松坂家の秘密

カンソウ人 作
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★その4 仲良し4人組の夏 (前編)

《1》   7月の学園風景

緑山学園中等部では、2期末考査が7月14日(水)に終わってからは、夏期特別授業が始まる。
数日のうちに、テストが返却されて、その後は全ての教科が行われる。
要するに、時間割が組まれて、授業の進行に組み込まれているのである。
ただ、時間的には少し楽になり、補習事業も特別授業も行われない。
8時50分〜11時40分3教科の授業、昼休憩、1時30分〜3時20分2教科の授業なのだ。

授業終了後には、クラブ活動や懇談会(7月26日〜30日)が行われている。
純粋に休みなのは、8月10日〜24日であり、8月25日からは、2学期である。
教室が冷暖房完備している学園では「暑いから夏休み」の理屈は通るまい。
学園の落ち着いた雰囲気の中で、なぜか授業は幾分のんびりとした雰囲気で行われている。

110分間の昼休憩には、生徒たちは思い思いに、自由に昼食を取る。
昼休みに練習するクラブも多く、グラウンドや体育館は時間で割り振られているのだ。
学園内の食堂がゆったりとしているのは、簡単な許可を取れば、学園の外に出るのも自由だからである。

少し離れてはいるが、近くの緑山学園大の理・農・工学系の学部のキャンパスに行くことも可能である。
レストランは充実しているし、クラブの指導等で知っている先輩もいるであろう。
理系の学部では夏期休暇といえども、学生の数は文系学部と比べると、案外減らないものらしい。
暑くとも、白衣を着た学生が歩いているのが目立つのである。
教授の研究対象である実験は、夏季休業中でも途切れることも無く続くのである。
当然、卒業論文や修了論文との絡みもある。
研究室の下級生は、上級生の手伝いというよりは、自分の分担を決められているのだ。

中高の学園は、2週間は純粋に夏休みであり、中3であろうと高3であろうと、宿題は全く出ない。
唯一出るのが、読書感想文である。
読書感想文は、○部科学省が予算取りに関係諸機関に募集をさせているのだから、教師に苦情を言っても無駄である。
期末考査終了直後に、本を取り敢えず読んでしまうのが、エレガントな学生生活に結び付くのである。

今日は、7月22日の木曜日である。
全ての教科のテストが返されたのみならず、今朝「1学期末考査結果個人表」を渡された。
来週からは、懇談会があり、そこで1学期の成績表が渡される。

不二子を始め仲良し4人組は、真剣に集中して期末考査に取り組むことが出来たのである。
「巨乳化宣言」の達成感が、自信につながり不二子や滝沢には、良い結果を生んだようである。
夏目はトップクラスであったし、北村も成績が良かった。
2学期からは、同じクラスで特別授業を受けることになった。


《2》   クラスでの昼休憩

仲良し4人組は教室でお弁当を食べて、おしゃべりや宿題をしたりして過ごしていた。
テストが終わり、返却されてひとまず落ち着いたようである。
余裕が出来話題となるのは、おっぱいの話である。

北村:この頃、バストとヒップが大きくなるのが、止まったみたいな気がするのよ。
テスト前は、下着や制服などサイズ合わせに時間が、少し取られたのだけれども。
みんなはどうかなあ。
夏目:北村さん、良いことを言ってくれました。
身長も止まったし、バストもヒップも止まったの。
生理は止まっていないけれども。
滝沢:私も止まったの、成長がね。
食事中に言うのも気が引けるのだけれど、もらうおしっこでは、もうこれ以上は無理なのかなあと思う。
だけれども、私はもうこれで十分だと思う。
もうこれ以上、大きくなっても困るとは言わないけれど、この辺で良いかなと感じるのよ。
松坂さんには、悪気はないのよ。
感謝しているの。

松坂:あの県営プールへ行った週は、まだ大きくなっていたのです。
その前に、更衣室でポーズを取っているうちに、248−55−213に増えていたらしいの。
家に帰ったらそうなっていました。
それから、7cm増えて、バストは255cmになりました。
アンダーバストが175cmだから、Zカップがアンダーたす72.5cmでしょう。
アルファベットはもう無くて、Zの3つ向こう側になるのです。
一回りした時は、もう一度Aからやり直して、しかも文字の前にAをつけるのだって。
夏目:それは、本当なの。
松坂:私の為に作ったルールだって、いつも行くお店の人が言いました。
それで、ACカップだそうです。
北村:SだろうがACだろうが、どちらも特別注文に変わりはないのでしょう。
松坂さんは、大きく成長することが楽しいみたいね。

学校のプール授業も、ビキニで良いと高岡先生も諦めちゃったから良かったね。
ひもを長くすれば良いだけだからね。
ワンピースの方がセクシーで困ると、男の子たちが言ったから、学校の2回目からそうなったのだったよね。

松坂さんの話はさて置いて、私の話をしても良いかなあ。
123−66−116のRカップで止まったのよ。
一時はこれから私の身体はどうなるのかと思って、心配になったの。

松坂さんの気持ちが少しわかるような気がしたの。
夏目:簡単に分かられてたまるか!
と、松坂さんは思っているかも知れないよ。
わたしは、そんな気持ち分かりたくも無いね。
北村:とにかく、これぐらいで止まって、良かったなと思うの。
身長も165cmで止まって良かったと思っているの。

松坂さんにもらっていた、ペットボトル入りのおしっこ、もう止めても良い。
本当に感謝しているのよ。
どうもありがとう。
私だけじゃ無くて、今度うちに来て欲しいって、母が言っています。
松坂さんに会ってどんな女の子か見たいし、御馳走がしたいって。

恥ずかしいのを我慢して、かばんに毎日3本も入れてね。
自分の飲料だけでも重いのに。
滝沢:男の子たちは、悪気はなく、本当に困っていたのよ。
かえって裸に近いビキニが良いと言うか、その方が慣れやすいらしいね。
もっと困っているのは、北村さんの水着姿らしいよ。
泳ぎ難いらしいよ。
私の事を話すね。

私は、北村さんみたいに大きくはならなかったの。
もっと常識的な、99−62−95のIカップです。
Iカップを常識的というのは、確かに変だよね。
爆乳爆尻だよね。
とにかく、これで良いなあと思っているの。

松坂さん、本当にありがとう。
母親もそう言っているのよ。
私の場合、身長が伸びて173cmになったことも、嬉しいの。
松坂さんにと、ギフトカードを渡してねって言われた。

夏目:北村さんも滝沢さんも、満足しているのだと聞いて、私は驚いているのよ。
サイズは、身長170cmで103−60−99のJカップになったのは嬉しいのだけれども、何かちょっと。
嬉しいのだけれどもね、まだ爆乳の範囲内でしょう。
お尻だって、お肉はついて来たけれどもね。
まだ、足りない気がするの。
でも、これで止まって来たのは確かだから、次の方法を考えなくてはね。
どうしたものかなあ?
松坂:充分だと思うけれど、何か不満なのかなあ。
協力はするけれども、もうおしっこは止めね。
いったいどうなりたいの。
まさか、私みたいになりたいの!
夏目:その、まさかです?
超乳超尻になりたいのです。
不二子みたいなね。
北村さんよりも、もっと大きくなりたいの。
北村:ちょっと、落ち着いてね。
何か作戦を、考えているのでは?
松坂:なんでしょうか、私でどうにかなる事なら良いのだけど、誰かに頼むのかなあ。
夏目:私が睨んだ所、松坂家には私たちにはわからない奥の深い「秘密」が隠されているの。
あの高校生の亜利紗・香里奈先輩の体格と体力。
不二子の体格と体力、急成長、バストとヒップのセックスアピール、美貌。
この間の期末考査で見せた不二子の記憶力と思考力。
5科目平均94点、9教科合計846点は何か、異常な物を感じさせる。
急成長し過ぎている。

この間の更衣室での一時間のうちに、バストとヒップが10cm近くも成長するなど説明が付かない。
今や、255−55−213。
私も、松坂さんみたいになりたいの。

緑山学園大学で教授をしている父親。
まだ分からないと言うか、何も掴んでいないのは母親の情報よ。
怪しいことに溢れているわ。
松坂さんのお家に、一晩泊めてくれないかなあ。
いずれうちの母から、電話があると思います。
北村:作戦は、そんなところから始まるのね。
合計点は、夏目さんの方が良いのではないのかなあ。

来週月曜に、天気が良ければ、大学のレストランで昼食を食べに行かない。
私たちも進学するかもしれないでしょう。

みんなその案に賛成した。
金曜日のお弁当のおかずを母親が既に準備済みなことを考えている子たちである。
急にお弁当要らないと言うのでは、母親も困るのである。

バストとヒップの成長は、止まったのは確かであるが、滝沢と北村は、不二子に感謝している。
夏目も言わなかったが、感謝しているのは間違いが無いだろう。
結局不二子を頼っているではないか。

不二子の心も負担でもあった例のおしっこについては、ひとまず中止になったことと併せて嬉しかっただろう。


《3》 夏目の母

7月23日、その日の昼過ぎのことである。
松坂家では、美沙子がトレーニングをしている。
重いバーベルを持ち上げたり下ろしたり、金属が強く触れ合う音がギシギシと聞こえる。
バーベルを鉄アレイに持ち替えようとしている時に、電話の子機が鳴る音がする。
慌てて怪我をしないように、鉄アレイを床に置き、電話を取った。

夏目の母からの電話である。
「もしもし、松坂さんのお宅でしょうか?
こちらは、夏目理乃の母親です。
いつも、学園では楽しくやっているお友だちだ、と聞いています。
このたびは、本当にお世話になりました。
娘は本当に喜んでいます。」
美沙子は、不二子からあまり話を聞いていなかったのである。
「こちらこそ、いつも楽しく過ごしているって、不二子から聞いています。
夏目さんとは、色々と教えていただきまして、成績も上がってきたと聞いています。
夏目さんが教えてくれると良く分かるとか、言っていました。」

「うちの娘の、体格が良くなったのは不二子さんのご指導があったからだと言っております。
毎日、テスト中であっても、お手間を掛けて頂いたからだと存じております。
そうでなければ、こんなに体格が良くなることは無いと思います。
それと言うのも、私も主人も、それほど身体の大きい方では御座いません。

それで、不躾なようですが、お願いがあると娘が言うのです。
松坂家の事がもっと知りたいと申しております。
一度、そちらに、今度の土日にご用事が無ければ、一晩泊めていただけないかと、言っているのです。
無理なことを、申しているようなのですが、よろしくお願いいたします。
ご迷惑をお掛けするような娘ではないと、思っております。
これからも、不二子さんのような素晴らしい方と、良いお付き合いをさせて頂きたいと思います。」
夏目の母は、関西弁を出す事無く、標準語で冷静になって電話をしているようである。

「私どもは、不二子からまだそのお話をうかがっておりませんでした。」
「はい、うちの理乃もまだ不二子さんに伝えていないと思います。
自分から言いにくいので、電話を掛けてくれと、言われたのです。」

「そうですか、わかりました。
不二子が帰って来ましたら、よく話をしておきたいと思います。
確かに急なことですが、私どもも土日取りたてて都合はありませんので・・・。
よろしかったら、明日は金曜日ですし、理乃さんに登校時に着替えなどを持たせて頂いてはどうでしょうか。
帰りに、一緒にこちらに来ると言うことはどうでしょうかね?」
美沙子も、物分かりが良いようである。

「では、そうさせて頂きます。
こちらの都合で、お願いさせて頂きました。
よろしくお願いいたします。」

親たちの話は、一応まとまったようである。
電話をしていたので、身体が少し冷えたようである。
美沙子は、水分を補給した後で、仕方なく少し戻ってトレーニングを始めた。

178cm、136kg、上から156−65−135のボディーがフル回転を始めた。
信じられない重さのバーベルや鉄アレイが、美沙子の手にかかると軽々と動くのである。
美沙子は、鏡を見ながら、色々とポーズを決める。
とても、40歳前の女性には見えない。
トレーニングウェアは汗でぬれて、乳首がハッキリと見える。

美沙子の乳首は、親指ほどもある大きくものである。
太さ長さとも、親指ほどもあるのだ。
乳輪はピンク色をしていたが、乳首は茶色であった。

不二子は、中学校に上がるまでは、お風呂で母親の乳首を吸っていたのである。
乳首は吸うことによって大きくなることが、不二子には不思議であった。
不二子の知識は、自分と母親の乳首の関係しか考えていないのである。
乳房が大きいと乳首も大きいのかと尋ねたこともあった。
美沙子はそのことについても、はっきりと答えなかった。

その日、不二子は帰宅すると、美沙子から言われた。
「夏目理乃の母親から、丁寧な電話があった事」
「明日は夏目理乃を一緒に帰って来る事」
「客間に布団を2枚引くのでそこで寝る事」
「夏目の嫌いな食べ物・好きな食べ物など聞いておいてメールで連絡する事」
「土曜日の昼過ぎに送って行く事」
などを、言われたのである。

そして不二子は美沙子に言った。
「夏目理乃、北村一美、滝沢南美、の3人とは仲が良い事」
「一緒にお昼休みに食事をしている事」
「4人で、巨乳化しようとした事」
「みんなそれぞれに成果が上がった事」
を話したのである。

美沙子は、どんな方法で巨乳化したことを尋ねたので、不二子はおしっこの事まで正直に話すと、納得したのである。
不二子は、普段の生活に戻って、筋力トレーニングとピアノ、宿題と自分のすることをこなしていった。

夜寝る前に、自室で日記を書いていた。
不二子にとっても、テストの成績が良くなったことは嬉しかった。
反省と言うか、これからも普段の授業の取り組みが大切だとかを書いていた。

携帯電話を見ると夏目からのメールが入っていた。
「うちの母からの電話、どうだった。
何か動きはあったの。」
「うちの母は、心づもりはしているよ。
ねえ、理乃の好きな食べ物って何、嫌いなものは?
知らせてね。」
返信は直ぐにあった。
「嫌いなものは、レバーとホウレンソウ。
おやすみ。」
不二子は、そのことを母親に知らせてから寝たのであった。


《4》 成長時の苦しみ

7月24日(金)の昼休み、いつものようにおしゃべりをしている。
仲良し4人組は、夜にメールを交換して、互いに名前で呼ぶようになって来たのである。

北村一美:昨日は言わなかったけれども、みんな一緒じゃないかなあ。
思っていたから、言わなかった事なのですが。
南美(みなみ)は、何か言いたそうね。
滝沢南美:一美(ひとみ)も我慢して言わなかったのね。
わたしも、ずっと我慢していて言わなかった事があるの。
不二子からもらった物で、成長している時の事だろうと思うの。
夜、成長している時大変だったのよ。
もうどうにかなりそうと言うぐらいに、胸が痛かったの。
お尻が成長している時には、お尻がね。
戻してしまったこともあった。
脂汗はかくし、朝起きたら布団が、汗で濡れるぐらいだった。
北村:私もそれが言いたかったの。
成長しているのは嬉しいし、文句は無いのよ。
自分たちが無理に欲しがったことから始まった事だから。
お母さんも、夜うなされているのを心配していたの。
それで、色々と話をして、不二子に感謝することになったのよ。
夏休みになる前に、夕飯をご馳走するするって、母が言っていました。
夕飯よりは、学校帰りに寄って欲しいと言うのが本音でしょうね。

夏目理乃:一美の家が、焼き肉屋さんだとは、昨日のメールまでは知らなかった。
ちょっと有名な高級店だって、兄が教えてくれたの。
でも、私も成長する時はたくさん食べるのよ。
特に、成長しているなと思った日はそうだった。
不二子なんかね。
松坂:理乃がそんなこと言うと、私がたくさん食べるみたいな印象をみんなが持ってしまうでしょう。
一美のお母さんまで、そんな感じで伝わっているのではないかな。
理乃に兄がいるなんて知らなかった。
ちょっと紹介してよ。
夏目:紹介する程ではないかもしれないけれど、学園の高等部の1年生。
   入試で高等部から入って来たのよ。
ハッキリ言って、背が低くてあまり目立たない、勉強ばっかりしているの。

名前は、漱一郎(そういちろう)。

理科系のおたくで、パソコンにはうるさいよ。
興味がある事には興味があって、知っていることはもの凄く良く知っているの。
興味がないことでも、よく知っているから、成績はとっても良いみたいだよ。
内緒の話だけれど、授業料は半額免除なの。
料理の上手だし、運動神経もそうは見えないけれど、結構良いのよ。

ただ、ガリガリに痩せているのよ。
夏目漱石から、一字いただいたのね。
家では、胆石とか岩石とか、悪口を言っていたけれど、それも幼稚園の頃だったかなあ。

不二子の急成長に興味を持っていて、知らないうちに写真を何枚も撮っていたみたいだよ。
もちろん制服の写真だけれど、水着も撮ったのだって。
見せてはくれないのよ。
私の写真も、撮ったらしいのだけれど、何に興味があるのか分からないの。
おしっこのやり取りをしていることから、興味を持ち始めたみたいなの。
私の急成長にも、強い興味を持っているのよ。

ただ間違いないのが、エッチなことに興味は無いみたいなのが、変わっているの。
男だから、多少はあるに決まっているけれど。
不二子のおっぱいよりも、急成長の方に興味があるタイプだよ。
安心と言うか、物足りないというか。
私の話は、信用しても良いよ。

ああそうそう、私も成長している時は、大変だったよ。
脂汗はかくし、苦しくて吐いたこともあったし、のた打ち回ったのよ。
それでも、もっと成長したいな。

松坂:私は、急成長した時は、良く寝ていて分からなかった。
だけれども、次の日起きた瞬間に大慌てしたのよ。
本当にびっくりしたの。
自分とはわからない程変わっていたから。
みんなシンドイ目をして頑張ったのね。
本当に偉いなあ。私良いお友だちばかりで、嬉しいと言うか恵まれていると言うか・・・。
夏目:今日は、松坂さんのお家へ一泊してきます。
何か新しい情報を分かったら、またみんなにお話しするからね。
滝沢:実はね、私はみんなよりも一歩先に北村家に行ってきます。
今日は金曜日だから、焼き肉屋さんは忙しいのだそうです。
まあ、皿洗い程度ですがアルバイトになるかも知れません。
営業時間は遅いのかも知れないね。
そして、一泊してきます。

4人は、この後読書感想文の話をして、読む本など目星を付けたようである。
それから、月曜日に大学のレストランに行くことと、北村の家の焼肉屋に行く日を決めた。

食事の後は、宿題をすることにしていた。
教え合いをすると、案外早く出来てしまうものなのだ。
宿題がある程度終わると、プレッシャーが軽くなりホッとするのである。


《5》  夏目と一緒に松坂家へ

この日、不二子と一緒に松坂の家へ、初めていくことになったのである。
不二子の存在は、夏目の眼から見ても光輝くばかりであって、急成長をした直後と何ら変わる所は無い。

美人を色々に分類し、その一つ一つの分類に名称を付ける。
スレンダー美人、着物美人、水着美人、巨乳美人、などである。
そして、現実の女性に対して、どの分類に属するかを決めて、美人であると理解する。
不二子は美人であることは間違いが無いのであるが、良い所がたくさんあり過ぎて分類がしにくい面がある。
新しい美人のカテゴリーを作りださなければ、不二子の素晴らしさを理解するのが難しいように思う。
焦点を絞れば、超乳超尻であることは間違いが無い。
あまりの超乳の為、重くて歩くことが出来なくとも、画像ならばそれで良いが小説は成立し難かろう。
不二子の筋肉量や怪力は、成立させるための2次的な物であると、私は信じている。

○フィー・ザ・ボディ、○コ・ニコル、○ム・カーダシアンなどの魅力は、BIG BUTTの女性の魅力である。
筋肉質で身体を鍛えていないと、あの大きなお尻はきれいなラインを描かないだろう。
10年以上前ならば、あのカテゴリー自体存在していなかったように思う。

彼女たちのバストは標準的だが、不二子はバストが異常に大きいのだ。
しかし、その顔は日本的なバタ臭く無い日本的な美人顔なのである。

夏目は2人で一緒に歩いていて、目線は自分の方に注がれているような気がした。
不二子へは、目線が余り注がれていない。
みんなと一緒にいた時には言わなかったが、自分の眼鼻立ちがハッキリとして、きれいになったような気がするのだ。
ボン、キュ、ボンのグラマラスな身体付きをしているのは、夏目である。
これから鍛えればまだまだ成長の余地のある、素晴らしい可能性を秘めている夏目である。

不二子に目線を合わせるのは、遠慮があるのだろうか。
遠くからでも、何か凄いものが来るのが分かる。
見てしまうと驚いてしまうか、目線を外せなくなるのか。

まだ、夏目は安心できる常識的な範囲なのだ。
「このように成長する前だったら、誰も見てくれなかったのだろうなあ。
だけど、ボン、キュ、ボンでは足りない気がする。
まだ、心が満たされないなあ。」
悲観的に、夏目は感じ過ぎていたと思う。
夏目の苦悩が理解できるだろうか。

「不二子の横へ並ぶ」と書くと簡単であるが難しいことである。
顔は真横でも、不二子のバストの先は遥か遠くであるし、背中の厚みやお尻の突き出しは後ろまである。
不二子の横は、場所取りの可能性に満ちているのだ。

ボン、キュ、ボンでは到底表現できない圧倒的な身体の厚みに、圧倒されてしまう。
身体を左右に振って歩いている訳でもないのだが、バストの先の方ではずいぶんと揺れている。
夏目のすぐ横には、太い腕があり、つい先日不二子の掌に座ったことを思い出したのである。
男性トップボディービルダーの2倍以上も、上腕囲があるのだ。
不二子が暴力的になる筈はないのであるが、圧倒されるのである。

不二子と喋りながら、家に向かうのかと考えていたら、不二子は喋らず寄り道もせずひたすら歩くのである。
そのスピードの速い事、脚の長さがまるで違うので、夏目は走らされて汗をかいてしまった。
不二子は、汗はそれほどかいていないのである。
夏目の身長は170cm・脚長率48%で、脚長82cmで脚は長い方であるのに追い付かない。
遅れると、不二子の姿を後ろから嫌でも見なければならない。
一般中学生の2倍以上ある肩幅から、細いウエストへの綺麗な逆三角形にはいつ見ても感動してしまう。
夏目はブラウスの下に分厚い背筋が隠れていることを知っている。

お尻が左右別々にブルンブルン動くのが、非常によく分かる。
右足が前に出ると、左側の尻が後ろに突き出す。
次に、左足が前に出ると、右側の尻が後ろに突き出す。
スカート越しにでも、左右の尻肉の別々の動きが分かるほどのギャップがある。
見惚れてしまい、遅れまいと走って行かねばならなくなる。

不二子はきっと、殺気を消しているのであろう。
夏目と楽しく会話していると、オーラが垂れ流しになるのである。
それでは、色々とトラブルが起こるのであろう。
不二子の辛さを、少し感じた夏目であった。

夏目の通学も乗るのは同じ駅からなので、定期券で自動改札機を通り電車に乗った。
電車に乗ると、不二子は混雑していても座ってしまう。
と言うよりは、席を空けてもらうことが出来るのである。
最初立っていると、不二子のオーラで近づくことが出来ず、隙間が出来てしまう。
座ると、隣の人も立ってしまうのである。

夏目も不二子の隣に座った。

しばらくすると目指す駅である。
夏目をその前に電車を乗り換えるので、そこから先は知らない所であったが、話は無かった。
結局、途中はほとんどしゃべることも無く、松坂家に到着することになる。
夏目は、ほとんど小走り状態であった。

駅で電話連絡をしたからかもしれないが、家の小さな門の所には不二子の母親が立っていた。
夏目の一番驚いたのが、美沙子の姿である。
自分の母親の平均的なサイズなのと比べると違い過ぎる。
友だちの母親なのであるが、身体の大きさやスタイルの良さにも驚いているが、美人なのにも驚いていたのだ。
ただ、服装がショートパンツとティーシャツとランニングの組み合わせである。
トレーニングウェアを着ていることと、化粧っ気がないのが不思議な感じがしたのである。

「こんにちは。私、夏目理乃と申します。
母から無理な電話をしてもらって、一晩ですが、泊めて頂けると聞いています。
不二子さんと一緒にお泊りが出来るのが嬉しいのです。
宿題などいつもと同じように、家庭学習もしますのでよろしくお願いします。」
「夏目理乃さんですか。
よく不二子の為に来て下さいました。
ありがとうございます。
理乃さんは、ずいぶんと良い体格をされていますね。」
「色々と、松坂さんのお家の事を質問するかもしれませんが、よろしくお願いします。」
「それでは、中に入って頂いて、不二子の部屋で着替えをして下さい。
不二子や、ちゃんと案内するのだよ。
着替えが終わったら、ダイニングキッチンに下りて来なさいよ。」

夏目は、礼儀正しかった。
不二子はゆったりとしたトレーニングウェアにいつものように着替えた。
夏目は、ジーンズにティーシャツである。
そして、ダイニングキッチンに下りてくる。

「夏目さんは冷たい紅茶が良い、それともコーヒーかな?
不二子さんは、いつもと同じ麦茶かな。」
美沙子が尋ねた。
「アイスコーヒーをお願いします。」
と夏目は答えた。
美沙子は、ロールケーキと飲み物を出して来た。
「私には一つ願いがあるのです。
その話をさせてしてから、いろいろと質問させて下さい。

私たち4人、とっても良いお友だちなのです。
北村さんと滝沢さんと4人が、いつもお昼休み一緒にご飯を食べているのです。

ところで、このロールケーキ甘さ控えめで美味しいですね。
これ○谷駅前の、自然派菓子工房『なちゅLOVE』の『抹茶細めロール』でしょう。
うちの母も細めロールのシリーズが好きなの。」

「ママ、わざわざ買ってきてくれてありがとう。
理乃はね、何に対しても本当に熱心に研究しているのよ。」
不二子は、少しだけしゃべった。

「不二子のお母さんは、背も高いし、美人なので本当に格好良いなと思いました。
髪の毛が、艶々として太くて真っ黒で長くて、凄いですね。
不二子さんそっくりですね。

うちの母は、ちょっと太めの標準サイズだから、不二子さんがこんなに急成長したのだろうなあ。
身長157cmで体重58kg、86−72−89なのです。

私たち、不二子さんが急成長して、こんな身体になれたのが羨ましくて、しょうがないのです。
それまでは、バストやヒップが小さいのが、悩みだったのです。
同じ悩みを持っていたのですね。
不二子さんが協力してくれて、自分でも努力しているのです。
急成長とは行かないけれども、バストとヒップが大きくなったのです。

157cm46kg 81−63−85から、170p68kg 103−60−99になることが出来ました。
でも私はもっと、超乳超尻になりたいのです。
ところで、不二子のお母さんは、どんな身体なのか教えてもらえますか。」
夏目の真剣さに、美沙子は答えてくれたのである。
「私は、高校2年生の時に、急成長したのです。
詳しいことは、また不二子さんから聞いたら良いと思います。
不二子さんも、隠す事無く知っていることを、話ししてくれたら良いと思います

私のサイズですか。
恥ずかしいですけど、もの凄いからびっくりしないでね。
身長178cm 体重138kg 上から156−65−135なのです。
高校時代よりは今の方が、サイズが大きいのです。
これでも毎日相当の努力しているのですよ。
トレーニングの様子も見たらどうかなあと思いますけれど。

夜には、父親も返ってきますし、夕方には姉たちも。
色々と答えてくれるかもしれませんね。」

不二子と美沙子は、夏目をトレーニングルームに案内した。


《6》 夏目、美沙子の凄さに触れる

トレーニングルームは明るい部屋で、白い壁紙の張ってある部屋である。
そして、金属製の物々しい器具が並んでいるが、父親の勉強部屋のような雰囲気もあった。
金属製の様々なプレートが何十枚と並んでいるのだが、一枚でも夏目にはとても持てない物が殆どであった。

「最初はアップをしますから、ストレッチングなどはご一緒にされれば良いと思います。」
夏目は、真似をしてストレッチをし始めた。
汗をかくのではないかと考えて、授業で用意していた体操服に着替えた。
それは、積極的に参加しようとする夏目の意欲の高さであった。

ストレッチングが終わると、ウォーミングアップである。
エアロビクスを簡単に行ったのである。
その後美沙子と不二子は、ウェイトトレーニングを始めたのである。

ビッグスリーと呼ばれる、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトから始まり、次々と身体の部位を鍛えている。
首、肩、胸、上背、下背、上腕、前腕、腹部、大腿、臀部、下腿の種目と2人は交代に行っていった。
夏目は、見ているだけであった。
美沙子の使っている重さは、夏目にも一回程度ならば出来そうな気がした。
しかし、不二子の使っている重さは無理だと思った。
彼女たちは、バーベルを持ち上げたり下ろしたりの動きを、何度も繰り返していたのである。

「見ているだけでは、わからないでしょう。
私が指導しますから、やってみませんか。
体験ですから、疲れ果てるまでされてはどうでしょう?」
勧めに従って、夏目は取り組んだ。
軽いウェイトであったことは確かであるが、自分の限界まで一つ一つ取り組んでいった。
夏目は、自分を追い詰めることが出来るタイプなのかもしれない。

その間、不二子はマシーンを使って、マイペースでトレーニングをしていた。
マシーンには、分厚い鉄の重りが何枚も何枚も積み重ねてあった。
動かすたびに、ガシンガシンと腹に響く音がしていた。
不二子の表情はいかにも楽しそうである。
美沙子の力でも全く動かない重量を、楽しそうに何度も持ち上げるである。
テスト中でも毎日のトレーニングは欠かさない、と聞いて夏目は驚いた。

夏目は本当によく頑張ったのである。
美沙子の作った、ミルクセーキのような飲み物を飲んだ後、一時間程度横になったのである。
不二子のも、夏目の横で同じように横になっていた。
夏目は、頭の中がスッキリしたような気分になったのである。

「夏目さん、本当によく頑張ったわね。
今日は良いけれど、明日の朝、大丈夫かなあ。
あんまり心配しなくても良いからね。」
と美沙子が言ったのである。

疲れ果てたのか、本当に寝てしまったようであった。

「理乃ちゃん、起きなさいよ。
お風呂に入ろうよ。
お姉ちゃんたちは、夕食後に入るから、今のうちに入ろうよ。
ママが、理乃ちゃんの為に、一緒に入ってくれるって。
ママの裸の身体が見たいのでしょう。
見ておかないと、『松坂家の秘密』は分からないよ。」
不二子が起こしてくれたので、風呂に入ることにした。

2人は一緒に着替え始めた。
不二子の身体は、いつ見ても見飽きることが無い、美しいなあと思う夏目である。
夏目の評価には、憧れが入っている。
背中から、尻が上向きに盛り上がり、太くて長い脚へとつながる曲線にはいつもうっとりとしてしまう夏目である。
そういえば、あの時のカメラ返して貰っていないなと、気がついたのである。
今日は返してもらおう、と夏目は思った。

不二子は、理乃の身体はきれいだなあと思っていた。
かつてなりたかったのは、今の夏目のような身体なのである。

そこへ、美沙子が入って来たのである。
あっという間に、脱いで丸裸になってしまう。
「さあ、お風呂に入りましょうよ。
うちのお風呂は、湯船が広いのよ。
理乃さんって、呼ばして貰って良いですか。

理乃さんの身体って、とっても美しいと思いますよ。
先程の筋トレも、初めてなのになかなか力強い感じでしたね。

お尻の幅は広くないのに、プリっと柔らかく膨らんでいるのが、とっても可愛い感じがするのよ。
でも、触ってみたらお肉がたっぷりと付いていて、グラマラスじゃないの。
不二子や私のお尻と比べちゃいけないわ。
理乃さんのように、こんなにたっぷりとお肉のついた可愛いお尻って、そんなに無いのよ。」

「うちの母なんて、尻と胸ばっかり大きくなって。
そんな言い方をするの。」

「あらっ、理乃さん胸って本当に大きくて、柔らかくって自然な感じがする。
中2でこんな胸をしている子は、いないでしょうね。
100cmを超えていて、上を向いてツンとしている所なんか、可愛いなあ。
もっと、自信を持って良いと思うのよ。

あとは、筋肉をトレーニングして、鍛えれば良いのではないかなあ?
チタンを薄い赤で染めた眼鏡も、とってもよく似合う。
眼鏡少女で背が高くておまけに爆乳爆尻。
身体のパーツに魅力があって、現代的じゃないかなあ。
不二子と比べるから、貧弱な身体と思うのかもしれないけれども、そんなことはないと思う。

あとは、やっぱり筋肉を鍛えることよね。
それは、中2ではまだでしょうから、これからね。

それでは、私の身体をお見せしましょう。」

美沙子は、立ち上がって色々とポーズを決めた。
不二子ほどは筋肉が付いている訳でも、不二子ほど超乳超尻ではないけれど、素晴らしかった。
やはり、不二子の母なのだなあと、理乃は実感したのである
憧れの肉体がまた一つ増えたのである。

「これぐらいにしておきましょうね。
私の身体でも、不二子と比べると貧弱で成長不良に見えるでしょうね。
でもね。
人と比べることばかりになると駄目って思うの。
夕食の支度があるから先に出ますね。」
と、美沙子は身体を洗って出て行ってしまった。


《6》  「松坂家の秘密」を身体で感じる

残された2人は、身体を洗い始めたのである。
夏目は、ゆっくりと洗ったのであるが、不二子は時間が掛かるのである。
表面積が広い事、身体が入り組んでいて洗い難い事、髪の毛が長い事と丁寧な事が理由であろう。
夏目は、不二子が身体を洗う姿を楽しそうに見ていた。

それから、2人は湯船につかった。
夏目は身体の隅々まで筋肉を使ったので、身体を温めることが快かった。
傍に不二子がいることも、眼が休むことなく楽しかった。
例のお茶を飲みながら、不二子は美沙子から聞いたことを、話していった。
父と母の急成長の事、心配だったけれども今は何事も無く楽しく過ごしている事、などである。

夏目が知りたいのは、どうしたら松坂家の人たちのような急成長が出来るか、と言うことである。
その点においては、不二子の話は物足りなかったと思えるが、松坂家の秘密の基礎は理解できたであろう。
美沙子からトレーニングの指導を受けたことは嬉しかったに違いない。
湯船に入ると、不二子の巨大な乳房がプカリと浮くのが、面白かったのである。
きれいな肌が、まるで透き通ったように見えて、ピンク色に染まっているのが美しかった。
理乃は、曇った眼鏡越しに、色々の画像を頭の中に記憶させていった。
見どころ満載で、丁寧に写実していると限がないのである。

亜利紗と香里奈も帰宅していて、風呂の中でも賑やかなのがわかるほどである。
夏目が風呂から出て、バスタオルで身体を拭いているところへ2人がやって来る。
2m近い2人が来ると、夏目は何も話す事が出来ない。
「夏目理乃さん、今日は松坂家に来て頂いてありがとうございます。
来客があるって嬉しいな。
私が長女の亜利紗です。」
と言って、握手をしたのである。
グローブみたいな手で串刺しソーセージみたいな指ではなかった。
しかし、不二子ほどではないが、大きな手だった。
「よくいらっしゃいました。
私が二女の香里奈です。
来客があるとママが料理に腕を振るってくれるからから、いつもより美味しいよね。
不二子の手と比べると、まだ小さいでしょう。
あの力を受け止めるには、あんな手をしていないと骨が折れちゃうよね。」
香里奈の手も、大きかったのである。

自己紹介を夏目がすると、いきなり亜利紗が話し出したのである。
「こうやって、3人姉妹が並ぶと凄いでしょう。
超乳超尻で、背が高くて、運動能力抜群で、で力持ちでしょう。
みんな髪の毛が長くて。
美人なのも忘れては駄目だね。

不二子と一緒に、お風呂に入っていたのね。
今のうちに、しっかり可愛い身体を見てあげてね。
不二子はこれから近いうちに、2回急成長するの。
急成長が終わったら、どんな身体になっていると思う?

想像がつかないでしょうね。

きっとね。
私たち2人を合わせたよりも、もっと重くなる。
400kgを超えると思うな。
バストやヒップも私たちの倍以上になる。
4m位にはなると思うな。
身長も、2m以上になるのだと思う。

夏目さんは、きっとこんな感じに成りたいのだと思うな。
夏目さんのことを、これから理乃ちゃんと言っても良いよね。」

それを受けて、香里奈が大きく胸を張り、超乳超尻を強調して大きく見せるのである。

「不二子があんなに大きくなって、ちっとも可愛くないじゃない。
夏目さんは、本当に可愛い感じがすると思わない。

不二子の裸を見たついでに、私たちの裸も見たいに決まっているでしょうから。
どうせ、これからお風呂に入るのだし。
亜利紗、脱いであげようよ。」
と言うと、制服を脱ぎ始めた。

すると、あっという間に身長197cm 体重148kg 167−66−142の女性が2人も姿を現したのである。
夏目の後ろには、身長176cm 体重242kg 255−55−213の不二子がまだ裸でそこにいる。

夏目はもう、泣き出しそうである。
先程の美沙子の肉体の記憶がまだ鮮明なのに、この騒ぎである。
4人合わせると670kgを超える、筋肉質である肉の塊。
そのイメージが、夏目を襲っているのである。
大好きな超乳超尻の人たちに囲まれて、嬉しいはずなのだが、余りの迫力に涙が出て来たのである。

「理乃さん、まだ何にもしていないのだけれども、なぜ泣いているの?」
亜利紗が、夏目を優しく抱いた。
「理乃ちゃん、とっても良いおっぱいをしているよ。
形がきれいで、ツンと上を向いている。
まるで、ロケットね。
大きさは、Jカップでしょう。
Jカップでは、足りないのかなあ?
眼鏡とよく似合うのね。
本当に羨ましいなあ。
こんなのを、美爆乳と言うのよ。」
香里奈が言った。

「私にも、理乃ちゃんを抱かせてね。」
亜利紗は、抱いていた夏目を、香里奈の方に投げたのである。
夏目は空中を飛んで、香里奈に抱きかかえられたのである。
「理乃ちゃんって、本当に可愛い。
ギューって、抱き締めてしまいたいぐらい。
あんまり抱きしめて、骨を折ってもいけないし。
じゃあ、返すね。」

再び、夏目は空中を飛んで投げ返されてしまった。
「こうして抱いていると、本当に気持ちが良い感じがする。
理乃ちゃんは、どんな気持ちがするのかな?」
と言うと、また香里奈の方に投げたのである。

夏目は言った。
「私は、不二子の掌に乗せてもらって、手の上に座って気持ちよさそうにしていたの。
でも、今気づいたのだけれども、私の心の奥はそうじゃなかったのよ。
うんと強く大きくなって、掌に乗せる方になりたいの。
亜利紗先輩と香里奈先輩に、投げられるよりは、投げる方になりたいの。
そうしてもらうことは嬉しいのだけれど、希望はそうじゃないの。」

亜利紗は言った。
「やっぱりそうだったのね。
不二子がそんなことをしたのだね。
可愛がってもらって、自分の好みが、そうじゃないと分かったのね。
今すぐにでも、可愛がってあげたい気持ちもあるのだけれどね。
理乃ちゃんのことを考えると、お父さんに相談するのが一番良いのかもね。
私たちみたいに、超乳超尻になることもできるだろうけれども、そんなに楽なことじゃないのよ。
覚悟しておいた方が良いと思うよ。」
それを聞くと、香里奈はひょいと夏目を亜理紗の方に投げ返したのである。

夏目は、決して投げられるままにしていたのではなかった。
投げられまいと、力一杯相当抵抗していたのだけれども、無駄であった。
余りにも、力の差があり過ぎるのである。
夏目は短い時間ではあるが、力一杯使ったので相当に疲れたであろう。

不二子は、夏目が自分の思いを言うことが出来たなあ、と感心したのであった。
亜利紗は、優しく夏目を床に立たせてくれたのである。

不二子は夏目を助けることはしなかった。
そんなことは考えたことがなかったし、急成長するまでは、そんな日々が続いていたからである。
それに、姉たちのことを信用していたからである。
亜利紗と香里奈は、きっと夏目の思いを受け止めてくれるのであろう。

姉たちは、風呂に入って行った。
不二子と夏目は、落ち着いて服を着たのである。
夏目にとっては、とても大切な時間であったのは間違いがない。
自分の中にある、大切な物を感じ取ったのであろう。

それから夕食を食べて、不二子の部屋で宿題をしたのである。
そして、客間で不二子と一緒に寝ることになった。

夏目は不二子に、お願いをしたのである。
力の強さがよく分かるように、何かその力で作って欲しいと言うのである。
不二子はそこにあった知恵の輪を両手の親指と人差し指で摘まんで、キュッと伸ばしたのである。
針金は、伸び切って切れてしまったのである。
やり直しである。

夏目から、500円玉を4枚もらい立ち上がったのである。
硬貨に唾をたっぷりと付けて、正確に4枚を重ねたのである。
お尻に4枚硬貨をはさみ、中腰になり何分間か、お尻の筋肉に力を思い切り入れたのである。
分厚い尻の筋肉のプレスする力は途轍もないものであったのであろう。
夏目が幾ら力を込めても、500円玉はもう離す事が出来なかったのである。
硬貨は円形ではなく、奇妙な形をしていたのである。
しかも、生温かかったのである。
それが記念品である。

不二子は、例のおしっこのことを聞いたのである。
夏目は、寝ぼけながらも、おしっこを全部飲んだことを白状したのである。
聞かない方が良かったとは思ったが、つい聞いてしまったのである

聞いてしまったので、自分が飲んだらどんなことになるのか、不二子は想像したのである。
もっと凄く成長した自分の姿を想像したのである。
身長はもっと高く、バストとヒップがもっと大きくなる。
力だってもっと強くなってしまうかも知れないなあ。
呑気にも、そんなことを考えていたのであった。

どんな騒ぎが起こるのだろうか。
今度お尻で飛ばされた日には、痛かったでは済まないであろう。
振り向いたときに、おっぱいで飛ばされたらどうなるだろうかなあ。
胸やお尻に挟まれたら、捻挫では済まない。

不二子は本当に呑気である。
2学期になったら、自分のおしっこを全部飲んでみようかなあと、遊び心で思ったのであった。

色々と話をしてあげたいと思っていたのに、夏目は身体も心も疲れてしまっていた。
すぐに寝入ってしまったのである。


《7》  朝起きたら

朝起きたら、夏目は身体の節々や筋肉が痛くて堪らなかった。
立とうと思ったが、立つことが出来なかったのである。
昨日のトレーニングや、姉たちに投げられたときに抵抗したのが身体に響いているのである。
不二子にそのことを相談すると、いろんな所を柔らかくマッサージしてくれたのである。
しかし、簡単に引くような筋肉痛ではなかった。

美沙子は、夏目に風呂に入ることを勧めたのである。
湯は少し赤い色をしていて、筋肉痛に効く薬草が入っていたのである。
そして、炎症を抑える薬を塗ってもらっただけでなく、良質で消化吸収の良いプロテインを飲ませてもらったのである。
美沙子は本当に、そういう激しい運動をしたあとの身体のコンディションの整え方には詳しかった。
自分には必要が無かったから、不二子は美沙子の知恵に感服したのである。
美沙子にしたら、夏目の筋肉痛は予想していたようであった。

夏目は、不二子の助け無くして、歩くことが出来るようになってきたのである。
朝食には、父親の博司が現れたのである。
博司の身長の高さと筋肉の量に、夏目は驚いてしまった。
しかも、若くて男前なのである。

この一家はどうなっているのだろう。
みんな、凄い肉体をしているじゃないか。
これには何か秘密があるに違いない。
これこそ夏目が解明したかった、「松坂家の秘密」である。

「私は、不二子さんからおしっこをもらって、1か月以上飲んだのです。
そうしたら、こんな身体になることが出来ました。
バストもヒップも大きくなったし、筋肉も随分発達したのです。」
と言って、友人の父親の前で、裸になって見せたのである。

夏目は、博司に聞きたいことは一つである。
「私は知りたいのです。
不二子の急成長の訳は何なのですか。
私も、不二子やこの松坂家の人たちのような身体になりたいのです。
こんな感じの身体にして下さい。」
「夏目君の願いは聞いているよ。
姉たちや美沙子から、昨日の晩何度も聞いているよ。
裸は困るなあ。
服を着てくれよ。
君はどう思うか知らないが、なかなか美しい素晴らしい身体じゃないかなあ。
満足は出来ないのかい。

本当に、こんな身体になって良いのかい。
辛さもあるのだと、思うのだけれど。

君は良くても、お家の人がどう思うか、不二子をお家の人に会わせてごらんよ。
ここまで不二子みたいに徹底してこのラインで突っ走るよりも、適当なところでどうだろうかなあ。
その方が、私としてもやり易いのだけれどね。
実験台としての性格を持ってしまうのだけれども、構わないかなあ。

変にお母さんに聞くと駄目になるだろうね。
不安ばかりが先に立ってしまうだろうから。
私は別に良いのだけれども。
来週の月曜日、私の研究室に来たらどうかなあ?」
と言うのである。
北村や滝沢との約束もあるので、それは都合がよいのではないかと思ったのであった。
夏目は大切なことを約束して、松坂家を後にするのであった。


《8》  理乃の家路で

その日は、不二子が夏目を家まで送ることになったのである。
夏目の母が、不二子の姿をどんな気持ちで、見るのであろうか。

夏目は、まだ身体のいたるところが痛かったのである。
家に帰ったら、美沙子特製のプロテインシェーキを飲んで寝ておくように、注意されたのである。
1.5?のペットボトルに一杯に作ってあったのである。

不二子がいつも乗る私鉄を下りて、しばらく歩かなければ、夏目の家の方向への乗り換えは出来ない。
2人とも、そんなところで乗り換えなど、したことが無かったのである。
500m程度は駅が離れていても、乗り換えの人の流れがあるので、道を間違うことはないのでその面では安心できる。
わりと人通りの多い、商店街を通らねばならなかったのである。

今まで通ったことのない所を通ると、見たことのない通行人が色んなリアクションをするのである。
不二子を見てのそれは、夏目から見ていると、結構おもしろかったのである。
今日は、昨日とは違って夏目と一緒に楽しく喋りながら歩いているのである。
服装だって、例の不二子の好きなショートパンツとノースリーブである。
周りを歩く人に、不二子の魅力が全開となり、誰も見ずにはおれないであろう。

○ディーン・ヤンセンや○ローエ・ベブリエーが、東京の休日の渋谷を歩いたら、どんな反応があるかだろうか。
通り過ぎる人は、思わず振り返ってしまうであろう。
背中側から見ても、広い身体の幅を超える乳幅が見えることに吃驚する。
そして、尻の盛り上がりや腰の広がりの造形の美しさに感動するのである。
感心と感動とはずいぶんと違いがあるのだ。

彼女の強烈なくびれは、女性性の健康度をアピールしているのである。
彼女との性行為の素晴らしさを表現している、と言っても間違いではなかろう。
その素晴らしさの肉体での表現が、夏のこの服装では直接的過ぎるのである。

ショートパンツでは、超尻全てを隠す事が実は出来ないのである。
尻の下の方4分の1は、曲線が露わになっているのだ。
盛り上がりが激しい為に、超尻の割れ目の上の方は、隠す事が出来ないのである。
脚長105cm・大腿囲130cmの太股の美しく白い肌は、全く隠す事を放棄されているのだ。

ノースリーブから、出てくる腕の太さが普通の女性のヒップよりも太いのである。
少し腕を動かすだけで、筋肉の盛り上がりが確認することが出来る。

そしてなんといっても、不二子の超乳の存在である。
バスト110cmを超えると、超乳と呼ぶよりないが、どこまで大きくなっても用意されている言葉は「超乳」である。
成長中の途轍もない大きさの超乳、とここでは呼んで置く。

非現実的に、超能力の利用や万有引力の軽減、理由を述べることも無く、形を保っているのではない。
風船のようにふわふわと、脂肪の塊である乳房が胸に付いている、なんていう事は松坂家の女性には起こらない。
乳房を安定して支えることが可能なほどの、強力で十分な大きさの筋肉を所有しているのである。

乳房の大きさや発達の将来性を見越して、不二子の筋肉が最も発達することとなっている。
また、その上半身とのバランスを保って過不足なく運動できる程、下半身の筋肉も発達しているのである。
超尻も、存在の理由を明確に持っているのである。

それらが複雑に絡み合って、不二子の肉体が存在するのである。
必然性を持っているのである。
適当にまとめて、非現実と謗るのは易しいであろう。
それでは、「超乳戯画」や「超尻戯画」に関わるのは時間の無駄か、悪意があると言うべきであろう。
性癖は、精神の病気には入れないらしい。
問題は、社会的な犯罪を起こすがどうかであるから、大半の人々は心配する必要はない。

話を戻そうと思う。
更衣室で4人組に起こってしまった事は、不二子の姿を見て相当数の女性も驚くことと関係があるのだ。
数としては、男性の方が多いだろうが。

不二子に注目し過ぎて、真直ぐに歩くことが出来なくなったり、つまずいたりしたのである。
それのみか、呆然と立ち尽くすこともあるのだ。
男性だけでなく、女性でも起こることが、本当に凄いことである。
彼女の持つ、超越性である。

余りにも巨大な幾つもの超乳が創り出した物は、作者の「性癖の世界」である。
「そんな物に価値はない」と言われることは、覚悟の上で表現することにチャレンジしているのである。
ここは、蛇足であるかもしれないが・・・。

これが、更衣室での4人組に起こった事の説明になると思う。
夏目が、本能的に切望しているのが超越性である。
危険な部分も多く含んでいるのは、「覚悟」と言う言葉で、松坂家の大人たちから語られているのである。

夏目にそれを言っても、始まらないが、言わずにはおれないのであろう。
不二子は、それを鈍感さで乗り切ろうとしているのである。
作者としては、論理的な夏目を不二子の側に置くことで、何かを語ろうとしているのである。

驚く人々の姿を見ることで、夏目は改めて不二子の身体の表現している内容を実感するのである。
横から、不二子の姿を見る人たちが最も驚くことに夏目は気付く。
理由はこうであろう。
東洋人の身体は、どうしても平面的に見えるのである。
バストやヒップが大きな女性であっても、ビルダーのように筋肉を鍛えていても、そうなのである。
欧米人や黒人のその頂点に立つ女性同士を比べれば、その印象が拭えないのである。

厚い胸板、極度に発達した大胸筋、垂れる事無く胸板から突き出した超乳。
まだあるだろう。
太くて長い脚、岩石のように分厚い臀筋や背筋、みどり為す黒髪、太く逞しい腕、美しい横顔などなど。
それらが、一望できるのが真横なのである。

不二子の身体をいつ見ても、感動してしまうのが夏目なのである。
今回の宿泊で、松坂家の人たち全てに対して、共通して感動してしまったのである。

一人の少女が、不二子に話しかけて来たのである。
「私、東京に出て来た秋田の高校生です。
きっとあなたは、スーパーモデルでしょう。
そうでないと、そんな凄いオーラが出ているはずはありません。
そして、スーパー美人です。
私はあなた程、美人じゃありませんから。
可愛いって、言われてはいます。

一緒に写真に写ってもらえませんか。
斜め45度に横を向いて下さいね。
バストとヒップの厚さが、わかるようにお願いします。」
「私は、スーパーモデルでもアイドルでもありません。
こんなポーズで良いですか?
中2なのです。

それにしても、あなたはとっても可愛いですね。
自信がありますか?」
「はい。
嬉しい。
こんなに凄い人と、一緒に写真に写れた。」
その子は、ハッキリと答えたのである。

そして、不二子からサインをもらって行ったのである。
夏目が写真を撮ったのである。
その子は、そこから何歩か歩くうちに、スカウトされたのである。

その子は、不二子の方を指さして
「あの人たちは、どうなのですか。
眼鏡を掛けた方もとっても美人だし、とにかく体が凄いですよ。
もう1人の方は、私では言葉にするのが難しいぐらい、もの凄い身体をしていますよ。」
と言ったのである。

スカウトには不二子の存在は、とても気にかかったのである。
「顔は、とってもきれいだ。
スタイルもプロポーションも凄い。
おそらく運動能力も抜群であろう。

光るものは感じ過ぎるほど感じるが、魅力を説明するのが難しい。
名刺は渡しておこうと思うが、いつでも相談に乗るけれど。」
良さは分かるのであるが、ジャンルが無いと言われると返す言葉が無いのである。
スカウトに力量が無かったと、思うことにしよう。
再びスカウトされるチャンスが、あるに違いない。

不二子とスカウトが話をしているうちに、夏目がいなくなったのである。
誰かに、連れ去られたのに間違いない。
夏目自身は満足していなかったのであるが、実は凄いスタイルとプロポーションなのである。
中2で身長170cm・68kg・103−60−99は実に立派である。
体重が重めなのは、お尻が大きくて筋肉質だからである。
夏目が抵抗すると、見た目以上に力が強いので、相手が困ったはずである。
そのうちに、不二子が気付いたのに。
不二子に抵抗されたら、どうなるか誰にでもわかるであろう。

夏目自身は、どんな風に見えるかも分かっていなかったし、自分のことも分かっていなかったのである。
急成長後には、ありがちなことである。
アンバランスな所があり、内心自信がないのである。

若い男性の集団に、かつて不二子が連れていかれたことがあった。
今日の夏目も、同じような目にあったのではなかろうか。
連れ去らせたのに違いないと、不二子は判断したのである。

不二子は慌てることなく、周りを見渡したのである。
今の夏目は、走って逃げることが出来ないほどの、筋肉痛である。
そう遠くへは行ってないであろう。


《9》  不二子豹変する

不二子は、集団を発見したのである。
急成長以来、視力も良くなっていたのである。
おそらく、夏目はその中にいるであろうと確信したのである。

大きな声でこう言いながら、不二子は走った。
「道を開けて下さい。
飛ばされても知りませんよ。
私に飛ばされたら、どうなるかわかりませんよ。
友だちが大変なのです。」

単に大きいと言うだけでなく、力強く確信に満ちた声であった。
混雑の中でも、不二子が走ることが出来る程の隙間があいたのである。
その隙間を、不二子は一生懸命に走った。
しかし、飛びだした人を飛ばさないように、注意深く余裕を持っていた。

彼らは、横道に入って行ったのである。
倉庫のような所に、夏目を連れ込んでいた。
いったい、彼らは夏目に何をしようと言うのであろうか?

不二子は、遅れてその倉庫に入って行った。
その時の雰囲気に、彼らは驚いたに違いない。
この女性が、只者ではないことが瞬間的に伝わったに違いない。

体格は、見てすぐわかる。
太い腕、厚い胸板。
いかにも、力が強そうである。
しかし、喧嘩慣れしているような雰囲気は、発していない。
グラマーで美人でと言うのは確かにそうだ。
不二子から特別強力なオーラが出ていたことは、誰にでも分かるはずである。
彼女の超越性を見逃した、彼らの方が悪いと言うしかなかったと思う。

不二子は言った。
「私のお友だちを、返してくれない。
あなたたちは、どんな事をするつもりなの。
理乃ちゃんを返してくれないのなら、私が本気を出すけれど良いかな。

私の力が強いのに、きっと驚くよ。
『力が強い』の意味が、鈍い人には簡単に分からないのだと思う。

後悔するわよ。
格好をつけて、言っている訳ではないのに、言葉では伝わらないのね。
本気を出してはいけないって、いろんな人が注意してくれているのだけれど。」

「威勢の良い、お姉ちゃんだね。
結構、背も高いし良い身体をしているね。」
「でも、正直言ってデブなのだろうね。
脂肪太りが好きな人もいるだろうけれど、俺たちは違うよな。」
「それにしても、凄い胸をしているね。
とても、本物とは思えない。」
「凄い形の突き出した大きな尻だね。
相当鍛えないと、あんなお尻にはなれない。」
「あんな腰回りしていたら、力は強そうだね。」
「あんな、でかいオッパイ、見たことが無いね。
いっぺん、拝みたいものだね。」
「脂肪太りの太い腕だね。
もし全部筋肉だったら、人間離れした力かもしれないね。」

彼らは、やけに落ち着いていて、本当の不二子の姿がどんなものか、あまり気に留めていなかのような雰囲気である。
『もし全部筋肉だったら、人間離れした力かもしれないね。』と言う言葉に、不二子は激昂したのである。
『人間離れ』は、差別的である。
不二子の人間性が、壊れてしまったのかもしれない。

不二子の闘争心に火がついたので、彼らの気持ちも当然高ぶるのである。
場の空気は急変して、1人が不二子に殴りかかって来る。
その腕を掴んだかと思うと、男は飛ばされていた。
柔道の技のようだが、相手の力など利用しないで、力で投げただけなのである。

次に、バットで殴りかかって来るが、不二子がバットを掴むとバリバリっと音がして砕けてしまう。
不二子は、バット奪い取り握って全部砕いてしまうのだった。
握力を見せつけて、力をイメージさせ相手の反撃を封じる作戦である。
相手の身体を傷つけたくないのである。

「まだ、本気は出していないのよ。
私の友だちを、離してくれないかなあ。
私の力を本当に知りたいの?」

不二子は例のグローブのような手で、夏目の両脇を抱え込んでいる男の腕を掴んだ。
「痛い?」
男はそう叫んで、夏目から離した。

「あの大きな手の凄い握力で本気で掴まれたら、大変なことになるぞ?
骨折じゃすまないぞ。」
男たちは、不二子に掴まれた所を押さえて、痛さを表現している。

「だから、軽く握るだけでバットなんかは砕けるの。
あなた達の腕なんか、そっと持っているだけ。
本当は、力が強すぎて困っているのよ。
じゃあこれから、力を全部出すからね。
わかった。
あなたの持っている鉄の棒なんか、こうよ。」

不二子は、両手で鉄の棒を持って力を入れた。
その途端に。鉄の棒が熱したプラスティックのように変形していくのである。
鉄の棒は、鉄屑になってしまう。

最後には中腰になり、いかにも本気を出したことが、彼らに感じられたのである。
大きな手で、おにぎりでも作るように、ギュッギュッと握ったのである。
鉄の棒は、鉄のボールに変形していたのである。

余りの強さに、彼らは唖然としているようである。

「まだ、何かして欲しいの?
お友だちと、一緒にどっかに行くけれども、良いね。
私の力が強いという意味を、わかってくれない。
貴方たちぐらいは、私の事を理解してくれないかなあ。」

しばらく沈黙が続いたのである。
彼らも、徹底的に力の差を思い知らされて、何も言えないのである。
もう、人数の多少も、年齢の高低も無いのである。

「貴方達、私にして欲しい事を、しっかり考えて言いなさい。」
不二子は、彼らに命令を下したのである。

彼らの中の、正直な一人が口を開いたのであった。
「貴方様の、美しいお尻で、私に座って潰して欲しいのです。」
「そんなことで良いのね。
ここでは、服は脱げないから、期待し過ぎないで欲しい。
じゃあ、床の上に寝そべってごらん。
私の尻は、本当に重たいから、覚悟するのだよ。」
3人ほどが、床に寝ころんだのである。
不二子は、彼の上に巨大な尻で座って、順番に1人1人体重を掛けてプレスしたり、シェイクしたりしたのである。
彼らは、何分間かで動かなくなってしまった。

「次は、何をして欲しいの?」
「貴方様の、美しい胸で、私を押しつぶして欲しいのです。」
それも、3人ほどが床に寝ころんだ。
不二子は、これもまた順番に、胸を押しつけてプレスしたり、振動を加えたりしたのである。
彼らも、何分間かで動かなくなってしまった。

「次は、どうして欲しいの?」
「貴方様の、美しい脚で体重を掛けて踏んで欲しいのです。」
これも、4人ほどが床に寝ころんだのである。
不二子は、順番に踏んだり、体重を掛けたりしたのである。
悲鳴のような声がした時でも、不二子からどうしたのかを尋ねられると、何でもないと答えるのであった。

10名程の若い(と言っても、年上であるが)男性たちを、不二子は失神させてしまったのであった。
夏目は、黙ってそれを見ていたのであった。
彼らには、不二子に対する反発は既にないと思われる。

夏目の不二子に対する憧れは、いっそう強いものになってしまったかのようである。
彼女たちは、その場を後にして電車に乗り、夏目の自宅へと向かったのである。


《9》  夏目の家で

こうして色々あったが、昼前には夏目の家に着いたのである。
夏目の母は、不二子の姿を見て本当に驚いたのである。
わが子が憧れるのは、こう言う女性なのだということが、説明されるより良く分かったからである。
説明されても、イメージ出来なかったであろう。
言葉を尽くし身振り手振りも用いて、説明されても、信じろと言う方に無理があった。

夏目の母は、理乃が一晩泊めてもらったことや、無理に電話してこう言うことになった事を、申し訳ないと何度も言った。
そして、母親は昼食を用意していたのである。
食事は、特別に豪華と言う訳ではなかったが、関西風の味付けは岡山出身の「松坂家」と近い感じがあった。
夏目の祖父は、60過ぎても現役で、食品専門のスーパーに魚屋として入店しているのである。
売れ残りの魚や売り物にならない雑魚が、食卓に並んでいた。
理乃は、魚がそれ程好きでないせいもあったかもしれない。

メバルの煮付け、イワシのショウガ醤油煮、キスの天ぷらなんかは、不二子の大好物である。
小魚とは言え、一つ一つに固有の味や香りがあるのが、食べる楽しみになるのである。
7月ごろまでならば、小アジをサビキで釣ったのを、はらわたなど取らずに丸揚げして、南蛮漬けにする。
大きくなれば、たたきにしたり刺身にしたり、塩焼きも美味い。
こういう鯵は、雑魚には入らず、美味いことは知れ渡っている。
鯵には中途半端な大きさと言うものがあり、刺身や塩焼きでは食べる所も少なく、調理にも困るのである。
無理やりに南蛮漬けにしてしまうと、小骨が多いので食べにくいのである。
豆鯵ではなく、丸揚げに出来る大きさの鯵は、本当に旨いのである。

不二子は、そんな話を夏目の母親にしたのである。

父親の博司は、少年の日々笠岡の海でサビキ釣りをしたことがよくあったのである。
海の恵みが豊かな所では、サビキ釣りはしないで、技術の必要な大きな獲物を狙う釣りが盛んである。
美味しい魚でも、処理が面倒な魚は雑魚と呼んで、海に捨ててしまう。
干潟の広い豊かな海も、干拓や埋め立てが進んでしまっているのである。
遠浅の海が陸になり、地名は島であっても名ばかりで、道路で繋がっているのだ。
今や、干拓地に簡易な飛行場すら存在するのである。
かつて不二子は、博司からそんな話をよく聞いたものであった。

丁寧に、骨を出して小魚も嫌がらないのは、瀬戸内出身の父母の好みが移ったのかも知れない。
目立つ容貌や身体付きから感じる見た目の派手さとは違っていることに、夏目の母は好意的であった。
沢山食べて、ダイエットがどうのこうのとか、好き嫌いが余りないのも良かったのかもしれない。
不二子は代謝が良い上に、不思議なことに脂肪は、胸ばかりに集中して付くのである。
体脂肪率は高くても、皮下脂肪はそれ程ではないのだ。
ダイエットということは、このごろは考えたことも無く、食べているのである。

食事が終わると、不二子は早々にお暇したのである。
夏目の身体はまだしばらくは、節々が痛むことを母親から聞いていたからである。
食事をした後で、特製プロテイン飲料を飲み、ゆったりと昼寝をしたのである。
運動を普段からしていない場合は、しばらくしてから本格的に痛みが出るらしいのである。
理論的ではなく、日本でのみ流布している説という意見もあり、外国では通用しない理論なのかもしれない。

夕方になり、夏目は起き出して来たのである。
痛みが増幅していたように感じていたのは、刷り込みかもしれない。
美沙子に対する信頼も、厚いものがあるのだろう。

理乃は母親に、不二子と同じにはなることはないけれども、あんな身体になりたいと正直に言ったのである。
あんな身体の意味が、母親にはまだ分かり難いであろう。
裸になってもらうのも、かなり変過ぎる。
母親からしたら、今の理乃の身体付きでさえ、立派過ぎると思っているのである。
その意見は、間違っていないと誰もが思う。

素晴らしいからと言って、行きつくところまで行く必要などない。
均整の取れた、丁度良い所があるはずである。

自分が決めたものになる事は、職業ですらなかなか出来ることではない。
仮になる事が出来たからと言って、具体的に仕事の内容まで決めようと誰も考えないであろう。
臨機応変と言う言葉があるではないか。

生理的である、身体の成長なんて、自分の思い通りに行くはずがない。
ボディービルで思い通りの筋肉を付けることは可能である。
それは、相当の努力と忍耐が必要であろう。
努力しても、骨格までは変える事は無理である。

美沙子だって、口を開けば同じことを言うであろう。

娘の言っている意味が、分かり難かっただろう。
大きく成長したい理乃の気持ちが、漠然と母親にも伝わったのである。
しかし、なぜ大きく成長したいかの部分は、難しいのである。

理乃にしてみれば、今のこの身体でも、
「胸と尻ばっかり、大きくなって。」
と言われたことが気になっているのである。

どちらにしても、思うように行かないのである。

松坂准教授の研究は自分の思いを達成してくれそうに思える。
間違いないであろうと信じようと、夏目は気持ちを込めているのである。

後悔はしないと、心に決めた理乃であった。

こう考えると、月曜日に学校に行く事が、何となく楽しくなったのである。
微妙な心の内の事を書くと、こう言うことになるのであろう。
書き残していれば、夏目に謝らねばならない。

少し大げさかもしれないが、失敗する可能性もあるし、科学的な理由で断られる可能性だってある。

身体のことを決めることが出来るのは、幸福ではあるが、後戻りはできないので慎重になってしまう。

夏目の心は、揺れながらも少しずつ揺れが小さくなり、そのうちに安定したのである。
そして、7月26日・月曜日の朝が来たのである。
身体の節々や筋肉の痛みは、引いたようである。
トレーニングの結果で自分の腕が太くなったような気がしている、夏目理乃である。


《10》  4人組が緑山大学へ行く

お昼休みの時間である。
朝から、外出することを高岡先生に伝えておいた仲良し4人組は、校外へと向かった。
大切な物は、教室のロッカーに入れて鍵を掛ける事になっている。

先頭は、当然不二子である。
不二子は少しゆっくり目に歩いている。
程なくすると、緑山学園大のキャンパスである。

中央レストランが目的で、学園から一緒に歩いて来た連中とは違って、不二子の父親の研究室へと向かったのである。
そして、博司と共に、小さな学内の食堂へと向かったのである。
博司の体格は大きいのであるが、彼女たちは松坂家の事にそれ程は、驚かないのである。

食堂の名前は、偉大な数学者の名前を取って、「ガロワ」と命名されているのである。
学園の理事長以下の願いは、まだ仲良し4人組には届いていないようである。
簡単に届くとも思えないが、そのカタカナ言葉が人名であると言う事すら、理解されていなかった。
その点は、誠に残念である。

「五次以上の方程式には一般的な代数的解の公式がない」という定理の証明を、簡略化した人なのである。
生前は全くその業績が認められていなかった、20歳で若死にしてしまう、フランスの人なのである。

博司は、食堂の名前について少し話をした後で、メニューを見せてオーダーを決めさせたのである。
その日の日替わりメニューは、肉野菜炒め定食(味噌汁付き)であったので、彼女たちはそれにしたのである。
中央レストランに比べて高級そうな感じがしたので、安価な日替わりにしたのである。
博司のおごりになるような気がしたのであろうか。

肉は普通の豚バラ肉であるが、本学農業学科の無農薬野菜を混ぜて使っているのが特徴である。
醤油は、農芸化学科の醸造学教室が地元の○削多醤油と産学協同で開発したと書いてあった。
そんなことにも、楽しく反応している彼女たちである。
学問の雰囲気に触れることは、彼女たちのこれからの向学心に、大きく影響を与えるのかもしれない。

日替わり定食を食べ終わり、予想通りおごってもらうことになり、大喜びである。
そして、再び研究室へと向かったのである。

そこへ、1人の高校生が通り掛かるのである。
制服で高等部の生徒と分かるのだが、身長は160cmよりは低くて、痩せていて眼鏡を掛けていたのである。
理乃は成長して、兄よりも身長が10cm以上高くなっているのである。
夏目が気付いて声を掛けた。
「漱一郎兄ちゃん、どうしてこんな所に居るの?
大学に何か用事があったの。」
「高等部天文科学部の先輩に会いに来たのだけれど、どうもいないみたいなので。
生協でお弁当を買って、この辺で食べようかなあと思っていたところだったのだよ。
松坂先生もおられるということは、何か面白い話でも聞けるのかなあ。
お弁当持ちながらだけれど、参加させてもらっても良いかなあ。」

博司は言った。
「君が、夏目君の兄の漱一郎君だね。
噂は、聞いているよ。
興味がある話だと思うから、聞きに来てごらんよ。」
松坂准教授にそう言われたのだから、歓迎はしたくはなかったが、一緒に研究室に行くことになったのである。

研究室は、確かに鉄筋コンクリートの建物ではあるが、古くて埃っぽい感じがする。
木のドアを開けて、中へと入っていったのである。

博司は、言ったのである。
「これから全員で、今日と来週の月曜日の2日間、ここへ通って話を聞いてもらおうと思う。
月曜日は都合が良いので、8月2日だけれども、懇談会も終わっていて気楽なのではないかな?
夏目君の結論はその後に、出そうじゃないか。
講義のようなものであるが、滝沢君と北村君も聞いてくれるのならば、私としては嬉しい。
不二子にも、聞いて欲しいことや伝えたいこともある。

ここでお弁当を食べながらでも良いから、聞いてくれれば良いのだ。
来週は、君たちも漱一郎君のようにしたら良いと思う。
時間も、勿体ない。
私も君たちも忙しいであろうから。
大学のレストランの脇にある生協で、弁当が何種類か売っているから、それを利用したらどうだろうか?
今日は、もう少し話したい事がある。
既に知っていて重複する部分もあるだろうから、理論的に話そうと思う。
良いだろう。」
博司は、ゆっくりと噛んで含むように話していく。

「私と美沙子が、高校2年生の頃、隕石を手に入れたのだ。

宇宙人からのテレパシーを受け取る事が出来たのだ。

テレパシーの内容は、次の4つであった。

「隕石がある場所」・「遺伝子の取り出し方」・「遺伝子の身体への取り入れ方」・「体内に取り入れよという命令」である。

隕石から作りだした遺伝子のことを、私はM遺伝子と呼んでいる。

自分の遺伝子と体内に取り入れたM遺伝子の相性で、急成長の諸相が決まっていく。

この相性の事をシンクロ率と、私は呼んでいる。

私たちは、高校2年生の時に急激な成長を2回体験しているのです。

急激な成長のことであるが、成長の為にはタンパク質が必要である。

経口摂取だけでなく、この長い頭髪で(自分の髪の毛を触りながら)合成をしているのだ。

タンパク質以外の物に関しては、経口摂取以外には考えられないが、時間差で取り入れることも可能なのだ。

摂取した栄養を体内以外の所へ貯蔵しておいて、急成長の時点で瞬間的に自分の身体の構成物にする。

あるいは、急成長後に摂取した栄養分を、時間を前に戻して貯蔵しておいて、急成長の時点に移動し利用する。
今の説明は、難しかったかもしれないが、4次元の世界に貯蔵しておくのである。

質問が無かったので、次に行くが・・・。

私と美沙子の間に出来た子供は、最初から体内にM遺伝子を持っている。

私のシンクロ率は、388.4%であり、美沙子のシンクロ率は378.6%である。

亜利紗と香里奈のシンクロ率は、398.3%である。

2人は、高校2年生の時に、急激な成長をしているのです。

私と美沙子が選ばれたのは、シンクロ率の高さが理由だと思われる。

シンクロ率の平均値は、20パーセント程度である。

不二子のシンクロ率は、約2680%である。

先日、中学2年で急激な成長をしているのである。

あと1回以上の急激な成長が予想されている。
まずそこまでで、質問は無いかな?」

「ということは、不二子はまだ大きくなるってこと?
超乳超尻がこれ以上の発達をするってこと?
あの力が、まだまだ強くなるのね?」
理乃がまず、口火を切ったのである。

「2680%のシンクロ率は、途方も無い数字じゃないですか。
意味は良く分からにけれど。
不二子の体格や力は、シンクロ率の為せる技なのね。
私たちのこんな身体に成れたのも、不二子のシンクロ率と関係があるのね。
あの筋肉の量は、食べただけでは作る事は出来ないのね。」
一美はそう言ったのである。

「この間の不二子の成長は、不二子の努力なのね。
不二子って凄いのね。
173kgの体重が242kgになったのも。
バストが177cmから255cmになったのも。
努力の賜物なのね。」
南美はそう言ったのである。

「私のシンクロ率が低かったら、可能性はないのね。」
理乃は、そう小さな声で呟いたのである。
「そう。
夏目君のシンクロ率は、1つの問題点であることは間違いがない。
しかし、問題全体はそれほど単純ではない。」
博司は確かに、そう言ったのである。

彼女たちの雑談が終わるのを待って、博司はまたゆっくりと話し始めた。

「M遺伝子が体内に入るということは、M遺伝子に制御されるということでもある。

言い換えれば、テレパシーの発信者の制御を受けているということである。

自分の意志だと思っていても、何者かにコントロールされていると考えた方が良いと思う。

意志的な物だけを指しているのではない。

生理的な物、偶然のように見える事、複雑で因果関係がわからない事までも、含まれているのだ。

テレパシーの発信者である宇宙人に、私の人生を預けてしまったのと同じである。

美沙子との結婚、大学に残っての研究生活、子どもたちの急激な成長も、預託している。

自分で解決しようと我力で奮闘するより、結果が良いという結論だ。

不二子の常識では測れぬこの姿形も、どんな意味があるかなど見当が付かない。

現段階では私たちに分からないだけで、意味深いものなのであろうと、考えているのだ。」
ここまで語ると、博司は再び質問を待つような素振りである。

「今日は夏目君の、シンクロ率を計測して終わろうと思うが、全員分、計測してしまおう。
それほど難しいことではないけれども。
血を少しだけとらせてもらうだけだ。
注射などしない、耳たぶで直ぐ取れてしまうし、痛みは全くないからご安心。
数値は、すぐには分からないのだが、今週中には確定する。
今日は、これぐらいにしておこう。
熱心に話を聞いてくれて、ありがとう。」

大学院生か実験助手か分からないが、相当に体格の良い女性の指示に従った。
彼女たちは、特別な装置を耳たぶに当てると既に終わっているという感じであった。
本当に物足りないぐらいである。

漱一郎は、何にも話さなかったが、内容はしっかりと頭脳に刻み込まれていたであろう。
一人だけ分かれて、もう一度天文科学部の先輩を探してから帰る事にしたのである。

4人は、丁寧に挨拶をし、来週の月曜に弁当を持って研究室に来ることを約束して、学園に戻ったのである。
学園に戻ると、午後の授業が始まるまで少し余裕があったのでる。
来週の月曜日にも、大学へ行くのが楽しみな仲良し4人組であった。

この日から懇談が始まるのである。
高岡は、110分間の昼休みの間にも、3人の懇談を入れていた。

25日は夏目の懇談があり、26日火曜日の昼には北村であり、27日水曜日は滝沢と不二子の順番であった。
夏目の母は、介護ヘルパーの仕事をしており、休みは不定期であり、土日の区別なく仕事が入って来るのである。
北村の母は、夜が焼き肉屋の女将の忙しい時間なので、昼ならば仕事を空けることが出来るのである。
滝沢の母は、父親の仕事を手伝っているので、自分の裁量で仕事が空けることは出来るのである。
言葉でいえば「手伝っている」であっても、仕事場では『専務』と呼ばれている。

美沙子は、この日も大学でパートタイムの仕事があり、それを早めに切り上げて懇談に来るのである。
保健体育という教科の中で、ウェイトトレーニングルームのインストラクターをしているのである。
夏期休業中であれ、運動部や文化部であっても、大学の機能は休ませる訳にはいかない。
税金から金を出している限り、施設が有効利用されているか、○部科学省が常にチェックを入れている筈である。
彼女は体育の教官ではなく実習助手という肩書なのであるが、実質は個人指導をしているようなものである。


《11》  懇談会

懇談会は、3時45分から始まり15分間ごとに、1人ずつ三者面談であった。
クラス生徒は40人を少し越えていたので、担任教師は一日に、8人はこなさなければならないのである。
保護者の都合によっては、昼の休憩時間にも2〜3人は入れていかなければならないのである。
私立学校であっても、公立学校であっても、教師は決して楽な仕事ではないであろう。
モンスターペアレント等の複雑な人間関係、社会状況や児童生徒の変化などもあり、研修は休む事無く続くのだろう。

順番が来るまでは、学校の中のクラブ活動を滝沢と2人で見て回っていた。
滝沢は、不二子の母親を一目見たくて、不二子の方が先の順番だったにもかかわらず、教室の前まで来たのである。
美沙子は、廊下で不二子が来るのを待っていた。
滝沢は、美沙子にきちんと挨拶をした。
「こんにちは。
私が、滝沢南美です。
不二子さんとは仲良しで、本当にお世話になっています。」
「滝沢さん、本当に不二子が良くして頂いていて、この子も学校へ行くのが楽しいようです。
親としたら、それが本当に嬉しいのです。」
教室内では懇談中なので、その程度しか喋りはしなかった。
不二子の母なのだから当然だという思いもあった。
滝沢は、顔には出さなかったが、それでも美沙子の姿を見て驚いていたのは確かである。
自分の母親と比べて、余りにも体格が違い過ぎるからである。
美沙子にもそんなことは分からない事は無い。
滝沢は、美沙子の身体を上から下まで、しっかりと頭に収めたのである。

「やっぱりそうだったのね。
でも、見ておいて良かった。
この人、きれいな人だけれど、何を着ても似合わない。
でも裸になったら、ボンキュボンなんてものじゃないのだろうな。
みんな唖然とするような身体だろう。
凄い迫力なのだろうな。」
口には出さなかったが、軽く挨拶をして、再びどこかへ出かけて行った。

高岡先生からの話は、複雑な内容は無かった。
その点はありがたいなあと思う、美沙子であった。
不二子が傍に居るので、世間話をする訳にもいかない。
もしし始めたら、どんな話題になるか決まっているからである。

成績が急激に良くなった事、友だち関係が良い事、不二子の急成長の事、姉たちの活躍と先生への感謝の事。
何にも、問題は無いような、不二子の快適な学園生活である。
残っている話は、クラブ活動の事である。
適当な世間話で、15分間が終了したのである。

不二子はどんなスポーツをする事が、豊かな生活に繋がるのであろうか。
これという物を、決めかねていたのである。
別にあわてなくても良いような気がしていたのは、確かである。
ウェイトトレーニングで、かなりの時間が消費される生活スタイルであっても、問題が無い。

スポーツをして勝利することで、不二子の生活の質が高まるかどうか、高岡には自信が無かった。
ただ何となく、この子は追い込んで力を引き出す事よりは、動きやすく環境を整えてあげた方が良さそうに思えた。
教師が出来るのは、本当はそんなものかもしれない。

良い結果を求める余りに、目立たない所で犠牲者を生みだしていたのでは、誰の人生か分かり難くなってしまう。
参考になる意見を教師が言う事が出来なくとも、懇談会が失敗なのではあるまい。
高岡には、何も責任は無かろう。

不二子と美沙子は、不満を持つ事無く家路に着いたのである。
懇談会それ自体には、満足感を得ることは無かった。
ゆったりとした夏期特別授業は、始まったばかりと言っても良い。
その後には、夏期休暇が待っているのである。

緑山学園では、補習授業を行って、詰め込み式の教育も確かに行っている。
しかし、意図的に緩める時期も作られているのである。

そこには、やりたい事を一杯に詰め込もうと、不二子はしている。
学園の教育の意図は、緩めた時期の自主性を引き出すことにある。