恋愛偏差乳 〜彼女の好きな彼女〜

北斗のタグ 作
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 最近、一つの悩みがあるんですよ、これがまた。
 それは胸の小ささなんだけど、18歳にもなってバストは80センチにも及びません。足元を見るときに邪魔な物がなくて便利なのはいいんだけど。そんなもんだから周りからは下敷きとか洗濯板とかまな板呼ばわりされていて非常に窮屈な思いをしてるの。言うまでもないけどが窮屈なのはおっぱいじゃなくて胸の内、心って言った方がいいかしら。とにかくその辺。
 今までは笑って受け流す事が出来ていたんだけど、最近ではそうしているのが苦痛になってきたんですよ、これがまた。
 好きな人が出来から。その方は現在新聞部の部長を務めていて、去年の文化祭のときに新聞部の出展物を見に行ったときに、えと・・・・・・ひょんなことからっていうんだろうね。そのときに仲良くなったのね。偶然、私と同じクラスの人で見た目あまり目立つタイプの人ではなくて物静かな性格をしてて、けれどノリの悪くないところとか、あまり邪魔にならない程度に切り揃えられたきれいな黒髪とか、透き通るような綺麗な声がとっても印象的な素敵な人って感じかな。名前は聖っていうんだけど、名前からしてカッコイイよね。まぁ、とにかくその人に告白したいんですよ。
 でも、そこで一つの難関が。胸の問題。大抵、大きな胸の女の子が好きですよね、みなさん? みなさんの事だから何か一つくらい胸の大きくなるような方法を知ってると思います。・・・・・・ああ、言っておきますけど既存の豊胸術をいくつか試したことはあるんですよ。
 まずは機械で無理矢理おっぱいを大きくするやつ。流石に高かったんで機械は従姉から借りたんだけどうまくいかなかった。胸の辺りが赤く腫れて痛かっただけで一週間ともたなかった。あ、後から知ったんだけど、吸引する強度の設定が出来たみたいっすね、コレ。
 次に牛乳+ヨーグルト。大きくならなかったけど、おかげで医者から『骨粗しょう症からは縁遠い骨つきをしているね。努力した甲斐があったね』とほめられました。 あ、これのおかげかお通じもよくなったんですよ、これがまた。
 最後にお薬。これも効果が現れませんでした。何度もメジャーで図ったから潰れちゃったのかしら? あ、でも一時期ちょっと大きくなったんだよ、ちょっとだけ。0.5センチ。
 他にも色々、覚えてないんだけど試したんだけど『継続は力なり』っていう言葉は正直、好きじゃないんですよ。どれもそんなに続きません。安全で即効性のある方法はないんでしょうかね?
 ・・・・・・あ、妹が入ってきたみたい。ノックもなしに入ってくるなんて何があったんだろ?
「凛子姉ちゃん!早くしないと学校、遅れるよ!」
「・・・・・・へ?」
「どうせまたおっぱいの事で悩んでたんでしょ? もうそろそろいかないと遅刻するよ」
 時計確認中。
 ・・・・・・8時10分。朝のHRが8時30分。学校まで歩いて35分・・・・・ん? でもこれじゃあ時間に間に合わない。
 いやいやまてよ、私の脚だと走って20分だから、なんら問題ないじゃん・・・・・・って
「きゃぁ! ギリギリじゃない! どうして早く呼びにきてくれなかったの?!」
「だって凛子姉ちゃん、返事しなかったじゃん!」
「はぁ、朝ごはん抜き・・・・・いい加減、慣れてきてる自分が嫌になってきたわ」
 心なしかお腹がきゅぅ、と寂しく鳴った気がした。
「3分だけ待ってあげる。早く着替えて」
「うぃ、むっしゅ」
 ふざけて敬礼したあと大急ぎでお着替え。頭の中はフル回転を通り越して大混乱状態です、これがまた。
 ええと、さっきの無駄な会話に1分くらいつかっちゃって・・・・・・そこから着替えに3分。洗面台に向かって髪のセットに・・・・・て暇はないから梳かすだけでも4分くらいはかけたいわ。玄関までの移動に10数秒かかって、靴を履くのに1分。そこから走るから・・・・・・HRの時間までにつくのは完全に絶望的。まさかみんなの目の前であれ使うわけにもいかないし・・・・・。
 とにかく考えるのは後にしよう。もし無事なら無事で別にどうもしないし、無理なら無理で適当にやり過ごせばいいか。
「ようし、おっけい! 行こう、優阿」
 バタバタしながら用意を済ませた私は勢いよくドアをあけた・・・・・・・・!

 ・・・・・・無理でした。普段から足腰は鍛てえるつもりだったんだけど、世の中甘くできたものじゃない。結局、私は遅刻扱いになったあげく、罰として3枚のプリントが担任の手から渡されました。宿題です、今日中の。あーあ、遅刻つったってたったの10分よ。ちょっとひどくないかしら?
 私の大切な睡眠時間をこんなプリント3枚だけで削ってしまうのはすごくもったいない。と、プリントをくしゃくしゃに丸めて・・・・・・・教卓の両隣に設置されているごみ箱めがけて狙いを定める。ええと、私の席は先生の方から見たときに一番左端になる廊下側の席から2列目(この教室の机は合計6列。窓側から順番に2列ずつ隣り合わせている)、一列に6個並んでいるうちの3番目、ここからなら先生に見つかるかどうかの適度なスリルを味わいながら投擲を楽しむ事ができるみたい。
 ・・・勝負は先生が黒板を向いた瞬間。それに合わせて目標まで目を凝らして狙いを定める。スナイパーではないのでスコープなんかない。基本的に目視射撃となる。必要なのは自分の視力と、自らの腕、そして計算機のような正確な脳だ。脳は、投石器の弾のような役目を果たす紙が空中に投げ入れられたときにかかる空気抵抗、風の吹く方向や風速からうける誤差、それらのデータからベストの投げ方を瞬時に計算しなければならない。幸い、というか当たり前というか、風はない。厳密にいえば感じる事が出来ない風はこの教室中をゆっくり循環しながら、時にその空間に存在する生物などの影響を受けながらまわっているわけなのだが、それは俗に無風状態とも呼ばれる。別に問題は無い。あとはどれだけの力でどのように投げるか。これが一番重要となる。下手な投げ方は弾に当たった者への挑戦状とも受け取られかねない。慎重に、唇を舐めながら、目は草食獣を狙う肉食獣のそれのように・・・・・・あれ?
「聖・・・・・」
 ヤバイ。このままだとちょうど(こちらからみて教卓の右側に設置されている)ごみ箱の目の前の席になっている聖の頭に届きかねない。聖、というのは先ほど紹介したように私の憧れている人だ。呼び捨てに出来るのは、非常に長い期間をかけてアタックした努力の賜物である。このままでは不真面目な人と思われて軽蔑されかねない。むぅ、仕方ない、仰角を高めに設定すれば逃れられない事はないが、それだと飛距離が伸びずにごみ箱に中途半端に届いてしまう。それでは先生の説教確定だ。うん? 待てよ。仮にこのまま聖に当たればあの人の注目を寄せる事が出来るかも・・・・・・それならやってみる価値はあるわね。
 かきかき・・・・・・・・目の前がごみ箱なんて、嫌な席なんじゃない?・・・・・・・・・・っと。
 ・・・・・・先生は黒板の方を見て、なにやらミミズのような絵を描くのに没頭している。チャンスは今しかない。データなら先ほど計算済みだ。あの人の席に絶対届く自信がある。まずは第一投目!
 紙くずは大きな放物線を描き、狙い通り聖の頭上へ行く・・・・・・・・
 すぽん。
 が、通り越してごみ箱へ直行。
 きゃぁ! なんでこんなときに限ってクリーンヒットするのよ! バカ!
 ニ投目。
 すぽん。
 三投目。
 すぽん。
 結局、プリント3枚は聖に当たらずに見事ごみ箱に・・・・・・。
 がっくし。精度の良すぎる脳みそも考え物ね。やる気萎えた。もとからだけど。
 戦闘モード解除。怠惰モードに移行します。
 ぱたん。くー。

 今朝の事が夢に出る。
 起こしに来た妹。それまで慌てた様子は微塵の無かった私を現実に引き戻し、一緒に学校まで走ってくれた。そのときのあのコの胸、すごかったな・・・・。
 妹・・・・優阿は私とは2歳離れているのだが私とは対照的に見事な乳っぷりだ。確かこの間90センチの大台に乗ったとか言って私に自慢してきたのだ。
 すげぇ、ムカつく。
 私なんか両手を頭の後ろで組んでみてもそんなボリュームを生み出す事なんかできやしない・・・・・・・て、髪をポニーテールにまとめてたときに思った。
 肩凝るとか邪魔だとかいろいろいうが、それを越して余りあると思うんだ、巨乳って。女の私がいうのもおかしいが巨乳はいい。好きなコにだってモテるし、なにより・・・・・
 ・・・いつか私が優阿の寝込みを狙ってこっそり胸を揉んでみたときがあったんだけど・・・・・・気持ちよかったなぁ。そのあとは枕の代わりにしてみたり、頭挟めてみたり、乳首吸ってみたらミルクまで出てきたなぁ。そのときに喘ぎ声を上げる彼女の表情もまた・・・・・・ってあたしゃオヤヂか。
 ああ、とにかくこんな小さな胸から脱出したい。
「ええ、するんですとも!」
 がたん。
 突然目が覚めて、妙な台詞を吐いて席を立つ私。教室は一瞬、しん、となるが元の騒がしさを取り戻す。今はどうやら、幸運にも休み時間だったようだ。
 うわ、恥かしい。顔が熱くなる感覚を覚えて席に座り、ふぅ、と一つ溜め息をつくがそこには拾うべき幸せなんてひとかけらもない。
「あら、嶋津さん。胸が小さすぎて頭、おかしくなっちゃったのかしら?」
 ぶるん、と目の前で大きな胸が弾む。こいつは・・・・・・・!
「沙梨・・・・・・・!」
 彼女は今川沙梨。この学校の生徒会長を勤めていていつも私に突っかかってくる。今一番腹の立つ女ナンバー1だ。
「まぁ、私のようになれることをお祈りいたしますわ」
 おほほ、とタカビーな笑いをしながら勝ち誇ったように悠々と教室を出て行きやがった。彼女はいつもそうだ。昼休みになると散々私の貧乳ぶりを酷評したあげく、自慢げにその大きな胸を揺らして去るのだ。これでは育つものも育たない。
 でも今日は何かあったのかしら? すぐに出ていっちゃったよね。でもやっぱ腹立つ。
 そのときの私といえば、まるで楓や紅葉を思わせる私の雅な手はわなわなと握りこぶしをつくり、チェリーを思わせる私の唇は、『ちくしょう・・・・』と、まるで小鳥が囀るかのごとく美しい声を発しています。
 まったく、どうして私の周りには特別に胸の大きい方が多いことか。
 もやもやと妖気が私の身を包む。
「あのさ、あたし思うんだけど・・・・」
 と、隣人。特に仲が言い訳ではないがかといって悪いわけでもない、普通の友達。
「ん?」
「その溢れんばかりの妖気を乳に詰め込んでみるってのは」
「あ、それ名案」
 とか、周りの連中がふざけ半分の随分軽いノリでその意見に賛同する。
 ・・・・・・・私の家は代々神社を切り盛りしている、何気に由緒正しい家系だ。その中には特別な力を持って生まれた女性がいて、その人たちは確実に病魔を払う事から、大名家、果ては天皇家の人達が常備薬のように横においてもらえる時代があった。その中には強大な力を持って生まれたせいで、自らが発生させる妖気で体内からの押し上げられて破裂し、無残な死をとげてしまうケースのご先祖様もいたようだ。
 しかし時は16世紀の中頃、自分の身体の一部を肥大化させ、高密度に圧縮された妖気をそこに溜めることができる人たちが現れたのだ。腕、脚、頭や、特殊な例では乳に溜め込む人たちがいたのは事実だ。しかし、肥大化とはいっても、生活に支障が出るほどの肥大化をせざるを得ないご先祖様はどこにもいない。つまり、腕が身の丈ほどあったり、身長が2メートルを越えたり、頭が大きすぎてお辞儀したまま、なんてことはない。ちょっと他人よりその辺が大きいかな、程度だ。まぁ、私も血は争えないといいますかなんと言いますか、その、『特別な力を持って生まれた』ワケ。おかげで陰陽師みたいなことさせられてるけど。
 そういう事を考えてみれば、確かに悪くはない。
「でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 それって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「将来の子供に妖気を飲まさにゃならんのか〜〜〜〜〜〜!」

 どか〜ん

 ・・・・・・・・・・・・・3年5組教室封鎖。
 私の妖気が大爆発を起こし、教室の天井を突き破ってしまったのだ。幸い、三年生の教室は校舎の最上階───三階にあり上への被害は屋上の大穴だけで済んだ。みんなは、当たり所がよかったらしく軽傷者3名だけで、特にひどい怪我を負った生徒はいなかった。それどころか今回の件はみんな『隕石のせい』ということにしてくれて一応は教師達、生徒達の混乱も収まった。サンクス、みんな。
 明日、この教室は専門家たちの原因究明の調査がはじまるそうだ。ごめんよ、隕石なんて出てきやしないし、もし何か出るとしたら私の妖力反応だけだよ。
 天井だった瓦礫に腰をかけ、夕日を浴びながら今日の出来事を思い出す。はぁ、散々な一日だったわ。
「ねぇ、大丈夫?」
「うん」
 隣にもう一人いたのか。そいつは心配そうに私の顔を覗き込む・・・・・・・・ひ、
「聖!」
「ん? どうしたの」
「え、と、あの、その・・・・・・・」
 や、ヤヴァイ。本格的に頭が真っ白だ。聖と教室で二人っきり。しかもシチュエーションもロケーションもバッチリ・・・・・・・・・・・かも。
 まずは何を話すべきかしら・・・・・とか考えてると、聖から話し掛けてくる。
「あのさ」
「うん?」
「4時間目の授業中にごみ箱に紙くず投げてたの、凛子だよね」
「あ、アレね、あはは」
 まさか、『最初は捨てる目的だったけど、後からあなたの注目をこっちに向けるのに目的が変わった』なんて口が裂けてもいえない。
「授業中は止めてくれない? 結構集中力が落ちるんだよね。ああいうの」
 しゅん。
「ごめんね」
 こころのそこから反省。
「ううん、わかってくれればいいの。あ、ところでさ」
 それからは聖とは取り留めの無い適当な会話をして時間を潰すが、やがて話題がなくなり、最後には黙ってしまう。
 そして私は・・・・・・・一つの決意をする。
「ねぇ、聖」
「なに?」
「胸のおっきいコと小さいコと、どっちが好み?」
 やば、さっき言葉と一緒に心臓が出るかと思った。
「え?」
「どっち?」
「どっち・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、言われてもなぁ」
「答えて」
「だって、ほら、その・・・・・・・・・・・・・・・」
 答えに詰る聖。やっぱりこういう話題には結構奥手なのかも知れない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 再びの沈黙。しかし、今の私に沈黙は恐怖の対象なんかじゃない。
「ダメ。せっかく勇気を出して聞いたんだから。答えて」

「だって、私、女だし・・・・・・・ね?」

 あれ? そういえばみなさんに話してなかった事があったような、無かったような。

「そりゃあ、この学校女子高だもん。女の子しかいないさ。
 ねぇ、答えて」

 私は何時になく強気になっていた・・・・・・・・

 しゅん。
 落胆した私はそのまま寄り道をせずに帰宅した。
 結局のところ、聖も好きなのだ、巨乳が。だって、「そんな趣味はないつもりなんだけど」っていってたもん。つまり「貧乳の趣味はない」てことよね? ね? え? 根本的に間違ってる?
 がっくり肩を落として自室に戻る。ドアを開けると私のベッドに女が寝ている。
 彼女の名前は「よーこ」さん。怨霊を撃退するときに私が使う式神だ。彼女はこの神社に住み続けて約1000年を越えた狐が神格化したものらしく、姿かたちこそ人間なのだが、狐独特の耳や尻尾がそれぞれ頭と尻から生えている。名前の由来は当然『妖狐』からきているわけだが、これはあだ名で本名を『眺』という。外見年齢も私より年上のくせにイタズラが好きで、時々彼女のことで手を煩わされる事も少なくない。そんな彼女だからだろうか、今では家族のなかにすっかりとけこんで生活している。
「うん・・・・・・・むふぅ・・・・・・・」
 こっちの苦労なんか露知らず、酒瓶片手に幸せそうな寝息を立ててぐっすり眠っている。金色の長い髪や着ている和服が多少乱れ、なんだか色っぽい。
「ねぇ、よーこ。おい」
 ゆさゆさ。
「むぅ・・・・・・・・いやん、だめよ・・・・・・」
 どんな夢見てんだよ、おい。
「よーこ、よーこ」
 ゆさゆさ、ゆさゆさ。
「うぅ・・・・・・・・・ん、身体が熱いの・・・」
「酒飲んだからでしょ」
 とか寝言にツッコミを入れながらなおも揺さぶる。
 ぽろり。
 あうぅ、失敗。この小説でポロリしちゃいけないのよ、ここは。
 と、せっせと下半身の乱れを直す。
「金髪だった・・・・・・じゃなくて、起きてよ」
「熱い・・・・・・・・・・」
 というと、何を思ったのか、ただでさえ露出の多い胸元を思い切り、むしるようにしてはだける。
 その瞬間、大きな実りが木からこぼれ落ちる・・・・・・・そんな表現が相応しい。ぽろり、とかいうよりぼろり、そんな感じ。
 って、なに冷静に解説してるんだ。落ちたんだよ、じゃなくて、こぼれたんだよ、じゃなくて、ええと・・・・・・・・・・
 とか考えながら胸元を直そうとするが、
「んもぅ、えっちぃ」
 とか寝言を言いながら私の手をつかみ、乳を鷲掴みにさせる。
「きゃ・・・・っ!」
 もう、腹が立って仕方なかった。酒によって私のベッドを占拠したあげく、私に見せびらかすかのごとく胸をはだけさせ、その上掴ませるか。ヨッパライ嫌いな私は余計に腹が立った。
「この───!」
 サッカーボールのような弾力を持った彼女の大きな乳房を今度は自分の意志で掴み、揉みあげる。
「あうう、はぁっ」
 身体が熱くなる。たとえ彼女は夢の中でも今日は懲らしめてやらなきゃ気がすまない。日頃の恨みつらみよ。
 ボールはだんだん、揉みあげるうちに汗ばみ、熱を帯びてくる。
「うぅぅぅぅぅぅ、もっとぉ」
 今度は爪を立てる。猫が黒板を引っかくように、しかし傷にならないように微妙な力加減で。
 白い肌色をした乳は、引っかかれた部分だけ赤い、血の色になった。
 こんなんじゃダメだ。なんだか懲らしめてる気がしない───と、御神体にまかれる筈だった一本の荒縄に気がつく。この縄は彼女が倉庫からくすねた物で、妖気を詰め込まれ、怨霊や悪霊、そして妖怪退治に鞭のように使用するつもりだったらしい。
 ・・・・・・・コレだ。
 とにかく縛り上げる。この縛り方が何縛りかはわからないが、とにかく乳を強調して縛り上げれればそれでいい。
 ぎゅう。と荒縄がなり、乳に食い込む。そしてそれをつるし上げる。
 完璧。これ以上に拷問的な縛り方は無いだろう。
「う、ん、ぁえええぇ?!」
 と、素っ頓狂な声を上げるよーこ。やっと目を覚ましたか。みるみる顔が真っ赤になる。
「ね、ねぇ」
「うん? なにかね、よーこ君」
「ははは・・・・・・・これから何するのかなー、なんて、いてて」
 ぐっ、と縄を引っ張る。すると彼女を締め上げる縄が更に引き締まって彼女に激痛を与える。
 もともとバストサイズは3桁を越えていた彼女だが、こうしてみると余計に大きく見える。
「い・・・イタタ、やめ、やめてよぅ」
 涙ぐむ彼女だが、ここで許したりなんかしたらこのイタズラ狐はまた悪さをするに決まっている。日頃の行いが悪い自分を恨め。
 ぎゅう、ぎゅう。
「きゃぁぁ! いやよ、やめてよ!」
 一筋の涙が出るのと同時に、乳首から白い何かが出てきた。
「何かしら? これ」
 わざとらしくいっておいて、それを指で拭う。
「妙に白いわね。それに、なんか甘い匂いがするし。なんていうの? これ」
「え、その、あ・・・・・・」
 もごもごと歯切れが悪い。俯いたあと、大声を上げはじめた。
「うえぇぇん、パパさん、ママさん、凛子がよーこを虐める〜」
 と声を上げるが、残念ながらその声は届かない。なぜなら本日、両親は夫婦だけでレストランに食事に出かけたのだ。その後はいろいろ遊んでくる筈だから、最低でも10時までは帰ってこない。妹も部活で7時までいない。因みに現在の時刻は6時。
 この事実をよーこに伝えると「そんなぁ」といって、がっくりうなだれた。ふふふ、ざんねんでした。
「んで、なにかしら? これ」
 しつこく聞きなおす。こうやってじわりじわりと追い詰めていく感じも、いつもの立場が逆転したようでなかなかおもしろい。
「み・・・・・・・・・・・・」
「なに? 聞こえない」
「み・・・・る、く」
「もっと大きな声で」
「ミルクよ! ああぁ、耐えられそうにないの! パンパンに張ってはちきれそうなの!
 全部吸い出してちょうだい!」
 と、何か白状したばかりか、何をしてほしいか全て白状しちゃったよ、こいつ。
「えっちねぇ」
「あ・・・・・・・・・!」
 我に帰ったか、今自分が言った事を思い出し、更に顔を赤くした。もうおそい。
 つるされたままの彼女の乳をもう一度掴む。
「ぁぁぁ・・・・・そんなに焦らさないで」
「イクよ」
「う、うん」
 勃起した彼女の乳首を含むと、口の周りに一気にミルクの味が広がる。
 ちゅううう。
「ぁぁぁぁぁ! いいよ、いいよ!」
 あとからあとから止め処なく溢れてくる、白くて熱い、大きな果実の汁。
 私はそのまま吸い続けるが・・・・・・・・・
「ぶっはぁ、だめだ。飲みきれない」
 十数分間彼女の乳を吸ったところで、私はギブアップする事にした。私の腹が膨れても、あとからあとから止まらない乳汁。量にして約1リットル分は飲んだはずなのに、よーこの乳房からはまだ溢れている。これが人間と人ならざるものの違いなのか。普通の人間なら血液の不足でぶったおれておかしくはないが・・・・・・・・・。
「だめよぅ。全部吸って」
 ・・・・・・・・ヤバイ。このままだと立場が逆転する。何かしら手をうっておかないと・・・・・・・・・。
「次じゃだめ?」
「だめ。今」
 う〜ん・・・・・・・・・・・・・・・あ!
「ペットボトルに詰めておくってのは?」
「むぅ、本当は今ここで吸ってほしいんだけど・・・・・・・・・・」
 少し困ったような表情の後、ごまかしなのか悪戯っぽく笑う。
「でも、たぶん結果的に飲むのは私だと思うんだけど」
「それならいいや。じゃあ、やっちゃってよ」
 うちの家庭はよくペットボトルの2リットル入りのお茶を愛飲するので、その大きさで空になったやつなら何本かあるはずだと、台所から2本、それをもって来る。
「搾るよ」
「うん」
 なんだか彼女は楽しそうだ。縛られたまんまのクセに。
 牛牛と、もとい、ぎゅうぎゅうと彼女の、さくらんぼ大くらいの大きな乳首からこぼさないようにしぼる───と全て搾り終る頃にはペットボトル2リットル、しかも2本分はあっという間に溜まってしまった。
「ああ、気持ちよかった」
 語尾に音符マークでもつきそうなくらい調子のいい声で言うと、するりと縄から抜け出してしまった。
「なんだ、最初から抜け出せたんだ」
「うん。こんな甘い縛り方じゃ、傷一つつかないわ」
 というと裸のまま、くるりと回って見せた。確かに縄の痕が一つもない。
「へぇ、さすが式神」
 ぱちぱちと軽く手を叩く。
「でも、こんなに気持ちよかったの初めて。イケなかったのは残念だけど、4リットルもお乳出しちゃったし」
 私のすった分を含めれば5リットルはいく。なのに乳は張りを失わず、ぷるん、と揺れた。羨ましいなぁ。
「あなたの女王様ぶりもよかったよ。それに荒縄プレイはすごい燃えるかも。実は他の人でためしたことあるでしょ?」
 今度は私が赤面する番だった。

 了  次回に続く・・・・・・・・予定。