったことのないものであり、この幸せを柔華には止められるものではない。

 ゴクゴクグググググググググ!!!

 ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

 膨乳エネルギーを飲み込んでいき、反対にガンガン膨らんでいくマザーのおっぱい。

 ムクムクムクッ! グムッ! グムッ!! グッグッグググンンンッ!!!

 柔華の強い膨乳願望がただでさえ大きいマザーをさらに大きくする。
 直径1キロメートルを超えるおっぱいは海から飛び出している双子島となっている。バストサイズで換算すると6キロメートルまで達しているだろう。
 膨らみ続けるおっぱいはもぞもぞと震えている。欲深いマザーも濃い膨乳願望の乳もたれを起こしているようで、これ以上の膨乳を防ごうと乳首を外そうとするが、がっちりとニップルコネクトされているせいで離せない。
 吐き出すことさえも快感へと変わっている今、柔華がマザーに膨乳願望を押し付けている状態。柔華がマザーに吸われているという状況は変わっていないが、完全に攻守は入れ替わっている。
 何かも身にゆだねてマザーの中に吐き出し、どんどん小さく萎んでいく。
 今やバスタリアンニューカはバキュームインフレーションの開始時から半分ぐらいの大きさになっていた。

『いっちゃううううううううううううううっっっ!!!!!』

 限界まで高まった快感が、ニューカ自身を一気に膨乳エネルギーに変換させた。
 膨乳願望が固まってできたような膨乳エネルギーの塊となり、一瞬で超々乳すべてが乳首の中に装填される。
 そして一気にマザーの乳首内に発射した。

 ズッッッッポォォォォンッ!!!!

 激しい衝撃と快感の織り成す膨乳エネルギーのバズーカが体内に叩き込まれる。すでに半分ほどになっているとはいえ、圧倒的な質量が乳首の中へと一気に入って来るのは耐えられず、激しく身を震わせる。
 バスタリアンマザーの乳内は暴風のごとく爆発し、強引に膨乳エネルギーを染み込ませる。
 とどめといわんばかりに銜えられたニューカの乳首もそのまま陥没乳首の中で膨乳エネルギーとなって炸裂した。
 こうして柔華という存在はその乳ごと完全に吸収された。

『にゅ……柔華!』

 柔華の膨乳願望を取り込んだバスタリアンマザーはひきつったかのようにビクンと震わせた。
 ドクン、ドクンと、マザーのおっぱいが巨大な心臓になったかのように拍動を打っている。
 山のようなおっぱいが紅潮し、苦しそうにグニグニと全身をうねらせる。中では膨乳願望というトルネードが暴れ狂っていた。
 ぐぱぐぱと開く陥没した乳首の穴から、湧き出るようにミルクが流れ落ちる。
 その大きさから滝となって、海に流れ辺りをじんわりと白く染めていく。

『柔華を吸収して苦しんでいるっていうの? もしかしてこのままじゃ……』

 美里は初めてバスタリアンと戦った時を思い出す。柔華を吸収した美里は彼女の膨乳願望によって意図しない膨乳をしてしまった。それはつまり……。

 ブリュッ! ブリュッ! ブリュリュンッ!!! ブリュリュリュリュリュンンン!!

 マザーは勢いよく膨らみ始めた。柔華の膨乳願望によって強制的に力強く押し盛り上がるおっぱい。

 ボリュリュリュリュリュリュリュ!!! ボン! ボボボン!!! バリュリュリュリュ!!!

 グボボボボボボボボボンッ!!! ボォン! ボォン! ボォォンッ!!  ギュオオオオオオン!!!

 ボムン! ボムン! ボッムン!! ボボボッボンッ! ボッムンンンッ!!!

 島ほどある乳房の膨乳は海面に激しい荒波を立てて体積がさらに増していく。
 さらに圧倒的質量の増加と同時に震える乳房はその振動で大地震を引き起こす。辺りのコンクリートは滅茶苦茶に割れ、建物が倒壊する。
 まるで乳の津波のように押し寄せるそれは数百メートル離れていた美里のもとへ迫って来る。
 しかし美里は縛りつけられたままで動くことが出来なかった。絡みついたバスタリアンはグググと力強く締め付けた後、もにゅんもにゅんとおっぱいをもみほぐす。

『離れられない……! ああぁ!』

 そうこうしている間に迫り来る山のようなおっぱいは美里を巻き込んで踏みつぶす。
 膨らむマザーは海岸を侵略しつくし、さらに割れた道路を乗り越え、瓦礫と化した建物の山を押し潰し、均していくロードローラーのようにこの地を蹂躙していく。

 グググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!

 まるで大地が叫んでいるような不気味な音を捻りだし、成長していくバスタリアンマザー。
 その規模は噴火した後の島が噴石や溶岩の影響で大きくなっていく状態に似ていた。しかし違うのはそのスピード。今や柔華を吸収し始めた時から二倍いやそれ以上。さらに一回り、二回りと目に見えて大きくなっている。
 普通、島のようなマクロな物体が多少の膨張しようが認知すらできないだろう。大きければ大きいほど、一回り大きくなるだけの必要な体積は必然的に大きくなる。それでも目に見えて大きくなっていくこの状況、常識を超えたものすごいスピードで膨乳している。遠くから見ればあっという間に山が出来上がる幻想的な光景だっただろう。

 今度吸収したおっぱいは、今までのバランスボール級とは比べ物にならない膨乳の怪物。小さな体に、膨乳生命体として最高レベルになったマザーの膨乳願望を軽く超えた膨乳願望を持っていた。バスタリアンマザーは吸収したおっぱいの欲望に全身を乗っ取られているような状態であり、ひたすら膨乳するマシーンと化していた。
 バスタリアンバスターズとして戦っているうちに地球上で最大級の膨乳願望を持つに至った柔華の膨乳願望。そして貧乳ゆえのコンプレックスをこじらせていた単純かつ強大な来夢の膨乳願望。その二つの強力な膨乳願望が混ざり合いさらにマザーの持つ敏感すぎる膨乳能力、バスタリアンのパワーが合わさり、暴走した膨乳はさらに加速していく。
 奥行き、横幅、高さ。その三次元的な方向に膨らむおっぱいは海面から丸く飛び出して、日本に新たな山脈が出来上がったといえるほどの大きさにまでなってしまっていた。
 日の光を浴びてつややかに輝く肌色の双つの山。それはまるでの本が誇る富士山のように大きくそびえ立っていた。それもそのはず、膨乳したおっぱいの標高は直径約4キロメートル。ようにではなく、物の数分で富士山、日本の一番大きな山を越えてしまったのだ。
 200キロメートル以上遠くからも見える肌色の山脈。
 日本一の山となったおっぱいは、もはや膨乳願望が生み出した乳の化け物。理性なんてものはひとかけらも残ってはいない。膨乳願望という本能に従うのみだった。

 ブルブルと打ち震える巨大乳山。その頂上に開いた穴から、淡いピンク色の乳首がせり出し始める。
 太くたくましい二つの頂点は上へ上へとものすごいスピードで伸びあがっていき、富士山おっぱいから飛び出したそのサイズは東京タワーほどの大きさになっている。
 あっという間に成長しきった乳首はビグンッと最大限に張り詰める。目にも見える輝きと化した膨乳エネルギーがおっぱいの表面を駆け巡り、光が二つの山の中心に染み込む様に溶け込んでいく。
 膨乳願望によって生成され、おっぱいの中で練り込まれていくエネルギー。おっぱいが満杯になったのかドクンッ! と強く地面を叩いた。
 超々乳はまるで心臓のようにドクッ! ドクッ! と脈を打つ。その大きさもあり相当な振動を辺りに響かせる。
 おっぱいいっぱいにチャージされていたエネルギーが駆け上る。弾丸が装填され、ビンビンにそそり立った乳首はびくん! びくん! と痙攣をし始める。
 遠くから見ても悶えているのがわかる。富士山いっぱいに貯め込んだ何かをそこから出したくてたまらないのだ。
 乳首が内部から迫りくる何かのためにその身を震わせ悶えさせ――。
 そして富士山おっぱいの噴火が起こった。


 バッッシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!!


 地を震わせる轟音と共に白い液体が、荒荒しい勢いで噴き出した。
 天に向かって駆け上る二本の柱。それは空の上まで到達すると濃い霧のように拡散して広がっていく。
 それは膨乳願望を刺激し胸の成長を促進するガス状のエネルギーだった。もちろん膨乳した後はバスタリアンに融合されるのと同じく乳房に取り込まれバスタリアン化してしまう。
 ただひたすら膨乳したいという欲望によって生み出された夢の、いや悪夢のようなエネルギー。
 世界一の大きさのおっぱいが求める更なる行動は、全人類の膨乳。
 マザーが入ヶ浜で観光客を膨乳させて吸収したように、今度はその規模を日本全域、そしてそれ以上に広げようとしていた。全ての人類を乳房にして吸収し、更なる膨乳をするために。
 噴乳の勢いが全く衰えることのないおっぱいはその身を強引に振り回し、放水したまま暴れ狂うホースのように膨乳エネルギーの激流を縦横無尽にまき散らす。
 日本の傍の海面がだんだんと白く染まっていき、辺りが白い霧に包まれる。地形を変えんとする勢いで暴れる富士山乳から放たれ続けるおっぱいミストは太陽の光を遮り、地球全域を飲み込んでいく。
 世界中に広がった純白の霞はもう誰にも止められない。地球全域で乳という乳の膨乳が始まろうとしていた。


その2へ続く