松坂家の秘密

カンソウ人(物語)・冷暖坊(挿し絵) 作
Copyright 2010 by Kansoujin (story)
Copyright 2011 by Reidanbou (picture)

★その7  仲良し4人組の夏 (続)

《1》   逆行

美沙子は、後部座席で不二子が寝ていると思っていた。
自分は、AMラジオを聴きながら、車の運転をしていると思っていた。
先ほどまでは、確かに運転をしていたのではあるが、今は奇妙なことになっている。
そう言うしか、美沙子には言葉が浮かばない。

景色が、後ろから前へと進んでいるではないか。
車が言うことを聞かないのではない。
自分が車の運転をしているつもりだったが、自分の身体が今は言うことをきかないのだ。
足は、アクセルをコントロールしているし、手はハンドルを回しているのではあるが。
その時にはまだ、美沙子には自分の意識があった。

バックミラーで後ろを見ると、不二子は眠っているのだろうか。
その美しい顔は、目が閉じられているのである。
美沙子にも寝ているのかどうか分からないが、動かない。
それだけは間違いない。

車は、バックしている。
それも、凄いスピードである。
今までと、時間が逆に流れている事を、美沙子は悟った。
美沙子の意識は、少しずつ薄れて来たのであった。

気が付いた時には、美沙子は自分が既に車に乗っていないのであった。
車から降りていて、自宅にいるのだ。
来ている服はトレーニングウェアであり、スリッパを履いている。
自分の覚えている情景のような、気がしたのである。

二階の自室からから、不二子が力無く、階段を降りて来たのである。
ダイニングキッチンまで、どうにかたどり着くと、こう言った。
その声は余話弱々しかった。

「ママ。
助けて。
・・・。
気分が悪いの。

本当なの。
私、もう一度・・・。」

そこで不二子は、ゆっくりと座り込んで、気を失ったのである。

3時間ほど前の画像が、記憶の中から呼び戻されつつある。
時間が確か逆行したのであろう。
同じことが、もう一度繰り返されるのだろうか?

人生のなかで、失敗した場面であれば、やり直しができたらなあと後悔することはよくある。
残念である。
しかし、今の美沙子には、やり直したいようなことは無かった。

再び、不二子を介抱しなければならない。
不思議な事って、あるものである。
時間が戻って、同じことを繰り返すのであろう。
そう思って不二子をよく見ると、あの時の不二子とは違っていた。
服装が、あの時とは違う。
今着ているのは、ワンボックス車の後ろで寝ていた不二子の服装なのである。

身長は208cm 体重は300kg以上 上から 368−55−308、脚長は132cmだった。
松坂家にある、特殊な体重計でも300kg以上は、計測不能であった。
急成長の後であるから、余震的成長が既にあって、それよりも大きくなっているのであろう。
不二子は、時間が戻ったけれども、身体は戻らなかったようなのである。
美沙子は、どう考えて良いのか分からなかった。


《2》   夢の中で

意識が戻ってくるに従って、不二子は自分の身体に、スイッチのようなものが入った事を感じた。
間違いなく、先ほどの感覚とは違った感覚であった。
比べてどうだとは言葉にはならないが、違うのである。

意識が戻ってくるに従って、自分の手の中に携帯電話が入っている事に気づいた。
携帯電話の中には、読んでいない着信があった。
そのことに、不二子は気付く。
意識がはっきりとしたのをきっかけとして、再び少しずつ意識が薄れていくのを感じたのである。
いつまで自分の意識が持つのか、あと2〜3分のような気がした。

変なことだが、覚めたと思った途端に、意識が少しずつ遠のいて来ている。
逆らうことが、出来ない。
不二子の体力をもってしても、どうすることも出来ない。

目が覚めたばかりなのに、どうなっているのだろう。
ここが、『グラマチカル』ではないのは間違いないが、何処なのだろう。
それすらも、よく分からない。
家かも?
考えていては、先に意識を失うかもしれない。

目は、素早くメールを追いかけた。

「理乃ちゃんたち、いまN。

南美から。
どうしたのだろう。

一美から。
メール。

明日の海は中止。
えっ。
行きたかったのに。

明日集合。
みんなで会う。
午後・・・。
『ゆめじばと』・・・。

私、どうしたの。
目の前が真っ黒。

時間が前に戻っている。
だけど、私は既に急成長した後なのに。」

不二子は、階段を何とか降りて、ダイニングキッチンに身体を運んだ。
ここからは、美沙子が見た所である。

「ママ。
助けて。
・・・。
気分が悪いの。

本当なの。
私、もう一度・・・。」

不二子はそこで、記憶を失ってしまった。
美沙子は再び、不二子を布団に運んだのである。
先ほどよりは、随分と重い不二子である。
今回は、姉たちの力を借りなければ、布団に運ぶことが出来なかった。
不二子は、一日に2回も急成長することになった。
姉たちは、大喜びである。

ここからは、先ほど同じで、再び不二子の夢の中の出来事である。

夢の中では、人の姿が大きくなったり小さくなったり、液体のように流れたりしていた。
人と言うか、生物であることは間違いないのだが、はっきりと姿が形になっていないのだ。
さっきと一緒だ。
夢の中で、不二子は思っていた。

「不二子よ。
大きく成長する予定なのだが、お前は大きくなりすぎてしまった。
その為に、筋肉の比重が一般人のそれと比べて、比重が1.3程度になる。
見た目は少し大きくなっただけであるが、体重は随分と増加する。
理屈はもういいだろう。
比重だよ。
今回はどうなるか、こればっかりはやってみないとわからない。
どこの星でも、科学の進歩と現実的な技術との間の乖離は存在する。
中2の不二子君には、難しい言葉が多かったかも知らんが・・・。
バイバイ。」

夢の中でも、この生物が語った言葉は忘れることはできなかった。
宇宙生物というか、宇宙人と言うか。
視覚的な情報は未だに、教えてくれないのである。
不可能なのかもしれないが。

「ここまでは、先ほどと同じだが、時間が戻る事で急成長が2回連続で起こることは、計算に入れていなかった。
時間を逆行させたのは、私たちの仕業ではない。
今は、説明出来ない。
出来るけれども、不二子のことを思ってしないのではなくて、本当に説明することが不可能なのだ。

私たちの思いとは一足先に、何カ月か先のことが起こってしまった。
まだ起こってはいないが、これから起こる。
4回目の急成長のことは、想定外の事ゆえ、チームリーダーの私が、これからしっかり考えなければならなくなった。
戦略の立て直しであるのでが、不二子の生命に危険が及ぶことはない。
私たちと意思疎通することが、より上手く出来るようになるということである。

私たちとは、脳細胞を利用するのではなく、筋肉で意思疎通を行う。
筋肉量がある一定の質量を超えると、意思疎通は双方向で行うことが可能となる。
今度は間違いなく、その重さを超えるのだ。

まるで占い師のように、そんな超能力ではなく、本当に予言的に未来予測が可能になるのかもしれない。
要するに、超乳がある一定の大きさを超えると、私たちと比較的自由に遣り取りが出来るようになるのだよ。
超乳の大きさが問題なのだよ。

ハッキリ言うと、君の乳房の中にある、M乳腺の大きさだよ。
(夢の中であったが、不二子はちっともハッキリ言っていないではないのかな?
突っ込みを入れていた。)

ただ、超乳超尻が限度を超えると・・・。
現実社会での生活に困るかも知らんが、不二子の事だから、大丈夫だよ。
私たちに任せておきなさい。
悪いようにはならないことは、博司や美沙子を見たらわかるだろう。

君は、二人の愛の中で生まれて育ったのだから、疑いはしないだろう。」
宇宙人の話はそこまでであった。

不二子にとっては、今回の急成長は、直前のそれよりももっと苛酷であった。
温暖化現象の影響は、こんな所まで及ぶのである。
太陽の光を浴びておいてよかったのは間違いない。
しかし、体力的にも消耗したのである。


《3》  急成長が終わって

不二子が目を覚ましたのは、7時を回っていた。
そのあたりも、変わりはない。
目を覚ますと直ぐに、美沙子と姉たちが傍にいるのが見えた。
「不二子。
今回の急成長は、脂汗をたくさんかいているよ。」
「これを飲みなよ。」
亜里沙と香里奈は、適度に冷えたスポーツドリンク入りの麦茶を用意してくれていた。
ゆっくり飲んだつもりだった。
そして、不二子はもう一杯欲しかった。
雰囲気を察して、亜里沙がもう一杯を持ってきてくれた。
今回は2杯目の麦茶も、十分冷えていたのである。

どうも、松坂家の人々にだけ、時間逆行したことが分かっているようなのである。
他の人には、記憶に残っていないようだ。
まだ、結論付けるのには早いが。

「私たちも急成長の事がよく分かっていなかったけれど、さっきの不二子の急成長を見ていて、いろいろ分かったわ。
御免ね。
パパから言われて、ビデオに撮ったの。
不二子の急成長の様子。
また、後で見たら良いけれど。
どうでも良いって言ったら、そうかもね。」
亜里沙はそう言った。

「さっき、不二子のメールを盗み見したけれど。
夏目理乃って子。
大きくなっているね。

私たちも、興味があるのよ。
私たちよりも、超乳超尻になっているなんて、悔しいじゃない。」
香里奈が、対抗心を持っているのである。

「私たちも、『グラマチカル』に行くことにしたの。
分かった。」
亜里沙が、そう言った。

不二子は、立ち上がった。
先程でも、姉たちよりも10cm高かった身長が、今や見上げるほどの高さになっている。
高めに作ってあったこの家でも、天井に頭が届くほどである。
長身者特有の顔が長い感じは無く、丸顔で小顔の美人であることに違いは無い。
しかし、首が太いのが少しだけ残念な所である。

「良くそんな身体で、動けるね。」
香里奈が言うとすかさず、不二子は言った。
「大丈夫よ。
逆立ちぐらいは出来るし、バレーボールのネットぐらいは飛び越せるよ。
香里奈姉さんの体重は、150sぐらいでしょう。
それぐらいの重さなら、投げるのは簡単よ。
どれぐらいの高さまで、飛んでいくだろう?」
「不二子、御免ね。
力が強いのは、分かりすぎるほど分かっているから。
じっとしていていいから。」
さすがに香里奈も、慎重に言葉を選んでいるのが、不二子には可笑しかった。

美沙子は、不二子に服を持ってきてくれた。
問題なく着ることができた。
大きくなることを予想していたというよりも、簡単に作った服である。
木綿のシーツ製の、竿頭衣である。
まるで、飛鳥時代の庶民の服装である。
下着を着けていないのは、その時代と同じである。
不二子が寝ている間に、美沙子が加藤から聞いて作ったのである。

「裸で、計測しなくても良いよ。
とにかく、適当に測るからね。」
亜里沙が言った。

「身長は248cm。

体重は不明。
体重計がエラーを表示しているよ。
バストを測るのも、ヒップを測るのも大変だよ。
メジャーを、2回もやり直さなきゃ駄目なの。
少し待っていてね。

上から 547−78−501。

不二子の身体のバンランス、とっても変だよ。
脚が長すぎ。
脚長が、172cm。
脚長率はね。
何と69.4%もある。
不二子に跨がれてしまう生徒は、クラスに何人もいるだろうね。」
亜里沙が言うとすかさず、香里奈が言った。
「太股が太すぎて跨げないよ。
実際のところはね。

さすがにウエスト55cmよりも太くなったね。
だけど、腹筋の割れ目に、指が入りそうだよ。
すごい腹筋だね。
きっと、腹筋で、10円玉曲げられるよ。」
「香里奈姉さん、うるさ過ぎ。
何か、言いたいことがまだ有るの?」
「ありません。」

「香里奈さんは、いい加減にしなさいよ。
不二子さんは、我慢をしてね。

それにしても、こんなに成長しても、不二子の身体ってとっても美しいね。
おっぱいの形も、お尻の形も考えられない程美しい。
肌の美しさは、信じられないね。
どこにもセルライトなんか無いよ。

筋肉の美しさも、ここまで来るのね。
こんなになるなんて、親の私にも信じられない。

傷も無ければ、ホクロだってないなんて。
曲面が滑らかで、信じられない程の素晴らしさ。
そんな大きさに、整形する筈がないでしょう。

間違いなく本物だって、誰にも分かる。
顔も完全に、左右対称になったね。
ホクロが2つ残っていたのが、無くなってしまったね。

人間の身体とは思えない、美しさだね。」
美沙子は、惚れ惚れするような言い方で、思わず言ってしまったのである。
美沙子はどんな基準で考えているのだろうか?
誰にも分からなかった。

「裸になって、前に教えてあげた、ポーズを取ってごらん。
写真に撮るから。
いろいろやってご覧よ。
お店に行くのが遅れても良いから。」

不二子は、1人で考えていた。
ポーズを取って、写真に撮られながらも、疑問は解決しないのだ。

『グラマチカル』に行けば、正確に測ってもらえるだろうが・・・。
体重身長も、バストもヒップも、大きくなってしまった。
いくら美しくても・・・。
この大きさは、どう考えたらよいのだろう。

でもこんな身体で、どうやって生きていけばよいのだろう。
こんなになった意味は何だろう?
誰も答えてくれないのは間違いない。

お店に行けば、夏目たちも、まだいるかもしれない。
時間が戻ったので、そのあたりの事は、時間が戻る前と変化がない。

(理乃の身体は少し小さくなっている筈だ。
お姉ちゃんたちやママの小さくなった服が合うかもしれない?
ブラジャーとか、ショーツとか。
私は最初から、駄目だってわかるほど大きくなったけれど。
残念がっているのかなあ、それともそんなことは気にしていないだろうかな。)

不二子には、予感のようなものがあった。
姉たちよりも夏目が、超乳超尻に成長する筈がない。
もしあの画像が本当ならば、今はそれよりも小さくなっている筈である。
今までには、無かった事である。
色んな事が、予測出来るのである。
乳房の中の、M乳腺の大きさがある重さに近付いてきたのである。
ところで、M乳腺とは何なのだろう。

不二子も、母親美沙子のM乳腺からでる特別なミルク混じりのミルクを飲んで、身体の遺伝子が変わったのだ。
遺伝子接種と不二子のおしっこの力では、たかが知れている。
姉たちとは違う。
きっと夏目はそうなると感じたのだ。

このままでは、筋肉に対して脂肪が付きすぎて、夏目は動くことも立ち上がる事さえ出来なくなるかも・・・。
私に繋がる者が、そんなことになってはならない。
不二子には、未来のことが伝わっているのだ。
今回の急成長で、ハッキリと変わったことなのである。

夏目に渡す服の事は、きちんと伝えた。
自分の小さくなった衣服は、夏目には必要ないことが分かっていた。
177−55−152のサイズには、夏目はまだなれないから、焦りを生むだけだろう。
しかし、夏目の心の中の事までは、分からない。
今の所は。

何十枚も写真を撮った後で、美沙子はやっとOKを出した。


《4》  車に乗り込んで

車に乗って、不二子はメールをした。

「メールを読んだよ。
これから、私もそっちへ行くよ。

理乃ちゃん、急成長したみたいよ。
良かったね。
思うような急成長だった?

私も大きくなったので、きっとびっくりするよ。」

店に着くまでの時間、夏目理乃と不二子は、メールのやり取りをしていた。
思っている事の3割は、メールにしなかったが・・・。
理乃はまだ、ABM装置に入る順番待ちをしていたようである。
順番は、今のところ最後から2人目であるらしい。

美沙子は、AMラジオを聴いていた。
不二子には今日は、特に話をすることも無かった。
里帰りするときにでも話をすれば良いのだろう。

海外の話題を特派員の女性がレポート中である。
海外勤務のサラリーマン夫人か海外の大学に勤務する女性が、司会者のアナウンサーと話をしているようである。
芸能関係の話題の局の放送は好きでは無いらしい。
博司にも、海外の大学から話が来ているのかも知れない。

車の後部座席で、亜里沙と香里奈は不二子の事で、噂話をしていた。
友だちの急成長、とくに夏目理乃の事。
だんだん声が大きくなり、今やしっかり聞こえていたが・・・。

美沙子にも。
不二子にだって。

「ママ、お腹が空いてしょうがないのだけれど。」
不二子はそう言ったのである。

急成長後、不二子がまだ何も食べていないのに美沙子は気付いた。
これは、大変である。
慌てて、大手牛丼チェーン店に入った。
この際、何屋だってかまやしない。
大盛りのメガ牛丼弁当を6人前頼み、車に持ち込んだ。
不二子をこの格好で、車から降ろすのは可哀そうである。
隣のコンビニで、1?入りの牛乳を2本買い込んだ。

人数と合わない分は不二子が何とかするだろうと、美沙子は思っていたし、その通りになった。
今、不二子の身体には、脂肪と炭水化物とカルシウムが必要なのだ。
不二子の頭髪は、身長よりもはるかに長く、3m近くある。
その頭髪が、炭水化物を蛋白質に変えているのだ。
牛肉を食べて摂取しようとすれば、お金が掛かってしょうがないだろう。
余震的成長の為には、必要なのはカロリーなのである。

車は、渋滞の中少しずつ、N暮里に近付いて行った。

店に着くと、不二子は理乃を探した。
見つけると、2人は挨拶もせずに、抱き合ったのである。
不二子が慎重に抱いた積りだったにしては、理乃は随分ひどい目に会ったのである。
身体全体が、不二子の乳房に挟まれて、手を離しても抜けなかった。
しばらく理乃は空中でもがいていたが、それに不二子は気付いて、床に降ろしたのである。

「今、どこまで進んだの?」
不二子が、話をしようとすると、理乃は自分のペースで話し続けたのである。
「不二子。
顔は、前よりも綺麗になった気がする。
バストもヒップも、本当に大きくなったね。
さっきは、超乳に挟まれて、慎重183cmの私が空中に浮いてしまったの。
超乳というには、大きすぎるよ。

2回も急成長が続いて、こんなになったのね。
私、不二子に追いついたと思ったら、少し小さくなってしまったのよ。
不二子ったら、こんなになるなんて、想像できない。
やっと、追い付いたと思ったのに。
176cmより、背が高くなったと思ったのに。」

「私ならば、大丈夫よ。
理乃は、亜里沙姉さんや香里奈姉さんみたいに、筋肉質ではないから。
これから鍛えないと、大変なことになるよ。

このことは分かっていて。
小さくなったのではなくて、歯止めをかけてもらったの。
フェイルセーフなの。

今のサイズは聞かなくても分かるのよ。
身長183cm、体重は132kg、上から 152−72−133 脚長96cmでしょう。」
「どうして分かったの。」
「これで、満足できたでしょう。
理乃も、これからが大変なのよ。
私みたいになりたいと、本当に思っているの?
思っていなくても、あと一回急成長するかもしれないからね。
備えなくては。

覚悟しなさいよ。
理乃の服は、お姉ちゃんたちのお下がりがあるので、便利だと思うよ。
残念ながら、私のお古は理乃には、まだ大きすぎるからね。
詳しくは、ママに聞いてね。」
「じゃあ、不二子のサイズはどうなの?」
「自分の事は、機械で精密で測らないと分からないのよ。
まだ、じわじわ成長中だから。
少し待っていてね。」

不二子は、加藤に導かれて、AMB装置に入って行ったのである。


《5》    帰宅して

『グラマチカル』から帰宅したのは、夜も遅かった。

風呂にも入り、何時ものように日記を書いた。

「今日は、慌ただしい1日だった。
2回も急成長するなんて、どう考えたらよいのか分からなくなくなります。
AMB装置に、1時間も入るとは全く思いませんでした。
でも、自分の身体が少しずつ重くなっていくのは、分かりました。
加藤さんも、私の筋肉の比重が増えているところだとは、思う筈がありません。
装置の中から、大声で『筋肉の比重が増加中』と言った時の、眼を丸くされていた表情は忘れられません。
パソコンを繋いで、随分とカチャカチャと、キーボードの音がしていました。

力が強くなっているのだろうなあ、という感じがしました。
重くなった分、跳ね返す感覚が足の裏にありました。
でも、あの機械の中で動いて、高そうな機械を壊したらいけないからムズムズ動きたいのを我慢していました。
身体が、丸くなった感じはわかります。
脂肪の層が平均的に厚くなったというのでしょうか。
大人の女性に、近付いたのかもわかりません。

服は、明日の朝は間に合わないそうです。
朝から家で、ママが作ってくれた飛鳥時代みたいな服を、着ていたら良いのです。
お昼ごろに届くらしいです。

(注文が殺到したのかな?
私と理乃と南美。
後で、一美も成長したのだって、加藤さんから聞いた。
一美がその事を、メールしないって、なぜかなあ?)

色んな事が分かるようになっても、他人の心の中は分からない事ばかりです。
どうして成長したことを、一美は教えてくれないのでしょうか?
今の私には理解できません。

(今の私には、聞かなくても皆のサイズぐらいは分かるようになった。
嘘を言っても、ばれてしまうよ。)

私が分かる範囲で、サイズを書いておきます。
多分当たっていると思います。

南美、身長182cmで、体重が95kg、脚の長さが92cm。
上から。
(不二子はここで少し、上を向いて頭の中に何かをイメージさせた。)
124−63−108。
筋肉質で、格好良い感じがします。
私は、筋肉質では無くて、筋肉だらけで筋肉まみれです。
だから、憧れています。

理乃は、身長185cmで、体重が152kg、脚の長さが98cm。
上から、153−68−148。
脚長率が、53%もあります。
お腹には、脂肪がタプタプと余っています。
抱いてみたら、柔らかかった。
そこが女性的で良いのです。
筋肉をトレーニングで増やさないと、動けなくなるかも知れません。

(一美のも、分かるのだから。)

(不二子は、先ほどよりも時間を掛けて、頭の中に何かが浮かぶのを待っていた。)

身長172cmで、体重が118kg、脚の長さが84cm。
皆の中では、脚が短いしウエストは太いけれど、男子には一番人気があるような気もします。
上から、148−74−158。
随分と、お尻の大きな格好ですが、そこが魅力です。
また、喜多村屋が繁盛すると思います。
狭い通路が通れるか少しだけ心配です。

私は。
身長258cm、体重823kg、脚の長さが180cm。
脚長率は、70.0%にもなりました。
上から、598−58−552。



巨体ですが、823kgも体重があるようには絶対に見えません。
400kgぐらいは、少なめに言っても、誰にも想像出来ないと思います。
これから体重を言う時には、嘘を言う事にします。
『体重は、400kgは行っていません』って言います。
宇宙人さん、良いですね。
重くはなりましたが、数字ほどは大きくなっていません。
まるで、サイエンスフィクションの世界の出来事みたいです。
でも、本当です。
首の筋肉や腹筋・背筋などは、比重がもっと高いに違いありません。
だからこの細さでも、支える事が出来るのです。
この長くて太い脚を、交互に動かして歩くのでさえ、簡単なことではないと自分では理解出来ています
とにかく、肯定的に捉えることが大切だと思います。
私の血液型は、A型だから開き直るのが得意なのです。
鏡で自分の顔を見ていると、本当に綺麗になったのだなって、自分でも思います。
目が大きくて、睫毛が長いのが好きな所です。
こんなに大きな目をしている人って、芸能界にもいません。
『これが本当の私なのだ』と思いながら、見惚れています。
他人には、私の苦労など分からないと思っていた方が良いようです。

明日の午後3時半に、夢時鳩に集合です。
電車に乗るのも、どうなるか心配です。
座れれば、座高は低いから大丈夫なのだけれど。
肩幅が本当に広いから、通ることが出来ない所もあるかも知れないです。

グラマチカルでも、今度ばかりは無理かも知れないと言われたのが、気になります。
ショートパンツにもスリットが入れないといけない、それでもお尻の割れ目が隠せないかもしれないって言われました。
ブラジャーは、もう作れないかも知れないと言われました。
こんなに大きなおっぱいでも、垂れないのだから、無くても困らないと思います。
でも、ブラジャーをしないのは、変だと思います。
本当に、明日の昼には衣服が届くのでしょうかね。

それから、皆はこれから、どうするつもりなのだろう?
こんな身体になって、世の中の扱い方が変わるのでしょうか。
本当に4人並んだら、凄い姿だと思います。
写真に撮ってもらいたいです。

とにかく今夜はぐっすりと寝ようと思います。
宇宙人さん、ありがとう。
みんな喜んでいると思います。
私も嬉しいのです。
本当です。

そうそう、髪の毛のことですが、230cmで切っても良いでしょう。
余り長いと、日常生活で困ります。

とにかく、そう書かせて頂きました。」


《6》    朝起きたら

不二子は昨日の晩は、たくさん夕食を食べて、風呂にもゆっくりと入って深い眠りについた。
朝6時過ぎには、目を覚ました。
頭を打たないように、不二子は慎重に行動している。
寝巻も、昨日来ていたのと同じ形の竿頭衣である。

鏡を見て、変わったところは無いか、観察をしていた。
今までには無かったのは、乳首の形がハッキリと分かることである。
不二子は何となく、恥ずかしく感じたのである。
竿頭衣を脱いでみると、巨大な乳房に似合わない、ピンク色の小さな乳輪が大きく変化しているのである。
そして、乳首が大きくなっていた。

こんなに大きな乳首だと、赤ん坊が口に咥えることが出来るだろうかと、心配なほどである。
乳首が必要になるなど、まだまだ先の話であると、中学2年生なら思うであろう。
自分の太い指で、乳首を摘まんでみると、自分で触ったのに不二子の身体に快感があったのである。
不二子の乳首は、おそらく相当に敏感な方なのであろう。
もっと触っていたいような欲求があったが、とめるべき時間である。

バストのかなり大きな女優が、自分の乳首を舐めるシーンがアダルトDVDにはよくある。
セルフとか言う、自慰行為の事である。
不二子の乳首は遥か先に在り、バストが余りも大き過ぎて舐める事など、出来はしない。
そもそも、不二子の性格では、自分の乳首を自分で舐めるような事に気が付く筈が無い。
夏目ならば、クリトリスの刺激とセルフは既に始めていた。
それも、バストの成長の為であることは言うまでもない。

不二子の陰部には、昨晩までは産毛のような毛が、うっすらと生えていたのである。
今日見ると、脇の下にも、陰部にもふさふさと、毛が生えているのである。
日本人の平均的なそれよりは遥かに濃く、剛毛といっても差し支えなかった。
そして、その毛を掻き分けるように、大きなクリトリスが割れ目を拡げて、外へと飛び出している。
幼稚園児のオチンチン程度の大きさはあった。

不二子の身体は、攻められると弱いのである。
性的な攻撃力も強いものがあるのに、受けることも十分以上の体つきをしているのである。
身体の大きさ以上に、これらのパーツは巨大である。
この頑丈な体格無しには、この大きくて敏感な二つの性感帯だけでも、耐えきれない程の快感があることが予想される。
首筋や太腿など、性感帯の広さは人並み以上であるのは、言うまでも無い。

とにかく、不二子は、これからも下着無しで過ごすことは出来ないことを、悟ったのである。
たとえ作ることは出来なくても、下着無しで良いと自分で言うべきではない。
当たり前の事である。
ただでさえ目立つこの肉体を、これらの物で余計に目立たせる必要は無いのだ。

とにかく、急成長ということは出来ないが、別の意味での成長が此の夜にはあったのである。
それは、質的には大きな変化である。
不二子の内面的に、成長があるはずだった。


《7》   朝食とトレーニング

不二子は例の竿頭衣を着て、階段をそろそろと降りたのである。
階段を踏み外したならば、この体格では大怪我をするし、誰かに大怪我をさせるかもしれない。
自分ではまだ良く分からないが、力の強さも今までですら非常識であったのに、今やどれ程のものであろうか。
簡単に、物を壊すことがあると、経験上不二子は分かっていた。
しかし、お腹が空くのである。
先に、栄養分を使って成長した後に、栄養を摂取していくのである。
栄養分が未来から過去へと、時空を飛んでいるのだと、かつて説明された事があったが、数式などは使っていなかった。
理論的というよりは、感覚的な説明だった。

松坂家は、家が大きめに作ってあったし、頑丈な造りであった。
博司には、何か不二子の成長を予感していて、こんな家を造ったのだろうか。
詳しい事は分からない。

食卓についてみると、座高はそれほど伸びていないので、椅子から尻が少しはみ出すことを除いては問題がない。
今まででも、かなり大きめの椅子や食卓だったのである。
「お早うございます。
ママ、昨日は何度もN暮里まで、ありがとうございました。
こんなに素敵な、竿頭衣を二着も作って貰って、慌てさせて御免なさい。
昨日は、私自身がビックリしていて、落ち着いて無かったみたいです。」
不二子は言った。
「不二子さん、おはよう。
一晩で、大人になったみたいだね。
何か、変化でもあったの?」
美沙子はそう言いながら、不二子の姿を見上げるような上の方から下まで見回した。
「あったみたいだね。
乳首が大きくなっていて服の上からでも良く分かるし、クリトリスも外から見えるほどに成長しているのね。
不二子さんは知らないかもしれないけれど、乳首って大きさが変わるのよ。
今が大きい時なのか、それとももっと大きくなるのか。
聞いても分からないだろうね。
しゃがんでごらんよ。」
美沙子はそう言うと手を上に伸ばして、不二子の乳首を竿頭衣の隙間から手を入れて、刺激をし始めたのである。
今の不二子の超尻は、完全に美沙子の顔より上に在るのだから、仕方が無い。
「大きな乳首だね。」
不二子は、美沙子の尻に大きな手をあてがって、美沙子を持ち上げたのである。
美沙子の体重は150kg近くあるのだ。
今の不二子には、150kgだろうが、たとえ500kgだろうが、同じような物なのである。
「あれれ。
不二子さん、重くは無いのかな。」
「ちっとも。
それより、私の乳首の事、もっと教えて。」
美沙子は、指先から今度は、てのひらで転がすように刺激をした。
「ママ。
簡単には、言葉で言えない程の感覚なの。
とっても、良い気持ちがする。」
「不二子の、おっぱいを上から眺めたけれど、凄い大きさね。
雄大な風景ね。
胸の谷間が、こんなことになっているのね。
昨日は、夏目理乃ちゃんが、挟まれていたね。
あの子も、相当大きな身体なのに。

不二子さんの、乳首は大きい上に敏感なの。
きれいなピンク色で、大きいのは珍しいのよ。
不二子さんの身体の、素敵なパーツがまた一つまた一つと増えていくのね。
好きな男の人に刺激されると、身体にいろいろと準備が始まるの。
簡単に触らせではいけない。
触り方だけれど、これだけ大きいと色々な方法があるのだと思う。
頑丈そうだから、きつくされるかも知れないけれど、不二子さんの乳首は敏感だから軽くされるだけで良いのよ。
ハッキリと言ってあげなさいよ。
言って良いのよ。
大丈夫だから。
そんなことで壊れる関係ならば、あなたの身体目当ての連中よ。
男だろうが女だろうが、おかまだってレズちゃんだってね。
大切にしなさいよ。

お尻も凄いのね。
もっと、見えやすいようにして、この超尻が上から見える所へね。
高い所に上がらないと、こんな素敵なモノが見えないのね。
脚も太いけれど、そこからこんなに突き出しているお尻は想像したことも無かった。
普通の人の、頭の上の話なのね。
亜里沙や香里奈を座らせてやってごらん。
きっと、不二子さんに対する態度が変わるから。
不二子さんならば、きっとあそこへ行っても良い成績を取って来るだろうね。」
「えっ。
どこなの?」
「身体だけが目当ての連中には、ハッキリと言ってやって良いのよ。
裸になって、やれるものならやってごらんなさいよ。
昔の山口百恵さんみたいに、そっちのせいよ?
なんてね。

そろそろ下ろして。
朝ご飯を食べてね。
椅子に座る時には、注意をしなさいよ。
お尻で、椅子を潰してしまうかもしれないから。」

不二子は、それから朝食を食べた。
好きな納豆を数パック。
美沙子が用意してくれた朝食は、相当の量であった。
お腹が空いていたので、たくさんの量を食べていた。
チキンステーキ、鶏肉のたたき、チキンカツなど好物ばかりであった。
生野菜のサラダも、たくさん食べた。
部屋に戻り、一時間ほど横になったのである。

その後、8時過ぎにはトレーニングを始めた。
トレーニング機器は、これほどの体格になれば使用できないが、バーベルは使う事が出来る。
好きなトレーニングは、あっという間に時間が過ぎて行ってしまう。
自分の体重より重いバーベルを使う事が出来たのは、不思議であった。
こんなに軽く感じるなんて、不二子は自分の力が今までとは比べ物にならない程である事を悟った。
急に力が強くなる体験は数回目のような気がした。

しかし、今回の感覚は今までとは全く違うところがあった。
これは自分の得意な事をしていると言う感覚があって、誇らしいのである。
こんなに重い物を持ち上げる事が出来るってことを、見せたい感じがあって、内に籠っていないのである。
人前で見せても、構わないなって思ったのである。
そう感じると、重い物が急に軽く感じて来たのだ。
心の中の抑制している部分が、急に抑制しなくなったのである。
筋肉を使っているうちに、自分のこの身体が愛おしく感じられて来たのである。
不二子の表情も明るくなり、鏡でフォームを点検しながらも、急に美人になったような気がしたのである。

10時を過ぎて、トレーニングは終わった。
カームダウンをしている間に、美沙子に髪を切ってもらったのである。
切った髪の毛は、50cm近くも有り、売ると相当な値が付くであろう。
直毛で、真っ黒で太い髪質で枝毛なども無い色艶の良い頭髪である。
染めた形跡が全くないのだから、買い取る方でも誰のものか想像も付かないであろう。
誰を今度は飾るのであろうか、間違い無く高級品である。
これほどの頭髪ならば、付けた人は自分の頭髪がみすぼらしく見えるだろう。
それでも、高級品である。

玄関の呼び鈴が鳴った。
美沙子が玄関に出た。
不二子には、それが『グラマチカル』からの宅配便であると、感じられた。
自分勝手ではあるが、汗をシャワーで流すことにしたのだ。
下着を付けるのに、汗をかいたままでは嫌だったからだ。


《8》   段ボールの中身

美沙子が受け取った宅配便は、大きな段ボールに3つもあった。
不二子の身体が大きいのと、加藤さんの立体的な服の作りとで、かさばるのである。
先に、亜里沙と香里奈がやってきて、段ボールを開けてブラジャーとショーツを見つけ出していた。
不二子が楽しみにしていたのは、ブラジャーとショーツである。
バスタオルを肩にかけて、不二子が現れると、亜里沙がブラジャーを香里奈がショーツを差し出した。
二人は既に、身に付けて大きさを確認していた。
不二子が何にも言わなかったのは、自分が遅れて来たからである。

さすがは、『グラマチカル』である。
不可能と言いながらも、完成させているではないか。

不二子は、まずショーツを身に付けた。
お尻の突き出しが余りにも大きいので、振り返ってみるとお尻の割れ目がほとんど見えていた。
香里奈に下から見てもらうと、ヴァギナとクリトリスは見えなかったらしい。
聞いたりはしなかったが、反応が無かったのでそうなのだろうと想像しただけである。
だけども、お尻の突き出したお肉の部分は、布で隠す事がほとんど出来なかったのである。
仕方が無い。
これで良いとメールをしたら、色違いのショーツを作ってくれるのである。

次はブラジャーである。
亜里沙と香里奈が興味を持っているのが、今の不二子にブラジャーが着用できるかどうかである。
肩ひもは無く、チューブ式であるが、これだけカップ部分が大きく突き出していれば、ずり落ちる心配はない。
亜里沙と香里奈の目が釘付けになっていたのは、不二子の乳首であった。
「お姉ちゃん。
乳首が大きくなってしまいました。
少し大き過ぎかもね。」
不二子は、言われる前に説明したのである。
そして、ブラジャーを素早く着用した。
やはり、上から見ると胸の谷間が丸見えであるが、バストが左右に分かれていく所の手前からは隠れている。
鏡で見ると、へそのすぐ上から突き出しが始まっているバストの付け根は隠れていない。
上よりは、たくさんの部分が隠れていて、超乳を下からサポートしていた。
布の中には、丈夫そうな樹脂のワイヤーだ、この重さを支えているのだ。
炭素繊維を使う事を決意しましたと、小さく手紙が入っていた。
着け心地は、まあまあ悪くは無くて、不二子は安心した。
今日の香里奈は、カメラで不二子の着用した様子を撮っていた。
『グラマチカル』の加藤さんに添付ファイルをしてメールするためである。
加藤は、出来栄えに満足したようであった。
一着では足りないのは確かであるが、これが丁度良い事が分かると、あと二つずつ作ってくれるのである。

あと段ボールに入っていたのは、大きな靴下とスニーカー。
緑色のショートパンツに、紺色のティーシャツ、紺色のキュロットスカート、迷彩色の上下ビキニである。
それと、鮮やかな色の黄緑と水色の竿頭衣2着であった。
ショートパンツとティーシャツを着たのを、写真に撮って貰ったが、どうしようもないいやらしさである。
ジーンズと制服、体操服は後で作るそうである。
やはり、長い脚と細いウエストが作りにくさを生んでいるのである。
これからの人生、そうそう身体にフィットした物を着る事が出来る訳ではなさそうである。
諦める事、捨てることも大事である。

不二子の携帯に着信があった。
一美からである。

「お店からの宅急便届いた。
着て見たの。
私は大丈夫だったの。
ジーンズが無いと、お店のお手伝いがやりにくくてね。
これからお昼のランチの看板娘をして来ます。

3時半集合で大丈夫?
千葉のペンション、手伝いのバイト兼業ならいつでもおいでと言われていました。
近くのペンションに分けて働き手として。
みんなの写真を見せたら、簡単にOKだったよ。
さすが、このボディーのパワーは違うね。
芸能プロダクションにも、行ってみようよ。
何でもアタックしようよ。」

この着信を見ると、元気が出てくるのを不二子は感じた。
理乃や南美からも、元気なメールが何度も来るような気がした。

美沙子も姉たちも、不二子に元気が出てきたので、安心しているようであった。
客観的に見ても、不二子の服装はそれほどおかしく無かった。
彼女たちは、そのことも嬉しかったし、『グラマチカル』への信頼を深めたのである。
その後、家族で昼食を取った。
11時には、食べ始める早い昼食である。
不二子はここで、凄い食欲を見せたのである。

乾麺のうどんを3袋ゆでて、冷やしうどんにして食べたのである。
不二子の身体は、炭水化物を要求していたのであろう。
炭水化物は、髪の毛でたんぱく質に変えてしまう。
食後に、あと2袋ゆでて、一人で食べてしまったのである。
美沙子は、大学へ例のトレーニングルームのパートへ出かけたし、亜里沙は予備校へ出かけた。
香里奈は、女子バレーボールのプレミアリーグのチームへ見学と言う名の、練習に出かけた。

不二子はその後、また自分部屋でゆったりとしていた。
いつの間にか、1時間ほど昼寝をしてしまい、起きたのは12時30分を過ぎていた。

不二子は『グラマチカル』から届いた服に着替えて、直ぐに外へ出た。


《9》    どんな騒ぎを引き起こすのだろうか?

不二子は、白の下着に緑色のショートパンツに黄緑色の竿頭衣を着た。
ショートパンツだけでは心許ない様な気がしたのは、生身の肌を、出来るだけ露出しないようにと工夫した結果である。
色の組み合わせも良いような気がしたのである。
ティーシャツまで着てしまうと、何か面白みが足りないような気もしたのである。
頭髪が、身長よりも長くては困るので、地面すれすれまで伸ばして、きれいに切り揃えている。
長さは、240cm程になっている。
博司もこの程度ならば構わないだろうと言ったし、前日に宇宙人さんにもお伺いをしたのだから、問題はないだろう。

竿頭衣の裾は、膝よりも随分と下まで伸びている。
大きく突き出しているバストの方は、細いウエストで縛っているのであるが、それもデザインのような感じがする。
同じ突き出すにしても、ヒップの方はふとももで縛る訳にもいかず、随分長く垂れ下がり、ひらひらと揺れている。
まるで、チャイナドレスを着ているような感じだが、ウエストに皺が寄っているのは、違う点である。
身体の線をピッタリと出してはいないのが、不二子の中学生らしいところである。

身長258cmで脚長が180cm、598−58−552の体格の美人中学生が、この日初めて世の中に出たのである。
当然、超乳超尻であるが、もうその言葉では不二子の肉体を表わすのは無理である。
Jカップアイドルのバストを、超乳と言うのは間違いで、爆乳でしかないと不二子は肉体で主張する。
Mカップアダルト女優のバストを、超乳と言うのも同じような物である。
体重は823kgであるが、筋肉の比重の為であって、400kgには達しないように見えるであろうか。
実際は不二子の肉体を数字で言われても、誰にもイメージ出来ない世界に彼女は足を踏み入れているのだ。
虚偽の体重を申告したからと言って、誰にも嘘とは見抜けない。

私鉄の駅までの道のりを、長い脚を使って速足で歩いて行く。
いつものことであるが、そのスピードは今までよりも早い。
2回の急成長前よりも、75cmも脚長が伸びたのだから当然だ。

美しい頭髪が、夏の風になびいている。
150cmは、赤いゴムひもでくくっているが、その下の方90cmは乱れるに任せてある。
遠くから見ていると、巨大な尻が左右にリズミカルに揺れているのが美しい。
直ぐ側に来ると、その肉の塊が人の頭の上の世界なのである。
余りの迫力に、驚きその場に座り込む人々を振り返りもせず、不二子は駅へと歩いている。

あなたが、不二子の後ろ姿を、もしも遠くから見るとする。
巨大な尻肉の突き出す所が、大勢の人たちの頭越しに、丸見えになる。
尻幅は間違いなく、1m以上はあるのだ。
もしも前から見ると、人々の頭のかなり上に、巨大な乳房が突き出しているのが見える。
肩幅は、尻幅よりも広く乳幅は、それよりも広いのだ。
不二子は、呼ばれても振り返ることすら出来なかったが、今ではバストもヒップも空を切って、誰にも当たらないだろう。

しかし、不二子の近辺では大騒ぎなのである。
身体の幅が広くて、不二子の思うほど前に進めないのだ。
しかし、そのうちに不二子に道を開けるようになる。
周りから間隔を、おかれてしまうのだ。
不二子の近くには、どうも居辛い様である。
少しずつ、遠巻きになって行くのと、遠くからでも不二子の姿を見ることが出来るからである。
余りにもセクシーなカリスマが在り過ぎて、そばに行くのは男女を問わず恐れ多い感じがするのかもしれない。

看板に描かれた美少女が、その縮尺のまま現実にそこに存在するのだ。
しかも、夢のような超乳超尻である。
白くて健康的な肌。
180cmの長くて太い太腿が、竿頭衣の隙間からチラチラと見えるのが、豊かな肉体美を暗示する。
まるで、夏の太陽を浴びた女神のようである。
美しいと言うのも、言葉が軽すぎると思われた。

女神が、駅に入って行く。
自動改札機が、不二子の身体の幅が邪魔をするように思えるだろう。
長い脚なので、跨いで通り過ぎていく。
頭を打たないように、注意深く、先を読んで不二子は歩いていく。
上からぶら下がっている蛍光灯の類が、一番危ない。
何度か、頭で蛍光灯を割る所であったが、なぜか当たらないで済んだ。
不二子の頭の中には、ナビゲーションシステムの画像のようなものが、浮かんでは消えているのだ。
頭に何かが当たりそうな所には、地図上で印が付いているようなものなのだ。
前もって、予想が立つのである。

危険を察知して、それは障害物とは限らない。
痴漢や不二子の姿を写真に撮ろうとする連中から、身を守るのに役に立つ。
不二子の竿頭衣の下からカメラを差し入れて、などのストーカー的行為は予知することで防げる。
時には、実力行使で相手から簡単にカメラや携帯を奪って、画像を消してしまうのだ。

遠くから狙われた物には、防ぐことは出来ないが、それは多くの人々が見ているので、情報の価値は下がるだろう。
ネット上を賑わすことは、間違いないだろう。
そんなことは、宇宙人も分かっているのだろう。
消そうと思えば不二子の手を煩わさなくても、宇宙人自らの手で、どんなことでも出来る。
不自然な事はしたくなかろう。

電車の天井は、低すぎて背筋を伸ばして立つ事が出来ない。
不二子は、座っている人たちに、言葉を掛けた。
「御免なさいね。
私、身長が高過ぎて、背筋を伸ばして立つ事が出来ないのである。
そこの、男性の方々。
席を譲って下さい。」

不二子が、視線を向けた方にいた3人の男性が席を立った。
一人は制服を着た高校生、20歳代と見えるサラリーマン、もう一人は壮年の男性である。
「ありがとうございます。
本当に御免なさいね。
感謝しています。」
笑顔で、頭を下げた。

座ると、不二子は風景にかなり溶け込みやすくなる。
美貌とプロポーションの凄さは、見る者を圧倒するのである。
不二子から言葉掛けをされた男性たちは、嬉しそうである。

不二子が座ると、3人分の場所が塞がった。
そして、両脇の若い女性が、席を立った。
不二子の直ぐ傍に座るのが、居心地が悪かったのであろう。
男性の目から、不二子と比べられるのが嫌だったのかもしれない。
誰も、比べはしなかったのだが、気にし過ぎである。

状況の説明ばかりになってしまうが、この美しい肉体で日常生活を送るには、無理があることを感じてほしい。
街を歩いたり電車に乗ったりも大変なのである。
しかし、不二子は平然としている。

私鉄のターミナル駅で降りて、N暮里へはここで地下鉄に乗り換えるのである。
夢時鳩、3時半集合には、随分と時間がある。
時計を見ると時間は、午後1時13分であるである。
余裕があるのだ。
不二子は、都心の繁華街でS谷を歩きたくなったのである。

身長258cm、598−58−552の美人中学生が、どんな騒ぎを引き起こすのであろうか?

不二子は、どんな使命を帯びてこんな繁華街に来たのだろうか?