★その5 仲良し4人組の夏 (中編)
《1》 懇談会が終わって
この日は、7月29日木曜日である。
クラスの懇談会期間であるが、仲良し4人組に限れば終了したのである。
お昼休みの彼女たちの会話を覗いてみようと思う。
北村:私、懇談会が終わると、本当にほっとするの。
小学校から緑山でしょう。
「中学部になって外部からの入学者の人たちに負けないように頑張ってね。」
そんな言われ方をした事が、気になっていたの。
今回も、成績が下がってなくて、良かった。
分かるでしょう。
南美も、小学校から緑山でしょう。
滝沢:私は、成績に関して言えばね、そんなに良くは無かったから、先生のその言い方は聞き流していたの。
でも、今回は本当にテスト前頑張れて、そのこと自体嬉しかったの。
やっぱり、この身体になれた事が、自信に繋がったのではないかって。
高岡先生から言われて、「そうかな」なんて思っているのよ。
大盛滝沢工業所の後継ぎ娘としては、基礎的な理科系の知識や技術を、しっかり身に付けておかないと。
うちの会社は、私の代で、立ちいかなくなるのよ。
従業員7人の零細企業で、技術が身上だからね。
その点外部から来た、理乃と不二子はどうなの。
あっ、そうだったね。
不二子の所は、父親がうちの大学だったよね。
松坂:お父さんから、この間初めて詳しく話を聞いたのよ。
それまでは、家でも大学の講義みたいな話ばかり。
聞いてもチンプンカンプン。
I can’t understand such a thing.
お母さんからは、色々と聞いたけれども、脈絡がないというか、普通の話し方だから。
お父さんが、何を言いたかったのかは、私にとっては謎なの。
姉たちは高校生だから、もっと聞いているのかもしれないけれど・・・。
理乃のお兄さんは、初めて見たけれど。
お父さんが知っているような口ぶりだった事が、気に掛かるのよ。
特別な秀才なのかも、しれないね。
夏目:不二子が気にかけている、と言ったら、喜ぶと思うよ。
でも、黙っておいた方が良いのではないかなあ。
来週の月曜日は、何も連絡しないでも研究室に行っていると思うな。
興味のあることにしか、興味はないのよ。
でもその割に、聞いた事や読んだ本の事等、頭の中には入っているのよ。
数学の事は興味があって、学校の勉強以外にも本を読んでいるみたいなの。
答えを投稿したり、テストを受けたり、もう勝手にやっているみたいだからかなあ。
学校の勉強は置いといてね。
それより、心配なのは、私のシンクロ率の数値の事なの。
不二子みたいな、非常識な数値だったら良いのだけれども。
滝沢:2人には、懇談会で気になっている事なんか無いのね。
良いなあ。
羨ましい。
松坂:私は、何かスポーツをしたらどうかって。
高岡先生が心配しているみたいなの。
いつか、高岡先生と一緒に、いろんなクラブを回ってみようと思うの。
北村:不二子の運動能力は、どんなものなのかなあ。
凄いとは知っている。
体育でも本気出していない感じが、この頃は分かって来たから。
松坂:じゃあ、私が小指を出すから、3人でまとめて掛かって来なさいよ。
腕相撲をしてみる。
何秒持つかな。
大丈夫だよ。
最初から、本気は出さないから。
いつ力を入れても良いよ。
北村:不二子の小指は、3人で持てそうなほどの大きさだね。
不二子が手を出すと、3人は立って不二子の小指を両手で、思いっきり握ったのである。
3人は、力一杯押したり引いたりしたのであるが、全く動かないのである。
「じゃあ、私は小指に力を入れるよ。」
小指の関節が、動いたかと思うと、3人は飛ばされてしまったのである。
腕は、全く動かしていないのである。
北村:何よ。
凄過ぎるこの力。
思っていた通りだね。
でも、不二子にしたら手抜きでしょ。
腕なんか使われた日には、窓の外へ飛ばされちゃうかもね。
夏目:指でも、本気出されたら、飛ばされたかもね。
私も強くなりたいなあ・・・。
滝沢:こんなのはだいたい、腕相撲じゃないよ。
不二子は指相撲。
私たちは、プロレスね。
北村:中学校の運動クラブでは、体格と筋力で規格外でしょう。
不二子って、ある意味フランケンシュタイン。
松坂:それってひどいと思わない。
その言い方は嫌だなあ。
北村:いろんな人間の良い所を全部持っていて、それを繋いだような感じがする。
脚、尻、腰、腹、背中、胸、腕、顔、全部、美しさと機能の優れたパーツ。
それを全て集めたみたいな、身体でしょう。
そんな意味よ。
パーツとパーツの間は、滑らかな曲線でつながっているけれども。
サイボーグ見たいな感じがする事もある。
お姉さんたちだって、手抜きであんなに凄いのだから。
学園高等部の女子バスケットボール部は、インターハイの県代表だってね。
松坂:お姉ちゃんたちは、今は沖縄に行っている。
西原町と南風原町と南城市の、どこかで試合をしている筈だけれど。
今日が一回戦だけど、緑山は出ただけでも、この県のニュースだってね。
一つは勝って欲しいなって、気持ちは応援していたのよ。
一回戦は勝ったって、メールが来たけれど・・・。
嬉しいけれども、疑っちゃった。
だって、香里奈姉ちゃんには、良く騙されて来たから。
北村:お姉さんたちと腕相撲しても、不二子の勝ちなのでしょう。
不二子がもし本気を出したら、どんなことになるか、誰だって想像がつくでしょうね。
冗談ではなく、オリンピックレベルだよね。
理乃、何を笑っているの?
夏目:サイボーグは良いとしても、フランケンは酷いよ。
不二子は、学校の運動クラブでは、きっと物足りないよ。
力が、強過ぎるのよ。
不二子の喧嘩を見たことがあるから。
滝沢:えっ。
教えて。
どんな事があったの?
夏目:結局は、助けてもらったのだけれどね。
強過ぎる、の意味が誤解されやすいけれど。
みんなもいつか、不二子の力の強い所を見るだろうから。
北村:私は、着る服の事で高岡先生に相談したのよ。
私の方が大きいのだけれど、まあ同じぐらいかな。
Rカップで、超乳の仲間入りだからね。
夏目:そのことで、私が作った基準があるのよ。
A〜Cは、普乳なの。
貧乳と言葉は使いたくないからね。
D〜Gまでは、巨乳なの。
だって、ブラジャーのサイズがそこまでは、割とスーパーでも売っているから、値段も安いし。
H〜Kまでは、爆乳ね。
Lカップのアイドルは、きっと整形よ。
整形巨乳は、好きではないの。
触り心地が、良くないのだと思う。
超乳はLカップ以上でないと、そう呼んじゃいけないと思う。
北村:あの先生もあの身体で超乳でしょう。
きっと、服や下着で困っていると、思ったのよ。
不二子に聞いた方が、早かったかも知れない。
御免ね、忘れていた。
松坂:大丈夫だと思う。
同じ事になると思うよ。
繊維問屋街のNに、『グラマチカル』と言うお店があるの。
お姉ちゃんも、お母さんもお世話になって来たのだけれども、今度一緒に行ってみない。
北村:不二子のお母さん、超乳なの。
それ、本当なの。
夏目:一緒にお風呂に入ったのだけれど、自分の母親と比べて、違い過ぎるぐらい違うの。
一度、不二子の家にも、みんなで行ったら良いと思うな。
身長178cm 体重138kg 上から 156−65−135 なのよ。
滝沢と北村は、しばらく何も言えずに、黙り込んでしまった。
北村:気を取り直して、話をするわよ。
ふじこ、私にもそのお店を紹介してね。
松坂:『グラマチカル』と言うお店なの。
加藤さんと言う方が、丁寧に採寸して下さるの。
オーダーメイドの服の事も、教えて頂いたの。
滝沢:どこにあるの。
遠いと、困るのだけれども。
家も工場も、○田区だから。
夏目:そうはいっても、南美は来るのでしょう。
きっと、身体の大きな女性タレントさんとかスポーツ選手に、会えるかもしれないよ。
不二子、そうでしょう。
松坂:繊維問屋街のNの外れにあるのだけれども、私は用事があるから、行きたいのよ。
明日30日金曜日の、帰りに寄るというのはどうかなあ。
私は残るけれども、一美も残れば良いよ。
理乃と南美は、『グラマチカル』を見たら直ぐ帰れば。
ところで、Nは○京区だったかな。
北村:不二子、しっかりしてよ。
Nは○川区でしょう。
日の間違いや曜日の間違いは、ボケの始まりかもしれないよ。
松坂:私は、そんな間違いはしていません。
南美、焼き肉屋さんどうだった。
話は変わるけれど。
滝沢:しっかり働いたわよ。
『炭火焼肉 喜田村屋』で、無給で働いたのよ。
一美は、テキパキとお客さんから注文を取って、若女将って雰囲気だしていた。
私は、皿洗いと片付けだけ。
頂いたのは、賄いだったけれども、切れ端の肉で作った牛丼美味しかったよ。
北村:南美には、賄いで我慢してもらったの。
と言うより、賄いの方が美味しいのだけれどもね。
今度、みんなを呼ぶように言われているの。
不二子への感謝祭で、お肉を食べに来てね。
日は、店の都合の良い日で、決めさせてね。
お客様の来られる前に、来て欲しいって母は言っていました。
お友だちに来てもらうのは、初めてなのです。
8月3日火曜日の夜と言うよりは、夕方4時半からです。
海の計画は、私が立てておくから、心配しないでね。
《2》 繊維問屋街へ行く途中で
7月30日金曜日の最後の授業は、数学だった。
連立方程式の応用問題を何問か説明してもらったのである。
◎1個150円のりんごと1個120円のなしを買いました。
合わせて10個です。値段は1410円です。
りんごとなしを、それぞれ何個買いましたか。
「リンゴの数をX個、ナシの数をY個とおくと
X+Y=10 150X+120Y=1410 と式が立って・・・。」
こういうタイプの問題ならば、解けるのである。
◎A町とB町を往復した。
A町からB町まで1500mある。
行きは10分走って、14分歩いた。
帰りは5分走って、22分歩いた。
走る速さと歩く速さは、それぞれ分速何mか。
「走る速さを分速Xm、歩く速さをYmとすると、(速さ)×(時間)は何だったかなあ・・・?」
文章問題にされた途端に、速さと時間と距離の関係が分からなくなるのである。
頑張れ、不二子、正解までもう少し。
「10X+14Y=1500 5X+22Y=1500 これを解けば良いから・・・。」
◎8%の食塩水と16%の食塩水を混ぜました。
12%の食塩水が、200g出来ました。
ふたつの食塩水を、それぞれ何gずつ加えたらよいでしょうか。
「8%の食塩水をXg、16%の食塩水をYgとすると、
X+Y=200 ・・・@
ここまでは簡単だなあ。
割合に100を掛けたら、パーセントになるのだったから、逆に考えたら良いのね。
8%は割合で言うと、8÷100=0.08
同じ考え方で 16%は16÷100=0.16
12%は、0.12
0.08X+0.16Y=0.12×200 ・・・A
あとは、@とAを解けば良いのね。」
割合の問題は、本当に困ってしまうのが、これまでの不二子であった。
(全体)×(割合)=(部分)である事は理解できていたのである。
この日、「割合と歩合とパーセントの関係」が、理解出来たのである。
ただ、そこで力尽きて、連立方程式を解く意欲が無くなったのは残念である。
しかし、「テストの時は解けるぞ」と、自信が出て来たのである。
不二子は、全体よりも部分の大きい自分のシンクロ率を、理解する基礎が出来たのである。
高岡先生のホームルームも終わり、4人組は数学からの重圧を逃れて、街へ出たのである。
緑山の制服は、中高ほとんど同じで、学園関係者以外には、見分けることは出来ないであろう。
体格の良い4人が歩くと、高校生に見られたのは間違いないであろう。
夏休みではないが、気楽な気分の4人は、小腹が空いて来たし暑かったのである。
最初から、途中下車する計画であった。
学園の裏門から出て、地下鉄に乗り、かつて行った事のあるジェラート屋さんに寄ったのである。
「シングルが300円で、ダブルが380円だから、絶対ダブルが得なのよ。
前に来た時には、タロッコとキャラメルにしたのよ。
今日は、何にしようかなぁ・・・。」
不二子が言った。
不二子のことは、一目見れば忘れることなど出来ないであろう。
店員は、少しニコッと笑ったのである。
松坂:ココメロとペスカのダブルをお願いします。
滝沢:不二子、それ何のことなの?
松坂:イタリア語で、桃と西瓜のことなのよ。
滝沢:じゃあ、私も、ココメロとペスカのダブルにします。
どちらも、今の季節しか食べられない果物ね。
北村:私はね、ヨーグルト・コン・バナナとクレーマ・フロマッジョのダブルにします。
滝沢:どっちも、こってり目の味なのかな。
一美の趣味って、どちらも乳製品なのね。
それも美味しそうだね。
松坂:受け取ったら、食べ始めないと、直ぐに解け始める所が良い所なのだから。
不二子と滝沢は、ジェラートが溶けて落ちないように注意深く、席へと移動し始めたのである。
少し間をおいて、北村が行く。
不二子は、肩幅も尻幅も広いので、席が二つ必要である。
学校での事を言い忘れていたが、広くて丈夫な椅子を、用意してもらっているのである。
3人が食べている時に、やっと夏目が決断をしたのである。
夏目:ゼンゼーラとパネトーネのダブルでお願いします。
夏目は遅れて、席に着いたのである。
滝沢:理乃、ゼンゼーラって何なの、それからパネトーネも説明してよね。
夏目:ジンジャーって書いてあったのだから、しょうがのことだよ。
ドライフルーツの沢山入ったパネトーネパンを、ミルクベースのジェラートに練り込んでいるらしいよ。
イタリアでは、よく食べられているって、本で読んだ事があるの。
滝沢:パネトーネ自体、知らない。
でも、何か刺激的な感じがする。
北村:不二子のジェラートの盛り方、多くない?
不公平さを、感じないかなあ。
店員さん、ニコッと不二子の方を見て笑わなかったかなぁ。
松坂:もう、食べちゃったから、分からないなあ。
夏目:不二子のこの身体を見たら、沢山盛ったのではないのかな。
このおっぱいの、盛り上がり方を見ているうちにさ。
そこへ、若い20歳代後半の、茶髪の男性が近付いて来たのである。
「怪しい者ではありません。
こういう者なのです。」
と言って、名刺を出したのである。
名刺には、『プロダクション 芸能アーツ スカウト主任 野田島秀樹(のたじま ひでき)』と書いてあったのである。
「先程、地下鉄の上がり階段から出てきた所を見まして、失礼ながら後を付けさせてもらいました。
私、プロダクション 芸能アーツ スカウト主任の 野田島秀樹です。
主任と申しましても、部下がそれほど居る訳ではありません。
4人とも、高校生と思いましたので、好都合かなあと思いました。
私どもを助けると思って、ひと肌脱いで頂けませんか。
裸になるような事は絶対にありません。
そんな事務所ではありません。
普通、4人のお友だちが歩いていたら、目を付けるのは1人で、あとは囮です。
今日は、全く違いました。
4人とも、素晴らしい素材ばかりなのに、驚いています。
私は、自分の幸運に感動しています。
一度、渥美社長にも会って頂き、保護者の方々とも連絡を取って、正式な道を通していかねばなりません。
今日の所は、どうしたら良いのか、4人とも素晴らしいので、困惑が隠せません。
社長の名刺も、渡させて頂きます。
社長の名前は、『渥美喜芳(あつみ きよし)』と申します。
ここではお店の迷惑ですので、どこか別の所で、少しだけお話しさせて下さい。」
彼女たちの心は、解放感もあって積極的なのである。
近くの喫茶店で、4人揃って話を聞くことにしたのである。
記録用紙には名前や生年月日、本人のプロフィールなど自信を持って堂々と書いたのである。
野田島は、それを見ながら写真を何枚も撮り、コメントを少し話してくれたのである。
彼女たちには、そのコメントが嬉しいものであった。
▲記録用紙 NO.1
◆名前 ◆身長 ◆体重 ◆カップ
滝沢南美 173 72 I
◆生年月日 ◆バスト ◆ウエスト ◆ヒップ
H10.1.27 99 62 95
◆本人の自己PR
長くてちょっと太めの足の脚線美。股下は87cmなのよ。
爆乳と括れたウエストと筋肉質な身体のライン。
モデルになれないかなあ。
▲記録用紙 NO.2
◆名前 ◆身長 ◆体重 ◆カップ
北村一美 165 68 R
◆生年月日 ◆バスト ◆ウエスト ◆ヒップ
H9.5.27 123 65 106
◆本人の自己PR
超乳とプリプリしたヒップは、まるで黒人の突き出しヒップ。
太くて白いふとももの、セクシーな魅力かな。
グラビアアイドルになれたら良いなあ。
▲記録用紙 NO.3
◆名前 ◆身長 ◆体重 ◆カップ
夏目理乃 170 68 J
◆生年月日 ◆バスト ◆ウエスト ◆ヒップ
H9.11.4 103 60 99
◆本人の自己PR
眼鏡が良く似合う、爆乳娘です。
でも、もっと成長して、強くなりたいと思っているのです。
背も高くなって、モデルになりたいなあ。
▲記録用紙 NO.4
◆名前 ◆身長 ◆体重 ◆カップ
松坂不二子 176 242 不明
◆生年月日 ◆バスト ◆ウエスト ◆ヒップ
H10.3.30 255 55 213
◆本人の自己PR
理解を超えた物凄いプロポーションでしょうね。
でもこれからもっと、成長するのです。
双子の姉や母にも、会ってくれたら良いのになあ。
「皆さん本当に素晴らしいスタイルとプロポーションですね。
本当に中学2年生なのでしょうか、疑問を持つほどですね。
4人揃って並んで貰うと、○ェイプアップガールズやC.C.○ールズ以上の素材が並んでいますね。
胸の大きさも、それぞれに違いはありますが、全員爆乳以上というグループはありませんでしたね。
お尻の魅力も、本当に素晴らしいですね。
顔を見せずに、後ろを向いた所も迫力満点ですね。
比べる訳ではありませんが、北村一美さんの超乳は、現時点であなたほどの大きさのグラビアアイドルはいませんね。
滝沢南美さんのスタイルやプロポーションは、デビュー前の○原紀香より上ですね。
夏目理乃さんは、○東あみ以上で、隠れ巨乳と言うよりは、隠しようがない爆乳です。
皆さん中2でしたら、これから色んな意味で成長されるのは間違いがありません。
この先が楽しみと言うか、恐ろしいというか・・・。
夏目さんが『成長したい』と仰っておられることと、松坂さんが『成長する』と仰っているのは意味が違うのでしょうかね。
こう言っては何ですがね。
松坂不二子さんは、本当に光るものがあるのは、4人の中でもピカイチです。
カップ不明とは、サイズの早見表の中に、自分のサイズがないのですね。
それほどの大きさである、と言う事ですね。
しかし、ご自分がどんなジャンルになるのか、考えさせて頂きたいと思いますね。
スーパーモデルと言うのは、キャパシティの広い考え方で、1人1人の個性が独立しているのです。
言葉で表す事が、難しい存在です。
誤解しないで下さいよ。
素晴らしさが、ジャンルを超えてしまっているのです。
あまりにも強烈に個性的であるということです。
プロポーションやスタイルの群を抜く素晴らしさは当然の必要です。
私には、松坂不二子さんから、何か分かりませんが宇宙からのメッセージを感じます。
一度、『プロダクション 芸能アーツ』の事務所にお越し下さって、ゆっくりと眺めていたい、そんな女性です。」
野田島はそのように語ったのであった。
不二子は言ったのである。
「実は、私には双子の姉と母も、物凄いプロポーションとスタイルなのです。
私ほど大きくは、ありませんが。
姉たちは、身長197cmで148kg 上から 167−66−142 なのです。
母は、年齢が39歳で、身長が178cmで体重が138kg 上から 156−65−135 なのです。
興味はありませんか?
私に素晴らしさを感じられたのならば、今の数字に何か感じられたかも知れませんが。」
「松坂さんのご一家には、何か秘密が隠されているような気がします。
3人様の事は、調べれば資料が出てきそうですね。
今日のところは、これぐらいにしておきましょう。
あなた方の、気持もまだ安定していないでしょう。
私の言うことに、疑問等が起きてくるかもしれません。
時間が立つほど、疑問は増える事が良くあるそうです。
少し、時間をおきましょう。」
『プロダクション 芸能アーツ』の事務所は、Nからそれほど遠い所では無かったのである。
しかし、今日は用事があったのである。
連絡したい事があれば、4人組の方からして欲しいのである。
野田島が連絡を待っている、と言った方が良いであろう。
強引な感じは何処にも無かったのは、安心な感じがしたであろう。
興味があったら、個人的にPGAへ電話を掛けてもかまわないと、4人は約束したのである。
野田島とは、そこで別れることにしたのである
会ってはいないが、渥美喜芳という人物にも興味が惹かれた不二子であった。
それから、4人組は『グラマチカル』に行き、加藤と会うことになる。
北村も採寸してもらい、これからいろいろとお世話になる事になったのである。
滝沢と夏目も、この店に興味を持っているようであった。
不二子は、私服を一揃い作って貰うことにしたのである。
夏用の、ジーンズとブラウスのセットと、ブラジャーとショーツが痛んで来たので新しいのを頼んだのである。
不二子が着用すると、ブラジャーは早く痛むのである。
何となく、形が崩れてくるのである。
滝沢と北村も、不二子の採寸を見ていたのである。
久し振りに、不二子の裸の身体を見たのである。
毎日ハードなトレーニングを積んでいるのが、理由なのだろうか。
筋肉が不二子のペースで、成長しているのである。
北村と滝沢は、不二子の脚や腕が太くなっているのが、見ていて分かったのである。
背中の筋肉も、模様の凹凸が激しくなっているというか、厚みが増しているように感じられたのである。
しかし今日は、不二子の下半身の充実にどうしても眼が行ってしまった。
太ももがひざの関節の上の所で、ぐんと盛り上がっている。
尻に関しては、驚くほどの成長を見せていた。
今までよりも、後ろへ肉が盛り上がっているのである。
「トレーニングをするのが、悪いのかもしれないなあ。
楽しいのだけれど・・・。
特にこの頃、下半身を鍛えなさいと言われて、時間を使ったから凄い事になっちゃった。
バーベルを担いで、走ったり飛んだりしたからかなぁ。
みんなと、巨乳化した後よりも、身体が大きくなっている。
上から 255−55−213 だったのが、 266−55−263 に変わっている。
バーベルを持ち上げていても、やっと持ち上がっていた重さが、楽に感じるようになるのだから。
太ももが、超太くなっているからだ、きっと。
ウエストは変わらないのだけれども。
本当に嫌だ。
私、これからどうなるのだろう。
お尻が大きくなって、今までより30cmも後ろまで、空気だったところが尻肉になっている。
私の範囲が広がっている。
お肉の量としては、相当だ。
当然、体重だって増えている。
40kgも。
大好きなみんなにも、これからは私の色んな事を知って欲しくない。
教えたくない。」
不二子が、いつもの元気がないのである。
『グラマチカル』の加藤は、今とても忙しいのである。
仕事の手が空いたら、不二子と話をすると伝えてある。
不二子は、美沙子にメールをした。
「加藤さんのところへ来たの。
私の筋肉が、相当増えていて、私どう考えたら良いのか分からない。
加藤さんと、話をして良いかなあ?
泊まるかも知れない。」
美沙子は、これが良い機会なのかもしれないと思った。
「遅くなっても良いから、何か食べてね。
落ち着いて、自分のペースを取り戻してね。」
用事のある滝沢は、家へ帰ることにした。
金曜日の夜、焼肉屋は特に忙しいので、北村も帰った。
一美が目当ての客も、多いらしい。
夏目は、こっそりとメールを覗き見した。
そして、関西系の餃子の美味しい中華料理店竜王の「西N店」へと、夏目は不二子を誘ったのである。
不二子は満腹定食と餃子2人前を、夏目は天津飯を注文したのである。
満腹定食は、ラーメンと中華丼と唐揚げ2個と餃子3個が付いて980円であった。
食べ終わると、『グラマチカル』へ戻ったのである。
夏目はそこで、不二子と別れたのである。
不二子の心は、それでも落ち着く事は無かった。
誰にも、急に不安になる事はあるだろう。
夏目の心遣いは有難かったが、それで収まらない時もある。
加藤の仕事が終わるのを待つことにしたのである。
それから、近くにある加藤のマンションに、一緒に歩いていったのである。
《3》 加藤のマンションで
「不二子さん。
ここが、私の部屋なの。
リラックスしてね、今日は泊まっていきなさい。
美沙子さんには、連絡しておくわ。
冷えた、麦茶でいいかな?
私は、仕事が終わったので、350mlの発泡酒を一本飲ませてもらうわ。
晩ご飯はしっかり食べたって、言っていたね。
少し待ってね、余り物をおかずにして、晩ご飯を食べてしまうから。
不二子さん、どうしたのかな。
落ち込んでいるように見えるのだけれども、気のせいかな。」
加藤はシャワーをして、リラックスウェアーに着替えた。
そして、簡単に晩ご飯を食べた。
そして、パソコンのメールを調べた。
日本中の各地からの、細かい注文が入っているのであろう。
その間、不二子は静かに待っていたのである。
そして、話し始めたのである。
「加藤さん、わたしの話を聞いて下さい。
毎日、トレーニングをするのが習慣になっているのです。
バーベルを使ったりして、色んなトレーニングをすることは、とっても楽しいのです。
私には、重くは感じなくても相当な重さなのだって、ママが言うのです。
普通の人だったら、筋肉が増えるのが嬉しいから、トレーニングの辛さを我慢しているのではないかな。
私はそう思っているの。
私は、トレーニングをすることは、少しも辛くは無いの。
頑張っているつもりは無くて、楽しいだけなの。
本当の所、自分の力の限界っていう意味が、あんまり良く分からないの。
そういうこととは関係なく、筋肉が簡単にムクムクと増えてしまうの。
お肉をたくさん食べている訳でもないし、プロテインをガブ飲みしているのでもないのに。
例の機械で採寸してもらっていた時、イメージが私の頭の中に浮かんで来たのです。
近未来の、私の事を想像しているのです。
夏休みなど、時間のある時に頑張ってトレーニングしてしまうと、こんな後悔をするの。
あの時、トレーニングするのでは無かったなってね。
こんなイメージなのです。
横になって寝ころんでいるうちに、モリモリと筋肉が付いていくの。
筋肉が付いていくのが、見えるほどのスピードで、どんどん身体が大きくなっていくのです。
ニ時間ぐらい成長が続いていくのです。
そして、簡単に250kgも身体が大きくなるのです。
250kgって、女の子4人分ぐらいの重さ。
骨も脂肪も内臓も全部入れて、60kgでしょう。
私の身体に付くのは、全部筋肉なの。
おっぱいとお尻には、かなりの脂肪が付くのだけれども。
そんなスピードで筋肉が付いちゃうのではないかと、イメージが湧いてきたのです。
いつか分からないけれど、近い将来のことなの。
とても、心配なの。
筋肉が付くように努力はしているのだけれど、そこまでなんて想像したことも無かった。
そんなになったら、どうしたらよいのですか?
何か、変じゃないですか?
変っていませんか?
それでどんどん筋肉が付いて行って・・・。
今度急成長が起こったら、と思うと・・・。
自分のことが嫌いになってしまって・・・。
どうして、私はこんな風に生まれたのだろうか?
涙が出て来ちゃった。
この先、どんなことになるのだろうって思うと、不安になるのです。
この間、お友だちと私の小指とで、腕相撲をしたのです。
小指を動かすだけで、3人とも飛ばされてしまったぐらいなのです。
私の身体を、もう一度見てもらえますか。」
不二子は、服を脱いで裸になった。
まず初めに、肘を曲げて上腕の筋肉の太さから見せ始めた。
「力を入れたら、こんなになるのです。」
その後、尻や胸や背中など、体中を見せたのだ。
「見て下さったでしょう。
私の身体。
この胸を見て、どう思いますか?
こんな分厚い筋肉の塊が、私のお尻なのですよ?
力だって、こんなに強いのです。」
不二子はそこにあった、10円硬貨を親指と人差し指で挟んで、力を入れないで二つ折りにしたのである。
そして、両手の親指と人差し指で挟んで、ぐっと引っ張って伸ばしたのである。
「今のだって、力を出しているって感じは全くしないのです。
この太い腕を見て、どう思いますか?
こんな太い脚をみて、どう思いますか?
こんな力で、中学2年生の友だちたちと一緒に、運動クラブに入ってスポーツが出来ると思いますか?
とても、本気は出せない。」
「確かにその腕の太さは力を入れなくても、140cm以上ある感じだね。
逞しいという言葉では、表わせていないかもしれないね。
でもね、不二子さんって本当にきれいね。
羨ましいわ。
本当にそう思っているのよ。
これから急成長して、もっともっと凄くなるのね。
私と入れ替わって欲しいぐらいなのよ。
不二子さんのバスト。
大きくなっても、形がきれいでしょう。
その大きな分厚いお尻も、とっても形がきれいなの。
博司さんと美沙子さんに、宇宙人からのメッセージが届いてもう20年以上になるのね。
こんなに美しい創造物になることが出来たのね。
あなたは、宇宙人の造った、作品のようなものじゃないかなあ。
とても美しいだけではなく、運動能力や知的能力も秘めているの。
そんな風に成れた事を、幸せだと思っているでしょうね。
幸せだと思える途中の所にいるのよ。
真直ぐには心は成長しないのよ。
曲がりながら、それでも導かれたように、目標に達するの。
不二子さんには、未来が映像の形で受け取れている。
誰から発信されているのか、理解できる人かもしれない。
不二子さんみたいな人でないと、分からない事もあるのよ。
中学生だからという年齢じゃ無くて、本質的な人の部分なの。
今にきっと、映像はもっとハッキリしてきて、頭の中に浮かぶのだと思います。
あなたには、近いうちに大切な人に出会うチャンスが訪れるの。
自分が、こんな風にならなければならなかった。
必然と言うか、今のこんな身体で良かったと、思うきっかけがあるのだと思う。
悩んでいて当然です。
それまでは、我慢しなさい。」
不二子には、最後の言葉の『我慢しなさい。』が強く心に響いたのである。
「はい。」
と、返事をさせられてしまったのである。
この人に向かって話すと、私いろんな事に気が付く見たいだ。
しかも、逆らうことなど出来はしないのだ。
何が違うのだろうか、今の私にはまだ分からない。
不二子の心の中に、そんな言葉が浮かんだのであった。
「たくさん話をしてくれて、良かった。
思っていて、黙って我慢してしまうと身体に良くないのかも知れないね。
話を聞いてもらうと、それだけで心が落ち着くものなのよ。
色んな事が、手詰まりじゃないって分かるものなのよ。
カウンセラーと言って、人から話を聴くだけで、高いお金を取る人たちもいる程なの。
不二子さん、柔和な顔の表情になって、本当に美しい顔になったわ。
私は一人者だから、この部屋に人が訪れることは久し振りなの。
美沙子さんは、時々来てくれるけれど。
高岡先生は、一度だけ。
メールで不二子さんの事は、少しだけれど聞いています。
今晩は、ここに泊まりなさい。
大きな寝巻ぐらいはあるわよ。」
その晩は、加藤の横で寝る事で、いつもとは違う感覚を味わった。
加藤は、不二子の身体を触った。
乳首を触ったり、舐めたりされると、不二子の身体に不思議な快感が走ったのである。
とっても幸福な時間であった。
不二子の感じていた、孤独感のような感覚は消えて、いつもの不二子に戻って行くのであった。
「どうしてなのだろう。
理乃や一美や南美が私の乳房を触るのと、何が違うのだろうか?
凄く心の底で感じてしまう。」
不二子は思わず、口にしてしまった。
「受け止めてもらうってことかな。
受容と言う言葉の意味がわかる日が来るのでしょうね。」
いつしか、不二子は寝入ってしまったのである。
夜の間に、雨が降り始めていたのである。
次の日の朝、不二子は6時前に目が覚めたのである。
携帯電話を見ると、渡部と夏目からメールが入っていた。
「不二子ちゃん、最近どうしているの。
昨日、ジェラート食べにお友だちと来ていたでしょ。
全員爆乳と言うか、超乳の子もいたって聞いたわよ。
メールが来ないけれど。
海にでも一緒に行かない。」
「昨日は、早く帰ったけれど、御免ね。
一美も南美も、心配していたのは同じよ。
月曜日、漱一郎兄ちゃんも、研究室へ行くつもりよ。
まあ、覚悟していてね。」
傘を借りて、不二子は家へと帰ったのである。
加藤は、土曜日と日曜日は、早朝から忙しいのである。
お腹が空いていた不二子は、牛丼チェーン店で朝定食を頼んだのである。
食べ終わっても物足りないので、メニューにあった『メガ牛丼』を頼んでしまったのである。
沢山食べて、大きくなる事はこの年代の者には自然な事なのである。
《4》 再び、大学の研究室で
8月2日 月曜日の3時間目が終わって、仲良し4人組は学校を飛び出した。
大学へ向かい中央レストランの横の生協で気に入ったお弁当を買って、松坂博司准教授の研究室へと向かった。
研究室に入ると、夏目の兄の漱一郎が既に着席していたのである。
そして、博司に対していくつか質問をしていたのである。
彼女たちの顔を見て、博司は先週よりもゆっくりと話し始めたのである。
それは、考えながら話をしているというか、理論を組み立てながら話をしているようなのである。
「まず、先週計測したシンクロ率の事から話そうと思う。
平均は、20%程度であることは、前回話したと思う。
不二子が前回計測した数値は平均の130倍以上である、2,680%と言ったと思う。
この数値は、本当に驚くべきものであると思う。
今回計測した結果は、前回の計測値の540倍以上である、1,450,000%というものである。
一般人の、72,500倍なのである。
シンクロ率の有効数字は上から3ケタなので、注意して欲しいと思う。
これは私が立てた仮説のようなものであるが、君たちの人間関係が彼女のシンクロ率をここまで引き上げたのであろう。
そのように考えなければ、説明が付かないものである。
今や不二子は、トレーニングをすればその効果は、常識で測れないスピードで筋肉など成長をするであろう。
それとは別に、不二子は急成長をすることは、間違いないのである。
おそらく不二子はその事を悩むであろうが、私は心配する必要はないと断言する。
不二子にとって、君たちはかけがえのない、大切な友だちなのだと思う。
そして、君たちがいる事が不二子に、宇宙人からのメッセージを正確に聞きとる力を与えるのです。
つまり、遺伝子の力が強く不二子の身体に働きかける。
不二子は、驚くべき成長を遂げていく。
宇宙人からのメッセージを、無意識的に受け取ることが出来る訳であるから、危機的な事は自然に避けることになる。
今よりも、安全に生活できることが、保証されると言うことだ。
その事は、不二子にいつか直接話す機会が作られるであろう。
ここでは、止めておこう。
君たちのシンクロ率も、相当に高いものである事は驚くべきものである。
滝沢南美君40.5%、北村一美君45.2%、夏目理乃君398%である。
それから、夏目漱一郎君も398%である。
シンクロ率は、本人の興味関心から変化すると、仮説として立てることを、私は考え始めたのである。
隕石からとり出したM遺伝子を自分の体内に取り入れることを、君たちはどう考えるかね。
希望するかしないかだが、君たちはどう考える?
しばらく待って尋ねてみようと思う。」
研究室内は静かになったのである。
理乃と兄の漱一郎の心は決まっているのである。
滝沢は、遺伝子が体内に入っても、不二子のような身体になる事は無いのである。
心配と言っても良いかもしれない。
北村は、自分の超乳がこのままでは形が崩れていく事を薄々感じている。
脂肪太りになるのは、嫌なのだ。
滝沢と北村の心も、何かに導かれるように、変化し始めて来たのである。
そして、4人組の心は一つになったのである。
「君たちの心は、私にも伝わって来たようだ。
一応聞くが、体内にM遺伝子を取り入れることに賛成する者は、挙手してくれるかな。
了解した。
予防接種のようなものであるから、体内に取り込めたかどうか、2〜3日後には分かる。
体内に取り込んだからと言って、いつ急成長をするかは、わからない。
まだ研究はそこまで到達していないのである。
注意事項もあるので、それは明日渡したいと思う。
それでは、8月3日火曜日のお昼に、この研究室に来て欲しい。
それから、不二子のおしっこをもらって飲んでいたと聞いているが、それはなかなか良い事であると思う。
遺伝子接種の効果を上げることは間違いない。
この日は、お昼抜きであるけれども、我慢して欲しい。
それと確認の為に、金曜日の昼にもう一度来てもらおう。
明日は、時間的には直ぐに終わると思う。
それまでに、こちらでも準備をしておくので。
今日の話は、おしまいにしようと思う。」
みな、弁当を持って研究室を出たのである。
まだ時間は十分にあった。
不二子からのおしっこの頒布は再開する事になった。
無理な日は仕方がないが。
不二子自身も、飲んでみようかなと思うようになった。
漱一郎は今日こそは、天文科学部の先輩に会うつもりである。
彼女たちは、弁当を持って学園に戻ったのであった。
《5》 不二子、高岡と一緒に運動クラブを見学する
8月2日月曜日の放課後、不二子は職員室に高岡先生を訪ねたのである。
不二子の事については、学校の職員間でも、話題には何度もなっている。
美貌と美しいその身体、運動能力、最近伸びて来た成績など、ずば抜けた物をたくさん持っているのである。
話題になるのは、指導に関して気を使うことが多いからでもある。
高岡は、不二子を職員室から保健室へと連れ出した。
その方が、落ち着いて話す事が出来ることは間違いがない。
不二子から来る事は珍しいので、直感的に何か悩みがあるのではないかと感じたのである。
「松坂さん、相談したい事って何なの?」
「高岡先生、私に運動部に入ればどうかと、勧めたのではありませんか?
私、そのことで悩んでしまったのです。」
「じゃあ、これから幾つかクラブを回ってみましょうか。」
「はい、一緒にお願いしたいのです。」
不二子はそこで、裸になったのである。
高岡は久し振りに、不二子の裸を見たのである。
つい、言葉を掛けてしまったのである。
「松坂さん、プールの時は良く見ていなかったのだけれども。
身体測定の時と比べて、また体重が増えたのではないかなあ。
あの時は凄いと思っていたけれど、今見ると・・・。
気にしていたら御免なさい。
つい、言ってしまったので。」
「先生、私の体重が身体測定のころよりも、どれぐらい増えていると思いますか?
あの時よりも、100kg以上増えています。
肥満じゃないから、気が付かないかも知れないけれど。
バストは90cm、ヒップは110cmも増えているのです。
とにかく筋肉が、凄い勢いで増えてしまうので、困っています。
私が、力をセーブして生活しているのは、知っているでしょう。
正直なところ、体重が、287kgあるのです。
○ニー・コールマンの全盛時代よりも、150kg以上も身体が重いのです。
4月の頃と比べると、7倍の重さなのです。
それでも、こんなに身軽に動けるのは、大変なことだと思いませんか?
街を歩いていると、何かの拍子に喧嘩を仕掛けられたりするのです。
それも、怖いなあと思っているのです。」
「そういう時は、どうしているの?」
「最初は相手が鉄パイプで叩きに来たので、反対に鉄パイプを奪って、鉄パイプを鉄の玉にしてしまったのです。
相手がバットで叩きに来たので、手で受けたら、握った所が崩れてしまったりしたのです。
そうやって、私の力を見せ付けて、相手の戦意を喪失させるのが、一番良いのかなあと思っているのです。
硬貨を引っ張って、伸ばしたりして見せると、それ以上戦う必要が無くなるのです。
私は、ホッとするのです。」
「本当にそのような事が出来るの?
硬貨を折り曲げるのは聞いた事があるけれど・・・。」
「こんな具合に出来るのです。
先生への、記念品だと思って下さい。」
不二子は、折り曲げて伸ばした硬貨を高岡に渡した。
「人間の技とは思えない。」
「自分でも、出来た時はそう思いました。
姉たちも、そう言うのです。
ママも。
人間の技じゃないって。
毎日トレーニングをしているのです。
一度先生にも、どんな重さを持ち上げるのかを見て欲しいです。
実は、運動を友だちと一緒にするのは怖いのです。
プールで泳ぐときでも、友だちを蹴ってしまったら、どうなるかと思うと怖いのです。
この脚で蹴ったら、どうなると思います。
こんな脚ですよ。
先生、一度触ってみて下さい。
見て下さい。
こんな腕ですよ。
先生の自慢のバストよりも、太いのだから。
力を入れたら、こんなことになるのですよ。」
腕を曲げて、上腕に筋肉に力を入れて、見せ付けた。
肩の筋肉も耳の高さぐらいまで、盛り上がったのである。
「先生、私と腕相撲して見ますか?」
手を出して、高岡の手を握ったのである。
不二子の手は本物のグローブのように大きいが、白くてきれいな肌をしているのである。
「柔らかくて分厚い手を、あなたはしているのね。
それと、何と言う太い指。
そんな手でないと、自分のその力を受け止めることは、不可能なのね。
あなたと腕相撲することは、遠慮しておくわ。
あなたは、本当に大変な時期を過ごしているのね。
でも、不二子さんって、本当にきれいね。
物凄い人の中学時代に、私は接しているのでしょうね。
色んな素晴らしい物を、全部集めてしまっているのね。
体操服を着て、クラブを回りましょう。
どんなクラブでも、毎日行く必要は無いでしょう。
週に1日ずつでも良いです。
あなたが行くと、喜ぶクラブばかりだと思います。
裸のままでは変でしょう。
体側服を着なさい。」
「はい。」
2人は、保健室を出て廊下を歩き始めたのである。
体操服で横に並ばれると、高岡の体格であっても、不二子の身体の厚みの物凄さには圧倒される。
横と言っても、どこが横なのか分からなくなる。
「陸上部で、砲丸を投げるのでは、面白くないでしょうね。
美沙子さんから、いやお母さまからは、松坂さんがどんなウェイトでトレーニングしているか聞いています。
今から直ぐ、パワーリフティングの試合に出る事が出来るでしょう。
それでも、体重当たりの持ち上げる記録のこと、何という名前だったかなぁ。
一番重いクラスと両方で、世界記録間違いないでしょうから。
そう聞いています。
今日は、バレーボールとバスケットボールとハンドボールを体験してもらいます。
バレーボール部はどうかなあ?
ネットぐらいは、飛び越せてしまうのでは?」
「はい、飛び越せそうな気がします。」
「ネットの高さ知っているの?
高さは男子では2.43m、女子では2.24mもあるのよ。
えらく、簡単に言うのですね。」
「高岡先生なら、私の事を分かってくれそうだから。」
高岡と不二子は、中学部の体育館を訪れた。
中学部と高等部が、同じ種目ならば一緒に練習するのが緑山の基本である。
その方が、能率が良いのである。
不二子が体操服を着て、体育館に現れたことで、男子の運動部員が大喜びである。
あまり上手くは無いが、指笛や口笛が吹かれる。
不二子の運動する姿を、見学する事が出来るのである。
入部したら、定期的に見る事が出来る。
亜利紗や香里奈の姿は見慣れていて、いちいち喜んでいる訳にはいかない。
しかも、もうじき引退である。
新鮮味があり、何となく嬉しいのであろう。
不二子は、人気者なのである。
もう学園で知らぬ者はいない。
恋人にするのは、多少ならず気が引けるが、美貌や愛嬌は申し分がない。
ハッキリ言って、セクシーでもある。
しかし、なにせ、身体がでかいのが残念だ。
高岡は不二子に、スパイクの基礎を教えた。
そして、高岡自らスパイクを打って、見本を見せたのである。
高岡は、人気のある教師である。
男子生徒のアイドル的な存在であるだけでなく、女子生徒の姉貴的な所も持ち合わせている。
成熟した女性の美しさがあり、男子生徒が憧れると言うのは、まさにこういう女性に対して使う言葉である。
久々に見る、彼女のプレーに拍手が湧く。
不二子は、高岡に対抗するような気持ちは全くない。
一生懸命に真似をして、スパイクを打とうとしているだけだ。
高岡が不二子に言った。
「一度、スパイクを打つ真似をしてごらんなさい。
その後で、ボールを使ってもらいます。
イメージを、持って下さいね。」
体育館内は、不二子に注目した。
何かしら、想像を超えた二度と見られないような事が、起きるのではないか。
そんな期待感が、体育館中に溢れた。
助走をして、ジャンプをした。
長くて太い脚が、体育館の床が壊れるかと思うほどの勢いで蹴る。
脚の長さの為に、足は床からなかなか離れず、蹴り続ける時間が誰よりも長いのである。
想像できないほど、もの凄いジャンプ力である。
不二子の大きくて重い身体が、完全にネットを飛び越して、まるで走り高跳びのように見えてしまう。
そして、脚のばねを使って、柔らかく着地したのである。
その情景は、既に信じられないものである。
「高岡先生、もう一度やらせて下さい。
飛び越してしまいました。
すいません、貴重な練習の時間を、もう少し私に分けて下さいね。」
不二子は礼儀正しく途轍もなく元気な声で言い、もう一度同じ事をしたのである。
今度は、腕を振ってボールを打つイメージを付け加えたのである。
ジャンプは同じほどの高さであったが、力が抜けたからか、ネットは飛び越さなかった。
「それでは、お願いします。」
不二子の声に合わせて、高岡は高いトスを上げた。
不二子はジャンプをして、思い切り腕を振ってボールを打った。
物凄い音がした。
残念なことに、ボールは床に打ちつけられる事無く、遠くへと物凄い速さで飛んで行ったのである。
ボールは壁に物凄い勢いで当たった。
しかし、跳ね返る事は無く、空気が抜けて下へと落ちていったのである。
男子部員は、不二子が期待を裏切らなかったので、大喜びである。
不二子は、それ以上は練習を止めてはいけないと思い、やめる意思を示したのであった。
スパイクを打つことは、それほど簡単なことではない。
少しずつ練習を積み重ねて、ようやく打てるようになるのが普通である。
不二子は、スパイクを打つことは出来なかった。
しかし、ジャンプ力やボールを打つ肩の強さなど、見るべきものは十分にあったのである。
もう一度打てば、必ず成功するであろう。
次は、バスケットボール部の練習している方の体育館に行くことにした。
亜利紗と香里奈をはじめ、高等部はインターハイから帰って来ていた。
残念ながら、ベスト8で敗退したのである。
これからは国体に向けての練習中である。
前もって、連絡しておけば良かったな、と思う不二子である。
やはり、不二子と高岡が体育館に入って来ると、歓声が上がるのである。
亜利紗と香里奈は、とうとうこんな日がやって来たかという目で見ている。
長身で、幅もあれば厚みもあり、しかも運動能力の高い選手が2人も入ったことで、相当強化されている。
インターハイベスト8は、緑山歴代で最高の成績である。
実は、出ただけで最高だったのである。
不二子が参加するのは、中学部のクラブである。
守備で前に立たれると、攻撃側の選手は困惑してしまうのである。
バストが大きくて近付く事が出来ない上に、肩幅が2倍以上広くて、手足が長くて、抜くことは不可能である。
抜いたと思っても、分厚い尻に当たって、飛ばされる選手が続出した。
感覚的に、抜くと後ろに回り込みたくなるのかもしれない。
そんな所まで、尻肉があるとは何度やっても飲み込めない。
バスケットボールでさえも、不二子の手で掴む事が出来るのは当然である。
まるで野球のボールでも持つかのように、持っているのである。
バストも、不二子の大きさになると、武器である。
ドリブルをしていると、手を伸ばしても届く事は無いのである。
それを見て、亜利紗と香里奈は笑っていた。
しかし、不二子がジャンプをしてダンクシュートと打つと、黙り込んでしまった。
これほどのジャンプ力とは、思っていなかったのだ。
250kgを超える身体で、こんなジャンプをするとは・・・。
『力が強い』事で、こんなことまで出来るのだ。
姉たちでさえ、不二子の思っている『力が強い』の意味が、まだ分かっていなかったのである。
超重いバーベルを持って、歩きまわり、高跳びをする、下半身の強さや背筋の強さは想像出来なかったらしい。
ハンドボールでは、不二子の打ったシュートが余りにも強いものだった。
高岡にもそれは、予想できたことだった。
不二子がボールを持つと、卓球のボールを持っているように見えるのである。
いくら不二子のシュートを邪魔しても、彼女の腕に2人しがみ付いても、強烈なシュートが打ててしまうのである。
中学生の生徒2人ぐらい、不二子の力では、軽いものである。
強烈なシュートが、ゴールの支柱に当たった時など、ゴールがひっくり返ってしまうのである。
ひっくり返りそうなのではなく、ひっくり返るのだ。
キーパーの生徒は、不二子の投げるボールが怖いと言う。
怖いと言うより、危険であろう。
高岡の思っていたクラブ見学とは、違っていた。
不二子の為にと思っていた高岡であるが、大して役には立たなかったような気がして来たのである。
しかし不二子からすると、自分の気持ちがすっきりとして、いつもの自分に戻れたような気がしたのである。
運動で本気を出せるところは、トレーニングだけかもしれない。
しかし高岡を相手に、本気で自分の悩みにぶつかったのは確かである。
それが、何にも増して良かった。
週に一日だけ、バスケットボール部に、不二子は顔を出すことにしたのである。
自分の力を、思い切り出しても危険がないような感じがしたからである。
それにしても、あの子は大変なのだなあと、今更ながら思春期の指導の難しさを感じたのであった。
一緒に見学に回って良かったのだ、と思う高岡である。
不二子は、気持ちを入れ替える事が出来たようである。
落ち着いて帰宅する事が出来たのである。
不二子は、いつものようにトレーニングをした。
色々と悩みはあるが、身体を動かす事は気持ちが良いのだ。
止めようとしても、無理なのは、トレーニングに麻薬的な効果があるからであろう。
夜寝る前に、いつもの日記を書いた。
「高岡先生には悪い事をしてしまった。
先生御免なさい。
失礼な事を言ったりしたりしたけれど、気持ちはスッキリとしたような気がする。
ありがとう。
今日から、自分のおしっこを飲んでみたのだけれど、変な事をしているような気がしないのは何故。
きっと、凄い効果があるだろうな。
美味しい訳ではないけれどもね。
私は、どんな急成長をする事が出来るのだろう。
成長する事が楽しみになって来た。
気持ちが180度変わるって、こんな事があるのね。
きっと・・・。
宇宙人さん、ありがとう。」
《6》 昼は研究室へ、そして夜は『炭火焼肉 喜多村家』へ
8月3日火曜日のお昼に、3度目の大学の松坂研究室へと向かうことになった。
下のような、プリントを松坂先生から貰ったのである。
▲プリント 遺伝子接種をする人へ
@ 予防接種と同じような物である事。
A 今の体温が、平熱かどうかをチェックする事。
B 遺伝子を体内に取り込む注射を打つ時は、前後2時間は空腹で過ごす事。
C 本日の夕食以降は、しっかりと食事をする事。ダイエットは禁止。
D 今日は、激しい運動は慎む事。
E 接種後、48時間は少し熱が出ることがあるが、薬など飲まぬようにする事。
(熱さましや、風邪薬は良くない。)
F 急激な成長は、直ぐには起こらないと思われる。おそらく2週間後ではないか?
(何が起こるかは分からないものである。)
G 急激な成長の事を考えて、大きめの服装を少しだけ用意しておく事。
(明日からでも、良い。下着類・短パン・ティーシャツ等で当座過ごせれば良い。)
H 一回の接種で、体内に取り込まれる確率は80%である。
I 色々なイメージが浮かんでくるので、記録しておく事。
(宇宙人からのメッセージと考えた方が良い。)
J 頭髪を短くすることは絶対にしてはいけない事。
(頭髪でタンパク質を合成する事が出来るようになるのが理由。)
以上
こんな事が書いてある、プリントをもらったのである。
何か直訳調である、へんてこな文章である。
遺伝子接種は注射ではなく、両方の耳たぶに少し傷を付ける程度で、少しも痛くなかったのである。
夏目兄妹と滝沢と北村は、安心して接種する事が出来たのである。
松坂准教授は言った。
「前回言ったことに、間違いがあったのだ。
私たち夫婦と亜利紗と香里奈のシンクロ率だが、上昇していたのである。
不二子の急成長は、そんなことにも影響をしていたのである。
私は 1,230%、美沙子は 1,150%、亜利紗と香里奈は 2,680%になっていた。
シンクロ率は、生理的に決まっているのではなく、外部から決められる物なのかもしれない。
宇宙人が何らかの方法で、操作しているのかもしれない。
科学は、常々仮説が変わって行くのである。
そもそも、分からないことだらけなのだ。
そう言う物だと分かって欲しい。
ここに書いてある事が、間違いである事は十分考えられる。
君たちの生命の安全だけは、間違いない。
宇宙人からのメッセージが、私たち全員に伝わっている事が証明である。
遺伝子接種を、君たちが選んだ事が理由である。
安全は間違いがないのである。
大きめの衣類だけは、必ず準備しておくように。
我が家でも、不二子の物は既に用意してあるのだから。」
夏目漱一郎以外は、研究室を出た。
彼には、何か用事か質問があるのだ。
空腹を我慢しなければならないのであるが、夕食は『喜田村屋』での焼肉である。
不二子は、この日は研究室へは行かずに、学園の食堂で定食を食べていたのである。
みんなの眼の前で食べる訳にはいかないと、博司から注意されていた。
その日の8月2日火曜日の、夕方4時半からは焼肉である。
北村は、用意を手伝いに先に帰ったのである。
場所は滝沢が知っているので、迷う心配は無かろう。
滝沢と夏目と不二子は、お金を出し合って少しだけ果物を買って北村の焼肉店へと向かった。
滝沢が話していたように、なかなかの門構えである。
3人がのれんの掛かっていないお店に入ると、北村の母親と北村が出てきた。
北村も着替えると、若女将と言う感じがする。
ただ胸元と尻の膨らみは、どう見ても異常としか思えない大きさである。
割烹着が、左右の胸の間に挟まれているように見えるのは、気のせいであろうか。
実を言うと、『炭火焼肉 喜田村屋』の売り上げが伸びているのである。
一美が123−65−106 のRカップになってから、目に見えて増えているのである。
お客は正直であるし、だからこそお客であろう。
元気良く一美が切り盛りをすると、食欲も増すだろうし、男性客が来る目的が一つ増える。
「看板娘」の登場は、大きく店に変化を生んだ。
注文を聞いて厨房に走って行く一美の、大きなヒップも忘れてはいけない。
一美自身、その事には気が付いていたであろう。
視線が自分に来る事は、嫌なことではない。
母親は、娘の身体の成長で売り上げが伸びた事を、良く分かっていた。
つまり、不二子のおしっこに感謝となるのである。
しかし、この時点で3人は、そんな事には気が付いていなかった。
一美の来ている服が、「身体のボリュームを強調していたのかな」とは感じた。
自信が出てきた、表れかもしれなかった。
「まあ、よく来て下さったねぇ。
あなたが、松坂不二子さんでしょう。
お噂はかねがね、聞かせてもらっています。
噂だけでは、分かりませんねぇ。
うちは炭火焼肉ですからね、制服が汚れちゃ明日から困りますからね。
体操服に着替えて下さいね。
一美が言っておりませんでした。」
北村の母親の声は大きくて、店中に響き渡っていた。
それを受けて厨房から、親父さんの声がしたのである。
「うちは味には自信がありますが、店は焼肉の煙で燻されていますから、こんな感じですがね。
無煙ロースターなんかはいけませんね。
高級店では使っているでしょうがね。
やっぱり、七輪に炭火が一番です。
遠赤外線で焼き上げるのが、最高です。」
一美の母は、親父さんの言葉が終わる前に、3人を家の中に上げて、着替えさせたのである。
そのとき、3人の姿を、彼女はしっかりと見ていたのである。
4人が席に着くや否や、北村の母はしゃべり始めた。
「お肉をこれから持って来ますからね。
どんどん焼いて食べちゃって下さいね。
夏目理乃さんも、滝沢南美さんも食べて下さいね。
うちのお肉は熟成が進んでいて、美味しいですよ。
それにしても、松坂さん。
やっぱりお会いしないと、うちの一美の話を聞いているだけではね。
本当に、こんな身体をした中学2年生がいるのですね。
こんなおっぱいやお尻が、この世に存在するとは思いませんでしたね。
あとで、ちょっとだけ触らせて下さいね。
手を洗って来ますから。
じっくりと拝みたいですね。
もう既に、ご利益が、ありましたから。
道理で、うちの一美も大きくなるはず。
いやー。
一美がこんなに成長してくれたおかげで、うちも繁盛させてもらっています。
あれ以来、売り上げが70%は増えちゃったものでね。
うちの『看板娘』ですからね。
町内会長さんは、商店街の『大看板娘』だなんてね。
どこが大きいのやら。
本当に、感謝しています。
親父さんも、笑いが止まらないの。
遠慮しないで、と言ってもあれですから、美味しい所を選んで持って来ますからね。
一美。
お前さんが、しっかり肉を焼くのだよ。
焼き過ぎはいけないからね。
美味しくなくなるよ。
刺身でも食べる事が出来る、うちの肉だよ。」
北村の母は、生レバーを4皿持って来ながら、よくべらべらと喋るのである。
生レバーは、岩塩を振って、ゴマ油を付けて、チシャで巻いてたべるのだと説明された。
癖が無くて、レバーの嫌いな夏目にも食べる事が出来た程である。
6人掛けの机に、不二子が3人分の座席を取って、後の3人が反対側に並んで座っている。
炭火を入れた、四角い七輪を真ん中に置いて、キャベツやチシャが山盛りに置いてある。
だんだんと、炭火が強くなって来たのである。
そこへ、一美が、大きな皿に牛タンを入れて持って来たのである。
「小皿にレモンを絞って入れておいて、それから牛タンをお箸で持って、網の上に乗せるのよ。
10までゆっくり数えたらもう食べ頃よ。
絶対に裏返しちゃ駄目だよ。
美味しい肉汁が、こぼれてしまうからね。」
一美の言う通りの食べ方で、3人は食べ始めたのである。
それを見て、北村の母はしゃべり始めた。
「それにしても、皆さん立派なお身体ですね。
なにか、秘密でもあるのでしょうかね。」
それを聞いて、一同は笑ってしまった。
北村の母の話し振りから、おしっこの事は聞いていないと、想像出来たからである。
「何か、悪い事でも言いましたかね。
うちの一美の身体を見て、親の私が言うのも何ですけれど、見惚れてしまうほどでした。
こんな身体に生まれて、この子は幸せだと。
みなさんも、女性的な魅力を振りまいておられて。
でも、不二子さん特別なお方ですね。
これ程だと、嫉妬の気持ちは湧きませんね。
松坂さんの横に座らして貰って良いでしょうかね。
何か分かりませんが、幸運が舞い込んでくるような気がします。
ご利益は既にありましたが。
布袋さんのお腹みたいに、このおっぱい触らせて下さいよ。」
彼女は体操服の上から、不二子のおっぱいをなぜたり、持ち上げようとしたりしたのである。
「さっき着替えの時に、こっそり見せてもらいましたが、不二子さん。
本当に、もの凄いお身体をされていますね。
こんなにきれいな女性の身体は、初めて見ました。
当たり前でしょうね。
これほどの身体は、想像したこともありません。
今日は、しっかりたくさん食べて下さいね。
ホルモンを沢山食べると、またいっそうきれいになりますよ。
あの突き出たおっぱいが、こんなに大きいなんて。
全然垂れさがらずに、顎のすぐ下は胸ですからね。
細いウエストに、このお尻の突き出した、この分厚さはどう考えれば良いのですかね。
曲線美というのはこういう人の事を言うのでしょうね。
こんな日本人が、本当にいるのね。
今の若い人は、凄いものですね。
それとこの髪の毛の、黒々として滑らかで、太い髪の毛ね。
女性の私でも、不二子さんの身体の曲線の魅力には、ビンビン感じるものがありますね。
どうしてこんな年齢の私の子宮が、何かを感じてしまうの。
いったいどんな男の人が、この身体を抱けるのでしょうね。
抱く男の人も大変じゃないかなあ?
でも。
幸せな男の人ですね。
まあ、とにかく、沢山食べて下さいね。」
北村の母は、苦労人なのであろう。
同じ事を、何度も何度も言うのである。
彼女は、塩タンが無くなったのを見て、次の一皿を持って来たのである。
ローズやカルビやハラミは、癖が無くて夏目や滝沢もしっかりと食べる事が出来た。
しかしもう一皿の、マメやレバー、シマ腸や赤センは、なかなか食べる事が出来なかったようである。
慣れもあるし、美味しさが分かり難い部分もある。
マメなどは、下処理していても、淡く匂いもする。
その分、不二子は沢山食べる事を要求されたとも言える。
みな満足してしまったが、満足していないのは一美の母である。
「これだけですか。
もっと沢山食べて欲しかったのに。
じゃあ、うちの名物料理のテールスープを持ってきてね。
お腹一杯でも、帰ってお腹が空く位だからね。
最近は、ホルモンを食べにくる若い女性も多いのですが、それほど沢山は召し上がらないので。
少しずつ、丁寧に下処理をしているのです。
不二子さん、もう一皿食べて頂けないでしょうか?」
「はい、一皿だけ頂きます。」
「ホルモン盛り合わせ、大皿でね。」
元気の良い一美の母の声が、店中に響き渡った。
テールスープは本当に美味しかった。
彼女は肉のいろんな部位が、どういう下処理をして、どのぐらい焼いたら美味しいのかを不二子に話をした。
そして、肉を焼いてくれたのである。
不二子は、もう食べられないほどになったのである。
一美の母も、満足したのである。
精一杯の、不二子への恩返しなのであろう。
そろそろ、焼き肉屋にお客が入って来る時間である。
「うちの近くには、まだ銭湯があるので、煙の臭いが髪の毛に染みているでしょう。
一美も一緒に、行っておいで。
それから、帰りなさい。」
彼女たちは、丁寧に礼を言い、銭湯に行ったのである。
4人が銭湯に現れると、大騒ぎである。
男風呂から何とか覗こうと、一生懸命な連中もいる。
女風呂の脱衣場で、携帯で写真を撮るルール違反者がいたのである。
結構な年齢の熟女が、なぜか不二子の身体に夢中になるのである。
「物凄い身体の女の子だね。
あんな綺麗なおっぱいやお尻、見たことも聞いたことも無いよ。」
「また、大きさがもの凄い事になっているね。
とにかく形が綺麗で、ウットリしちゃうね。
言葉で表わせないよ。」
「あの肌のきめ細やかさは、秋田美人と言うのかね。」
「あのド迫力の乳房に付いた、乳首は小さくてピンク色だね。」
「大事なところの毛は、まだ薄くて茶色だよ。
可愛い子だね。」
「長い間生きて来たけれど、あんな裸体。
想像したことも、無い。」
「お友だちも、結構凄いね。
胸が大きいとか尻が大きいとか、あのレベルでも昔は想像できない世界だったよ。」
「何カップあるのだろうね。
昔は、Dカップの人なんか、居なかったのにね。
食べる物が違うのかね。」
「あの白い肌の子は、美人だね。
あの乳は凄いね。
尻の肉付きには、私感じちゃうね。
『喜田村屋』の看板娘じゃないかね。」
ヒソヒソ話しも、ここまで大きい声だとうるさいのである。
携帯でお友だちを銭湯まで呼び出す熟女もあった。
お婆ちゃんに、不二子は囲まれて拝まれていたのである。
何か、神々しい物を感じていたのであろう。
銭湯は大騒ぎであった。
色々あったが、このぐらいの描写にしておこうと思う。
それぞれが、帰宅したのである。
《7》 8月10日火曜日から、ようやく夏休みに
今日は8月6日金曜日である。
お昼に研究室にいって、遺伝子が付いているかどうか見てもらった。
まるで、結核の予防接種であるBCGを打つ前の、ツベルクリン反応みたいな気分である。
見てもらうと、北村だけが陰性だったので、もう一度遺伝子の接種をする事になった。
不二子は漱一郎に、天文科学部への入部の話をしたのである。
漱一郎は、とても喜んで、夏休み中の活動についてのプリントを研究室でコピーして、それをくれたのである。
とにかく、放課後は理科室へ来るように言われた。
漱一郎は研究室に残り、後の4人は中央レストランへと急いだ。
北村だけは、昼抜きであるのは接種を打ったのだから仕方がない。
一番安い、A定食というのを、自動販売機で食券を買って食べることにした。
290円と言う、破格の安さである。
昨日のおかずの残りを回すので安いのだと、漱一郎が先輩から聞いて教えてくれた。
一か月の定食と丼物のメニューが、壁に大きく張ってある。
A定食は、一か月のメニューの中に、書き加える事が出来ないのである。
おかずが無くなれば、途中でおかずが変わるのである。
学外からもA定食を求める客が多数あり、大学へ出張して来たセールスマンが、食べていることも多いそうだ。
彼女たちは、揚げた冷凍オムレツとショウガ焼と刻みキャベツ、豆腐の味噌汁、どんぶり飯を食べて学園に戻った。
北村:私だけ、来週の月曜日にもう一度、研究室に行かなくちゃならないのね。
少し面倒な気がするけれど、仕方ないね。
まだ、夏休み前だし、良いか。
滝沢:そうよ。
家から大学まで来る事を考えたら、ましまし。
夏目:この間の、焼肉本当に美味しかったね。
一美のところ、本当に美味しいって有名だって、父も言っていた。
北村:ありがとう。
うちの母は、不二子がホルモンを美味しく食べてくれたのが嬉しくて、その話ばかりするの。
不二子の話は他にもあって、銭湯での事を知っているのよ。
また、あの子呼んでねって。
1人だけでと、言っていたの。
私の友だちってことを、忘れているみたい。
写真撮っておくのを忘れたって、言っていたの。
良くあるじゃない。
有名人の写真が、お店の中に飾ってあるでしょう。
松坂:私は有名人じゃないのよ。
確かに美味しくて、たくさん食べてしまいました。
脂肪を沢山取ったからかもしれないけれど、あれから肌がきれいになったって、ママに言われる。
姉たちは、羨ましがるの。
姉たちは、地肌が私よりも少し黒いからね。
夏目:大事な物質の名前は、コラーゲンって言うのじゃ無かった?
滝沢:そうよ、コラーゲンだよ。
一美のお母さん、不二子の側にばっかり行って、凄い歓迎ぶりだったね。
私たち、置いてきぼりって感じ。
でも、不二子の身体って、反応が早いよね。
食べた途端に、綺麗になったり、巨大化したりね。
松坂:またまた。
有名人じゃないからね、私は。
写真を飾られるのは、恥ずかしい感じがする。
北村:将来必ず、有名になるからって、母も親父も言うのよ。
○口康子なんか、高校時代「あの子が通る」とか「少女A」とか言われて有名だったって。
名前は誰も知らないのだけれど、顔は商店街の皆が、知っていたって聞いた事がある。
家に肉を卸している、肉問屋の大将もこっそり早めに来ていたのよ。
厨房で、仕事しながら見ていたの。
感心していたよ。
双葉より芳しいだって。
いつもは、あと2時間遅く、来るのだけれども。
有名女優になるような人は、中学時代から違うのだって言っていた。家が肉を沢山売るようになって、
夏目:一美みたいな、グラマーな若い子が店で元気良く切り盛りしていたら、商売は繁盛するよ。
エプロンと一美の超乳のあの感じ、とってもエッチな感じがしていた。
エプロンの紐が、少し食いこんで、胸の谷間がいやが上にも強調されていたよ。
注文を撮って、厨房へ向かう時のジーンズのお尻。
ブリっと物凄い盛り上がりで、分厚い尻肉がエッチな感じがして。
65cmのウエストって、結構細いよ。
北村:不二子ほど細くないわよ。
でも、あれは特別で、お化けが出たみたいなものだからね。
それでどうだったの。
夏目:またひどい事を言って。
安心し過ぎだよ。
一美の姿は、本当に良かったよ。
何度も言うけれど。
私もあんなに、なりたいなあなんて。
商売が、繁盛するはずだよ。
北村:私のせいかどうか、分からないけれども。
肉問屋の大将が、下処理手伝ってくれないと、手が足りないの。
肉が、たくさん売れるの。
お客さんが増えたのは、本当よ。
焼肉屋は、客の回転が結構速いのよ。
うちは、経営どんぶり勘定で、多分原価率も高くて、その日暮らしで店を大きくしようとかしないからね。
でも、繁盛すると賑やかになって、母も親父も嬉しいのよ。
滝沢:夏休みの計画、どうするのよ。
まだ、何にも決まっていないのよ。
一美が決めるって、案を出してよ。
北村:じゃあ、自分でメモしてくれるかな。
学園は、終業式や始業式でも、授業がきちんとあるからね。
読書感想文は、みんな終わっているでしょうね。
8月9日月曜日、昼は私1人で研究室へ行きます。午後はみんなで、PGAへ行きます。
滝沢:PGAって、何の略なの。
北村:例の芸能事務所の事です
準備物は、水着です。
そんなことで驚くようじゃ、見込みもへこみも無いです。
社長が見たいと言うのです。
アポイントは取っています。
渥美社長にも、会いましょう。
会社については、理乃が調べているでしょう。
夏目:はい。調べています。
資本金28,750,000円。
有名タレントが多数所属しています。
まあ、中堅プロダクションでしょうかね。
野田島さんが、手塩にかけて育てている所だそうです。
それから、これが社長の渥美喜芳さんの顔です。
有名人だから、ネットで出て来ました。
滝沢:この人知っている。
ブログもあったし、私たちこの人に好かれるような感じがするなぁ。
松坂:なぜそんなことが分かるの?
滝沢:この人の集める人材、巨乳のグラビアアイドルばかりなのよ。
分かるでしょう。
北村:8月10日火曜日、不二子が天文科学部へ。
それと記号は◎(二重丸)です。
夏目:◎はどんな意味なの。
松坂:私が、例のペットボトルを学校で渡す日よ。
私の都合で渡せる日なの。
都合を付けて、学校に来てね。
北村:8月11日と12日 水木です、海に行きます。
滝沢:千葉でしょう。
宿は取れたの?
北村:海の日程は良いですか。
場所は、私たちのお店の旅行で行った事のある、民宿と言うかペンションと言うか。
少し遠いけれど、千葉で近いと、東京湾の中みたいな気がするのよ。
良いところは、あるのだけれどね。
集合は、8月11日水曜日。
JRの○○駅前に7時30分集合です。
出発は、8時です。
まだ、予定は変えられるわよ。
ペンションは取れているから、その点は心配しないでね。
もう一日延ばしても良いそうよ。
松坂:私のバスケットブール部は、14日土曜日と16日月曜日と23日月曜日で、◎ね。
天文科学部は、17日火曜日と18日水曜日と24日火曜日で、◎ね。
午前午後と場所は、メールでやり取りしましょうね。
練習試合のときもあるだろうし。
分かったかな。
夏目:不二子に迷惑かけるのだから、学校に来るのよ。
北村:うちの店の休みは、19日〜21日です。
従業員一同で、マイクロバスでどこかへいくの。
まだどこかは、決まっていないの。
滝沢:うちの会社の、社員の家族も入れての旅行が、20日〜22日です。
福利厚生の一環です。毎年行くところは同じよ。
箱根です。
松坂:20日〜22日まで、岡山県に家族で里帰りします。
うちの家族、一台の車に乗れるかなあ?
ちょっと心配です。
滝沢:不二子が心配よね。
それから、メールのやり取りはしようね。
メーリングリストを作ってさ。
それからすぐ、午後の始業5分前のチャイムが鳴ったのである。
《8》 プロダクションへ行く
この日は、8月9日月曜日で、終業式である。
といっても、4時間きちんと授業はあって、5時間目はホームルームなのである。
学園の生徒は、そう言う物だと思い込んでいる。
昼休み中に、北村は松坂研究室へ行き、遺伝子が付いていることを確認した。
不二子は、この日初めてお昼休みに、天文科学部の活動に参加したのである。
夏休み中の、天文に関することが話に出て来たのであるが、よく分からなかったのである。
そして放課後、例の芸能プロダクションに行ったのである。
渥美は、四角い顔に細い目をしていた。
身長は170cmよりは少し低くて、眼鏡を掛けていた。
正直言って、頭髪はかなり薄かった。
野田島が話し始めた。
「渥美社長、この間スカウトした女の子たち4人が、あいさつに来ています。
一度会いたいと言う事です。」
「野田島くん、それではこちらに通して下さい。」
4人は、社長室に入ったのである。
「自己紹介を、1人ずつしてくれないかな。」
「はい、北村一美、緑山学園中学部の2年生です。
野田島さんから、一度こちらへ来るように言われました。
自分も興味がある分野なので、こちらへ来ました。
電話をして、アポイントを取ったのは私です。
よろしくお願いします。」
ハキハキと元気よく、話したのである。
「うーん。
なかなか良いですね。
元気があって、それと後で水着に着替えて下さい。」
「はい、滝沢南美、同じく緑山学園の2年生です。
野田島さんとお会いした時から、こちらへ行きたいなと思っていました。
最近こんな身体に成長したので、自信が出て来ました。
4人でならば、怖くないような気がします。
まだ親には話していませんが、とにかく自分の中では整理が付いています。
よろしくお願いします。」
「この子も、なかなか良いですね。
背が高くて、脚がすらっと長いね。
野田島くんは、よいスカウトだね。
相性というか、これだけの人材なかなか見付からないよ。」
「はい、夏目理乃です。
同じく、緑山学園の中学2年生です。
最近成長して、こんな身体になる事が出来ました。
ボンキュボンの、こんなスタイルなのですが、私はもっと凄いスタイルになりたいのです。
もっともっとすごい、超乳超尻になりたいのです。
そうしたら、もっと自信にあふれるでしょうから。
よろしくお願いします。」
「眼鏡は、本物だよね。
眼鏡は、1つのコスチュームとして重要だよ。
だて眼鏡じゃ無くて、本物なのが大事だよ。
今だって、十分素晴らしいスタイルなのだけれど、不思議な事を言う子だね。
どうやって成長するのか、面白い事を言うね。
気に入りました。」
「最後です。
松坂不二子です。
緑山学園の中学2年生です。
私は、今年の5月にこのような身体に急成長したのです。
顔は整形したりはしていませんが、その時に変わってしまいました。
左右対称になり、二重瞼になり、ずいぶんと美人になってしまいました。
身体も、こんな風になりました。
少し前まで、自分の身体の事で悩んでいたのですが、もう悩みません。
私の美しさ素晴らしさを見て欲しいと言う感じです。
私の良さを、分かって下さいましたか?」
「うーん。
難しい子だね。
光る物と言うか、沢山あり過ぎて、焦点が絞り難い感じだね。
要するに眩しいのだよね。
じゃあ、全員水着に着替えてくれるかな。
ここじゃ無理だから、野田島くん。
更衣室に連れて行ってあげてくれないかな。」
しばらくして、水着に着替えて4人が入室して来たのである。
「中学2年生だったよね。
しかも、同じクラスだと言うじゃないか。
信じられん。
素晴らし過ぎる、肉体美だ。
爆乳が2人と超乳と、最後の1人は言葉では表せん。
スーパー超乳とも言うべきだね。
しかも、全員尻が魅力的だ。
日本人も最近気付きだして来たのだが・・・。
最近流行のビルドアップされた下半身をしていることだ。
これは、実は簡単なことではないのだ。
努力が必要なのである。
○フィー・ザ・ボディのような雰囲気がする。
中2だから、わがプロダクションで育てれば、今よりももっと素質が磨かれること間違いなしだ。
彼女たちには、椅子を用意してやってくれ。
なるべく立っていて欲しいが、疲れたら座っても良い。
しばらく、私はこの子たちを眺めていたい。
いやらしいとかエッチだとか、そういう問題じゃない。
わたしは、何時もこういう方法でスカウトした子の魅力を探して行くのだ。
深いところでは、いやらしいエッチなオジサンだが。
少し時間をくれないか。
途中で、質問するかもしらんが。」
渥美は、腕組みをしながら4人を、厭きもせず眺めていたのである。
水着に着替えた後で、野田島から社長の事は少し聞いていたので、そんなものかなあと4人は思っていたのである。
「北村さん。
君のおっぱいは、非常に大きい。
今までのアイドルの枠には入り辛い感じがする。
君は、夏目君のようにこれ以上成長する事は考えているのかいないのか、どっちかね。」
「考えています。
もっと成長したいと思うようになりました。
身長も高くなるつもりです。
つもりって、変な言い方になっていますが、許して下さいますか。
今日駄目でも、1か月してから、こんなになりましたって、野田島さんに連絡をします。
少し待っていて下さい。」
「滝沢さん。
君ならば、もう少し待って人間的にも成長して、ミスユニバースのような箔を付けてからの方が良いかもしれないね。
しかし、その爆乳と爆尻は、体質的なこともあって、すらっとした体型にはならないような気がする。
やはり、ごく普通のモデルというよりは、もっと個性を前面に出したスーパーモデルのような存在になるのはどうかなあ。
質問にも何にもなっていないね。
成長するつもりかどうかってことだけれど。
どのように答える?」
「はい。
私も、夏目さんのように、成長する事を夢見ています。
身長も高くなって、筋肉質で、普通のモデルにはなれないような気がしています。
やはり、もう少し待って欲しいって、そんな気持ちですね。
それで、許してもらえますか。」
「夏休み中に、もちろん学園の夏休みで良いのですが、アルバイトのような事を野田島の方から頼むかもしれません。
可愛いアイドル路線ではなく、モデルの仕事と言うかコンパニオンと言うか。
人員が足りないことが予想されているので、補欠と言う言い方は失礼かもしれません。
当社の活動は、タレントを見れば分かる通り、変なことはさせません。
実績がありますからね。」
「最後に、松坂さん。
あなたには、期待する物がたくさんあるのです。
これからどのような女性に成長されるか、楽しみです。
一つ聞かせて下さい。
あなたは、これからもっと体が成長するのでしょうかね。
身長は高くなりますか。
実は、あなたのような女性の登場を、男性は待っている部分があるのです。
しかし、少しそれが恥ずかしくもあり、知られたくないかも知れません。
とにかく、上手く言葉に出来ませんね。
成長してから、お会いしたい感じです。
今は、自信がないと言うか、ご自分の素晴らしさに困惑している最中のように見えます。
松坂さんにお願いですが、私を強く抱きしめてもらえませんか。」
「本当に力いっぱい抱きしめることは、出来ません。
それは後でお見せします。
しかし、力を込めて抱き締めます。」
不二子は、渥美が座っているところに近付き、空中高く投げ上げて、軽々と受け止めたのである。
そして、少しずつ力を込めていき、彼が苦痛に感じた強さでしばらく止めたのである。
そこから力を込めたり、緩めたりを、繰り返したのである。
渥美がして欲しい事は、明らかである。
自分より強い女性に強く抱きしめられる事で、あった。
渥美の本質は、明白である。
不二子は、もう一度彼の身体を天井に付くほど投げ上げた。
軽々と受け止め、そして再び強く抱きしめたのである。
その後で、椅子に優しく下ろしたのである。
渥美は非常に満足したのであるが、少々自分を見失ってしまった。
落ち着きを取り戻すには、10分以上も時間が掛かった。
そして、ようやく話し始めたのである。
さすがは渥美である。
不二子の魅力を、いち早く発見したのである。
誰にも気づかれたくない部分であろう。
「占っている訳ではありません。
将来が楽しみな4人組です。
素晴らしい夏休みを過ごして下さい。
それから、こちらから声をかける時には、力を貸して下さいね。
よろしくお願いします。
また逆に、そちらが困った時には連絡して下さい。
最後に、身体のサイズだけ測らせて下さい。
直ぐにでも、アルバイト程度のお仕事が出来るように、ユニフォームの準備だけはしておきたいのです。」
4人は、社長室を出て、更衣室で女性社員から1人1人採寸してもらった。
レースクイーンかコンパニオンのユニフォームを作ろうとしているように思えたのである。
揃いの服装をしているほうが、個性が発揮される仕事もあるのだ。
そう言うフェチも、有りである。
感じるならば、何だって良いと言う訳ではないが。
最後に、野田島とあいさつをして、4人はプロダクションを出たのである。
1学期は後残すところ、1日だけである。
やっと夏休みが来たような気がする4人であった。
彼女たちも、気が休まったであろう。
緊張が緩んだのも仕方がないであろう。
《9》 夏休みが始まる
今から、楽しい夏休みの始まりなのである。
不二子は帰宅をした。
いつものようにトレーニングをし、風呂に入り、夕食を食べ、復習をしたのである。
宿題は無かった。
携帯電話を見ると、渡部からメールが入っていた。
「緑山学園は、やっと夏休みだね。
私たちは、もう夏休みも半ばって感じだけれど。
どこかへ、一緒に遊びに行かない。
私たち、お金になるバイトを始めたの。
手伝ってくれないかなあ。
不二子ちゃんが来てくれると嬉しいのだけれど。」
どういう返事をしたら良いのか、少し悩む不二子であった。
「渡部さん。
どんなバイトなの。
私たち、実はスカウトされたの。
今日事務所に行ってきました。
芸能アーツというプロダクションなのよ。
どんな所か知っている?」
と返信したのである。
次に、日記を書き始めた。
「やっと、一学期が終わりましたね。
本当にホッとしました。
こんなに充実した時間が過ごせて、お父さんお母さんありがとう。
宇宙人さんありがとう。
楽しく海に行けるのね。
久し振りだなあ、海で泳ぐなんて。
今日の社長さん、なぜか分からないけれど、可愛かった。
北村さん、偉いなあ。
計画をしっかり立てている所は、感心する。
どうして、天文科学部に入っちゃったのだろう。
わからない。
夏目さんのお兄さん、変わった人。
でも、一生懸命に説明していたのは確かね。
あの理乃より小さいお兄ちゃん、どんな風になるのかなあ。
シンクロ率は、やけに高かったけれど。
バスケットボール部には、まだ行っていないけれども、楽しみだなあ。
力一杯使っても、良いのかなあ?」
そこまで書いて、寝ることにしたのである。