今、美里の溢れんばかりの膨乳願望は巨大な肌色の山を作り上げる。その膨乳スピードは今までとは段違いだ。
「はああああああああああっ!!!」
グゴォォォォォオオオオオオオオオオオッッ!!!!
「これがビーネと私の本当の力!」
直径一キロメートルを超え、なお胸から湧き上がる乳房はただひたすら大きくなり、倍以上のサイズになってもさらに膨らみ続ける。
膨乳願望が増幅されそのまま現実になる最高の快感が雪崩のように胸全体に押し寄せる。その胸の底から燃え上がるような熱い感覚はもはや新次元。
そう、覚醒した美里は暴走するバスタリアンマザーよりも膨乳能力を引き出すことができるようになったのだ。
「超乳を超え、超々乳をも超える乳……これが極超々乳!」
激しい膨乳による衝撃が辺り一面を襲い、海面を抉りながらそびえ立ったその乳房、まさに極み。
ビーネとの融合で進化した美里は極超々乳(ごくちょうちょうにゅう)へと膨乳することが出来るようになった。
プルプルと瑞々しくたわむ表面は柔らかく、芯はしっかりしなやかで硬い。
海面から飛び出した二つの山はまさにそびえたつ富士のごとし。その中心に最後の人類が一人挟まれている状態だ。
「チェンジ! フル・ブレスト・モード!」
だが最後の人類は、湖に滴る雫のように一瞬で乳房の中に消えていった。
完全に乳房そのものとなったことで膨乳生命体に近づいた美里の膨乳能力はさらにパワーアップする。
ひときわ大きくドクゥンッ!と胎動する乳房。
『ブレスト・フラァァァイ!!』
餅のようにしなると荒波を立てながら、富士山おっぱいがふわりと浮き上がる。膨乳生命体に近づいた美里は、戦いの記憶からビーネやバスタリアンのように宙を自由に舞う能力を得たのだ。
地面から離れた二つの球体は成層圏まで到達するぐらいまで上昇したところで停止した。
『ブレスト・レーダー!』
ブルンッ! ブルンッ! ブルンッ! ブルンッ!
富士山級の質量が揺れ暴れるインパクト。一回振れるたびに、振動が大量の膨乳反応をキャッチする。
これも普段ビーネがバスタリアンを感知するための能力だ。
全人類が膨乳した今、バスタリアン反応は大陸全てから発生してしまう。しかし中でも最も強大な膨乳反応がある……それがバスタリアンマザーだ。その場所は……。
『富士だ……バスタリアンマザーは富士まで移動している!』
『わかったわビーネ! ブレストテレポート!』
ブルンブルン揺れた極超々乳は、見えない穴に吸い込まれるように姿を消した。
瞬間富士上空がねじれたかと思うと、空を突き破ってそこにバリュゥン! とフジヤマおっぱいが出現した。
『なによこれ……!?』
転移した先には、肌色の山が広がっていた。かつての富士山の頂上にだ。
もう富士山はふもとから半分ほどしか視認ができない。
日本最大の山をもはるかに越えたバスタリアンマザーは富士山を被さるように覆い、もぞもぞとうごめくような動きを続けている。
『ビーネ……これは一体何をしているの!?』
『あれは……ボーリングだ』
「ボウリング?」
美里の頭をよぎったのは球を転がしピンを倒す方だった。理解を待たずにビーネは続ける。
『乳首をドリルに変形させて穴を掘っている』
『え、乳首ドリル……それも有りよね、っていやいや、ビーネ! どういうことか教えて』
『地球の核に穴をあけ、自らの膨乳エネルギーを流し込むつもりだ。そんなことをされればバスタリアンの高密度な膨乳エネルギーによって膨張した地球は崩壊する!』
『大変じゃない! 人類だけじゃなく地球まで……許さないわ!』
『だが、どういうことだ? なぜ地球を?』
その時、地球が震えた。
空に浮かんでいる美里でさえも、肌で感じる巨大な振動。
『まずいぞ……すでに膨乳エネルギーが送り込まれている! 一刻も早くバスタリアンマザーをここから離さなければ!』
『短期決戦ということね……』
少しの沈黙の後、ぶるると震えた。
『だったら!』
弾むように宙を蹴って飛び跳ねる美里。
『どうするつもりだ美里!?』
『まず柔華を助けるのよ! 私達二人じゃないとこのマザーは倒せないわ!』
バスタリアンマザーは地脈に沈み、そこに母乳を流し込んでいる。その中心の谷間の割れ目に狙いを定め、揺れながら加速する美里。
『パワーアップした私ならこういうことだってできるのよ! いっけぇ! ブレスト・ダイブ!』
バスタリアンマザーに激突したかと思うと、その深い深い谷間に吸い込まれるように美里は内部に侵入した。
『これは……。まさか、これが美里の新たな能力……!』
『そう、バスタリアンの膨乳願望に干渉することができる力! ブレスト・コントロールよ!』
膨乳者が膨乳生命体と共に戦った経験は、次の膨乳者に新たな記憶として引き継がれていく。その積み重なった経験をフィードバックするだけで今まで十分すぎるほど戦えたため、膨乳能力の発展もなかった。
美里が使ってきた特殊能力はブレストレッグも、ブレストアイも、バキュームインフレーションも、すべて膨乳生命体が超々乳状態での戦闘を可能とするために生み出した能力だ。
そしてフルブレストモードもブレストフュージョンも先人の記憶からインスピレーションを受けた応用技に過ぎない。具体的には思い出せないが、以前の膨乳者が似たような事をしていたことは記憶の中に確かにある。
だが今美里が覚醒した能力はかつての戦いの記憶にはない全く新しい力。
『そう、永い間新たな膨乳能力の発現をする者はいなかった……なのに美里、君は……』
『この力なら膨乳願望に吸収された柔華を助けることが出来るはず!』
肉体と融合するブレストフュージョンとはまた違った融合能力であるブレストコントロールは相手の精神に干渉し、膨乳願望をコントロールできる力。
それは常にありとあらゆる膨乳のことを思い続け、自分だけでなく他人が膨乳する姿まで考え続けていた美里ならではの能力といってもいい。
バスタリアンに突入した美里が暗い闇の中をしばらく進むと、その先には明らかに異質な空間が広がっていた。
『ここが……バスタリアンの胎内か!』
『うわ……なにここ? 不気味としか言いようがないわね』
まるで闇のように黒く濁った壁に覆われて、そこから肌色の何かが歪に膨れ上がっている。そして無数の球体が宙に漂っていた。
薄暗く、不自然に生物的で、確かに大半の人が不快感を抱くだろう。
そこは体の中、というよりは膨乳願望の作り出した精神空間に近い。乳房と精神の狭間にあり、質量という常識は通用しない。本来ならこの中で、美里が宿主の膨乳願望を制御できるはずだ。
『しかしまあ、私たちが融合せずに精神空間でそのまま動けるなんて、谷間に異次元ができたみたい。マザーってほんとにおかしな構造になっているわね』
『おそらく人間を強引に吸収し過ぎたせいだろうな。何かしらの異変が発生し体質が変化してしまったのだろう』
『ほんと膨乳生命体って不思議。さあ柔華を探しましょう』
美里が言い終わる瞬間には早速ブレストレーダーが反応し、全身がブルッと震える。
『美里、柔華の膨乳反応だ』
『ええ、すぐにわかったわ。あの奥の大きいのが柔華ね』
奥には一番目立つ、周りの中でも一際大きい肌色の塊があった。
空間を浮遊していた美里はボインと弾ませ、その奥に向かう。
その動きに辺りが反応を起こした。漂っていた球体がぎろりと震わせて一斉に襲ってきた。
『ッ!? 何か来たわ!』
『精神内だろうと我々に攻撃してくるか!』
『胎内の防衛システムってことね!』
大量に迫って来るそれは片方だけの乳房といったようなもので、乳首はあるがそこ以外は完全な球体。バスタリアン胎内の防衛システム、バスタリアンボールだ。
取り囲むように四方八方から襲ってくるバスタリアンボールの猛攻をブリンと揺らして避ける美里。
『無駄よ! ブレストアイで全部見えてるんだから!』
美里の視界は360度、オールレンジだ。下からだろうと、後ろからだろうと全て見えている。乳房全身を手足のように扱える美里にとって避けることなど容易い。
全身を揺らし、そして変形させてひらりひらりと巧みにかわす。
ある程度近づくとブルンと振れるように回転して抜き去り、一気に肉薄する。動く暇すら与えないまま、中心にある巨大乳房の乳首にかみついた。
『柔華は返してもらうわよ! バキューム・インフレーション!』
美里は進化した膨乳願望を開放し、バキュームインフレーションで一気に吸引する。
乳房から大量の膨乳エネルギーが吸い出され、同時に膨乳していく美里。
『んっ! 凄い膨乳願望!』
壁の膨らみは美里の超吸引力によって、いきなり真空になったかのようにぺしゃんこになった。
膨らみが持つ全てのエネルギーを吸収しさらにドカンと盛り上がる美里。その膨張を隙だと判断したのか、バスタリアンボールが数の暴力で襲い掛かってきた。
『美里! 来たぞ!』
『もう! まだ膨乳してるのに!』
頭の中が膨乳一色に染まっている美里にとってそれを邪魔されることは我慢ならなかった。
壁からニップルコネクトを強制解除すると、膨らみ続けるままブルンと振り返った。
『今ならあの力も使えるはずよ! いっけぇ! ニップルコネクト・スプレー!』
美里の怒りが膨乳の力をパワーアップさせる。
もごもごと震えた陥没乳首がせりあがったかと思うと、拡大しながら無数に分裂して、バスタリアンボールの乳首を捉えた。
『もっとよ! もっと!』
枝分かれした乳首からさらに別れて増え続ける。地を這う根のように伸びた乳首は、ホーミングしながら無数のバスタリアンボールに連結される。
そう、かつて異次元で戦った時に発動させた力を自らの力で再現しパワーアップさせたのだ。
そして拡散する乳首はついにはすべてのボールと直結した。
『膨乳を邪魔した怒りを思い知りなさい! バキューム・インフレーション! スペシャル!』
ジュギュゴゴゴゴオオオオオ!!!!!
バスタリアンボールは乳首の管の中を運ばれ、特大のエネルギーの塊となって美里に流れ込んでくる。
大量のバスタリアンボールを一気に吸い干したそれはバキュームそのもの。まさに一騎当千。恐ろしい速度で中身が抜かれ、たった一瞬ですべて吸収した。
伸びた乳首は一つに収束しながら、巻き取られるメジャーのように根元に格納された。
『あんっ!』
大量のエネルギーを吸い取って、パンパンの容量になった乳内で押し広げられる。
『んっんぅぅっ!!! しゅごぉぉぉぉいい!!!』
力強く膨らむ。揺れるたびに大きくなる。ボヨンブルルンと揺れる間には、すでに二倍ほどに膨らんでいた美里。
ドクッ!!! ドクッ!!!
激しい脈動が美里を突き震わせ膨らませる。だが後から尾を引いて更なる膨乳願望が襲ってきた。超過していたエネルギーが二次膨乳分となってようやく消化を始めたのだ。
『ヘァッ!? キ……キタァ!?』
ブル! ブル! ブルルッ!!! ブルルルルルッ!!!!!
『ひぅぁぁぁああああああああああああああああああああっっ!!!!!』
ブリンブリン悶えるように揺れまわりながら、猛烈な勢いを加速させて膨乳する。
大量のエネルギーが暴走して爆発的な膨張を生む。全身を振り回し暴れる美里。ただひたすら大きくなるおっぱいは前に、左右に迫り出していく。一回りどころか二回りも三回りも一瞬で大きくなりながら、ガンガン膨らんで、暴力的な成長を遂げていく。
何度も何度もおっぱいが振り回された後、膨乳の波がおさまり、ようやく落ち着いた。
『うっ……うぅ……こんだけ膨らませるのはなかなかきっつい。精神空間で大きくなったら、外ではどうなるのかしら……』
『それは私にもわからないな』
『ふぅ。この空間、自分がどのくらいの大きさかあんまりわかんないのよね。んっ』
ボヨン、ボヨンと何度か全身を大きく揺らしてみせる美里。
『さて……柔華を呼び戻すわよ!』
『膨乳願望はすべて取り込んだ。ならば……』
『ええ、私に吸収された柔華の膨乳願望。それはつまり柔華そのもの! だから!』
グルングルンと乳は回転を始めた。そしてエネルギーを胸元へと集中させる。
『チェンジ! ノーマルモード!』
まるで水面に浮かび上がるかのように体が後ろ向きで現れた。
谷間から現れたのは、美里の体ではない。美里の体内で眠っていた柔華の体だ。初めてバスタリアンと戦った時と同じだ。吸収した柔華の膨乳願望から肉体を復活させたのだ。しかも今は膨乳能力を生かして、ブレストフュージョンと同じような状態で復活が出来た。
しかし目は瞑ったままで、気を失っているようだ。
『起きて! 柔華!』
美里は全身を震わす。柔華に極超々乳のが揺れる感覚が胸元から襲い掛かる。
「んっ……みり……!?」
『柔華! よかった!』
「いったい何が……起こって……きゃああああああああああああああああああぁぁぁぁっ!?」
柔華が目覚めた瞬間突如として空間が震えた。バスタリアンマザーの膨乳願望が吸収されたことにより、精神空間の崩壊が始まったのだ。
激しい振動によって一緒に美里まで凄まじく揺れる。体感的にはまるで洗濯機に叩き込まれたような激しい振動。それは乳房である美里は多少の衝撃でしかなかったが、人間である柔華にとっては命にかかわる大ダメージだ。バスタリアンバスターズとして普段から戦っていなければとっくにぐちゃぐちゃの肉片になっていただろう。
『美里! このままでは柔華が危険だ!』
『長居は無用! 脱出よ!』
「くぅぅ……美里? これはどうなっているの。どうして美里が私のおっぱいに!?」
『バスタリアンに吸収されてたのよ。これ以上の詳しい話は後よ!』
「わ、わかったわ!」
『ブレストテレポート!』
ぶりゅぅんと乳の揺れが空間の歪みを作り出し、バスタリアンマザーから少し離れた空中に現れた極超々乳はたゆんとバウンドして着地する。おっぱいは柔らかくとてもかわいらしい動きをしているが、規模は轟音と共に津波が巻き起こる大災害レベルだ。
『マザーは!?』
見ればマザーはボーリングをやめ、富士山の上で悶えるように震えていた。
「やったの?」
『まだだ。マザー本体の膨乳願望がまだ残っているぞ!』
グゴッ!! グルルルッ!!!
マザーから唸るような不気味な怪音が響く。それはだんだんと大きくなっていき、
ブルブグゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!!!
ついには大地を震わせ、富士を挟んで飲み込みながらバスタリアンマザーが大きくなっていく。
「えぇ……まだ大きくなるの……?」
『なら、今度こそ決着をつけるわ! 柔華! いけるわね!』
「……もちろん! 私の膨乳願望は爆発寸前よ!」
『「ブレスト・アウト!」』
掛け声とともに柔華は美里から分離する。おっぱいとなっていた美里から離れたことで胸が平らになっていた。
そして美里の上で仁王立ちになって、
「ふんっ!」
爆乳――そして臍をも隠す超乳まで一気に膨らませた。その勢いでバルンバルン震わせる。
「見てなさいバスタリアン! これが私の……本当の膨乳願望よ! はあああああああああああああっ!!!」
ゆっさゆっさと周期のたびにさらに加速。乳房が揺れる。暴れる。
ブルルルルルゥゥン!!!!!
そして柔華は一気に胸を突き上げた。
「ビィィィィィィギガンティィィィィックゥウッ!」
膨乳エネルギーをため込んだ超乳がスパークする。一気に身体を追い越すと、谷間に吸い込まれるようにそのまま融合する。フル・ブレスト・モードとなって加速する膨乳。
膨らむ勢いを利用して、美里のおっぱいで弾み天高く舞い上がった柔華は、まるで打ち上げ花火のように炸裂する。空中で何度も何度も爆発的に膨れ上がった。そして回転しながら元気満タンでさらに膨らむ。
ただでさえ快楽のためにあり得ない膨乳願望を持つ柔華だが、バスタリアンマザーに吸収され胎内の膨乳願望を取り込み、さらに美里とビーネとの融合が合わさって、かつてないほどパワーアップを果たしていた。
美里の真上で大きくなる柔華。バスタリアンバスターズの片割れの膨乳願望は伊達ではない。
どんどんと膨れ上がっていく柔華は一気に美里を超えて大きくなる。
『流石柔華! 私もフルパワーよ!』
美里も負けじと膨乳し、二組の肌色の魔弾は弾力でせめぎ合って弾み大きくなる。
『教えてあげるわ! これが私たちの膨乳よ!』
グン! グン! グン! グッググン!!!
何度も一回りずつ大きくなる双乳。このサイズで一回りというのは、相当の大きさだ。
ボグン!!! ボグン!!!! ボグボグッ……ボッグゥゥン!!!!!
さらにさらに膨れ上がって、右がボッォォォン!!! 左がボッォォォン!!! 二人は回転しながら轟然と膨らんでいく。
『私たち二人は!』
『『バスタリアンバスターズ!』』
極超々乳の二人が爆発的にブルンと跳ねて、ズドンと着地する
富士山越えの肌色山が4つも並ぶ壮観な光景だ。それだけ二人の今の膨乳願望の強大さを表している。
直後、二人がゆさゆさと揺れる。
『あら、これは……んっ』
『思いぃ……出したわっ!』
二人の覚醒した膨乳願望がおっぱいに眠る戦いの記憶を呼び起こしたのだ。
『何を思い出したの美里? 私も思い出しそうなんだけど……ムズムズしちゃってぇ』
思い出しそうで思い出せないその歯がゆさが柔華をぷるぷると震わせる。はぁ、とぶるっと揺らしてあきれる美里が続けた。
『私たちの……新たな力よ』
『新たな力……?』
『そう、超乳合体よ! 私たち二人で合体して、膨乳エネルギーを一つにするのよ!』
『え? がったい……? どういうこと?』
不思議そうに柔華がぶるると震える。だがその瞬間二人の記憶がシンクロした。秘められた過去の戦いの記憶から合体技のイメージが柔華の胸に、全身に駆け巡る。
『あ……私にもわかったわ。いける……いけるわ美里!』
美里に融合しているビーネが二人に語りかける。
『これは、かつて膨乳生命体を打ち倒すために膨乳戦士同士が合体した最後の手段だ。今の君達ならかつての戦士たちとは比べ物にならないほど強力な最強形態となるだろう』
『ふふん。二人のパワーならどんなおっぱいにも負けないわ』
強靭な膨乳願望を持つ選ばれた二人にのみにしかできない奇跡の技。しかしそのパワーゆえの欠点があった。
重い口調でビーネは続ける。
『……だが、合体には二人の高度な連携が必要とされる。サイズや膨乳願望の強さを揃え、コンマ一秒の狂いもなくエネルギーを同調させなければならない。もし、うまくいかなければ……片方に過剰な膨乳エネルギーが集中し肉体が崩壊すしてしまうだろう。……いいのか?』
『……わかっているわビーネ。それは思い出したときに過去の記憶が教えてくれた』
『ならば……その危険性がわかるだろう。これは、最後の手段なのだ』
『心配しないで。ずっと私達と戦ってきたビーネなら分かるでしょ? 私たちなら大丈夫だって、そうよね柔華?』
『ええ。私、美里を信じてるから。全然失敗する気がしないもの。それにこんなにすごい快感を味わうチャンスを逃がすわけにはいかないわ!』
『あーハイハイ』
『何よ。美里が年がら年中毎日常にいっつもずっと膨乳膨乳膨乳言ってるのと同じじゃない』
『そんなには言ってないわよ』
『嘘! 毎日毎日聞き飽きてるもん』
プルプルと震える二人をしり目に、暴れるバスタリアンマザーが唸りながら迫って来た。
『二人とも! マザーが来たぞ!』
瞬間、気持ちを戦闘モードに切り替えた二人の振動がシンクロする。一寸違わず揺れる二人は地面を蹴って合体の為に天へ跳び上がった。
その動きは流れるようにスムーズで、言葉を交わさずとも自然に息の合う二人の友情が生んだ連携だ。
初めて会った時から感じている無限の可能性。ビーネはそこに強く賭けてみたいと感じていた。
『流石だな……心配した私が野暮だったようだ』
『当然ね。だって私たちはバスタリアンバスターズよ?』
『じゃあ、やるわよ! 美里!』
『もちろん! いっくわよ!』
二つの乳は螺旋を描きながら上昇し、引き寄せ合って激突する。物凄い弾力を空間に響かせて、まるで相撲のように何度も何度も互いに刺激し合う。
その衝撃は激しい振動となって地面に降り注いだ。
『私は右乳になるわ!』
『わかったわ柔華! それじゃ、私は左乳になるわ! せーの!』
『『シンメトリカル・ニップル・コネクト!!』』
二人が叫ぶと、お互いの弾力を駆使し弾んで距離をとった。円軌道で回転する二人の身体。
『んっ!! はぁぁぁあああああああああああああっ!!!!!』
合体の為に膨乳願望を高めてブルンと揺らすと、柔華の左乳が空気の抜ける風船のごとく、一気に最小サイズまで縮小した。その分右乳が二倍に膨乳し、右乳だけの巨大なおっぱいのボールになった。
そしてボールの後ろ側に申し訳程度に付いている左乳の乳首が陥没する。
柔華が合体モードに変形したら、今度は美里のターンだ。
『うっおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!!!!』
柔華とは反対の右乳が一気に最小サイズまで縮小し、同時に左乳が二倍に膨乳し、左乳のおっぱいボールに変形する。
こちらは乳首が大きくせり上がった。
嗜好は違えども、膨乳に関しては流石のコンビネーション。二つのおっぱいボールの大きさは寸分の狂いもない。
回転しながら、ほぼ右乳だけになった柔華と、ほぼ左乳だけになった美里が互いに引かれ合う。
近づいていく右乳と左乳の間にバチバチとエネルギーがスパークする。
これがぶっつけ本番の超乳合体。お互いが発生させているエネルギーの奔流を貫き、右乳の開いた陥没乳首に、左乳のそそり立つ乳首が挿しこまれた。
今、極超々乳同士がドッキングする。
『あんっ!!!』『ッ!!!』
ガチィン!!
激しい衝撃と共に、凹と凸のジョイントががっちりかみ合ってロックされる。
接続された乳首を伝わり、互いに満たされていくエネルギー。しかしあまりにもエネルギーが高すぎた。
二人の高純度なエネルギーが右、左、両方の乳に駆け巡り、悶えるように暴れまわるおっぱい。
ブルン!!! ブルン!!! ブルルルルン!!!!
バイン!!! バイン!!! バイイイイン!!!!
左乳が上下に飛跳ねたり、右乳が何度も回転したり、左右独立して揺れ暴れるおっぱい。しかし、お互いのエネルギー総量はぴったり同じ。
かき回されるおっぱいの中で、高まった膨乳願望は混ざり合い、そして進化する。
ブルルルルン!!!!
二人の膨乳願望がシンクロしたことで、右乳と左乳のシンメトリーが生まれ始めた。
左右別々に暴れまわっていた右乳と左乳は段々と一つの揺れとなっていき、一つの乳房へと変わる。
『私達が!』『ひとつにぃぃぃ!!!』
エネルギーが同調し、左右同時に対照的に膨らむ。
さらにビーネが、膨乳生命体が融合していることでそのパワーを受け、更なる膨乳を果たす。
その溢れる力に、ついに右乳と左乳の境界線は曖昧になっていき、一つの人格に融合した。
ブリンッ! ブリンッッ!! ブリィィィィンッッ!!!!
右に左に前に激しく振り回される合体おっぱい。
『『左右合体ッ!』』
ブルウウッゥゥンと一回転してバイィィィンと弾ける。それは天地を揺るがすような衝撃を迸らせる。
『『超ゥゥゥゥ乳ゥゥゥゥ神ッ!!』』
ここに、二人が文字通り一心同体となった新たなる乳房、超乳神(ちょうにゅうじん)が誕生した。
さらに二人の乳房が合わさったことで極超々乳は極々超々乳(ごくごくちょうちょうにゅう)への進化を遂げた。
大地を震わせて着地したそれは、バスタリアンマザーを追い越した巨大な乳房。バスケットボールとビーチボールぐらいの比率だろうか。
直径約15000メートル。胸囲は、約80000m。重さにして、約16000000トン。
まさに、脅威。
『『決着をつけるわ……バスタリアンマザー!』』
二人の膨乳願望がシンクロし、動き出した極々超々乳。
ブリィィンと右の乳が持ち上がると前に飛び出し着地する。続けて左の乳が右乳を追い越して前に進む。地面を丸く沈ませながら、一歩ずつ超巨大な双山が進んでいく。
バスタリアンマザーに近づくと超乳神は右乳を振りかぶり、圧倒的な質量から繰り出される渾身の一撃。うねりひしゃげるほどの衝撃でマザーを叩き伏せる。
地面を抉り激しく揺れて転倒するマザー。
『『まだよ!』』
超乳神は続けて振り上げた左乳を叩き下ろす。それはまるでかかと落としのごとく、勢いよく乳を振り下ろす必殺の攻撃。ブレストハンマー。
その衝撃で地図を書き換えるほどの超巨大クレーターが出来上がった。
しかしこれで終わるマザーではない。ブルッブルッと震えたかと思うと、クレーターからボインと飛び跳ねた。全身を捻りながら加速して凄まじい勢いの質量兵器となったマザーの突撃だ。
余りの超スピードに反応が遅れた超乳神に激突した――かのように見えた。そこに超乳神の姿はなかったのだ。空を切るマザーは勢いあまって弾みそうになる。
『『……かかったわね』』
急にマザーの後ろから現れた超乳神。マザーの動きを見切っていた超乳神は全身を高速で揺らし、残像を発生させていたのだ。
『『ニップル・ウィップ!』』
超乳神はすかさず次の技を発動させた。ビンと張った巨大な乳首が伸びあがる。長く、長く伸びたそれはまるで大蛇のようにしなり、マザーに叩きつけられる。
超乳神の乳首は、自由自在に動かすことのできる乳首の鞭へと変化したのだ。
まるで嵐のように荒れ狂った鞭はマザーを滅多打ちにしていく。いくつもの痣が出来上がってもなおビタンビタンと鞭打ちにしてダメージを与えると、マザーを絡め上げ、まるで二つの瓢箪のように締め付ける。
『『はぁ!』』
そして嵐から巻き起こった竜巻のごとく、自らを怒涛の勢いでブルンブルン高速回転させて、天に向かって投げ飛ばした。
かなり伸びあがった鞭はシュルルルと乳首に巻き戻り収納される。
『『膨乳エネルギー! チャージ!』』
超乳神の連撃は止まらない。
そのまま右の乳首が陥没し、左の乳首が差し込まれた。セルフニップルコネクトだ。そのまま噴乳して、体を駆け巡って熱と共に充満していくエネルギー。
バクン! バクン! バクン!
左乳から右乳へ、循環する母乳がエンジンのように全身を振動させて出力を上げていく。超乳神から生み出されるパワーは強大で、チャージの時間はそうかからなかった。
『『ンっ……おっぱい120%ぉっ!!! んぁあぁあああああっ!』』
超乳神はニップルコネクトを解除し乳頭を地面に叩きつけられたバスタリアンマザーに向ける。ぷるんぷるんと揺れる乳房はマザーをがっちりとロックオンする。
さらに巨大化し、そそり立った乳首は巨大な砲塔へと変化した。乳房全体が輝くと、流れ込む様にその光が乳首に集中する。ムズムズと悶える砲門の中からは白く光が漏れ出していた。
『『ミルク・プレッシャー・バースト!!!』』
刹那、光が激しく煌いたかと思うと、超高圧の乳が噴き出す。もはや超出力のエネルギー砲だ。
ブルンと態勢を立て直したマザーも負けじと乳首から黒い光流を発射した。互いのエネルギー同士がぶつかるが、超乳神の敵ではなかった。
黒流を瞬く間にかき消して、マザーに山をえぐらんとする凄まじい衝撃が襲う。バスタリアンマザーでなく実際の山だったら地形を変えているほどの圧力だ。実際マザーも大きな山がくの字に変形し、ぼこぼこになっている。
それでも生命力……膨乳願望は強く、丸い元の形へと戻っていく。しかしかなり痛めつけたため、もう動くこともやっとのようだ。
『『もう終わりかしら?』』
ぶるんぶるんと大きく揺れながら近づいていく超乳神。
本能的に危機を察知したバスタリアンマザーは地面を蹴って飛び出した。動けないと考えていたため超乳神もかわすことが出来ず、大きく開いた陥没乳首で乳首を捉えた。バスタリアンのバキュームインフレーションだ。柔華の時のようにマザーは超乳神を吸い取ろうとする。
『『ふん。無駄ね』』
だが超乳神は狼狽えることもなく、逆に咥えられた乳首を突き上げた。
『『ニップル・ドリル!』』
その名の通り高速回転させた乳首を、吸い付く陥没乳首の中に向かって押し込んだ。
回転によって陥没乳首の中にねじ込まれていく乳首。掘り進んだ乳首は中でがっちりロックされた。
吸おうとしていた攻めのマザーは一転、開いた乳首の中に乳首を詰められて何もできなくなった。
離れようともするがねじ込まれた乳首は外れず離れない。
『『そんなに暴れたって離してあげないわよ?』』
火照っていく超乳神がムンズムンズと震える。そして再び全身から乳首にエネルギーが収束していく。
『『吸い取るだけが攻撃じゃないってこと教えてあげる。ニップル……インジェクション!!』』
超乳神は全身に高ぶっている高揚を開放した。
あり余る膨乳エネルギーが一気に放出され、接続された乳首の中に強制的に注入されてゆく。
『『あんんうっ。もっといくわよ!』』
ドッシュウウゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
放出する勢いはさらに強くなり、その尋常ではない膨乳エネルギーの量は吸収することなどほぼ不可能。膨乳エネルギーに
余りにも濃度の高く、意図しない大量の膨乳エネルギーはバスタリアンマザーも拒絶反応を起こしている。じたばたともがくマザーの吸収が追い付かない。マザーは大きくもならず、ただひたすら流し込まれる。
まだまだ終わらない乳の激流。外したくても外れない乳首。
バチィン!!
しかしマザーの乳首の中で限界が来たようで、弾けるように接続が解除されて螺旋を描いて勢い良く吹き飛んだ。
大地を揺らしたバスタリアンマザーは無理に注入されたことで吸収できた分みちみちと膨らみ、悶えるように暴れながらミルクと化した残りの膨乳エネルギーをドバドバと吐き出している。
ブッシュウウウウウウゥゥゥゥゥゥ!!
一方超乳神はまだまだ出せる。勢いを残したまま虹のようなアーチを描いて放出される乳。
『『ふん。こんなものかしら』』
噴乳を止めると、自慢げに自分を揺らす超乳神。
マザーは詰まっていた塊のようなミルクを吐き出すと、乳首をきゅっと固く閉じる。乳輪がむぐむぐとと膨れ上がってはいるが、陥没乳首を絞って完全ガード体制だ。
『『あら? 乳首閉じちゃったの。でも、もちろん逃すつもりはないわよ? チェンジ……インバーテッド・ニップル!』』
超乳神の乳首も乳輪のなかに沈んでいく。しかしマザーとは反対にグパっと大きく開いた。
ブルゥン! ブルゥン! と一歩ずつマザーに近づいていく超乳神。
マザーは逃げようとしてもダメージが大きくなかなか動くことが出来ない。何とか乳を動かそうとした先には、超乳神が逃げ場を遮るようにそびえ立っていた。
『『インバーテッド・ニップル・コネクト』』
マザーの乳首よりもよりもはるかに大きい極々超々乳の陥没乳首が、マザーの乳輪全体を覆いつくすと、
『『バキューム・インフレーション!』』
超乳神は驚異的なパワーで吸引を開始した。そのあまりに強い吸引力により、マザーの乳首の陥没状態を維持できずに強引に引きずり出された。
『『あぁっん、こんなに太くて長いものを吸えるなんて……し あ わ せ え!』』
柔華の性質が色濃く表れた超乳神の嬌声がおっぱいに響いた。
極々超々乳の陥没乳首の中で暴れまわろうとするマザーの乳首を、強大なパワーで押さえつけながら吸い上げる。
悶えるマザーは膨乳エネルギーを吸い取られ、空気の抜ける風船のように小さくなっていく。それに比べて超乳神はどんどん大きくなり、圧し掛かるように蹂躙する。
あっという間に半分以下、さらに小さく。合体した二人の極々超々乳の前では、最強のバスタリアンだろうとなすすべなくその全てを吸い取られるしかなかった。
『『はうぅ……』』
マザーを完全に取り込んで、さらに大きくなった超乳神。しかしあのサイズのおっぱいを全て吸収したのだ。もちろんそれはとんでもない膨乳願望ということで、
『『あっ……ふあぁっ……!』』
ドクン……ドクン……。
ドクンッ!!!!!!
脈動が激しく響き、ブッルゥゥウウンと大きく揺れた。そして、
『『こ……こんなに濃厚だと……はぅっ!』』
即座に全身にみなぎる膨乳エネルギーの激流が奔り、びくんびくんと跳ね動く。
強力過ぎる膨乳願望の塊を吸収したことで、超過していた膨乳エネルギーが一気に襲い掛かる。
『『ふぁぁっ!!! んっはあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!』』
グンッ!! ググンッ!! ググググググググググッ!!!
超乳神は悶え暴れながら、さらに膨らみ始めた。
ブリュブリュブリュブリュブリュブリュ!!!!!
膨らむのと同時にダイナミックに激しく揺れ暴れる。
ボリュンボリュンボリュンボリュンボリュンボリュンッ!!!!!
『『おっぱい! おおきくうぅぅぅぅぅぅぅううううううううううううううううう!!!!』』
ドクンッ! ドクンッ! ドクッ!! ドクッ!
ブババババババリュウウウウウ!!! ボリュリュリュリュリュリュッ!!!
ズブボボボボボボボボボボボボボ!!! バッッリュウウウウウウウウウウンッ!!!
もはやどう大きくなっているかわからないほど、激しい怪音が響き渡り、膨らむだけで地を唸らせる。
胸の中からひたすら膨乳したい欲望が限界を超えて湧き上がってきて、質量が膨大に増え続ける巨大な乳房。
『『ひぃぃやあああああああああああああああああああ!!!!!!』』
ドクッ! ドクッドクッ!!!
ドッッブリリリュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンッ!!!!!
トドメといわんばかりの一撃で超乳神はさらに大きく爆発的に膨れ上がった。同時に衝撃波が地上を襲い、周囲を更地に変えていく。
換算すると、核弾頭150個分のエネルギーを質量に変えた超乳神。
『『……あ……ふぁあ? やっと終わったの……』』
ゆっさ、ゆっさと揺れている超乳神。
今や戦闘や膨乳の衝撃で壊滅した日本にまたがり、北海道に収まりきらないほどの大きさ。
意識を完全に取り戻しぶるると震えると、ようやく落ち着いた。
『『私、こんなに大きく?』』
どのぐらいの大きさなのか把握できないほどに大きさの概念が麻痺している。
『『んっ、なんだかムズムズするぅ』』
しかし吸収したとはいえ、なんだか様子がおかしい。まるで自分の身体ではないようだ。その上何かが胸でうごめいている。
『『う、ふぅ……どうやってみんなをおっぱいから戻そうかしら。なにか記憶にヒントは……』』
ビクンッ!!
その時何かがフラッシュバックした。今までのような戦いの記憶の様で、そうではないもの。
『『……へ?』』
ドッックンッ!
その記憶がおっぱいを打ち震わす。
『おっぱい。私が……おっぱい……』
声が響いた。外からではない。融合したおっぱいの声。バクンバクンと強まっていく鼓動。
『『ひゃっ! な、なによこれっ!?』』
同時に全身からなんだか暖かいものが込み上げてきて、じんわりと火照っていく。
『『やっぱりおっぱいで何か!』』
その熱はどんどん熱くなっていき、まるで胸やけを起こしている。胸に異物のようなもの入り込んだ感覚。
ブッルゥゥゥゥン!!!!
揺れが巻き起こり、突然全身が歪んだ。
『『ひゃああああっ!!! なにが起こっているの!? ああんっ!!』』
おっぱいは制御を離れ、ぶりゅんぶりゅん弾けて止まらない。
全身を歪に変形させながら、激しく揺れ動く。押し突き上げられ一部分だけ盛り上がったり、逆に押し揉まれ窪みが出来上がっている。
『『んっ! 身体が……勝手に……! あう!』』
表面にくっきりと指の形をした食い込みが次々に現れては消え、グニグニと複雑に、柔軟に、見えない手に激しく揉まれているように勝手に変形する。
モミィ! モミモミィ!! モニュン!
『『ダメェ! そんなの!』』
何度も揉まれると激しく押し広げられた。コシのあるうどん生地のようにこね回される。凝り固まった膨乳願望がほぐされていくようだ。
ムニィィィっと柔らかく餅のように伸びあがったかと思うと、バチン弾けて弾力で元の形に戻った。
『『ふにゃあああああああああああああっ!!!!!』』
まだまだ止まる様子はなく、左右がお互いに揉み合った後、絡み合いこねくり合って、ぎゅっと絞られる。
むにむに、ぶにゅんっぶにゅんっ!!!!
ブルルルルルッッ!!!
ばるりゅんっ! ばるんばるんっ!
自ら動きまわる不可思議な乳。まるで超乳神の中で何かが動き回っているようだ。
段々とその動きは激しくなっていき、今度はおのずから暴れ始めた。
ブルゥン!! ブルゥゥン!!!
大きく大胆に振り回される乳房。まるで激しく舞い踊っているようだ。
日本を蹂躙しながら、何度も芸術的に弾け乱舞し盛り上がる。
『『おっおおおぉぉおおおっ!!! んんぉおおっ!! おっぱいが、おっぱいが……! んんっおおおおぉぉぉぉぉ!!!!』』
ばるんばるんっ! と揉まれくるおっぱい同士が激突し、アメリカンクラッカーのように何度も押し合って弾き返す。
おっぱいは自らぶるんぶるん弾む暴れ馬。
のたうちまわるように暴れまくるおっぱいはビタンビタンと地面に打ち付けバウンドする。打ち付けられた地面を抉り、更地を広げていく。
乳房の中身が揺れ暴れまくっている中、脈拍に合わせて胸の奥がドクンドクンと響く。
『『んっおぉ……おっぱいパンパンにぃ! はぐぅぅ……どんどんくる! な、なにこれぇぇ!?』』
バクンッ!!! バクンッ!!!! バクッバクッ!!!!
激しい鼓動と共に、突然膨乳願望があふれてくる。それでも乳房は膨らまない。膨らむというよりもむしろ中に引っ張られるように胸いっぱいに充満していく。
『『ひあああああああっ!!! あつ! おっぱいあつぅい!』』
ジンジンと熱が全体に染み込んできて、荒れ狂った乳房にパンパンに詰まっていく感覚があった。
揉みあげられて、そして先に向かって込みあげて行く。
ブルルルルルルルルルルルルッルルルルルッル
胸全体をを刺戟するように震えまくるおっぱい。
『『ふ、ふあ……あぁぁ……! 何かが、でるぅ!!! でちゃうぅぅぅぅっ!!!』』
トロトロにとろけそうな膨乳願望を内側から絞られているようだ。そこに激しい一揉み。我慢できず全身を張りあげた。
プシュ……
一噴きのシャワーが海に降り注いだかと思うと、一気に噴き出した。
『『ひゃ……ひっひゃああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』』
……ブッシャアアアアアアアアアアァァァァァァァァ!!!!!!
乳房の大噴火。それは母乳ダムの決壊。
地球上に響くかもしれない轟音で太平洋を白く染めていく。
ドッバアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!
轟轟と噴き出し止まることを知らない墳乳。溜まっていたものを吐き出す快感がおっぱいを支配する。
ブッッシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!!
止めようと必死に乳首にブレーキをかけるが一切効果はない。快感はレッドゾーンまで振り切れていた。
コントロールができない膨乳願望。その状態ででる母乳は、自らで制御していたものはとはけた違いだ。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!!!!
噴乳は一向に止まる気配がない。まるで蛇口の壊れた水道管だ。広がった乳首から滝のようにミルクが流れる。
乳内で生産され続ける母乳は今や自分の体積を超えているほどで、乳首を内側から抉らんとする量の質量が一点から放出される。
地球の表面の白の割合がどんどん侵食していく。
母乳を吐き出しながらガタガタと震えていた乳房は、だんだんと揺れ始める。そのまま暴れるように乳首を振り回すそれは母乳のスプリンクラーと化した。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!!!!
日本を中心に四方八方に方向へと激流をまき散らす超乳神。
『『ふえええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!! ――はぐぅッ!!!』』
バルブ全開で放出する乳首に突然ガツゥンと衝撃が奔った。
その瞬間母乳が渦を巻くように放射していた乳首が、うねりをあげて回転を始めたのだ。ギュルルルルルル! とまるでネジのように回転しながら穴は絞られ、乳首はねじ込まれるように内側に陥没する。
強引に蓋をされたことで、乳の奔流は止まった。
『『なに、これ……!? んあぁ!!! あ、ああうぅ!!』』
しかしポンプのバルブは閉められたが、まだ肝心のエンジンは止まっていない。
母乳は出なくなったが、胸の中に溜まっていく感覚。ドクンドクンドクンと速まる鼓動と共に、溢れる母乳が胸の中にぎちぎちに詰められていく。
同時に腹痛にも似たおっぱいの異変。中からあふれ出る何かが胸を締め付ける。
『『だめ! おっぱいぱんぱぁん! もう……あっあっあああああああああぁぁ!!!!!』』
下痢を我慢しているような感覚が、膨満感と似た感覚と共に襲い掛かる。一刻も早く溜まった母乳を体内から出してしまいたい。
しかし母乳の出口が塞がって、悶える超乳神は洗濯機のように揺れ暴れる。
ブルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!!!!!!!
『『おっおっおぉおおぉぉおおおおっ!!!』』
膨乳願望に似た何かは混ざり合うのを拒絶し、体内で水と油のように別れた状態。
それを一つにするため胸の中で何かが攪拌されている。そのための凄まじい揺れはまるで体内でミキサーがかき回されるようだ。
出口のない今のおっぱいは空気を注がれ続ける風船。爆発寸前の不発弾と化した。
ドゴン!!!!! ドゴォォン!!!!
激しく揺れながら、内側から打ち付けられたかのようにおっぱいは豪快に弾ける。
『『ひゃわぁ! ちょっ……とまっ! はわわわぁぁぁあああああぁぁぁああぁぁぁぁぁああ!』』
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブッ!!!!!!
揺れはさらに激しくなって、小刻みな超振動。
そこにブルゥン! ブルゥン! と横や縦の大きな動きも加わる。
激しすぎる振動は、自分の意識も振り回してしまいそうだ。
おっぱいの中で着々と混ざり合っていく。
『『ひゃあんっ!』』
バッイィィン!
一際大きな揺れが、中で混ぜ終わったことを告げた。
すると背中、というより胸の後ろ側から押し出されるように、乳頭に向かって迫ってきた。
腹痛じみたそれが後ろから前へ体内を駆け上っていく気味の悪さが前面に広がっていく。
『『は、はぁう! そこ、だめぇ! あっあぁぁん』』
出口を塞ぐ沈んだ乳首を、城門を打ち壊す勢いで何度も何度も衝角のように衝撃を叩き込む。
そして激しい衝撃でついに強固な栓が外れた。
『『ふぇっ……ふぐうううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!』』
ドッバッッシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!!
いきなり吹き飛ぶかのようにせりあがった乳首から再び発射された。しかし今度は白いミルクではなく、黒い液体。つややかに吐き出されるそれはまるで漆黒のミルクだ。
『『おっぱいから変なのが止まらないぃぃぃぃ!!! ひゃぁんっ!』』
さらに勢いは増した。強引に乳首は広げられ、さらに大きくなる。大きくなった乳首からは、勢いが増してさらに噴き出す。
ドッバッッシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!!
怒涛の勢いで放出された黒い母乳は白い母乳の海と交わることはなく、空中の一点にどんどん集まっていく。集合するそれは球状になって宙に浮かんでいる。黒光りしてつややかな表面。さらにどこからか現れた黒い霧のようなものが邪悪な光となって集まって来る
そして超乳神が放射したミルクを吸い上げ合体を始めた。
ここにきて超乳神は最大出力。更に乳首が押し広げられると、今までにない圧力で噴き出した。
乳房全体の半分ほどの穴から噴き出す黒い母乳。
『『はううううううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!! おっぱいこわれちゃうぅぅぅぅぅぅっ!!!!』』
ドッバッッシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!!
圧倒的な放出量。猛り狂うような母乳が二つの乳房から飛び出し、宙に浮くそれにすべて注がれていく。
母乳が集まってできた漆黒の球体はドンドン体積が増していく。かなりの大きさで、もう既に富士山は軽く超えている。
すると球体は二つに割れ、まるで瓢箪のように変化する。その流体じみた姿はマザーが生み出したミルクバスタリアンそっくりだ。
今度は完全に吸収される前にマザーが超乳神の力を利用し、膨乳願望と融合、マザー自身がミルクバスタリアンとして蘇ろうとしているのだ。
さらに海面のミルクを吸い上げ、グングン体積を増して超乳神並の大きさにまでなった。
超乳神の乳流は細くなっていき、ようやく収まった。それでも涎のようにたれ流れている。
『『はぁ……はぁ』』
全身を揺らすように息をする超乳神。
黒く浮かんだ瓢箪状のそれはプルルゥンとたわみ震えると、超乳神の膨乳エネルギーと黒い母乳が一点に集まり、超巨大なおっぱいを形作った。
『おっパあアアアアアアああああィイイ』
乳房に声が響く。黒いバスアリアンの声だ。
『私がわたシがオっぱあああああああアイ』
超乳神と互角の大きさにまで育った影のような漆黒のバスタリアン。バスタリアンシャドウ。
生まれたばかりの乳首は競り上がったまま、ゆっさゆっさと宙で揺れている。この期を逃す超乳神ではない。まだ胸の狂った高揚感が収まらないまま黒い母乳を滴らせた乳首を陥没させて、乳を弾ませ飛び込んだ。
『『やらせ……ないわよ……っ! ニップルコネクト!! っ!?』』
しかし乳首を捉えることはできなかった。まるで雲をつかむかのように、乳房をすり抜け、ドプンと液体じみたバスタリアンシャドウにめり込んだ。
『『そんなっ!』』
母乳が形作る膨乳エネルギーの集合体が渦巻いているようで実体をつかめない。言うならば台風。台風おっぱいだ。
乳房に取り込んだ超乳神を飲み込むように包み、逆に膨乳エネルギーを吸い上げる。
『ぐ……あっ……がぁ……ッ! すい……とられて……』』
膨乳エネルギーが吸収され、体積が減っていく超乳神。逆にシャドウはその分ドンドン膨れ上がっていく
『私が……ち、小さくなっているぅ……』
気が付けば超乳神は一回り小さくなっていた。まだまだ収まりは見せることなく進行形で小さくなっていく。超乳神にとってこれほど屈辱的なことはない。
抜け出そうと乳房状のハリケーンの中で全身を振り回しもがく。
ブルンブルン!
小さくなっていく乳房を何度も振り回す超乳神。
『『んぐっ……はぁぁぁぁあああっ!!!』』
バッルゥゥゥゥンッ!!!
まるで溺れた犬のように乳を弾ませて何とか脱出した超乳神。しかし大きさは二回り、いやそれ以上も小さくなってしまった。
対して超乳神の膨大な膨乳エネルギーを吸収したおかげで、パワーアップを果たしたバスタリアンシャドウ。タプンタプンと表面が津波のように震えると、さらに膨れ上がる。
『オッぱああAAAAいいぃイィィ!!!』
エネルギーの集合体だったバスタリアンシャドウは、超乳神の乳房を吸い取ったことで一つの乳房として実体を得た。
ぶるると震えると、黒く染まったお尻のような後ろ側から、何かがせり出した。それは人間の背中だ。続いて手足が、そして頭が。聳え立つそれは黒い影を纏って超乳を抱えた人の姿となった。
谷間から現れた巨大人間のスタイルは大人の女性というには、発育途中といった風貌で全身のバランスが整っていない。
超乳には見合ってないとも思えるぐらいの、まるで年端もいかない女の子。
『『まさか、バスタリアンマザーに吸収された女の子……?』』
超乳神は理解した。そう、自分たちと同じぐらい強い膨乳願望の持ち主の姿だと。
マザーによって身体が吸収された後でも強い膨乳願望が残留し続け、膨乳生命体の力を逆に支配したのだ。ここまでの膨乳願望ならばバスタリアンさえ凌駕できると納得した。
『おっぱい……私のおっぱい……ふふふふ……このおっぱいがあれば誰にも馬鹿にされないわ』
嬉しそうに、愛おしそうに、自分の乳房をなでさするシャドウ。
復活した直後は雄たけびのような唸り声しかあげれなかったが、今では頭脳を得たかのように人間的な喋りへと変化している。
そう、人間の姿となった。ということはおっぱいだらけとなったこの星では唯一の人間。その張本人が人間の姿となったのだ。
『ふふふ……もっと、もっと大きなおっぱい。私が世界一の巨乳にぃぃぃぃ』
バスタリアンシャドウが叫んだ。ぶるんぶるん揺れるおっぱい。そこから漏れ出す圧倒的な膨乳願望のパワー。
揺れる波動によって超乳神は振動させられ、ブルブルと震わされる。
『『な、なんて膨乳願望なの……?』』
『そこのおっぱい……目障りなのよ。私の世界一のおっぱいの前から消えて』
人型となったバスタリアンシャドウが冷酷な目で蔑みながら、超乳神に向かって歩き出す。
本体といえる巨大な超乳がバムゥゥンバムゥゥゥンと左右に揺れる。
超乳神に近づくと、前屈みになって超乳を押し付けた。包み込むようにぐにぃぃと力強く押しこまれる。
『そんなおっぱいは、吸い取ってあげる』
『『あっんっ! やだぁ!』』
むにゅんもにゅうんとおっぱいが刺激し合うたびに、互いに揉まれ合うたび、ダクンダクンと小さくなっている。再び超乳神のおっぱいを吸収した。やはりシャドウはおっぱいの接触で吸収が可能なのだ。
超乳神の膨乳願望を取り込んでいき、黒光りする胸がドクドクと火照る。
吸収したおっぱいはバスタリアンシャドウの胸で負の膨乳願望に変換され増幅する。
『ふあぁぁ……なんて気分がいいのかしら』
もちろんバスタリアンシャドウの胸は超乳神を飲み込むように大きくなっていく。
超乳神も大きな胸に包みこまれる形でしっかりくいこんで、弾力では負けていない。それどころかむちむちと力強く押し返す。
だが増えていく質量が圧し掛かっていく。目に見えて小さくなる超乳神は体積が増していくおっぱいに押し潰されそうだ。
『ふん、もういいわ』
半分以下にまで小さくなってボロ雑巾のように捨てられた超乳神。これ以上の吸収は無用だと判断されたのだろう。
手も足もでないまま全身が、おっぱいが動かない。
『『ここまできて……これでおわり……?』』
膨乳願望がなくなった膨乳生命体を待つのは死のみ。
実際バスタリアンシャドウに吸収され、ほぼ空っぽのおっぱいとなっていた。
『『いやよ……こんなところで逆転負けだなんて……』』
だが闘志はまだ死んでいない。おっぱいがある限り、超乳神の魂は死ぬことはない。
融合した心の中の柔華が、ビーネが超乳神に語りかける。
『美里。こんなところで私たちの快感は……膨乳は終わり?』
『君達の膨乳の夢……それを見せてほしい』
『ええ。私たちの思い。膨乳の力。それは人類の希望!』
だからこそ。だからこそ……さらにその先へ。美里は、超乳神は最後のパワーを振り絞っておっぱいを突き上げた。
ぶるっと踏ん張って立ち上がった超乳神。瞬間、その諦めない果て無き膨乳魂が奇跡を呼んだ。
『『はぅ!』』
突然新たな記憶が流れ込んできた。それは膨乳願望に似たパワーを秘めた乳の意志。全身に駆け巡り満たされていくエネルギー。
同時に呼応したおっぱいが激しく揺れる。
ブルル!! ブルル!!! ブルルルルン!!!!
『『お、おっぱいが! ふ、にゃあぁぁぁん!?』』
再びおっぱいが勝手に動き始めた。しかし先ほどとは違い、温かみの感じる熱き輝き。
記憶が生み出した力が、左右別々に揺れ動かす。互いに押し合って、こすりつけ合うおっぱい。そうやって右乳の力と左乳の力が練り込まれるように収束していく。
胸の中に何かが生まれるのを感じる。
乳と乳の間、谷間の何もない空間にエネルギーが収束していく。押し付けあう乳同士の間に空間が押し広げられていくような感覚。
『『ブレストディメンジョン!!! チョウニュウジーンゴー!』』
気がついたら叫んでいた。谷間の表面が波のように歪むと、割れるように広がっていく。
『っ!? なに!? なんなの!?』
ブッルンと乳を振り回して振り返ったシャドウが見たもの。
中からせりあがるように出てきたものは巨大な頭だ。身体だ。脚だ。まさに人影、バスタリアンシャドウ並はある巨大な全裸の女性だ。
胸の谷間に生まれた異次元空間から女性型巨大ヒューマノイドが現れた。
煌々と輝く金髪に、透き通ったかのような凛とした顔。吸い込まれそうなくびれた腰にすらっと伸びた脚。
正にパーフェクトボディ。しかし胸だけは違った。胸の部分はぽっかりと空洞になっている。そう、まるで何かを求めているかのように。
起動はしていないようで、眠っているように目を閉じたまま動く気配はない。
谷間から出し切った超乳神が宙に浮きあがると、揺れながらヒューマノイドの胸の前まで上昇した。
『『オッパイルダーオン!』』
胸の空洞に吸い寄せられるように全身が収まった。まるで元の身体に還るかの如く。
ヒューマノイドにドッキングした超乳神。直後、胸を通して流れ込んでくる凄まじいパワー。
同時に閉じていた目が見ひらいた。おっぱいへの合体を鍵に、起動したのだ。
巨大ヒューマノイドの乳となった超乳神。今でもとんでもない大きさだが、対比としては巨乳どまり。だがそれは超乳神の本来の大きさではない。
『『ふんっ!!』』
ぷるぅんと胸を突き出すと、プルルンと可愛らしく揺れて、前に向かってせり出し始めた。胸は前だけじゃなく、横に、上に、下に、あらゆる方向へと体積を増やしていく。
巨乳は爆乳を経て、ついには超乳へ。
バッルゥンと最後に強く膨らんで、右に左に振り回す。
『『グレェェェットッ! 超ッ! 乳ッ! 神ッ! ゼェェェェェットッ!!!』』
超乳神が膨乳し、女性型超乳巨大ヒューマノイド『グレート超乳神Z』が完成した。
ブルンブルンと乳を振り上げ、ガオンと唸りを上げる。まるで乳房自身が咆哮しているかのようだ。
改めて人間の姿となり、全身ではなく、胸に、胸だけに高揚感と共にパワーが湧き上がってくるのが感じる。上から乳房を見下ろし、プルプルと震える上部を見るのがなんだか懐かしい。
『『すごい……すごいおっぱい……』』
これは膨乳生命体の暴走に備え、先人たちが残したビーネさえも知らない最後の切り札。そのボディは膨乳願望の増幅器。合体することで膨乳エネルギーを増幅する膨乳ブースターなのだ。
いつか来るべき超越した膨乳願望の持ち主の為に谷間から繋がる異次元空間に隠されていた。そして進化した膨乳願望が封印された記憶を解き放ち、そのおっぱいを膨乳させるために呼び出された。
『なによ! そのおっぱいはぁ!!!』
激高したシャドウのおっぱいが荒ぶる。
グレート超乳神Zはバインとおっぱいを揺らし返して、にやりと笑ってこう答えた。
『『地上最強のおっぱい……かしら?』』
ぷるんと胸を構えると、大地を蹴ってバスタリアンシャドウに向かう。
双方の武器は胸だ。乳房だ。巨大なおっぱいだ。突き出されたおっぱい同士がぷるんぷるんと揺れながら互いに近づいていく。
そしてついに人型バスタリアンとグレート超乳神Zの胸が激突した。海面を唸らせるほどのおっぱいとおっぱいの衝撃は、史上最大の乳相撲。
『『今度は負けないわよ?』』
『私が! 私が世界一なのよぉ!!』
シャドウはグレート超乳神Zの乳房を吸収しようと胸を力強く押し付ける。しかし胸は吸収されることもなく、グレート超乳神Zは互角に乳房を押し上げる。
『『あら? もう効かないわ』』
『ぐっ……うぅぅ!』
グレート超乳神Zのボディはおっぱいに対するあらゆる縮小を防ぐバリアを兼ねている。どんな膨乳生命体だろうと乳房の吸収は許さない。
バスタリアンシャドウが押し込んむがグレート超乳神Zは巧みに押し返す。
右の乳房が潰れたかと思えば左の乳房は反対に押し潰したり、せめぎあったおっぱいは両者一歩も引かないシーソーゲーム。互いにモッチモチのおっぱいを巧みに動かして、揉み合っていく。
『『さっきはよくもやってくれたわね』』
グレート超乳神Zは足を踏ん張ると、お尻から突き上げるパワーを爆発させる。バイィィィンと激しい押し上げに吹き飛ばされるシャドウは身体を捻っておっぱいで受け身をとり衝撃を和らげた。
追撃するグレート超乳神Zは、倒れたばかりのシャドウに乗りかかって胸を押し付ける。自らの乳房に沈んだ上、さらに乳房が圧し掛かって来る。それは乳房に挟まれたおっぱいサンドウィッチ。
グニッグニッと押し付け強い圧力をかければ柔らかなおっぱいも凶器へと変わり、バスタリアンシャドウを苦しめる。
『『まだまだぁ!』』
『グ……ああ……ッ!』
押し付ける乳房を杭のようにピストン運動させて、力強く打ち込む。そのおっぱいの打撃は何度もバスタリアンシャドウの乳房を打ち付ける。マウントをとった一方的な暴力はシャドウに大ダメージのはずだ。
しかし突然グレート超乳神Zの下にまたがっていたシャドウが消えたかのように胸がガクンと抜け、地面に激突した。
『『ひゃっ!』』
自分の乳房にめり込んだグレート超乳神Zは胸を地面に弾ませてすぐに起き上がった。ブルンと乳を振り回しながら後ろに振り返ると、そこには流体状となったバスタリアンシャドウの姿があった。シャドウは元の流体となって実体を無くして、にゅるんとおっぱいを抜けて逃げだしたのだ。
黒い流体は一点に集まり再び人型に変化して、たぽんたぽんと瑞々しいおっぱいをたわませるシャドウ。
『悪いけど、私、こんなこともできるの』
『『ッ……! このまま逃げられてちゃキリがないわ』』
グレート超乳神Zは胸に意識を集中させ、おっぱいの記憶から検索すると、一つの戦法を思いついた。
『『そうだわ。ブレストディメンジョン……開放!』』
バルゥンっと浮き上がらせるように乳を揺らすとグレート超乳神Zは谷間異次元を開放した。
『な、なによっ!? きゃあっ!?』
グレート超乳神Zの谷間が空間を吸引し、バスタリアンシャドウも谷間に引き寄せられる。足で踏ん張るが、自慢の超乳が率先して飛びこもうとして全身が引きずられてしまう。
そしておっぱいが同士が再び激突した。あいさつ代わりにもにゅんもにゅんと押し合ったあと、谷間は吸い込もうと大口を開ける。
『ちょっと! なにこれ! いやぁ!』
明らかに谷間の中には入らなそうな大きな乳房だったが、バキュームのごとく吸引する谷間はそのおっぱいを無理やり飲み込んだ。後は乳に引っ張られるように全身が谷間の中にすっぽりと吸い込まれた。
『『ひゃんっ!! んっ……むぐぐぐぐっ』』
それは喉に詰まるような感覚にも似た、異次元の通り道に押し込まれる感覚。しかし胸の奥底にグイグイ押し詰められて感じるのはむしろ快感に近い。
谷間の奥につながった異次元の中で空間が歪んだ。そこからおっぱいが揺れながら現れると、その後ろから吐き出されるようにシャドウ本体が落ちてきた。
『痛っ! 何処よここ!』
自分のおっぱいにうずもれたシャドウが辺りを見渡すと、谷間異次元の中は何もないような肌色の世界が広がっていた。そこはブレストダイブしたバスタリアンマザーの胎内空間とは似て非なるグレート超乳神Zの膨乳願望が支配する空間。
『『行くわよ』』
グレート超乳神Zは胸を揺らし始めた。舞を踊るかのように重力を無視し、自由自在に振り回される乳房。
ゆっさゆっさと揺れるたび、中の谷間異次元では空間が振動し、バスタリアンシャドウに襲い掛かる。
まるで超重力の渦のような激しい振動。そこらの山ならばらばらに砕け散るほどだ。
『きゃああああっ!!! 私のおっぱいがぁぁぁぁ!!』
しかもその振動は胸に集中的に刺激を与える。激しいシェイクでバスタリアンシャドウの胸がめちゃめちゃに揺れ、分解されていく。
つまり胸が小さくなり、バスタリアンを形作っている膨乳願望が谷間異次元の中に吸収されていく。
『『あとはおっぱいを絞り出してあげる』』
谷間異次元がもたらした記憶から更なるアイディアを閃いたグレート超乳神Zは、ブリンブリン振り回すおっぱいをバインと上に持ち上げた。
『『谷間異次元の広さは、私の膨乳願望の大きさに比例するの。だ、か、ら』』
ブルンと弾ませて胸を突き上げると、
『『リバース……んんっ……ギガンティックッ……!』』
膨乳願望をできる限り最弱にすると、悶えるように震えながら超乳神Zの胸が小さくなっていく。そして胸が小さくなれば比例して空間が圧縮される。
物凄い振動が収まったかと思うと、今度は圧迫感が襲い掛かり窮屈になっていく空間。
『今度はなに!? ひんぅっ!?』
突然バスタリアンシャドウは乳を揉まれた。まるで見えない何かに鷲掴みにされたように。もにゅんもにゅんと乳房は歪に変形し続ける。
『や、やめなさい! おっぱいはやめてぇぇ!』
シャドウの全身は空間そのものに締め付けられ、逃げるどころか身動きすることもできない。
ねられるようにおっぱいは空間に揉まれ、そのたびに小さくなっていく胸。揉み絞られたおっぱいは膨乳エネルギーとなって抽出され、谷間異次元が吸収していく。
『『あんまり、小さく……したくないけどっ』』
まるで逆再生のように、豊満すぎる胸は小さくなっていく。胸板に乳房が吸い取られているようだ。
乳房が小さくなると、谷間も小さくなる。そして、同じように谷間異次元も。
中のシャドウはほとんど胸を吸い取られ、ついに膨らみがなくなっていた。さらに全方向からプレス機にかけられているような状態で、肉体が維持できないほど潰されている。
グレート超乳神Zの胸が平らになり、乳房の膨らみがなくなれば谷間異次元も完全に消滅する。もちろん膨乳したら谷間異次元は復活するが、いくら流体状となったシャドウでも一度空間の消滅に巻き込まれれば耐えられないだろう。
『『あと、少しぃ……』』
ゆったりとしたほんの膨らみを残した乳房を、膨乳願望を抑え極限まで小さくする。
身体こそあるがあくまで本体は胸の超乳神。限界までの縮乳は自分の本体を、命を削っているに等しい。これは自由自在に膨乳願望のコントロールができるグレート超乳神Zにしかできない荒業だろう。
ぐっぐっと胸が押し込まれていき、そうして谷間異次元を空間ごとシャドウを消滅させようとする。
『『んっ……でも駄目ぇ……キツィ……』』
だが溢れ出す膨乳願望を最弱にし続けることはできなかった。
相手は膨乳願望の集合体。圧縮される谷間異次元によってシャドウのおっぱいから絞り出した膨乳願望が漏れ出し、小さく抑え込もうとするグレート超乳神Zのおっぱいを刺激する。
ほとんど平らになっていたおっぱいの膨らみは、強引に抑えつけるマイナスの膨乳願望と、強制的に押し上げるプラスの膨乳願望がせめぎあって何度も変化する。
均衡状態の二つの力によって、ほんのりな膨らみが何度も膨らみかけたり、逆に追さえつけられたりを繰り返す。それはまるで揉まれているような感覚そのもので、グレート超乳神Zの胸部である超乳神にかかる負担はかなり大きい。
振動するがごとく膨縮を繰り返す緩やかな乳房。
『『もう……ダメぇ……! あんっ!』』
激しい膨乳の波が襲い、微かな乳房がぶるると悶えると、栓が外れたかのようにボンッと膨れた。縮乳しようとするグレート超乳神Zの意思は、膨乳しようとする意志には勝てなかった。
こうなってしまったらもう手遅れ。いきなりぷるんと胸板から現れたおっぱいはグングン成長を始める。
『『しまっ……あっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁ』』
グレート超乳神Zはただ唖然と自分の胸が膨らんでいく様を見ているしかなかった。それどころか胸に押し込め続ける我慢をし続けた後の開放感がおっぱいを支配し、もっと乳房の開放を求めてしまう。
身体からの相対的大きさは見る見るうちにメロン、スイカをも超えるたわわなバストに育っていく。もちろんそのサイズは、本来のスイカとは桁違いだが。
『『あっ……うぅん……ひゃっ!』』
前にも横にも広がっていくバストは、富士の山を越え、さらに育ち続ける渓谷を作り上げる。
ブルンブッルンと何度も振り回されて、ドダップゥンと弾けたらもう超乳となっていた。
同時に胸元から、まるで台風が暴れているような感覚が乳房の間に登って来る。
『『なにこれぇ! 谷間が……おかしい! あ、ふにゃああああああっ!』』
しかもその影響か、超乳になった胸が膨らむ勢いをつけたまま弾んで暴れ始めた。ブルンブルンと狂ったように乱舞する乳房。
右に、左にあちこちに向きを変えながら、ちぎれそうな勢いで上下にバウンドしまくる。
ほぼゼロから急激に膨乳した影響で、ブレストディメンジョンの内部が異常なパワーで広がり、不安定になった空間そのものが暴走を始めたのだ。その余波で胸が暴れているのだろう。
『『こ、これ! ブレストディメンジョンが暴走してる!? やんっ!』』
外側に溢れ出さんとするブレストディメンジョンは均衡を保とうと急激な吸引を始めた。それは自分の身体さえも飲み込み、グレート超乳神Zの全身はフル・ブレスト・モードを発動するときのように谷間に吸い込まれた。
『『ちょ、ちょっとまって! ひゃああああぁぁぁ!!!!』』
ばるんばるんとバウンドする自分のおっぱいに飲み込まれるグレート超乳神Z。
胸と乳房が離れていき、自分の胸の谷間を通り抜ける奇妙な感覚。乳房が感じる本体を中に入れる感覚が、今通り抜けているグレート超乳神Zの胸が感じている。まるで感覚の合わせ鏡だ。
限りなく本体といえるおっぱいを置いてきたためまっ平らな貧乳となったグレート超乳神Zが、自分の乳房の中で広がった谷間異次元の中に現れる。落ちた先はむにゅんと柔らかく、むにむにとした感覚が全身を包み込んだ。
『『んっ……この感触……?』』
『やめて欲しいんだけど。ド貧乳?』
『『バスタリアン!?』』
バスタリアンシャドウのおっぱいの上にベッドに飛び込む様に乗っかってた。
シャドウの胸は超乳にまで大きくなっていた。空間と共に消滅寸前まで追い込んだが、グレート超乳神Zが膨乳してしまったことで、膨乳願望が谷間異次元に溢れかえりシャドウまで膨乳してしまったのだ。
その超乳でグレート超乳神Zを弾ませると、勢いで開いて谷間に挟み込む。首から上と足以外乳房の間に隠れてしまった。
『ふふ……突然、力が、おっぱいがあふれてきたの。しかもあなたはこーんなに小さくまっ平らァ!』
今度は逆にシャドウのおっぱい万力がグレート超乳神Zを締め付ける。
『『ぐっ、あああああぁぁぁぁぁあああ!!!』』
普通ならば全身の骨が粉々になって、肉片と化してもおかしくはないパワー。
元々尋常ではない膨乳願望に対応するためのボディだ。衝撃にも何とか耐えることは出来るが、今のおっぱいのないグレート超乳神Zではなす術はなく木偶の棒も同然。かといってグレート超乳神Zの膨乳願望のエネルギーは乳房から供給されるため、おっぱいと分離した今すぐに膨乳することが出来ない。もちろん平らとはいえ胸は胸。膨乳エネルギーを生み出すことは出来るが時間がかかってしまう。
身体を使った抵抗もおっぱい万力の谷間にむなしくかき消され、それどころか全身から軋む音が聞こえる。ボディはもう限界に近い。
『ああ、なんて気持ちがいいの!? 私のおっぱいでド貧乳の息の根を止めれるなんてぇ!』
バスタリアンシャドウは吐き出すように、グレート超乳神Zを胸から放り捨てる。
地面に叩きつけられたグレート超乳神Zはぐったりと倒れた。立ち上がろうにもエネルギーの源であるおっぱいが足りない。
『さあて、どうやってトドメを差してあげようかしらぁ?』
黒い乳房をゆったんゆったんと揺らすシャドウ。
『『がぁっ! うう……』』
しかしそこであることに気が付いた。
『あ、もしかして。外に出るにはまた胸の谷間が必要なのかしら?』
谷間異次元は文字通り谷間にしかできない。貧乳となり谷間がなくなった今、出口となるおっぱいが必要だ。
『うーん……でも、私のすごくおっきなおっぱいが使えるかわかんないしぃ。ここであなたを倒しちゃったらここから出れなくなるかもよねぇ……だったらぁ』
バスアリアンシャドウは見せつけるように胸を強調すると、身体の一部を流体状に変化させて、グレート超乳神Zを掴んで引き上げる。
『『な、なにをする気?』』
そのまま宙に貼り付けるように縛りつけた。グレート超乳神Zは必死に抵抗するが、動くことは全くできず、平坦な胸がビクンと動くだけだった。
『喜びなさい、その見るに堪えないまっ平らなド貧乳おっぱいを大きくしてあげるわ。ふんっ』
シャドウが胸を張ると、中からじんわりと籠っていく熱。火照る胸がビクンビクンとうごめく。まるで胸の中で生まれてくる何かが悶えているようだ。
それだけではない。
『ひゃ……あ、んぁっ!』
グン! ググン!
乳房全体の熱が固まって押し出されるかのように先端へと昇り始めた。するとそそり立つように乳首が大きくなったかと思うと、限界までパンパンに張りつめる。
そしてこみ上げてきた熱の弾丸は乳首という大砲に押し詰められ、迸る刺激が襲った。
『あ、はぁん! おっぱい出ちゃうわぁ!?』
ブッシュウウウウウウウウウッ!!!!
極太の黒い母乳の奔流が荒々しい勢いで噴出した。迸ったそれは宙を舞い、一直線にグレート超乳神Zに向かっていく。
『『やめっ、やめなさい!』』
その先端は細く鋭くなっていき、グレート超乳神Zの乳首にまるで餌に群がる魚のように襲い掛かる。
『『やめぇぇ! くっああああぁぁぁぁぁ!! おっぱいの中にぃぃぃぃぃっ!!!!』』
漆黒の母乳はグレート超乳神Zの慎ましく可愛らしい乳首を貫く。乳首に流し込まれる母乳はその勢いで穴を強引にこじ開けて、後ろから続く爆流がさらに広げて突入する。
ぐぱぁ!
『『いっやあああああああああああああああああああああ』』
ジュリュリュリュリュルルゥ!!
怒涛の勢いで押し込まれた結果、肥大化した乳首に母乳を吸い込む空洞が出来上がった。
広がりっぱなしでガバガバになった乳穴に流し込まれる母乳の激流。グレート超乳神Zの乳首はそれをゴクゴク飲み込んでいく。すると平らだった胸が膨らみ始めた。
ムクッと盛り上がった膨らみは、重みを増しながら前にせり出していく。
はじめ母乳が飛び込んできたときは一瞬驚いて乳首を固く閉じようとしたが、今では逆にそれを飲み干そうと急速で吸引している。それは膨乳したいという胸の本能の現れだろう。いくら耐性のあるグレート超乳神Zでも、膨乳はどんなことよりも優先される。それがたとえ敵の罠であっても。
ヒュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
口よりも大きく開かれた乳首穴にバキュームのように吸い込まれていく。そのたびにどるん! どるるん! と暗黒の膨乳願望によって膨らんでいくおっぱい。
確かに胸は大きくなっているが、自分ではない異質なおっぱいをまともに制御できず、もちろん対抗もできやしない。
見れば膨らみは身体から突き出るほど、だいぶ大きくなっていた。メロン以上もある乳房は一般的に見ればかなりの巨乳だろう。だが今はそんな小さな次元では戦いにならない。
『んんぅ! ……まあ、これくらいあればいいかしら』
そこで母乳の噴出を止めたバスタリアンシャドウは、超乳を揺らしてグレート超乳神Zに近づく。
『『やんっ!』』
そして出来上がったばかりのグレート超乳神Zの谷間に手を突っ込んだ。明らかに身体を貫通するほどに腕を突き刺したが、胸板に当たる様子はない。つまり谷間には異次元への、元の世界に戻る入り口が構築されていた。
『あら、全然行けるわね』
『『無理っ! まだ小さいわ! ぐぅっ!』』
『何もできないくせにうるさいわ』
抵抗しようとしても、固定された体を動かすことができない。膨らんだばかりの巨乳がプルプルと震えるだけだ。
シャドウは一旦腕を引き抜くと、谷間に向かってグレート超乳神Zにおっぱいを押し付けた。
『『あぶっ』』
それだけで上半身が乳房にうずもれてしまう。
シャドウはそのまま数倍以上もサイズ差があるおっぱいをグレート超乳神Zの谷間に入れようとする。
『そおれ!』
『『あぁんっ! 無理! 無理だってぇ!』』」
大きな胸がつっかえるが、グググっと強引に押しこみ、小さな穴の中へとねじ込んでいく。
『んっ! ちょっとキツイけど行けそうじゃない!』
『『あっあぁぁ!!! ああああああああっ!!!』』
谷間の方も強引にくぐらせようと吸引を強め、乳房をゴックンと飲み込んだ。
そうして何事もなくおっぱいが、続けて引きずりこまれるように全身が入り切った。しかし、
『ん! せっまい!』
谷間の中は入り口が小さすぎたためか、通り道さえも小さいままだった。まるで細い土管を大人が通り抜けようとするようで、おっぱい無しでも通るのがやっとの狭さだ。
それでも異次元の通路に柔軟性はあるようで、窮屈さを感じさせながらも道を強引に押し広げて胸の外に向かってなんとか駆け上っていく。
『『あっあひいいいいいいいいいいいいいいいい』』
グレート超乳神Zにとってはおっぱいの中、通り道がシャドウのおっぱいに無理やり拡張されて押し込められている感覚だ。
そして出口。再びおっぱいがつっかえた。外の超乳神はかなりのサイズだが、やはり同じぐらいの大きな塊を谷間から出すのは無理がある。
狭いゲートの中、バスタリアンシャドウは引っかかった乳房を押し上げる。
『ああもう! キツイわね!』
異次元の外、地球上ではグレート超乳神Zの乳房が悶えるようにプルプルと震えていた。
グッグッと谷間の内側が盛り上がったかと思うと、そこから突然おっぱいが飛び出した。それは二つくっついた鏡餅のような乳だるま。
そして上に乗っかったおっぱいが持ち上がると、シャドウの体が異次元から抜け出した。
『お返しはまだ終わらないわよぉ?』
海上に降り立ち、振り返ったバスタリアンシャドウの目線は、乳房だけとなったグレート超乳神Zに向いていた。
グレート超乳神Zは今もバインバインと弾むだけで、そこに意思は感じられない。
『私より大きいおっぱいなんて許すわけないじゃない!』
バスタリアンシャドウは胸を強く押し付けた。
『はぅ……きてる。きてるわ』
グレート超乳神Zに覆い被さるように大きくなっていくバスタリアンシャドウの胸。
バスタリアンシャドウはグレート超乳神Zの乳房を吸収している。今ボディは自らの谷間異次元の中にあり、外にはおっぱいしかないためバリアを展開できず吸収が可能だった。
吸収している乳房は史上最大の母乳願望の塊。つまり、その分膨張はものすごいことになる。
ブリュリュリュリュリュリュリュリュッ!!!
黒い乳房は自らを押し返し、上半身を飲み込むほどに膨らんでなお成長は止まらない。
『おっぱいよ……もっとおっぱいがいるの……!』
それでもまだまだ膨乳を求めるバスタリアンシャドウ。
ムクッ! ムクッ! ムクッ! ムクムクムクッ!!!
体積はさらに増していき、グレート超乳神Zを覆い圧し掛かるように大きく重く育っていく。
『はぁあぁんっ おっぱい……おっぱい、おっぱい、おっぱい……』
見る見るうちにグレート超乳神Zは小さくなり、押しつぶすかのようにバスタリアンシャドウの胸で隠れてしまった。
成長を遂げていくおっぱい。だが吸収していくたびにシャドウの理性が飛び始めた。
気が狂いそうな膨乳願望が形作ったおっぱいだ。吸収したら並みの精神では耐えられないだろう。バスタリアンマザーが柔華の膨乳願望に耐えられず暴走したように。
それだけの膨乳願望が吸収され、バスタリアンシャドウに襲い掛かる。
『あ……お……おぱい……おぱ、おぱああいっ! おぱっ! ……』
ムグググググ……ググググ……ググ…………
そして沈黙したシャドウ。意識は再び闇の中に消え、吸収が止まった。
いくら膨乳の欲望で化け物と化すレベルのバスタリアンシャドウでもグレート超乳神Zの膨乳願望を受けきることができなかった。
――――ドクンッ!!
突然震えたった乳房。ブルッブルッと何度も弾む。そして、
『おぉぉっぱぁああああああああああいいいいッ!!!!!』
身体よりも大きくなった乳房を振り回し、バスタリアンシャドウは雄たけびを上げて蘇った。その暴れる乳房は、吸い取られてかなり小さくなったグレート超乳神Zを吹き飛ばす。
『おっぱぁぁいい! わたわたしが、おっぱぱいぱいおっぱいなのぉぉぉぉぉぉ!』
取り込んだ膨乳願望が暴走を始め、ひたすら膨乳することしか頭にない。一度は本能を乗り越え理性を覚醒させたものの、再び膨乳するだけの化け物へと逆戻りだ。それほどまでにグレート超乳神Zの膨乳願望はとてつもないものだった。
ドクンドクンと胎動する暗黒のおっぱいはグレート超乳神Zのパワーの一部を得て、膨乳願望を干渉させる。すると地球中の乳房が震え、バスタリアンシャドウに引き寄せられて来た。
滝のようにあふれ出る膨乳エネルギーを用いて、自分が膨乳させた世界中の乳房を吸収しようとしているのだ。グレート超乳神Zの妨害がなくなった今こそ絶好のチャンス。本来の目的だった全人類吸収が目の前になった今、もはやグレート超乳神Zは眼中にない。
『せせせカイいいいちいチチィィのむむねねねオッぱいになるのよおおおおぉぉぉああああ!!!』
邪悪なおっぱいから轟く脈動は天変地異を巻き起こす。海は荒れ、空は泣き、大地は震える。同時に暗雲が広がり、地球を覆っていく。
『おっぱいおっぱいおおおおっぱいああああああおおきオッパああオオキクおっぱおぱぱぱぱああああいいんごごごげえええええおおお』
もはや言葉ですらない悲痛な叫び。これが暴走した膨乳願望の成れの果て。ただ本能のみでおっぱいを求める悲しき膨乳だ。
『おおおおぉぉぉぉっっぱぁぁいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!』
乳房からプラズマが迸り、邪悪な渦が巻き起こる。引き寄せられてきた乳房たちはその渦に飲まれると、バスタリアンシャドウの胸に吸い込まれていく。
次々に飛来する乳房は中に取り込まれると、バスタリアンシャドウの乳房に融合を始め、黒く染まったおっぱいに一つになる。
ギュゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
ドクン! ドクン! と鳴り響き、脈動がおっぱいを震わすたびに、体積が増していく乳の山。無数の乳房が体内でまじりあって、膨らみ続けるおっぱい。しかし、
『おおおぐあぁあっ!?』
ブルゥゥンッ!!!
渦に引き寄せられてきた一つの揺れる乳房が渦をせき止めた。
『『そこまでよ!!』』
おっぱい中に響く振動。
乳房を飲み込み続ける漆黒の渦を切り裂いたのは、弾ける爆乳。そして激しく揺さぶられ、グワンと大きく弾むそれの奥から現れた巨大な人影。
ボインともう一度揺れたとき渦を乗り越えた姿が露わになった。
そう、グレート超乳神Zがそこに立っていた。
膨乳願望が乳房たちに干渉したことで、乳房の吸収は止まって、シャドウの膨乳は防がれる。
『なになななにぃ! わたししのおぱぁぁいいいががががあああぁぁぁぁ!!!!!』
吸収できなくなり、胸で暴れはじめるシャドウ。
『もう……私たちのおっぱいをこんなに吸ってくれちゃって』』
グレート超乳神Zは物足りなさそうに、爆乳サイズまでに吸い取られてしまった乳をタプタプと揺さぶる。しかし、小さくなってもとんでもない張りやすべてを弾き返さんとする弾力は流石としか言いようがない。
『『こんな無理な吸収をしなければまだまだ世界一のおっぱいでいられたかもしれないのに。残念ね』』
バスタリアンシャドウの近くにあったグレート超乳神Zも他の乳房たちと同じく渦に引き寄せられていた。
しかしバスタリアンシャドウの暴走した膨乳願望は谷間を伝い谷間異次元の中にまで届いていた。結果、中のグレート超乳神Zは膨乳願望の波を浴びて膨乳。後はおっぱいの力を使い自分の谷間を潜り抜けて異次元を脱出、超乳神と再融合したのだ。
『『だけどこれ以上、人類を……おっぱいを吸収させやしないわ!』』
グレート超乳神Zはバスタリアンシャドウを睨みつけ、構えた胸をブルルンと震わせた。そしてボヨンボヨンと重力を無視して乱舞させる。
その時シャドウがガタガタと体を震わす。
『おぱあああああああああああああああああああああああああいいいいいいいいいいいい!!!!』
バグンッ!!!! バグゥヴンッ!!!!! バグゥググゥゥンッ!!!! グガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!
暴走する膨乳願望は爆発し、身体を飲み込んで尋常ではないほど膨れ上がった。
『『ひゃっ!?』』
グレート超乳神Zの胸がひりひりと揺れた。凄まじい膨乳願望だ。だが人類の、おっぱいの、膨乳のために戦うグレート超乳神Zの膨乳願望は負けはしない。
『『私たちのおっぱいはこんなものじゃないわ!』』
膨乳するシャドウの乳が身体よりもはるかに大きい極々超々乳となり、邪魔なグレート超乳神Zを取り込もうと津波のように襲い掛かる。
『『みんなのおっぱい! 私たちが預かるわ! だから力を貸して!』』
グレート超乳神Zの要請に膨乳願望が共鳴し、物凄いスピードで大胆に揺れる無数のおっぱい。それは世界中に旋風となって広がっていく。
目の前には、圧し掛からんとするほどの大きさとなって迫り来る黒い乳波。しかし、
ドクン……ドクン……!
込みあがって来る穏やかで、しかし胸を震わせるほどの激しい脈動。それは高まり続ける膨乳能力の新たなるパワー。
『『私たちの膨乳願望……受け取って!』』
グレート超乳神Zは胸の奥から湧き上がってくるその言葉を叫んだ。
『『ハイパァーッ!! ギガンティィックッッ!!!!!!』』
腕を広げたグレート超乳神Zは爆乳を天に向かって突き上げた。爆乳がブッッルゥゥゥウンンと上下に揺れると、さらに膨乳願望が溢れてくる。
『があああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
その波動にシャドウの押し寄せてくるおっぱいの高波は弾き返され、動きが止まった。
『『はぁう! んぁ、あああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』』
胸が光り輝き、周囲の暗雲を払っていく。それはまるでおっぱいの太陽だ。昇る太陽の輝きは、世界中のおっぱいを照らし、膨乳願望の煌めきを届かせる。
膨乳のビッグウェーブ。その膨乳願望は全世界へと拡散して、この星すべてを包み込む。共振して揺れる胸を通して世界中の乳房に膨乳願望が注ぎ込まれているのだ。
そう、膨乳願望は拡散し、ハイパーギガンティックは地球上の全てのおっぱいを膨乳させる。それがグレート超乳神Zの、美里の膨乳願望の神髄。まるで慈愛の聖母のように自らの膨乳願望を分け与えている。
広がる膨乳願望に触れた乳房は、自らの持つ膨乳願望が刺激される。その膨乳願望を糧に、力強く膨らむ。あのおっぱいも、このおっぱいも、全て膨乳する。小さくてもバランスボールサイズだった人類はハイパーギガンティックによってさらに大きくなる。
ボリュ! バリュゥン!!! ブルゥゥゥゥッン!!!!
ムクムクッ!!! グググググググッ!!!! ブルルルルルっ!!!!
ボォン! ボン! ブリュリュリュ!!! ムゴゴゴゴゴゴォ!!!!!
広がっていくように大きくなり続けたり、爆発するように一気に膨れ上がったり、何度も何度も小刻みに膨らんだり、一人一人違った多種多様な膨らみ方で、世界中の人類が膨乳する。
まるで地球が揺れているかのように揺れて揺れて、揺れまくる。そのたびに大きくなる乳房。激しい脈動が打ち揺らし、大きくさせる。
一回り大きくなって、さらにもう一度。右が膨らみ、そして左が膨らむ。何度も膨乳が繰り返され、世界中の乳房の大きさは軽く10トントラックは超えている。そこからも、一回り、二回りと大きくなっていく。
『ぐがぁぁ!?』
見てることしかできなかった、バスタリアンシャドウの胸が突然揺れ始めた。
ブルン! ブルン! ブッルゥゥンン!!!
フルスイングで揺れるシャドウの漆黒の乳。その内側から透けるように光がまばらに現れた。
『わだだぢのぉおちちちちがががががががあああああぁぁ!!!』
吸収した人類がハイパーギガンティックの影響を受け、シャドウに反発を始めて中から膜を破るように乳房が分離していく。
おっぱいから弾けるように離れていく無数の乳房は、グレート超乳神Zに一直線に向かっていく。近づくたびにグレート超乳神Zの脈動が、乳房を揺らし、大きくさせていく。
『『はっあぐぅ!?』』
胸から尋常ではないほどの膨乳願望を放出し、ドクンドクンと大地を震わすグレート超乳神Z。
そこに世界中で膨乳している人類が……乳房が、おっぱいが光の筋となって集まって来る。おっぱいはバスタリアンよりグレート超乳神Zの膨乳願望を選んだのだ。
『『来る……来るわッ!』』
グレート超乳神Zの周囲を覆うように集まって来る。脈動するおっぱいは、その間にも大きくなって激しく打ち震える。
『『お、おっぱいがぁ……おっぱいがっ!』』
ブッルゥゥン!!!
グレート超乳神Zのおっぱいが大きく弾んだ。それを合図に、囲っていた乳房がグレート超乳神Zの胸に一斉に飛びかかる。
その瞬間、おっぱいの進化は始まった。
ギュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!
『『おっぱいが、ひとつにいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!』』
群れを成して押し寄せる乳房が絶えずグレート超乳神Zの胸に合体していく。最初の爆発は、たった一瞬だった。だがそこから永遠に膨れ上がっていく。
合体することでハイパーギガンティックによって増幅された乳房たちの膨乳願望はグレート超乳神Zに献上される。それは膨乳願望で大きく成長するグレート超乳神Zにとって最上級の御馳走だ。
ッドブリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュ!!!!
『『いひくぁああああああああああああああああっ!!!』』
乳房だけとなった人類は、今や膨乳生命体と変わらない。ブレストフュージョンと同じように他のおっぱいに合体することができる。
地球を照らす胸の光に収束されていく乳房たち。そして近くのおっぱいにくっつき、一つのおっぱいとして大きく結合する。さらにそこから新たなおっぱいを求め、最終的に大きな、大きなおっぱいに雪崩れ込む。
グレート超乳神Zが乳房たちを膨乳させて、乳房たちはグレート超乳神Zを膨乳させる。おっぱいはみんなのために、おっぱいはひとりのために。
融合する一つ一つの乳房はグレート超乳神zにとって豆粒以下のものだが、その量は凄まじい。70億もの命が、おっぱいが、この胸に融合しようとしているのだから。まさにおっぱいの究極融合。
おっぱいとおっぱいがこねられた餅のように一つになって、増殖していく。ぶつかって摺り寄せて押し付けて、むにゅっと変形したかと思うと、表面との境界がなくなる。何度も何度もこねくり合って、増していく体積。
ズン! ズン! ズリュリュン!! ズブルリュン!!!!
融合と同時にグレート超乳神Zの胸に、記憶が、意思が、肉体のすべてが、膨乳願望と混ざり合って雪崩に様に押し寄せる。
そしてその一人一人が胸の中に染み込んで、乳房が心臓になったかのように、
ドクンッ!! ドクンッ!! ドクンッ!!!
と激しく脈動する。
そして融合した膨乳願望が混沌と化した嵐となって胸の奥に叩き込まれ、その刺激がさらにその身を膨らます。
『『おっぱいいい! おっぱいいいいいいい!!!!』』
圧倒的物量の超々乳が合体。毎秒一万以上のおっぱいが融合する。その光景はまるで乳房が原始に還っていくようだ。なによりも一人一人の膨乳願望はハイパーギガンティックの影響でかなりのものになっているため、ありえないほどおっぱいが湧き上がる、
『『ら、らめぇぇ!!!! こんなのわたしがおっぱいになっちゃううううううう!!!!』』
何度も体験している当たり前のことだが、今までに経験のない大膨乳のためかつてない混乱。実際胸全体から快感に似た感覚が迸り、頭の中はおっぱい一色。視界をを埋め尽くすのも肌色のみ。
そしてついに自分の身体よりも乳房が大きくなり、めり込ませた全身を押し返そうとする。
ブリン! バリュリュ!!! ブリュリン!!! ボリュリュリュリュッ!!!!
外から吸収された乳房は、おっぱいと一つになって内側から暴れ出す。そして脈動と共にその部分が大きくせり出していく。
それが何度も、何度でも繰り返され、感覚全てが広がっていく。
バルルルルルンッ!! ブルンバインッ!! ブルルルルンッ! ユッサァアン!!
『『あっあぁふうううううううううううううううううううううううううううう』』
一つになっていくおっぱいは太平洋を侵略しながら、さらに大きさは増していく。
『『もうっ……まんぱいぃぃぃぃぃぃっ!!!!』』
グレート超乳神Zは胸に支配された身体をがたがたと震わせる。
ボディ全体は軋むような異音を上げている。しかしおっぱいはその限りではない。まだまだ余裕を持って膨らみ続ける。
そして乳に挟まれたボディを谷間が作る闇の中に押しこめた。
ブバッリャァンッ!!!
その時、乳房にとっての幼少期は終わり、人類は更なる世界へと突入した。
『『はにゃぁっん!』』
ドルルルンッ!!!
激しく震え立ち、おっぱいエンジンのギアが上がる。
込みあがったパワーによって乳首が立ち上がり、先端の穴がぐぱっとこじ開けられた。その出来上がった乳首トンネルに殺到する乳房たち。
『『ちょっとダメェ! んぁっそこからはぁ! んひぃぃぃぃぃぃぃっ!!!』』
侵入したおっぱいの中でバインバイン跳ねまわり、自ら吸収されていく。
ものすごい勢い乳内の乳房をを取り込み、おっぱいの吸収スピードが跳ね上がり爆発的に体積が大きくなる乳房。
『『ああ、あぐぅぁ……あががががががああああああががががあああああああああああああああああああああああああああああ』』
悶えるように膨乳し、さらに放出する膨乳願望が加速した。つまり、超々乳たちに対するハイパーギガンティックの効果はさらに強くなる。
ブリャリャリャリャリャ!!!! バリルルリュリュリュリュ!!!!
さらに膨乳スピードが増した空を舞う乳房たちは、グレート超乳神Zに近づくたびその身を震わせながら激しく膨らむ。
一気に二倍、いやすでに四倍以上にはなっている。一つ一つの膨らみがガスタンクほどの質量。それが束となって絶えずに襲い掛かってくる。
全身から取り込み、外部からも内部からも強制的に膨らまされるおっぱい。
『ぐぎっびびゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』』
グボボボボボボボボボボボボオボボボオオオォォォォォォ!!!!!
『『おっぱあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!』』
ッブリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュッ!!!!
既にグレート超乳神Zのボディは谷間の中に飲まれて、膨乳させる栄養分として乳房に融合してしまっている。
『『いいいぎぎがあががががああああああああああああぁぁぁッ!!!!』』
むぢゅぎにゅぎぎぃっ!!! もづぁごぎゅるるぶぬぢゅいぃっ!!!
それは悲鳴なのか、歓声なのか。ついに異常な怪音を上げるおっぱい。
融合していく人類も少なくなり始め、最後の方は一人一人がドーム球場を超える大きさになっていた。それが前後左右360度どの方向の表面からも吸収され、さらに乳首からも吸い込まれるように飲み込まれていく。
ムクムクムクムクゥ!!! ドップゥゥゥン!!!!
最後の乳房がまるで泉に落ちた石ころのように沈み、地球上の人間だった乳房たちが一人残らず吸収された。
『『はぁっ! ああぁっん!』』
吸収した乳房たちの膨乳願望が血となり乳となり全身に駆け巡る。
ボン! ボォン!! ボンボッボォン! ボォォォン!!! ブッボォォォオオン!!!!
二回り以上の膨乳が繰り返される。
シュウウと熱が作り出す水蒸気が雲を作り、雨を降らせた。しかし雨は地面からの振動によって切り裂さかれ、太陽によって描かれた虹から現れたその山は黄金めいた白乳色。
それはまさしく大陸そのもの。丸い地球に丸く浮かび上がった双子の大地。続くカーブの先の頂点にアクセントのようなピンク色の山が盛り上がっている。そして中心には深淵のごとく深い谷間。
地球中の眠る思いを宿した一つの意識が今、目覚める。
その名は――
『『究極……ッ! 超乳神ッ!!!』』
そびえたつのは世界中のおっぱいを取り込んだ、超極々超々乳(ちょうごくごくちょうちょうにゅう)。
おっぱいを体現したその姿は人類が選んだ全世界の意思。
『『私たちが……おっぱいよっ!』』
全身が揺れたち、究極超乳神が吠えた。
ブルルとバスタリアンシャドウが震える。最早比べようがない大きさを持ったその乳房に恐怖を覚えるかのように。まるで蛇ににらまれる蛙のごとく、動くことが出来なかった。
『『チェンジ! ハイパー・インバーテッド・ニップル!』』
そそり立つ究極超乳神の乳首が陥没乳首へと変形を始めた。
乳輪の中に飲み込まれていく乳首。そして陥没した乳首はグポォと大きく、オーストラリア大陸を飲み込めそうなほど全力で開いた。
相手は膨乳エネルギーの塊そのもの。そして進化した究極超乳神にわざわざニップルコネクトは必要ない。対象を直接吸い込めばいいだけだ。
『『ハイパー! バキューム! インフレーション!!!』』
乳首穴は空間を飲み込まんとする吸引を開始した。
『おぱあぱいあいおおあぱあああああああぐうぃえいごおおぞぐいぇいえおっぱぁぁぁぁっぁ』
肉体が維持できず、おっぱいは二つに分かれボール状となり、それぞれにの陥没乳首に吸い寄せられる。
ギュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
シャドウのおっぱいはとろけるように分解をはじめ、濁流となって乳首に吸い込まれていく。その差は圧倒的。吸引に十秒も必要ない。
ゴックン!!!!
膨乳エネルギーの塊をそのまま丸呑みした。姿は崩壊しながらもまだ体内でもがいているようだが、究極超乳神の前には歯が立たない。
『『はぐぅっ!!』』
吸収され、還元されていき、おっぱいに変換されていく。
ボグンッ!! ボグボグボグボグッ!! バッグゥン!!!
グングンと海をかき分けるように右に左に大胆に膨らむおっぱい。溢れるように巻き起こる津波が、大陸を飲み込む。
膨乳が落ち着くと陥没乳首は閉じてせりあがって元に戻った。
こうしてすべてのおっぱいが究極超乳神に還っていった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ドクン……ドクン……ドクン……
なんだか心地よい鼓動だ。まるでゆりかごに包まれているような。
ドクン……ドクン……ドクン……
でも……ここはどこだろう?
見渡しても無限に暗闇が広がっていた。歩いても歩いても光は見えなくて。
なんだか悲しさがこみあげてくる。なにが悲しいかもわからない漠然とした感情。でも気が付けば頬に涙が伝わっていた。
あれ……?
何で泣いているんだろう。
なんだか行きたかった場所に行けなかったような。
ビーチ? 遊園地?
何処も違う。私、どこに行きたかったんだろう。
「……私、おおきくなりたかった。大きな胸が羨ましかったの。でも……でも……! ただ欲望があふれてきて、大きくなるだけで! そこから私が消えていくの! 気持ち悪くて! でも大きくしたくて!」
気が付いたら私は叫んでいた。
「胸から何かが囁いてきて、私が……私でなくなっていって!」
自分でも何を言っているかよくわからないけど。
いつの間にかそこに人が立っていた。対局のような大小の胸を持った二人の女の人。
誰かなんて知らない。でもただ私の思いをぶつけたかった。思いを伝えたかった。
同じような何かを感じたから。
「大きくなってるのに! 全然満たされなくて! もっと、いっぱい大きくしたい。だから……まだ、死にたくない。おっぱいになって消えたくないよぉ……」
あふれる涙。恐怖が襲ってくる。
「大丈夫。私達と一緒に行きましょう」
胸が小さいほうの女性が微笑みかける。
「あなたも膨乳が好きなんでしょう? なら私達と一緒。誰も悪くないの」
大きいほうの女性が続ける。
「悪いのは胸を大きくしたいという感情を利用した奴よ」
「でも、私は多くの人間を……おっぱいにしちゃった……自分の胸を大きくするために! 私のせいで死んでしまったものよ!」
そうだ許されることじゃないんだ。私は……私は……。
自分が死んでしまう恐怖。他人を殺してしまった罪悪感。それはせめぎあって理性を潰してくる。
「安心して。私たちが助けてあげる」
「あなたを助けて、人類すべても助ける。そうしたらもうあなたのせいじゃなくなるわ。簡単なことじゃない」
「でも……」
「あなたっていう最高の膨乳願望を持った子をみすみす消させやしないわ」
「そうよ。私たちは快感……じゃなくて膨乳の、すべてのおっぱいの為に戦うバスタリアンバスターズなんだからね」
「バスタリアンバスターズ……」
「だから絶対にあなたを元に戻すわ。約束よ」
「うぅぅ……ありがとう……ありがとう……」
私は泣きながら、思わず二人に抱き付いた。
……温かい。そしてこれは、包み込むような鼓動。
ああ、そうなんだ。私はこんなおっぱいに包まれたいんだって。
感じる。おっぱいを大きくしたいって感情。二人のそれはとても純粋で……気持ちいい。
嫉妬にまみれただけの私とは違う。
この光……私も、一緒に……。大きくしたい。おっぱいを大きく。
「ビーギガンティックよ」
小さいほうの女性は耳元で囁いた。
「え?」
「おっぱいを大きくする魔法の言葉」
「ビーギガンティック……」
「そうよ。だから、ほらあなたも一緒に」
「せーの」
私は唱えた。その魔法の呪文を。
「「「ビーギガンティック」」」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
バスタリアンシャドウを完全に取り込んだことでグレート超乳神Zのおっぱいが覚醒した。
細胞一つ一つとなった元人類のおっぱいが新たに取り込んだバスタリアンシャドウの膨乳願望に反応し、活性化する。
それはバスタリアンマザーと来夢の膨乳願望が、グレート超乳神Zの力を取り込んでさらにパワーアップした膨乳願望。つまり胸の奥からとんでもない高揚感が昇って来る。
ドクン……!
『『お? おおっ?』』
ドクン……ッ!!
『『おおぉぉぉぉっ!?』』
ドクンッ!!!!!!!
胸の導火線に火が付いた。全身の細胞に吸収した膨乳願望が染み渡って駆け巡る。よほど相性がいいのだろう。
頭の中はおっぱいまみれでおしくらまんじゅう。混ざり合って、溶け込んだ膨乳願望にブーストがかかる。
結果、膨乳願望をエネルギーに変換し膨乳する究極超乳神は爆発的に膨らむ。
『『『ンンンンンンン!!! キュウキョックゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!』』』
レッドゾーンを振り切って、全細胞がアクセルを踏み込んだ。バチバチとスパークしながら、暴れまわるように膨らむおっぱい。
『あがっ! はうぅぅぅあああああああああああああああああっ!!!!』』
ドボルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッッッ!!!!!!
抑えられない膨乳願望。
『『ほんとうに……! ほんとうに! おっぱいがはれつしちゃぁうううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!』』
膨らんだ左乳房がユーラシア大陸に、そして右乳房が北アメリカ大陸に乗り上げる。
全てを押し潰し、大地を均しながら膨らむ。膨らむ。さらに膨らむ。そして成層圏を突破してなお膨らみ続ける。
マザーに吸収された人々も含め、地球人口全ての合体したそれは進化した人類の姿だった。
ッブッダドゴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!
一気に数千キロメートルも膨らむ刺激に耐えられず、究極超乳神の意識は途切れた。
ッバァッイイイイィィィィィン!!!!
内側から叩かれるように全身が弾み、体感では一瞬で覚醒させられた。
しかしその一瞬はどれだけの時が立ったのかわからない。気が付けば究極超乳神はさらに大きくなっていて、地球は頭が二つある雪だるま状態だ。
サイズ的にはすでに月を超えている。
『『今度こそ終わったのね……』』
ぷるると一見可愛らしく震える。
もちろんその振動は地球を震わせ、大陸を沈ませるほどであったが。
究極超乳神に完全に取り込まれたことで今度こそバスタリアンの復活もないだろう。
今度はハイパーギガンティックの逆。乳房から分離、縮乳させて、人間に戻さないといけない。究極超乳神ならばそれも容易く可能ではあるが、もう少し超極々超々乳の余韻を味わっていたかった。
『『こんなに大きく……幸せぇ』』
しかし、それはすぐに邪魔されることになる。
『『ひゃあ!?』』
ブルルルルルルルルゥン!!!
突然激しく揺れたおっぱい。いや激しく揺れたのは地球だった。激しい脈動が地球から起こり、それに共鳴して震える究極超乳神。
『『地震!? 地球に何が起こってるの!?』』
究極超乳神が地球から感じるこの感覚は膨乳寸前の張り詰める感じに似ていた。
考えてみれば、バスタリアンマザーは地球内部に母乳を、膨乳エネルギーを流し込んでいた。それはなぜか。膨乳するのが目的なら別に地球を破壊する必要はないはずだ。
自らの栄養にするために人類のバスタリアン化をした。なら、その次にあるのは。
『『そうか……バスタリアンマザーはこのために……!』』
全てを理解した究極超乳神。この地球の異変の原因が一つに繋がった。
内部にマザーは母乳を流し込んだ。
同じように超乳神は母乳を大量噴出し海を染めた。さらに世界中に膨乳願望をまき散らした上、人類をハイパーギガンティックさせた。地球全体を気が狂うほどの膨乳願望で満たしてしまっている。
そして膨乳願望が異常に満たされればどうなるか。その先にあるのは一つの答え。
『『地球のバスタリアン化……!』』
それは膨乳し過ぎた弊害。膨乳惑星地球の誕生。
スケールが大きすぎる膨乳大戦は無機物の地球を疑似的に膨乳生命体、バスタリアン化させてしまったのだ。今はまだ乳ではなく惑星の面影を残しているが、膨乳を繰り返すたびにその性質が乳に近づいていくことだろう。形状が丸いこともその拍車をかけている。
膨乳願望の強さ自体は究極超乳神に及ばないだろう。しかし惑星自体の大きさもあり生み出される膨乳願望の量は果てしないものだ。
究極超乳神はまったく気にしていなかったが、月よりも大きい物体が地球上で暴れていたら本来ならすでに地球は崩壊している。膨乳し過ぎても地球が崩壊しなかったのは、膨乳惑星化した影響のおかげだ。膨らまそうとする力に耐えるため全体の強度がかなり強化されている。
だが激闘のせいで大地は荒れ果て限界寸前のため、今溜め込んでいる膨乳願望を開放し膨乳してしまったら、耐えられず本当に地球は爆発してしまうだろう。
『『あ、ちょっと!』』
突然、究極超乳神の下側を揉まれるように掴まれた。
海面そのものが沼となって、地球の表面に引きずり込もうとしてくる。これもブレストフュージョンの一種。
暴走した膨乳生命体は膨乳願望を求める。それは膨乳惑星となった地球も同じ。身体の上にいる膨乳願望の塊を吸収し、自らを膨張させようとしているのだ。
『『ハイパーブレストレッグ!』』
究極超乳神は全身をつかって地球を思いっきり叩き、その巨体をバウンドさせる。その勢いでそのまま地球から宇宙空間に飛び出した。
進化した膨乳生命体である究極超乳神は空気を必要とせず、宇宙でも問題なく活動が可能だ。
ぶるっと不自然に形を歪ませ月の激突を超える衝撃にも耐える地球。相当膨乳惑星化が進んでいる。
地球だろうとバスタリアンなら倒す。それがバスタリアンバスターズだ。
『『くっ……。ニップルコネクトが出来ないんじゃ地球にバキュームインフレーションは出来ないわね』』
地球は膨乳惑星と化したが、まだ乳房になったわけではないため乳首に当たる場所はない。どんなおっぱいでも貪り尽くす必殺の技も、バスタリアン以外では形無しだ。
ニップルドリルで乳首を地層に埋め込んでも、そこから出てくるのは母乳かマグマか、ともかく膨乳願望を吸収できるとは限らない。
『『でも地球が膨乳生命体になったなら、私たちが取り込めば!』』
普段のバスタリアンとの戦いではできないが、今の究極超乳神ほどのパワーならばブレストフュージョンして膨乳願望を吸収して分離することが出来る。しかし地球の方が大きい。このままでは力負けして逆に取り込まれてしまう。
そのため究極超乳神はブレストディメンジョンを発動させる。シャドウの時と同じ、胸の中に入れて膨乳願望を搾り取る戦法だ。
ブルンブルンと全身を振り回すと、谷間を開いて地球を飲み込もうとする。しかし流石に地球は大きく谷間に入らず、両乳は地球と激突した。
チャンスとばかりに地球の表面はグニグニとい歪み、究極超乳神を取り込もうとしてくる。
『『地球なんかにおっぱいが負けてたまるもんですかぁぁ!』』
ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!!!!!!
谷間の吸引力は最大。バキュームインフレーションを超えるえげつない吸い込みで谷間の中に押し込めようとする。
もちろん地球は谷間につっかえ、なかなか入りはしない。それでもゆっくりとだが、着実に中に入っている。
グッグッグッ!
谷間の大きさも限界だ。しかし、無理やり地球を押し込めようとフルパワーで開いている。
『『あぁっんぅっ! もう少しぃ!』』
異次元と干渉し、エネルギー場が発生。凄まじいパワーが究極超乳神全体を包み込む。
地球は歪み、乳の中に押し込まれていく。
『『あひぃっ!?』』
それでも強引に飲み込んだ。究極超乳神は地球を一気飲みしてしまった。
バクゥン!
谷間異次元は激しく究極超乳神を震わせる。
地球は谷間異次元の容量を大きく超えている。それは自分の体積を大きく上回る物体の格納。無理に入れ込んだことで、超エネルギーは究極超乳神へ一気に雪崩れ込む。
『『こ、こんなにキツイなんて……いやぁ!』』
ぎゅうぎゅうに押し詰められて、すぐにでも吐いてしまいそうな感覚に襲われ、全身が悶えて暴れだした。
谷間異次元に取り込まれた地球から膨乳エネルギーが抽出され、究極超乳神にエネルギーを注がれる。
ドクン……ドクン……
活力を得た脈動は大きく広がり星を震わせ、宇宙に浮かぶ巨大な心臓のごとく膨縮を繰り返す。
しかしそれは嵐の前の静けさ。
膨乳願望はとまらない。
谷間異次元の中で地球は究極超乳神との融合が始まり、おっぱいに還元されていく。
惑星のエネルギーと膨乳願望。そのパワーが混ざり合って、おっぱいは進化を始めた。
激しい脈動に合わせて爆発的に膨らむ。
『『ふあっ……あっ……あぁん! おっぱいおおきくなって……とまらなぁい!』』
ズン! ズン! ズリュリュン!! ズブルリュン!!!!
ブリン! バリュリュ!!! ブリュリン!!! ボリュリュリュリュッ!!!!
ボルルルルルンッ!!バユンバユンッ!!ブルルルルッ!ユッサァアン!!
『『ひひゃあああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!』』
ドパン! ボッパン! ドルッバルン!!!
ダップゥゥウウウン!! ムックククククゥウウウ!!!!! グググググググググググググググ ムググググゥ!!!
『『私たちが、おっぱいが、地球になっちゃうううううううぅぅぅぅ!!!!』』
湧き出てくる膨乳願望の量は凄まじい。まるで乳の中で地球が嵐となって荒れ狂っているかのようだ。
惑星が爆発するレベルの膨乳が巻き起こり、何度も何度も膨らみ続けるおっぱい。
一つの膨らみは地球サイズに到達し、更なるパワーアップを果たした乳房は究極超々乳神へと進化した。
『『ちきゅ、ちきゅうがおっぱぁぁぁぁぁぃいい!!!』』
地球を超えてもなお大きくなるおっぱい。新たに太陽系に生まれた双子星はブルゥンブルゥンと揺れて公転する。
ボン! ボン! ボン! ボンッ! ボッ! ボッ! ボッ! ボボボボッ! ボインッ! ボイッボインッ!
その凄まじい体積は様々な膨らみを見せ、とめどなく胸が膨れ上がった。
ボボボボンッ! ボグ、ボグ、ボグ、ボググググググググ……ボッッッオオオオオオオオォォォンッ!
おっぱいの中で、地球がおっぱいと干渉しあって膨乳願望を高めている。膨乳惑星としてのエネルギーが吸い取られ、もはやほとんど原型は残っていない。
ブルルル!! ブリュ!! ブリャリャリャ!! ググググン!!! ボグ!!!
大きくなりすぎたせいか時間の感覚は人間のそれとは違う様で、あっという間に太陽の周りを一回転していた。
隣の惑星、金星が究極超乳神の横を通り過ぎようとした。しかし揺れるおっぱいはブッルゥンと巨大なハンマーのごとく金星に激突し、粉々に粉砕してしまった。
ずぶずぶと表面に沼のように引きずり込まれる金星の破片。惑星の活力をおっぱいに取り込むことで、膨乳は加速する。
そしてゆっさゆっさとおっぱいはますます大きくなり続け、そこから一周もすると大きく、二週もすると膨れ上がり、三周するころには土星並みになっていた。
美里、柔華、地球全体の膨乳願望が解放される。
何度も膨乳を繰り返すうちに湧き溢れる膨乳願望の制御が可能となっていた。地球そのものを飲み込み70億をも超える人間の欲望は無限大。まだまだ膨乳を続ける究極超々乳神。
ここまで来たら膨乳の果てを確かめたいという感情が抑えられなかった。
『『素晴らしいわ! これが……膨乳よ! 膨乳なのよ!!』』
ブルンブルンとさらに大きくなっていくその様は史上最強の膨乳生命体。この勢いは誰にも止められない。
膨張の影響でぶるるんと揺れれば星々を粉砕し、エネルギーを吸収、さらに大きくなる。
ズン! ズン!! ズンッ!!!! ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!
右が膨らんだと思えば、後を追うように左が膨らむ。
膨大なエネルギーを放出しながら、膨張は終わる気配もなく更なる膨らみを見せていく。
『『もっと! もっとおっぱい!』』
その欲望の塊こそ地球の総意。いまだに理性が存在しているのが恐ろしい。自らの限界を求めて終わらない膨乳を繰り返す。
小惑星帯を次々に取り込み、宇宙空間でその体積を絶えず増やし続ける。
しかしその狂った欲望は宇宙に闇を生み出した。
『『はぐッ!? いぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!!』』
突然ある種の冷たさのようなものが全身を覆い、何かが究極超々乳神を締め付ける。
こねられる生地のように木星をも超えるサイズのおっぱいが歪んだ。
モニュンッ!!!! ブニュンッ!!! とばかりに見えない何かに刺激され、弾力によって崩壊せずに形だけが変えられる。
『『むぐっ!? な、に、これぇぇぇぇっ!!!?』』
おっぱいから響く声は宇宙に轟く振動となった。
宇宙が、空間が歪んで、あまりにも不自然な物理法則の乱れが究極超々乳神を襲う。
『『おっぱいに、何が起こって!?』』
巨大惑星を無茶苦茶に変形させる異常な力。それは何者かによるものではなかった。宇宙の存在そのものが、この世界におけるエネルギー保存則を無視し、感情を質量に変えて体積を増やすそれを排除しようとしていた。
それはまさしく宇宙のがん細胞を取り除く免疫のようなものなのかもしれない。
究極超々乳神は宇宙そのものに強引に揉みしだかれる。不自然にねじ曲がった空間がおっぱいを締め付け、歪に変形させる。
それだけではない。
ねじ切れた空間がブラックホールとなっておっぱいを包み、悶絶するような痛みと共に自分の身体が抉り取られていく。肉体が、膨らみが無くなっていくことが全身からはっきりと伝わる。
『『ぐっ……がああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』』
究極超々乳神は理解した。胸で、全身ではっきりと感じ取った。これは膨乳願望の否定する宇宙の意志なのだと。
膨乳し続けたことで、惑星を崩壊させた。このまま進化を続ければ太陽系の滅亡に繋がる。宇宙は進化し過ぎた膨乳願望を認めなかった。人間を吸収し、地球をも吸い込んで膨乳する。やっていることはバスタリアンと何も変わらない。変わらないのだ。
だが膨乳がこの世界から否定されることは美里が、柔華が、究極超々乳神が認めることは出来なかった。ここまで来たら後には引けない。ここで膨乳が否定されたら、融合した人類は、地球は……。
『『私たちを認めないなら、認めるまで膨乳してやるわ……!』』
宇宙が膨乳を否定するのなら、宇宙さえも膨乳させてやる。
究極超々乳神の膨乳エネルギーは限界ギリギリのフルパワーでおっぱいを膨らませる。それは超新星爆発に匹敵するエネルギー量。
しかし究極超々乳神は膨らむことはなく、むしろ小さくなって全身が消滅していくばかり。
『『なん……で!?』』
身体を蝕むブラックホールは膨乳願望から生み出したエネルギーさえも飲み込んでいるせいで、一ミリの膨乳すらできやしない。
肉体が削られ、圧縮され、消滅していく。ブラックホールによって潰されていくのを何もできずに見ているしかない。
『『ああ……そ……ん、な……』』
全身が引き裂かれてペチャンコに潰れ、肉眼では見えないほどに圧縮されたそれはブラックホールの中に消えていった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
誰かが読んでいる?
究極超乳々神はふと意識が目覚めた。
『『私たち、ブラックホールに吸い込まれたんじゃ……』』
しかし全く身体は動かない。
それどころか何も見えず、感じず、普段湧き上がっているはずの膨乳願望もゼロ。
肉体は消滅を免れて、辛うじてマイクロサイズの肉体が残っていた。
しかし超圧縮された空間の中でなぜ消滅しなかったのか。
疑問に感じた時、何かが聞こえた。
ドクン……ドクン……!
存在しないはずの胸の鼓動。同時にかつての谷間に光が奔っていた。
『『こ、これは……』』
自分の存在が消えるその直前、本能的に異次元空間の扉を開いていた。
ハイパーブレストディメンジョン。それはおっぱいとおっぱいを繋げる力。
それは怒涛の勢いで流れ込んできた。
『『なに、これぇ……おっぱい……おっぱいからぁ!?』』
谷間の異次元を通じて全てがおっぱいに伝わってくる。世界中から溢れてくるおっぱいの感情。
それはいくつもの声が折り重なるように、膨乳願望が谷間から噴火のごとくあふれ出てくる。
膨乳エネルギーが吸い取られ、マイナスとなるブラックホールの中でさえも爆発的に膨乳させるエネルギー量。
――ドッッッックッッッッンッッッッ!!!!!!
『『キタァァァァァァッ!?』』
自分の肉体が爆発し、はちきれたかと思った。それほどの異常なパワーが胸に充満する。
ドリュリュリュリュリュリュリュリュリュ!!!!!
漆黒の世界でおっぱいは膨らみ始めた。
『『おっぱいは、膨乳は、どんな世界でもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』』
谷間異次元に繋がったのは、幾千をも超える平行世界。その中から膨乳エネルギーを増幅して自分のものに変えていく。
しかもそれだけではなく、膨乳の欲望をかき集め、さらにおっぱいに対するほんのちょっとの感情まで増幅しそのすべて膨乳願望へと昇華させる。そしてそれは究極超々乳神のエネルギーとなって質量に変換される。
あらゆる並行世界で女性がいれば成立する無限のエネルギー。世界の最果てまでも膨乳を求める美里の力だ。究極超々乳神まで達し、膨乳が滅亡する危機に陥ったことで、本当に神のごとき力を得ることが出来たのだ。
様々な異次元から究極超々乳神に、折り重なったおっぱいの力が注がれていく。
『『はぁあぐぅッ!!! あっあぁんぅ! んんぐああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁっ!!!!』』
エネルギー保存の法則を無視して、光をも飲み込むブラックホールの中からせり出していく肌色の星。
ブラックホールはおっぱいの質量を受け止めきれず、崩壊をはじめ、肌色が流れ出すように丸く溢れ出した。それは物理現象などまるっきり無視したなにか。
異次元の力はさらに膨乳願望を高めていく。谷間からエネルギーが溢れるそれは、究極超々乳神をも破裂させんばかりの超エネルギー。それが胸いっぱいに満たされていく。
圧縮されていたおっぱいは爆発的に膨れ上がって、衛星を、惑星を超え、星々を押し潰して粉砕する。
膨乳の為に天体を食料と認識したおっぱいは、叩き壊した星の破片を貪るように表面から取り込み、乳房と同一化させて血や肉に変える。それだけではなく、正面の邪魔な星は谷間から吸い込みエネルギーに変えてさらなる膨張を繰り返す。
暴食を繰り返す究極超々乳神はあっという間に恒星サイズとなり、約140万キロメートルの太陽ともタメを張る大きさになった。そのまま膨らみながら太陽を両乳房で挟み込むように激突する。6000度をも超える熱さをもろともせず、それどころか太陽の持つ超エネルギーを吸収。溶かすように胸の中に取り込んでいく。
究極超々乳神は太陽を丸呑みし、それでも膨らみ続ける本物のおっぱいの太陽と化した。太陽系に暗闇が、いや肌色の輝きが覆う。それはどの星からも見える肌色の双子の太陽だ。
そうなればもはや星々など宇宙というテーブルに並べられた料理でしかない。振り回されるおっぱいに蹴散らされるように貪り尽くされ取り込まれていく。
『『あっ……あっ……!! あっあうぅ……! あっああああぁぁぁんっ!!!!』』
グワングワンと振り回されて触れる星々すべてを胸に取り込こみ、太陽系全体をも自分の乳に変えて、更なる膨張を続ける。
膨乳生命体の生み出した惑星ですら起きやしない膨乳ハザードは外宇宙をも巻き込んでいく。
ググッ!!! ググググググググッ!!!! グガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!
『『ンンンムウウウウッニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!』』
拡張されるおっぱいの振動が音のない宇宙でビリリと震え、狂った嬌声となって宇宙に轟く。
ッドダブバババババババババババババババババババババババババババババババババババババッ!!!!!!!!!!!
異次元からおっぱいの記憶が雪崩れ込む。
そのエネルギー量は∞。究極超々乳神といえど自身の許容量を遥かに超えている。
いくら伸縮性のあるゴム風船でも、消火栓のような怒涛の勢いで注ぎ込まれればすぐに限界となってしまうように。
しかし成長に限界の無い究極超々乳神はただひたすら大きくなる。それがたとえ自分の制御を完全に超えていようとも。
前に、後ろに、右に、左に、上に、下に。三次元的に陣地を広げグイグイと進み続ける。
『『アッヒャアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァッ!!!!!!!』』
決して崩壊することない乳房と、無限のエネルギー。それは宇宙中のエネルギーを超え、おっぱいの中で飽和する。
胸の中で生み出されるエネルギーが暴れて、かき回される谷間異次元。エネルギーが増大し続けた結果、この宇宙のエントロピーは増大し続ける。
太陽系を飛び越え、外宇宙に進出したおっぱいは、膨張上にあるすべての物質を取り込み質量に変えていく。
傍にあったシリウスをずぶずぶと取り込み、さらにプロキオンを飲み込んだ。星座は次々に肌色の海の中に消えていく。
そこらの惑星など小さすぎてもはや目も向けない。ロードローラーが無数の蟻の列を踏み潰すようなものだ。
光さえも遮る計測不能な肌色の壁のようなものが迫り来るそれはまさに侵略という言葉がふさわしい。
とある星で生まれた、未知の物体。それは未来では宇宙の一部として伝わっていた。それがかつての人の胸だったとは知る由もない。
迫り来る肌色の塊から逃げるため幾多の異星人たちは星から星へ移民して、かつての太陽系を中心した場所から離れていく。
中には反撃も見受けられた。故郷を押し潰された者たちが集い、星々を跨ぐ連合艦隊の大集結。そして星々を容易に破壊する、恒星の数倍もある超巨大兵器の発進。しかしブラックホールすら効かない乳房の大きさの暴力にはどのような攻撃もなす術もなく、それどころか膨張の為のエネルギーに変えられ、すべて吸収されてしまった。
膨乳は誰にも止める手立てはない。
見る見るうちに大きさは10万光年。つまり94京6073兆キロメートル。銀河系そのものと化したおっぱいはそのまま別の銀河系に侵略する。
一切の移動はないが、大きくなって天の川銀河に飛び込んで、かき分けるように飲み込んでいく。
『『ンギィ! オガガガガガガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!! オッパアアアアアア!!!!』』
もはや谷間そのものが空間を飲み込むブラックホールと化しているようだった。バクバクと空間そのものを食い荒らして大きくなるおっぱい。
異次元から供給される無限のパワーと、この世界の質量を貪って得たパワーを混ぜ込んだ、ビッグバン並みのエネルギーが膨乳に充てられていく。
ググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググッッッ!!!!!!!
膨らむ振動で銀河いっぱいがビリリと痺れる。バルゥン! と振り回されれば、前からも後ろからもあらゆる方向の銀河系を巻き込み押し潰し、自分の体積にしてしまう。
もはや銀河はちっぽけな存在と化すまでに大きくなっていた。
果て無く育った50億光年のおっぱいは60億、80億、そして140億光年へとまだまだ狂ったように肥大化し続ける。
まるでホワイトホールのように溢れ出す乳房という質量の海。宇宙を谷間の異次元へ取り込み、そこに存在するものをおっぱいに書き換えて。
空間を蝕んで増殖する乳に飲まれ融けていく宇宙。おっぱいという質量の概念の浸食は止まらない。
ドクン……ドクン……ドクン……!
それは世界を廻る鼓動。
異次元からの抽出は止まらない。あらゆる世界が、胸の谷間の中で広がって、走馬灯のように巡り巡る。
「ああ、大きな胸、いいわよねぇ」「ほら、私のおっぱいおっきくなったわ!」「私の胸……ちょっと小さいかなぁ……」「見なさい! 私の胸! ドンドン大きくなってるのよ!」「やっと1センチ……ですか。はぁ……私の胸……全然ダメですね」「そういえば、あなたけっこう胸あるわよね」「何よあいつの胸! 大きすぎるのよ!」「あうっ!? くああああっ! お、おっぱいが大きく!?」「何なのそのおっぱい! 羨ましい羨ましい羨ましぃ―い!」「食べても胸に栄養が行っちゃうのよ私って」「私、Gカップはありますよ?」「え? 何!? そんなに大きくなってるの!? ちょっと見ないうちにすごすぎない!?」「む、胸が……大きく!?」「ひゃ!? いくら大きいからってあたしのおっぱい揉まないでよ!」「うーん。大き過ぎかなぁ」「やっぱり彼女のおっぱいってすごいわ……」「ひゃああああっ!!! おっぱい大きくならないでぇ!!」「あのバスト……いいなぁ。私の胸ももうちょっと大きくならないかなぁ」
様々な異次元の様々な場面が切り取られたように胸の中に溢れ、おっぱいに関する感情が胸の奥に広がっていく。そのたびに膨乳願望となっておっぱいに変換されていく。
無限の世界に存在する無数のおっぱい。そしてまだ広がり続ける無限の世界。おっぱいの持つ愛は世界と共に。それは空間さえ凌駕し、この宇宙を変質させていく。
ついに膨れ上がった乳房は、宇宙一杯に満たされようとしていた。
『『ラ、メェ!! セマクテェェェェ!! キッツイィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!』』
谷間からのエネルギーがさらに胸の中に集中し、宇宙が膨張するスピードよりも、膨乳スピードが上回ったのだ。
そしてついに空間の限界に到達した。かつて宇宙だった空間は全て乳へと変わり、その容積全てがおっぱいで満たされている。みっちりと質量で敷き詰められて、そこには隙間などは存在しない。
それでも宇宙という窮屈な容器を破らんと、限界を超えておっぱいは膨らもうとしている。しかし逆に物質世界の理である見えざる壁、宇宙は胸全体を締め付ける。
おっぱいが宇宙を押し上げる内力。宇宙がおっぱいを締め付ける外力。それぞれが均衡し、そう簡単に壊すことはできなかった。
余りの窮屈さにおっぱいがもがくと、内側から押された宇宙全体がそれに合わせてもにゅんもにゅんと形を変えて揺れ動く。
宇宙は今やパンパンに膨らんだ風船と同じ。それが蛇口に繋がれ無理やり流し込まれ続けている状況だ。
宇宙という窮屈な空間に押し込められたおっぱいは、そこから今にもあふれ出さんと内側から外に、外にと、膨らんでいく。だが宇宙いっぱいの以上、体積はこれ以上上げることができない。質量だけが宇宙に、おっぱいの中に満たされていく。
『『イガアアアアガガガガアッガガガガガガガガアッガガガガアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!』』
パンパンな中でも膨らみ続け、体積となって逃げることのできないおっぱいが胸の中で溢れていく。
宇宙はなかなか壊れない。それだけ本来おっぱいとなるべき体積が、質量となって圧縮されていく。
グググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググ!!!!!!!!!
宇宙全体が軋み、悲鳴を上げる。しかし五感では伝わらないそれは音というには、余りにも抽象的だった。
そもそももはや感覚などは理解のしようがない次元であり、おっぱいには意味を持たなかった
ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……!
宇宙そのものが破裂寸前の心臓。中も外もお互いに限界に達していた。しかし限界に達してもなお容赦なく異次元から膨乳願望があふれ出てくる。
『『ア、アァ……モウ、ダメ……!』』
その谷間の異次元の一つ。とある世界の小さな星で。街を歩く事務服の女性。
突然胸だけがぶるっと震え、むず痒さを感じたと思えば、
「へ? やん!?」
小柄なおっぱいがボワンッ! と煙を巻き上げるがごとくたった一瞬で大きくなった。
プチンと胸元のボタンをいくつも弾き飛ばして、真ん丸にこんもりと盛り上がった乳房は、上乳をさらしてプルンプルンと大げさに揺れた。
「い、いやあああああぁ!?」
無数に存在する世界の、たった一人が膨乳した事象。たったそれだけの事。
しかしそれはバタフライエフェクトのように広がって、一つのトリガーとなって究極超々乳神を揉み込んだ。そのちっぽけな膨乳エネルギーがおっぱいが宇宙を打ち壊す最後の一押しとなったのだ。
『『ハグゥ!? オ……オッパイ……バ、バクハツスルゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!』』
キィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!
『『ッ!!!!!?』』
それは閃光だったのか振動だったのか。何だったのかすら永遠のような一瞬の中では理解が出来なかった。
ただ、宇宙には膨らむおっぱいを受け止めきれなかったということ。ついに宇宙空間は存在の限界を迎え、内側から殻を破られるように決壊した。
砕け散った空間の裂け目から爆発的に膨れ上がったのは元の宇宙よりはるかに大きい5000億光年を超える乳房だった。
溜め込んでいた質量が、瞬間と永遠の間の時空で解放され、おっぱいは爆発した。
宇宙という戒めから解き放たれたおっぱいは、胸に溜まった質量分の体積を放出しながらブルンブルンとその身を揺らす。膨乳願望は物理法則を書き換え、生物には認識できない次元へと凌駕した。そこに広がるのは本来存在のしない無。しかしその無という認識を乳という有に書き換えてさらに大きくなる。
宇宙を超えた空間でさえ広がり続けるおっぱいは、とうに1兆光年を超える。キロメートル換算でも10の24乗。約10ジョキロメートル。まだまだ遠くに進もうと悶えるようにぐいぐいと大きくなっている。
時間はいくらでもある。永遠の時の中でただひたすら膨乳を求める概念となった。
未来も過去も異次元も全ておっぱいに繋がっている。
人間の認識すらできない時間と空間の中で、おっぱいは世界の理となって大きくなり続けるのだ。
むくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむく
元の宇宙からの大きさを人間の認識できる数値に換算した場合もうグーゴル光年を超える。それでもまだ欲望は止まることはない。指数関数的に増え続ける。
ブルンと振り回された乳は、境界があいまいとなりつつある多元宇宙の壁を粉砕した。
無の空間の位相の違う有の空間。別のコスモに乗りかかり、それよりも遥かに大きい谷間が飲み込んでいく。
それは永遠の時空の中に吸収され、谷間の中でそこに存在していた事実のみが残される。取り込まれたことすら理解できないまま。
もちろん宇宙一つ分の膨乳願望を取り込めば、それだけさらに大きくなるということ。
永遠の時の中では、スピードも遅いのか速いかもわからない。無限の大きさの前では、数での表現など意味は持たない。
そこには乳が膨らむという概念があるだけ。これからも多元宇宙を永遠に飲み込み続けることだろう。
そんな無限に広がる乳。その谷間の奥、深淵の無の中。そのほんの小さな隙間の端の端、そこにむず痒さすら感じない一つの衝撃が生まれた。
それは宇宙の誕生。ビッグバンだ。新たな宇宙が創造されようとしていた。
谷間異次元で生まれた新たな宇宙は、広大な谷間の中で静かに小さく広がっていき、そして……。
その4へ続く