愛の色々 その1

焔 作
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今日は私の緊張とは関係なく暑い。夕方になっても陽光がちりちりと乙女の柔肌を照らす。
私が一人、街のオープンカフェでコーヒーを飲むのには訳がある。
授業を終えたカップルがラブトークを飛び交わすこのお店に一人でいるのはそれだけで拷問に等しい。普通なら喉が渇いても我慢して素通りするに違いない。
私はサングラス越しに二つ先のテーブルに座るカップルに注意を配っている。
沢渡篤志と神楽美雪。それがつきあい始めて一週間の男女の名前だ。
実は私はその二人の先輩を尾行している。探偵助手のアルバイトで身に付けた能力が初めて役に立った。
そう、これは仕事ではなく私事だ。
沢渡クンはサッカー部のエースで、成績も優秀で実力テストは常に上位に入る。
身長も180cmを越えているし、ルックスも抜群で、線が細いのにたくましい印象を受ける。正真正銘、文武両道の貴公子で、学園中の女子が憧れる人だ。
神楽サンは万能お嬢様でテストは常にトップだし運動神経も抜群。私が二人を尾行している間にもナンパされるほどにルックス、スタイル共に良い。
特に胸が大きく、推定で100のJカップはある。更に性格も良く、羨望と嫉妬を集めてやまない人だ。本当に世の中は不公平だと思う。
私はと言うと、あらゆる面が平均以上ではあると思うが、飛び抜けた点の無い地味な存在だった。
しかし、譲れない想いがある。誰にも負けない燃える恋心がある。こうして好きな人をサングラスで見ているのに、眩しくって仕方がないもの。
だからこの一週間、二人のデートの全てを見ていた。好みだけでも把握しようとしたわけ。
尾行を続けて一週間、二人はまだ特別な友達としか相手を見ていないようだった。まだつけ込む隙はあるし、何より私がもうこの惨めな行動を続けたくなかった。
となると、やるべき事は一つ。諦める、わけはない。告白するのだ。当たって砕ける! もとい、砕けろ!
二人が別れたところで飛び出そうと考えたが、自分の格好を見て思いとどまった。
父親のたばこ臭いハットをかぶり、がらの悪くなるサングラス。変な女と思われて終わるに決まっている。私は明日、学園で事を起こす事にした。

私と、問題の二人は『太陽学園』に通っている生徒だ。総生徒数二千人だから、特別大きくもない。
政府が計画する、新しいスタイルのモデル校なのだ。公立でありながら、一流私立に匹敵する設備を導入している。欠点と言えば、そのダサイ名前と校章だろう。
私、橘綾香は2年D組に所属している。決して潜りではない。ちゃんと十倍の高倍率を突破してきている。そこのところはお間違いなく。
「ねえカナちゃん。私、先輩に釣り合うと思う?」
私は授業の合間の休みに親友の新高香奈ちゃんに相談した。私が本当に付き合う条件を満たしているか不安になったのだ。
「大丈夫だよ。綾香は可愛いし、家庭的だもん。ボクがお嫁さんに欲しいくらいだ」
香奈ちゃんは自分の事をボクと呼ぶ女の子だ。彼女はひどく不器用だったが、水泳で全国大会に出ている。
細いのに、胸はちゃんとある。もしアマゾネスの様に乳房を切除すれば水の抵抗が減り、日本記録を更新できるかもしれない。
私と違って誇れる何かを持っている女の子だ。
「家庭的なんてあんま関係ないと思うんだけどな」
「綾香は魅力的だよ。おっぱいだって大きいじゃない」
優ちゃんは背後に回り私の胸を鷲掴みにした。
「きゃ!」
女子更衣室では珍しくも無いが、男子もいる教室で胸を触られて驚いた。慌てて逃れようとするが、胸を襲った快感がそれを不可能にした。
水泳の全国大会に導くはずの細い指が、乳肉の波をかき分け、快感の頂きへと導く。
「ブレザーの上からでもむにゅむにゅしてるのが分かるよ。力を入れるたび押し返してきて、でも手に吸い付くみたいで」
香奈ちゃんはわざとエッチな声色を使ってくる。
「確かHカップだったっけ? いいなあ、ボクはDだから」
「やあん、そんなに大きくない。Gだもん、あっ、だめ」
私の胸が別の生物のようにいびつに歪む。優ちゃんが力を入れるたび、痺れる様な感覚が私の体を突き抜け、体が熱く火照ってきた。
「カナちゃんったら、やめてよ」
「正確なバストサイズを言わないとだめだよ」
「やぁっ、いじわる」
香奈ちゃんは私の胸の感触を楽しんでいた。
下から持ち上げ、手離されたおっぱいがスーパーボールのようにバウンドする。
周りの男子が数人こっちを見てる。恥ずかしくてしょうがなかった。でも、首筋に息を吹きかけられると背筋がぞくぞくとしてしまう。
「言うから、言うからやめて」
私の胸に香奈ちゃんの指が食い込んでぷるぷると震えた。私はおっぱいと同じように弾む快感に耐えながら、香奈ちゃんに宣告した。
「91のGカップです。お願いだからもう止めて」
「うん、止めてあげる。ああ、残念だなぁ」
香奈ちゃんは名残惜しそうに手を離し、私は熱くなった体を覚まそうと息が荒かった。
呼吸する度に胸が上下に揺れ、乳首がブラジャーと擦れた。呼吸はなかなか収まらない。
「神楽サンは私より大きいんだよ」
「じゃあ大きくする?」
香奈ちゃんが小悪魔的な笑みを浮かべ、手をわなわなと動かした。
「だめ」
私は胸を隠すように手で覆った。が、それが逆にそそるらしく、授業が始まるまで私の胸は揉まれ続けた。

(続く)