「くちゅん」
利佳子はもう一度くしゃみした。本格的に身体が冷えてきたことが自分でもわかった。これ以上ここでぐずぐずしてはいられない。とにかく家に帰らなくちゃ…。
「でも、どうやって…」
今一度自分の胸を見下ろした。もちろん彼女のおっぱいはあれから大きくなりこそすれ縮む気配はまったくなく、脱ぎ散らかした、ボタンがほとんど飛んでしまった服では胸を隠すことなど到底無理だった。
もちろん上半身裸のまま外に出るなんてできないし…かといってこのまんまでは確実に風邪をひいてしまう。それに時間を見ると下校時刻をもう過ぎている。用務員さんが見回りにくるかもしれない。そうなったら…。
利佳子は授業中では決してないぐらい頭をフル回転させて、こうした事を瞬時に考えていた。そしてふと、ある考えが浮かんだ。
家庭科室!
そう、この前保険の先生にもらった、胸に巻く丈夫な白布の事を思い出したのだ。あの布の大きさでは今ではもう小さくて巻けないけども、確か家庭科の先生から分けてもらったっていったから、家庭科室に行けばまだもっと大きい布があるかもしれない。
かなりあやふやな可能性ではあったが、今の自分の胸を隠すにはそれしかない、と利佳子は自分の服をかき集めるとそっと家庭科室に向かった。幸い下校時刻を過ぎたの校舎の中は人も少なく、誰にも会うことなく家庭科室に忍び込めた。
「えーと」
準備室の方かな、と当たりをつけて戸棚を探すと、意外にもそれはすぐに見つかった。利佳子の顔に自然と笑みが浮かぶ。
広げてみるとこの前のよりかなり大きい。これならば…とさっそく自分の胸に巻きつけてみた。巻きつけた布が乳首にこすれた時、今まで経験したことのないほどの快感が大きな胸全体に広がった。「ひゃん!」利佳子の口から意味不明な言葉がほとばしった。やばい。いくらなんでも飲みすぎちゃったよ。大きくなったおっぱいは今までにないぐらい感度が上がっている。なにせ明美の2メートル以上あったおっぱいの中にぎっしり詰まっていたミルクを全部飲み干してしまった上、今回はまだまったく搾ってないのだ。今快感が走ったときに自覚できたんだけど、今、自分のおっぱいの中には苦しいぐらいにミルクがぱんぱんに詰まっていて、ちょっとした刺激でも噴き出しそうになっている。家に帰ったらとにかくできるだけたくさんおっぱいを搾って出さないと…。けど…今はとにかく帰ることを最優先に考えなくっちゃ…。
あせってるせいか、布はなかなかうまく胸に巻けない。その上ちょっとでも胸の上で布を動かそうものならただちにミルクが噴き出しそうになる。今ミルクが噴き出ちゃったらせっかくの布が台無しになっちゃう、そう思うとよけいに時間がかかった。しかし、切羽詰った時は強い、なんとか巻きつけることができた。驚いたことに、布はほとんど余らなかった。
「ま、こんなもんか…と」
利佳子はその上からブラウスを羽織ると、まあ最低限外に出れる格好になったかな、と思った。
そして教室にとって返し自分の鞄を取ってくると、そのまま校門に向かった。その間生徒はもちろん先生にも誰一人会わなかった。どうしてだろうと不思議だったけども、校舎から出て職員室の横を通ったとき、中の明かりが煌々と照っていて先生たちが集まってなにやら話し合っている様子が見えたので納得した。どうやらたまたま職員会議があったらしい。
「ラッキー」
案の定校門はまだ鍵がかかっていず、楽に外に出ることができた。
もちろん暗くなりかけているとはいえ外には人通りがまだある。それに利佳子は今、どうにか胸を隠しただけの珍妙な格好をしているし、何よりその大きく突き出した巨大な胸は目立つことこの上ない。それが歩くたんびに盛大に上下に揺れるのだ。なんだかその時、中のミルクがじゃぶじゃぶ音を立てているような気さえしてきた。
利佳子はこの時ほど、学校が家から近いことにありがたみを感じたことはなかった。そして校門から家までの約500メートルがこれほど遠いと感じたことも。どうにか目立たないように、人通りの少ない方にと歩いていったけども、結局いつもよりも倍時間がかかった。
「ただいまぁ」
家に帰るととにかく自分の部屋に一直線。気疲れと、たった半日で倍以上に膨れ上がったおっぱいの重みととでもうくたくただった。
どっさと部屋のベッドに腰掛けると、もうのどがからからなのに気づいた。
「ああ、のどかわいたぁ。ミルク飲みたい…」
ふと何気に口をついた言葉に、利佳子は自分で驚いた。
なに言ってんのよ。これ以上胸を大きくする気! 今はとにかくおっぱいをしぼってしぼって、少しでも小さくしないと…本当に明日学校にいけなくなっちゃうよ〜。
利佳子は頭をぶるぶる振って今の考えを吹き飛ばし、胸に巻いた布を取り外しにかかった。さっきはとにかくむちゃくちゃに巻きつけたので変に結び目ができてなかなかほどけなかった。そうしている間にものどの渇きはどんどん強くなっていくようだった。
だんだんいらついてきてほとんど力任せに布を引っ張った。その際、あちこちからビリビリ言う音が聞こえたけども、もう構うもんか、という感じで引き剥がした。
布の中から、ぷるんという感じで大きなおっぱいがまろび出てきた。今一度自分の胸を見て…利佳子は改めて驚いた。すごい大きい。巷ではスイカップとかなんとか言ってるけども、どう考えてもこんな大きなスイカどこにもないよねぇ…。しかも大きくなっても内側から充実した張りを持っていて、一向に垂れる気配を見せず、力強く前に突き出していた。
我ながらすごいなぁ。これを小さくするなんてもったいない…。
ふと湧いて出た考えを利佳子はまた強く打ち消した。何言ってんのよ。それに今、中には信じられないぐらい大量のミルクがせめぎあい、出口を求めて、痛いぐらいにパンパンになっているじゃない。さっさと搾んなきゃ。搾ってせめて半分ぐらいまでの大きさにしなきゃ…。ミルク飲むのはそれからよ。
利佳子は意を決して乳首に手を伸ばした。驚愕の事実に気がついたのはその時だった。
「え、えええっ! と…届かない」
利佳子がどんなに一生懸命手を伸ばしても、やっと指の先が乳首のそばに届くぐらいで、とてもじゃないが搾れそうになかった。考えてみればきのうの夜、186センチあった時だって手を伸ばさなきゃ届かないぐらいだったから、それより1メートル以上も大きくなっている今、そうなるのは当然だった。
「どうしよう、これじゃ搾れない…」
なんとか届かせようと指を懸命に伸ばしてもがくと、乳首の辺りを中途半端に刺激されてくすぐったいような妙な感覚にとらわれた。それだけの刺激でも、おっぱいの中にはちきれんばかりに詰めこまれたミルクは乳首からトロトロと溢れ始めていた。でも、やっぱり乳首をちゃんとつかんでもまないと本格的には噴き出しては来ないのだった。
なんともいえずもどかしい。おっぱいの中には今か今かと搾り出されるのを待っているミルクが所狭しとおしくらまんじゅうをしているのに、利佳子がなんとかして胸を揉もうとしても、中のミルクが押し合いへし合いするだけで一向に出てきてはくれなかった。これでは却って苦しい。
「そうだ、こうしたら…」
利佳子はきのうもやったように、おっぱいを持ち上げて乳首を直接くわえて飲んでみようとした。しかし、きのうよりもはるかに大きく、しかもパンパンに張り切ったおっぱいは、口に向けて曲げることすらできなかった。持ち上げようにも乳首はまるっきりあさっての方向に向くだけだったし、何よりその重さでとても長時間持ち上げていられなかった。
「ああん、どうしたらいいの」
利佳子の顔にあせりの色が出始めていた。そしてあせればあせるほど…のどの渇きが猛烈に強くなっていった。
搾って小さくする方が先でしょ、と利佳子はその度に考えを振り払うのだが、理性で抑えようとすればするほど、本能は強くなっていき、どうにも抗いがたくなっていった。
いつしか、おっぱいを搾ろうという手の動きはおざなりになっていき、利佳子の頭の中はミルクのことでいっぱいになっていった。
「冷蔵庫の中にはきのう搾ったミルクが20何本入ってるし、そうそう、階下に行けばあの『特濃』牛乳が70本以上残っているのよね。やっぱり『特濃』っていうだけあって味が濃くっておいしかったな。そうそう、おいしいといえば今日の明美ちゃんのおっぱい、おいしかったなぁ。また飲みたい…」
利佳子はここでハッとした。いけない、と思いつつ、ミルクを飲みたいという気持ちはもう一秒も我慢できないほど強いものになっていた。
「もう! 一本だけだからねっ」
利佳子は自分に言い聞かせるようにつぶやくと、冷蔵庫を開けてきのう搾っておいたミルクを1本取り出した。甘いにおいがツンと利佳子の鼻を刺激する。と、矢も盾もたまらず瓶を口につけた。
「!」
利佳子の感覚では、それこそ一瞬にして瓶は空になっていた。1リットル瓶になみなみと入ったミルクを飲み干したはずなのに、全然飲んだ気がしない。利佳子はほとんど無意識のうちに次の瓶に手を伸ばしていた。次の1本、ちょっとミルクの味がしたかな、と思うともうなくなっていた。喉の渇きは一向に癒されない。「あと1本だけ…」最初の決意はどこへやら、利佳子は次から次へと瓶に手を伸ばしていった。いずれも、口につけた瞬間、飲むというより吸い込まれるようにミルクが消えていく。10本ぐらい飲んだところでようやくミルクを味わう余裕が出てきた。「ああ、やっぱり私のミルクが最高!」今度はその甘みにとりつかれるように、1本、また1本と飲み干していった。
あっという間に…利佳子はそう思った…冷蔵庫に並んでいたミルクはすべて空っぽになっていた。きのうしぼっておいた20数リットルのミルクは、結局また利佳子の胸の中へと帰っていった。
ようやく人心地がついた利佳子は、当然の結果としておっぱいがさっきよりさらに大きくなっていることに気づかざるを得なかった。手を伸ばしても、乳首はもうどうやっても届かない遠くにいってしまっている。そして、中のミルクによっておっぱいはますます張りを強め、ちょっとつついたら破裂してしまいそうで自分でも触るのをためらってしまうほどだった。
しかし、今の利佳子の中には「どうしよう」という気持ちよりも好奇心が頭をもたげてきた。
いったい何センチあるんだろう。
さっそくまたメジャーを取り出して測ろうとするけども、もともと手が届かないぐらいの大きさなので、まるで投げ縄でもするような要領でメジャーを投げて胸の先に引っ掛けて、たぐるようにメジャーを伸ばしていかなければならなかった。なかなかうまくいかず何度も繰り返したけど、そのうちうまく引っかかってくれてどうにかその先を背中で合わせられた。あわせた部分をしっかり押さえた上で手を離す。もちろんこのやりかたでは正確な数字は出せないけども、大体の所は分かるだろう。
そして押さえた所を見た時、そのあまりに信じがたい数字に愕然とした。
「324センチ…」
ふときのう、最大に大きかった時の数値を思い出していた。あの時で186センチだったから…。でもこれってアンダーも含めた数値よね。ということは、あの時よりさらに倍以上の大きさには確実になってるっていうの!
利佳子の心に、不思議な達成感が芽生えていた。
「すごい…すごいわ。これなら明美がどんなにおっぱいをミルクで膨らませようが絶対勝てるわね」
しかし…さすがにこのままでいるのは限界に近かった。パンパンに張り詰めたおっぱいの中でミルクはますます圧力を増し、本当にはちきれてしまいそうな感じだった。このまんまではじきに、手を触れなくても乳首から噴き出してきそうな気配すらあった。
「どうしよう…ミルクを出すのはいいとして、受けるものが何もないわ」確かに手元には先ほど飲み干した1リットルの牛乳瓶が20本あまり転がっているけども、どう考えてもそれでは足りそうもない。それに第一、手が届かない以上どうしようもないし…。
考えあぐねている時、不意に机の上で利佳子の携帯が鳴った。
着信を見ると、明美からだった。
「まさか…もう……」
昼間のように、胸の中に抱えきれないほどのミルクを溜め込んだ明美の姿を想像して、利佳子はあわてた。もうおっぱいはいっぱいいっぱいなのに…。けど、もし今来られたら、やっぱり後先考えずに飲み干しちゃうかもしれない。そんなことしたら…ほんとにおっぱいがパンクしちゃうよー。
続く