松坂家の秘密

カンソウ人 作
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★その1  朝起きたら
 
「ウーン、ヨイショ」
朝起きてベッドの上に座ると何か体が重い感じがする。
不思議な感覚だった。
「昨日の晩はいつもと同じように、宿題をして着替えて寝たよね。」
思い出しながら、ベッドから降りようとした途端だった。
ドスン、ドスドス。
足を滑らせてこけたのだが、私が立てた音は相当重い物が落ちる音だった。
 
寝巻が邪魔で足元がよく見えなかったのだから、こけてしまったのだ。
 
立ち上がり明かりをつけて鏡を見たら、驚いてしまった。
凄い美人がそこにいた。眼はぱっちりと二重まぶたで睫毛が長い。鼻はすっとしている。
肌はすべすべで色白。髪は真っ黒で羨ましいぐらいのきれいな長い直毛。
「髪の毛が美しく、そして一晩で長く伸びている。」
 
だけどなんとなく私に似ているみたいだ。
 
いや、今の私なのだ。だいいち、着ているのはピチピチの私の寝巻だ。
胸が大きく成長している。(胸で足元が見えなかったのだ。)
こんなに大きなおっぱいは見たことが無いよ。
おへそが見えている。どうしておへそが出ているのだろう。あっ、下着が破れている。
 
驚いた。手をお尻に持っていくとお肉がたくさんついている。
どこまでお尻の肉があるのだろうか。横向きになって鏡を見ると、お尻の厚みにも驚いた。
昨晩まではやせていた私には、こんなに大きなお尻に合うジーンズは無い。ママやお姉ちゃんのも無理かな。
私のお尻にあうジーンズは何処に売っているのだろうか。
 
とにかく急激な成長で破れたショーツを脱いで、別のショーツをはいたけれど、ウエストまで上がらない。
太股が太すぎる。
それに、はいても破れるだけだ。
 
あきらめて、ノーパンでスカートをはいてみることにした。丈の短いスカートだ。
腰のホックを外し、ファスナーを下ろしても、大きなお尻の一番太い部分は通るとは思えなかった。
布地を切って、はいてから安全ピンで止めたらどうだろう。
あれっ。腰のホックが止められる。お尻はこんな大きなのに、ウエストはゆるゆるだ。
 
ウエストは細くなったのは嬉しいが、不安がずっとずっと多いよ。
 
腰の幅が広くなっているし、ヒップアップが凄過ぎてこの短いスカートでは脚の裏の方へ、裾が垂れ下がってこないじゃない。お尻が丸見えだ。
でも、長めのスカートなら何とかお尻が隠せることが分かった。
もう、その時には私は気付いていた。お尻もすごいけど胸だって、大変なことになっている。
 
もう、驚いてばかりだ。体が重いのも不思議じゃない。
首の付け根から真っすぐ前に、おっぱいが突き出ているのだ。
寝巻は乳首のところまでは、おっぱいを隠してくれているが、そこから先は少し垂れ下がっているだけだ。
 
下乳は、ほとんど丸見えの状態だ。寝巻の長さが全く足りないのだ。
寝巻の脇の縫い目はおっぱいの圧力で破れているし、お腹は丸見えだし。
自分ではどうしようもないことが、起こってしまったようだ。
どうしてこんなことが起こったのだろうか?
 
とにかく、ママに相談しよう。
 
不二子は2階の自分の部屋から1階まで階段を下りていくことにした。
「えっー、足元が全然見えないよ。」不二子は怖くなってしまった。
足を踏み外さないように注意して降りようにも、首の付け根から突き出した乳房のために、下を向くと自分の胸しか見えなかった。
今のところは、手すりを持ってゆっくりと降りるしかなかった。
 
「ママ。ママ。」
「おはよう、不二子(ふじこ)さん???」
とあいさつを交わしたものの、不二子の母も驚いてしまったようだ。
「声は確かに私だけど、姿が私に見えないでしょう。不二子です。」
「あなたはやっぱり、不二子さんに似ているみたいだけど・・・。」
「わたしです。不二子です。朝起きたら、こんなになっていて、驚いているの。ねえねえ、ママ。」
不二子の母親は、もう事態を飲み込んでいるようである。
あわてている娘の気持ちを、受け止めてくれた。
 
「朝起きたら、身体がこんなことになっていて。
とにかく、体に合う服がないの。どうしたら良いかなあ。」
「不二子さん、不二子ってわかるわよ。あなたは、私の娘。不二子だよ。
とにかく、どんな身体になったのか、簡単に身体計測してそれから考えましょう。
でも、既製品で間に合うような身体じゃないことはだけは、確かね。
学園には休むからと電話するから、まず落ち着いて朝ご飯を食べたらどう。
担任は、高岡先生だったよね。」
母のこの言葉を聞いて、私は少し安心した。そして、朝ご飯をしっかりと食べたのだった。
 
母は洋服ダンスからメジャーを持ってきた。
まずヒップから測ろうとした。
「不二子さんのお尻って、こんな高さにあったかなあ。食卓のはるかに上だよ。
柱の所に、背筋を伸ばして立ってごらん。あれれ。不二子さんのお尻、形が良くて大きいからだわ。
背中が柱に付かないねえ。じゃあ、柱の横に立ってごらんよ。
股下から測るよ。長い脚だねえ。身長の半分以上あるみたいだよ。103cmかな。次は身長だね。」
柱には、まだまだ傷が付いていて、亜利紗、香里奈と2人の姉の名前も書いてあった。
母は、手を伸ばし柱に傷をつけた。そして、5月18日不二子と書き、メジャーを当てて言った。
「身長は174cmだね。」
私は驚いた。
特に脚の長さには。
 
続けて母は、落ち着いた声で言った。
「次は、ヒップを測るよ。ヒップは、148cm。順番に測っていくよ。ウエスト、55cm。
まあ、羨ましいこと。ウエストとヒップに90cm以上も落差があるのね。
ずいぶん太い太股ね。太ももは、99センチ。もう少しで、1mね。
次はバストを測るから、ボロボロの寝巻は脱いでね。
両手を上にあげて、手が届かないからメジャーの端っこを脇で挟んでね。
凄いおっぱいね、私もこんなに大きなおっぱいは見たことが無いよ。150cm以上あるね。
メジャーの長さが足りないね。大体でいいね。お店できちんと測ってくれるから大丈夫だよ。」
 
「お店ってどこなの? なんていう名前のお店なの?」
「不二子さん大丈夫だよ。『グラマチカル』というお店だよ。ママはよく知っているからね。
さて、サインペンで背中にちょっと印をつけて。バストは174cm。大きく成長したものだね。
ウエストとの差が、120cm近くあるじゃない。加藤さんが興味を持ってくれたら得するけどね。」
と言った。私も、ずいぶんと大きいバストだなあ。身長と差がないよ、思った。
 
「体重も測るよ、体重計に乗って。」
理由があって、うちの家には体重計は150kgを超えても測れる高級品を買っている。
「不二子さん。体重が150kg以上あるみたいだね。とてもそんなに見えないのだけれど。
どこに、お肉が付いているのでしょう?ちょっと不思議だね。お肉の種類でも違うのかもね?」
「そんなに重いって。恥ずかしいなあ。どうしよう。」
 
母は、そのことには触れず、
「とにかく今日は服を買いに出かけることだね。自動車に乗って何軒かお店を回るよ。
今日は一緒に行きますから。それと、私がよく知っているお店だから心配しないでいいからね。」
と言って、前もって用意していたのだろうか、大きなTシャツとスカートを出してくれた。
ブラジャーはさすがに無かったし、男物みたいなボクサーパンツだった。
Tシャツは、ピチピチだったけどなんとか着ることが出来た。
 
スカートはお尻の一番太い所が通らず、挟みを入れて着てから、安全ピンで止めることにした。
 
でもどうして、ママは服を用意していたのだろう?
 
「高校生2年生の頃だったわ。夏休みの2カ月で胸とお尻が急激に成長したのよ。他の部分もね。
やせていたのは。あなたも、昨日まではそうだったでしょ。そこは同じだけどね。」
不二子の体格といえば、身長152センチで幼児体型だった。
痩せているけれどウエストだけ68センチもあって変な体型だった。
だから、母親の素晴らしいスタイルが羨ましかったのだ。
 
「夏休みの7月の終わりに一度目の変化があって、夏休みが終わるころに二度目の変化があったのだよ。
その時は大変だった。不二子さんはまだ、中学2年生でしょう。少しずつわかって来るのよ。」
「何が大変だったの、ママ教えてね。」
「教えてあげなくてもわからないと思うの。そのうちに、不二子さんにもわかると思うな。
その時には助けてあげるから、心配し過ぎないでね。困った時には、携帯電話で連絡をすること。」
 
不二子はこれ以上質問をするのはやめることにした。
 
ママは、30歳代だ。
ママの身体のサイズも知っている。
身長175cm、バスト136cm、ウエスト60cm、ヒップ118センチ。
38歳の今も、バストとヒップは成長し続けているのだって。
体操やヨガ、食事、マッサージ、筋トレに気をつけることだそうだ。
 
私は小さいころから、ママのスタイルが羨ましかった。
どうしてそんなになれるのかを聞いても、ママはいつもこういうのだった。
「高校生になったら、わかると思うわ。」
 
誤魔化して教えてくれなかった。
 
ママの服も着ることが出来ないほどの身体になった私は、もう一度自分の服装をチェックした、
ママが用意したTシャツは伸び切っていて、ブラジャーなしの私の胸にピチピチに張り付いていた。
このボックスパンツは伸縮性があるので、私のお尻に貼りついて、まるでティーバックに見えている。
布が私のお尻の肉の盛り上がりを避けて、割れ目に沿って集まっていたからだ。
恰好は悪いけれども、ティーシャツとスカートは私の身体に一応はフィットしていた。
 
いつまでもこの服装じゃいやだけど、とにかく今は仕方がない。
 
「専門店を3軒教えます。今日は一緒に行きましょう。
不二子さん、今日だけは一緒に行きますから、後は自分で行って下さいね。」
 
「最初に、オーダーメイドの下着屋さんにいくからね。
車に乗りなさい。後部座席でゆったり斜めになりなさい。」
わたしは、後部座席にゆったりと乗り込んだ。
我が家の車は、三列シートのミニバンなのだ。
「不二子さん。もう一度言うけど、ママは高2の夏休みの間に二度の急成長があったのよ。
それまでは、身長156cm、バスト90cm、ウエスト64cm、ヒップ90cmだったのよ。
一度目の成長では、身長168cm、バスト106cm、ウエスト62cm、ヒップ102cmになったの。
このときは、まだ既製品で身体に合うものがあったけれども・・・。しかも、高校2年生でしょ。
二度目の成長では、身長175cm、上から127・65・113になったのよ。
不二子さん、あなたは中2で、ただ一度の急成長で、こんなに凄い身体になっているのよ。
二度目の急激な成長がありますから、ママと一緒に覚悟しておいてくださいね。」
 
ママ、何を覚悟したら良いの。
わたしは、質問したかったけれども言えなかった。
二度目の成長があるのだね。それは、覚えておこう。
 
私は遠慮深い性格、控えめな性格なのだと思う。姉たちとは違うのだ。
ママの高校生時代の大変だった話は、またいつか話してくれると思う。
 
今は自分のことを考えよう。
心配するって何を心配したら良いのかなあ・・・。