ミルクジャンキー・Make その1

かなぶん 作
Copyright 2003 by Kanabun All rights reserved.

夏の日差しにうんざりしながら、少女は目玉焼きが焼けそうな、焼け付くアスファルトの上を歩いていた。
身長は同年代の少女と比べても低い方、顔も幼さを残している。
肩までの黒髪と、丸いフレームの眼鏡をかけた、一見パッとしないが、注意深く見ればかなりの美少女、そんな少女だ。
名前は東海林樹砂、都立の中学校に通う3年生だ。
だが、一つだけ、彼女を印象付ける特徴があるとすれば、そのおっぱい。
最近の子供は発育がよいと言われるが、中学生で120pを超えている少女など、そうそう、いや、世界中探しても普通はいない。
そして、樹砂自身も、そのおっぱいをコンプレックスに感じていた。
手には小さな金属の筒を持っている。
それはさっき立ち寄った怪しげな店でもらったものだった。

キーンコーンカーンコーン

耳慣れたチャイムに追い出されるように、教室からは人が消える。
樹砂はそんな集団からワンテンポ遅れて、帰る用意を始めたのだった。
樹砂は元々引っ込み思案な少女だ。
眼鏡をかけているのも、人の目を気にしてのこと、いかにも地味な容姿に見せたかったからだ。
そして、ただでさえ人の目を引き付ける巨大なおっぱいを抱えて、それ以上目立ちたくは無いという意識の表れでもあった。
はじめにおっぱいが大きくなり始めたのは小学校の頃、クラスでも何人かがブラジャーを着け始めた頃に、急に大きくなってきた。
その頃はまだ純粋に嬉しくもあり、初めて買ってもらったブラジャーを着けていくのが楽しみでさえあったが、それは小学校の頃までだった。
小学校の頃、隣のクラスには樹砂よりもおっぱいの大きな娘がいたが、中学に入ってその娘と別れると、いきなり全校生徒の注目を浴びてしまったのだ。
当時の樹砂のおっぱいは85cm、中学校に入っても大きくなり続け、特に中1の1学期での成長は目を見張るものだった。
一気に100pの大台を突破し、夏休み明けの身体測定では105pだった。
プールの授業の際に、一人だけ紺色の地味な水着ではなく、派手な、原色の飛び交う際どい水着で授業を受けた事、そして、泳いでいる最中に水着のブラが脱げてしまった事は、今でも樹砂の忘れたい記憶の上位にランクインしている。
彼女の母親もかなりの巨乳で、、娘の異常な発育を不思議がったりしない。
もっとも、樹砂自身も最初の頃は母親の影響か、どんどん大きくなっていくおっぱいが不思議だとは思わなかったのだが。
とにかく、樹砂は自分のおっぱいを隠したく思い、目立ちたくないと考えていた。
上履きを履き替え、靴箱を後にすると、樹砂はいつもの帰り道を通って帰ろうとした。
大通りに面した人通りのある場所だと、このおっぱいは目立ちすぎ、人の視線を集めてしまう。
だから、人通りの無い裏道を通って帰ることにしている。
暗くなれば痴漢や変質者が怖いので大通りを帰るが、今の時間なら大丈夫だろうと、人のいない、静まり返った道を歩く。
すると、いつも通っている道に「工事中」の看板があった。
結構大規模な工事らしく、通ろうにも道に工事の機械があって通れない。
仕方なく、樹砂は回り道をする事にした。

「こっちでいいんだっけ?」

いつもは通らない道に、知らず知らず、不安を言葉にして確認する。
記憶と照らし合わせてもどうやら間違いは無いようだったが、その道は脇に木が無造作に植えられ、昼だと言うのに薄暗い。

「嫌だな・・・不気味・・・」

自然と早足になって、薄暗い道を歩くと、その先に小さな明かりのついた店があった。
いわゆる占いの館のような変わった趣の、それでいて過剰な装飾が無い、不思議な店。
看板も無く、不思議に思った樹砂はついつい、そのドアを開けてしまう。

ギギギィ・・・・

軋んだ音を立て、重たい木のドアが開く。
その中は不思議な部屋になっていた。
決して装飾過多になり過ぎない程度に並べられた様々な道具。
何に使うかは分からないが、西洋の占いや魔術に使われそうな不気味なものも所々に見受けられる。

「いらっしゃいませ」

突然、奥からの声に驚き、天井から垂れ下がった装飾用の布の陰に隠れてしまう樹砂。

「そう驚かないでください、私には驚かすつもりなんてありませんから」

奥を見てみれば、そこにはテーブルが一つあり、そこに黒いゆったりとした服を着た女性が座っている。
第一印象は綺麗な人、そう思った。
しかし、よく見ればどこが綺麗なのか、それが分からない程個性の無い顔をしている。
スタイルはいいと言えばいい、悪いと言えば悪いとは言えないが、決して変わっているわけではない。

「すいません・・ここ・・・何のお店なんですか?」

さっきからの疑問を口に出す。
占いの館と言うには、目の前の女性の服装や店内の装飾が地味すぎるし、よく見ればテーブルの上には古めかしいレジが置かれている。

「薬局、私はいつもそう答えています」

「薬局?」

思いもよらなかった答えに、怪訝な顔をして聞き返してしまう樹砂。
だが、そんな樹砂にはかまわず、その女性はゆっくりと、横に置かれた棚から一つの円筒状の物を取り出してきた。

「あなたには、これが一番の薬です」

そう言って机に置いたのは一本のリップクリーム。
金属製のケースに入った、口紅のような外見だが、樹砂が思わずそれを手にとって開けてみると、中身は普通のリップクリームだった。
甘い臭いが部屋中に広がる。

「これ、リップですよね・・・・まだ夏だし、いらないんですけど」

戸惑う樹砂の手にそのリップクリームを押し付けると、女は樹砂を制するように言った。

「あなたはこれを欲しがっていた、正確には、これはあなたの望みをかなえる物です」

強い口調に、樹砂はそのリップクリームを受け取ってしまう。

「でも、お代とか・・・」

心配そうに言う樹砂だったが、女はゆっくりと首を振って、樹砂を出口へと促した。

「お題はいりません、もういただいておりますので」

不気味な感じがして、樹砂は逃げるように店を飛び出した。
しばらく走ると、もう樹砂にはさっきの不気味な店の位置と、あの女性の顔が思い出せなくなってしまっていたのだった。

「これ、いったい何なんだろ」

家に帰ってかばんを部屋に放ると、ベッドに横になってさっきもらったリップクリームを眺める。
ケースは少し大げさだが、甘い匂いがする以外、特に変わっている様子は無い。

「樹砂〜、来たよ〜〜〜!!」

その声に、樹砂は手に持ったリップを机の上に置いて飛び起きた。

「開いてるよ、入ってきて」

今日は友人の渚が来る予定だったのをついつい忘れていた。
優等生の樹砂は授業中もちゃんとノートを、狭い机と格闘しながら取っているため、テスト前になると友人が家に訪ねてくることが多い。
渚は樹砂とは三年間同じクラスで、バスケットボール部に所属して、キャプテンを務めている。
そこそこ有名なバスケットボール部のキャプテンを務めているだけあって、早朝練習や放課後の練習にも休まず参加しているためか、授業中は寝ている事が多い。
なので、テスト前には常に、樹砂のノートに世話になっていた。

「お邪魔しまーす」

渚が部屋に入ってきて、樹砂はその渚に座布団を勧めると、自分はノートを取りに机に向かう。

カンッ!!

ノートを取ろうとした樹砂の手が、さっき机に放り出したリップを弾き飛ばし、渚の方へと転がした。

「あれ? 樹砂、こんなの持ってたの?」

そのリップのケースを開けて、渚が樹砂に尋ねる。

「あ、うん、ちょっと・・・もらったの」

あの変な店の事を言おうかと考えたが、詳しい事は思い出せなかったので、適当にはぐらかす。

「ふ〜ん、変わってるよね・・・甘い香りのリップなんて」

どう見ても普通のリップクリームだが、渚も樹砂と同じく、その匂いを不思議に思ったようだ。

「ね、付けてみていい?」

好奇心からか、渚はリップクリームを自分の唇に塗ってみようとしていた。

「いいけど・・・」

戸惑う樹砂を尻目に、渚はリップクリームを自分の唇に塗っていた。

「匂いは甘いけど、普通だ・・・・・・」

「それはそうよ、変だったらこま・・・・って、渚!! どうしたの!?」

突然、渚が自分の体を抱きかかえるようにして倒れこんだ。

「な・・まさかこれ?」

渚が持っていたリップを呆然と眺める樹砂。
そして、その樹砂の肩を渚の手が掴んだ。

「おっぱい・・・」

「へ!?」

渚が、潤んだ目で樹砂の瞳を見つめてくる。
身長が165cmの渚に対し樹砂は149cm程、普段なら見上げていた渚に見上げられ、すがりつかれた樹砂はそのまま尻餅をついて、そして圧し掛かってきた渚に押し倒されてしまう。

「ねえ、いいでしょ?」

甘えたような声をあげ、渚が樹砂の服を脱がす。
ブラウスのボタンを手早く外し、下に着ていたシャツをめくり上げるまで、樹砂は体力的に勝る渚のなすがままだったが、シャツをたくし上げる作業が、その豊か過ぎるおっぱいに阻まれて、渚がその作業にかかりきりになっている隙を見て何とか逃げ出した。

「もう、やめてったら。冗談もいい加減にしてよ」

笑って流そうとした樹砂だったが、それでも渚は樹砂に向かってくる。

「まさか・・渚・・」

再び組み敷かれた樹砂は、渚の手が自分のブラジャーにかかったのを知ると、目の前にいるのが友人だと言うのに、思わず逃げ出しそうになった。

「はむ・・・・」

「あっ・・あんっ!!」

樹砂の乳首に吸い付く渚。
それに敏感に反応している渚だったが、なぜだか変だった。
渚も、自分の大きなおっぱいに興味がなかったわけではない。
友達はよくそのおっぱいを揉んでくるし、自分でも必然的に触る事もある。
そして、それこそ極たまにではあるが、その先端を触って楽しむ事もあるのだった。
だが、今回はそのどれとも違う。
気持ちよくてこそばゆいような変な感じになるのはいつも通り、だが、それと違って今回は、胸の奥で何だか熱いものがこみ上げてくるみたいだった。

「ああっ、止めて、渚・・・で、『出ちゃう』」

深く考えず、考える余裕もなく口走った言葉が渚の耳に入ったであろう瞬間、樹砂のおっぱいがブルルッと振るえ、その乳首に白い液体が滲んだ。

「な、何で・・・私、赤ちゃんなんていないのに・・・なんでおっぱいが出ちゃうの!!」

渚が吸い付いた乳首から出てくる母乳に戸惑う樹砂を無視するように、渚は飢えた赤ん坊の様に樹砂のおっぱいに吸い付く。

チュゥ チュパ チュパ

音を立てて母乳を吸い、ゴクンと音を立てて飲み込む音が部屋中に響く。

「やめ・・ねえ・・やめてってばぁ・・・」

その恥ずかしさに顔を赤くした樹砂は渚を止めようとするが、気持ちいいからか、それとも体格で勝る渚が上になっているか、抵抗できていない。

「は、はああん!! あっ・・だめ・・いっぱい、いっぱいでちゃう!!」

その言葉どおり噴出した母乳は、渚の口から少し溢れ、樹砂の白いおっぱいを更に白く染める。

「はぁ・・・は・・チュウッ・・・ング・・・グ・・ゴクン・・・は・・はあ・・」

一心不乱に樹砂の母乳を飲んでいた渚は、もう飲めなくなったのか、樹砂のおっぱいの上から滑り落ちるように床に倒れこむ。

「は・・・渚・・・一体どうしたの?」

そんな友人の様子を、体を起こした樹砂は心配して覗き込む。
すると、なぜだかいつもの渚とは違っているように見えた。

「ん・・・んん・・・・」

意識が戻ったのか、渚が体を動かした。

「あ・・・樹砂・・私・・・」

そこまで言って、渚はある事に気がついた。

「私、こんなにおっぱいおっきかったっけ?」

そう言う渚のおっぱいは、元々はクラスで真ん中くらいだったのだが、今では樹砂の様な別格を除けば上位に入るほどに成長していた。
服の中ではBカップのブラジャーに収まりきらなかったおっぱいが、ブラジャーを押しのけて自己主張している。
おまけに、ブラウスの胸元はボタンが2つくらい弾け飛んでしまっていた。

「あ・・・私のおっぱい・・・」

それを見て呆然としていた樹砂だったが、ふと、自分の体にも変化があった事に気がついた。
少し前までは嫌で嫌でしょうがなかった巨大な二つの球体は既に無く、ブラジャーやブラウスの胸元が余ってしまっていた。

「小さくなってる・・・うわぁ・・・」

驚き、戸惑い、そして少し嬉しくなった。
邪魔で邪魔で、無くなればいいのにと思っていたおっぱいから開放されたからか、体も心も軽い気がする。
体が軽いのは物理的な問題だったが。
ともあれ、小さくなった、と言っても90pは楽に越えているだろうが、おっぱいを触って確かめていた樹砂は、傍で呆然としている渚に気がつき、慌てて手を後ろに隠す。

「渚、一体どうしちゃったんだろうね・・・」

「うん、それより・・・」

顔を赤らめた渚が、俯いてボソボソッと言う。

「何? 何て言ったか聞こえなかったんだけど」

「あのね・・・・どうやって家に帰ろうかなって・・・」

大きなおっぱいを両手で持ち上げ、渚は困った顔で言った。
ブラジャーには収まりきらず、10代の少女特有の張りを持ったおっぱいが呼吸のたびに服に擦れ、渚の体を震わせていた。

「う〜ん、そうだ、私が昔使っていたブラジャーなら、きっと合うのがあるはずよ」

そう言って、樹砂は押入れからダンボールを取り出してきた。

「ええと、これじゃ大きいだろうし、これは小さすぎる。これも・・・大きいかな?」

たちまち、部屋が一杯になり、戸惑った顔の渚の前にブラジャーの山が築かれた。

「これ、つけてみて・・・丁度よさそうなのがあれば着けて帰ってもいいよ」

数えてみれば8個のブラジャーが渚の前に並んでいた。
それを一つ一つ確かめていた渚だったが、丁度いいのを見つけて、それを身に着ける。

「でも、一体なんでいきなり私のおっぱいが大きくなったんだろ?」

しきりに首をかしげる渚。
どうやら、リップを塗ってからの記憶が無いらしい。

「でも、樹砂のおっぱいを羨ましいって思ってたけど、自分のがこうなったら結構邪魔なのが分かるよね」

ブラジャーの紐の長さやつける場所をしきりに直しながら渚が言う。

「何だか肩がすれて痛いし、重たいし・・・・樹砂もよく生活できたよね」

「私の場合、昔からだったから・・・慣れだよ」

「そっか、私も慣れたら気にならなくなるのかな?」

「うん、多分ね」

樹砂は、そっと、渚の近くに落ちていたリップクリームを拾い上げ、ささっとベッドの下に隠した。

「う〜ん、やっぱり何か違和感あるなあ・・・・ごめん、ノート借りていっていい?」

時計を見ると、もう遅い。
渚は樹砂のノートを借りて、急いで帰った。
服は簡単に直しておいたが、今にも再びボタンが弾け飛びそうだった。

「このリップ、こんな効果があったんだ・・・」

手の中で、銀色の筒をもてあそびながら、樹砂は一人で呟く。
自分でどんなに揉んでも、吸い付いても、乳首から母乳は出なかった。
だが、そのリップを恐る恐る塗った唇で吸い付くと、すぐに体温で暖まった母乳が喉に流れ込んできた。

「あっ・・ん・・・あはっ・・チュッ・・チュパ・・・んっ・・んぐっ・・」

いつしか、樹砂は一人、唇に塗ったリップクリームが乾ききるまで、自分の母乳を吸い続けていた。

続く