全日本ビッグバスト選手権 その14

カゼリ 作
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わたし、葉山もものこれまでの人生はとても幸せなものでした。
岡山県のごく一般的な家庭に長女として生まれ、両親の愛情をたっぷり受けて育ちました。
そして今もすくすく育っています。胸なんて特に。

そう。わたしは何のとりえもない普通の女の子ですが、昔から胸の成長だけは人並み外れてました。
でも、お母さんは
「もものおっぱいが大きいのは、少しも恥ずかしいことじゃないのよ?」
と言って、小学校の入学式の前に特注のファーストブラを買ってくれました。
えーと……確かDカップだったと思います。
よく考えたら、あの頃すでにお母さんより大きかったんだなあ。
その後、わたしのブラは春と秋のたびに1カップずつサイズを上げていきました。

まあそれはともかく。
3つ年下の弟も一緒に、葉山家の4人家族は円満な日常を送っています。
もちろん、お父さんお母さんにはとても感謝しています。
だけど……わたし、がまんできないんです。

ことわっておきますが、この胸が原因でいじめられたことは一度もありません。
友達は、
「ももちゃんのおっぱい、すっごーい!」
「うちのママより何倍も大っきいよ」
「これで大人になったら、どんなおっぱいになっちゃうんだろ?」
「いいなぁ〜、うらやましい」
ってはしゃいで、わたしの胸を触ってきました。
悪気は感じないから、少しもイヤだとは思いませんでした。

あれは賞賛でこそあれ、イジメじゃなかったのに。
先生がその遊びを問題視するのに、時間はかかりませんでした。
Hカップになった小3のある日。女子だけが集められ、指導を受けました。
「友達の胸をさわる遊びは禁止」
「胸のことで人をからかうのはやましょう」
って約束させられたんです。
もちろん、友達はみんながっかりしてましたよ?
名前こそ挙がらなかったけど、明らかにわたしへの対策でした。
その証拠に、解散した後、先生がわたしだけ呼び止めてこう言ったんです。
「ねえ葉山さん、今までつらかったでしょう?でも今度から、イヤな事はイヤってはっきり断る勇気を持ちましょうね」
わたしは何も言い返せず、黙ってうつむくしかありませんでした。

ううん……もしかしたらあの時、先生をにらんでさえいたかもしれない。
だって正直、恨めしかったですよ!
一番キモチいいことを禁止されちゃったんだから!
胸をさわられるのがイヤな事なんて、先生の一方的な決めつけです!
正直に言います。
わたし、気持ちよかったんです。おっぱいをさわられるのが。
それこそ、物心ついた……ふくらみかけの頃から、ずっと。

先生に禁止されてからは、自分でさわるしかありませんでした。
だけど、どんなに激しくぎゅうぎゅう揉んでも、先っぽを自分でなめてみても、やっぱり物足りません。
一人じゃどうしても満たされないんです。

それでも、たまに先生の目を盗んでこっそりイタズラしてくれる友達の存在が、本当に救いでした。
けど、それも4年生まで。
クラス替えが行われた5年生の春から、わたしのおっぱいは「触れてはいけないもの」としてタブー視されるようになったんです。
さすがに高学年にもなると、友達も遠慮ぶかくなったんでしょうか。
それともLカップにまで成長した胸が、ついに「異様」と見られてしまったんでしょうか。
別に仲間はずれにされるとかじゃなくて、ただ、みんなうまく胸の話題だけをスルーしてくるんです。
それがもう、もどかしくてたまりません!

先生からもますます特別扱いされました。
身体測定は別室。体育の着替えまで職員更衣室を使うように言われたんです。
これにはどうしても納得いきませんでした。
だって不公平じゃないですか!?
5年生になって、せっかく友達の胸もふくらんできたのに!
今までさわられてばかりだったわたしが、今度はお返しにさわらせてもらえる番じゃないですか?

ここまできたら開き直っちゃいますけど、わたしのおっぱい好きは相当なレベルです。
男子にだって負けない自信があります!
さわられるのも好きですが、人のおっぱいを見るのもさわるのも大好きなんです!
だけどこの通り、気が小さいものですから……
自分から「さわってみる?」とか「さわらせてよ」なんて、とても言い出せません。

こうなったら最後の手段は弟ですが、
「えー、ねーちゃんといっしょにフロ?じょうだんじゃねーよ。オレもう2ねんせいだぜ?」
なんて、ナマイキなことを言われる始末!

そんな欲求不満の日々を悶々と過ごし、小学校を卒業しました。

そして中学に入ったばかりの先月、決心したんです。
「わたし……芸能人になる!」
バラエティ向けの、いわゆる「いじられキャラ」を目指そう。
この際アイドルでも芸人でもなんでもいいから、おっぱいをさわってもらえればそれでいい!
うまくいけば、巨乳アイドルを集めた特番にだって出してもらえるかも。
そしたらきっと、わたしから大きなおっぱいをさわるチャンスも出てくる!

その頃タイミングよく、マンガ好きな友達から教えてもらったのが『月刊バルーン』でした。
ビッグバスト選手権のお知らせを見たとき、わたしは初めて運命を感じました。
「……すごい」
日本全国から集まってくる巨乳自慢の女の子たち。
(ここならきっと出会える……わたしより大きなおっぱいに!)

つくづく、わたしはなんて幸せ者だろう。
だって、おっぱい好きな人なんて世の中にいくらでもいます。
たぶん男の人のほとんどはそうでしょう。
でも、この大会に選手として参加できるおっぱい愛好家は、きっとわたしだけ。
世の男性たちが雑誌やDVDで眺めるしかないおっぱいを、一足先に間近で楽しめるのはわたしだけ。
ああ、なんて優越感!
この時のわたしは無意識にこぶしを高々と上げ、勝利に酔いしれていました。

大好きな家族に恥ずかしい思いをさせてしまうかもしれないけど……
これだけはゆずれない願いなんです!


以上が、ビッグバスト選手権出場を決意した葉山ももの独白。
ゆえに彼女は、ここで敗退するわけにいかなかった。

初戦から自分より大きなTカップの持ち主と当たり、谷間で窒息しそうなこの現状。
溺れそうな快楽の中、ももは理性で欲望を制するのに必死だった。
(さわりたい……この大きなおっぱいを、手のひらで思いきりつかんでみたい!)
無意識に動いてしまいそうな手を、理性がギリギリ止めている。

手を使ったら反則負けで脱落だ。
その後はもう撮影に参加できない。
大きなおっぱいに囲まれ過ごす夢のような時間が、終わりを迎えてしまうのだ。
それを承知しているからこそ、理性はかろうじて意識の手綱を握っている。
いや、よく考えたらこの「理性」も結局のところ「欲望」である。
訂正しよう。
ももは欲望で欲望を制するのに必死だった。

そんな自分に正直な100%欲望少女を、陽子はどう攻略するのか?

(あンっ……モゾモゾ動かないでよぉ……ヨーコまでヘンな気分になっちゃう!)
やわらかな肉体を伝導する快感。
谷間でもがくももの吐息に、陽子はしなやかな脚を思わずくねらせた。
(おっと!)
危ないところで、崩れたバランスを立て直す。
油断した。下半身は常にしっかり足場を踏みしめていなければならない。
土俵際の急斜面では、脱力をさそう快感こそが落とし穴なのだ。

とはいえ勝利は目前。
この膠着状態を打破するには、あとほんの「一押し」があればいい。
だがその一押しをどうする?
手は使えず、足も踏んばるので精一杯。
かと言って上体を前に傾ければ、自分もプールに落ちてしまう。


一方、白組応援席。
「見て!温子ちゃん、白組優勢だ!」
「ばってん、相手もしんけん手ごわかとよ?」
「うん……ギリギリの位置で1分近くねばってるね」
島根代表・鳴神愛矢と大分代表・湯川温子(ルームメイト)が、手に汗握る戦局を見守る。
「ももちゃん、見た目からは想像できん根性たい。油断できられん」
「あ〜ん、あとちょっと!あとちょっとで勝てそうなのにぃ!」
「う〜ふ〜ふ〜…おふたりともぉ〜…心配には及びませんよぉ〜…」
「「わっ!?」」
突然の声に2人が驚くのも無理はない。
前ぶれもなく、琴子はいつの間にかそこにいた。

「大丈夫ですぅ〜…陽子さんにはぁ〜…まだぁ〜…最後のとっておきがぁ〜…ありますからぁ〜…」
勝利を確信する琴子の表情は、いつもののんびりスマイルより、ちょっと誇らしげ。
「とっておき?」
「それは何ね?」
「うふふ〜…知りたいですかぁ〜?…それじゃぁ〜…教えてあげますぅ〜…」
得意気に解説を始める琴子。そのスローな喋りに、愛矢と温子は耳を傾ける。
「そもそもぉ〜…陽子さんのバストはぁ〜…私よりぃ〜…12センチも大きいんですがぁ〜…カップで見るとぉ〜…わずか1カップ差なんですぅ〜…つまりぃ〜…陽子さんはぁ〜…アンダーバストの大きい〜…逆三角体型ってコトでぇ〜…そのヒミツはぁ〜…」


(わかった!「あと一押し」の答えは、これしかないわ)
ついに最後の一手を思いついた楊子。一呼吸置き、すぐさま実行に移す。
「えいっ!!!」

その瞬間、ももは何されたのか理解できなかった。
「ひゃあっ!?」
とにかく爆発的な弾力で、身体ごと一気にはじき飛ばされたのだ。
そのパワーはかなりのもの。ばいんっ、という擬音まで聞こえた気がする。

陽子が行った最後の一手。それは「胸を張る」こと。
ただそれだけだが、とどめの一撃として十分な威力だった。
もとより138cmを誇る陽子のバストは、垂れることなく前へ前へと張り出している。
その基礎となっているのは、発達した大胸筋である。
これこそ、先ほど琴子が言いかけた「逆三角体型のヒミツ」
パワフルな上半身は、力強いストロークで水をかくために鍛え上げてきたものだ。
(実は本人、肩幅の広さを少し気にしているらしいのだが)
たくましい筋力を一気に放てば、若々しい乳房と相まって、爆発的な弾力を生む!

(やったわ!ヨーコならではの理想的な「押し出し」よっ☆)
突き飛ばされたももは後方にバランスを崩し、今にも落ちようとしている。
もはや勝利は見えた!
が、
「!」
早まった。胸を張るという戦法もノーリスクではなかった。
(やばっ…ビキニが!)
陽子が身に着けている迷彩柄の三角ビキニ。そのヒモが背中でほどけてしまったのだ。
一気にドン!と胸を張ったものだから、結び目が衝撃に耐えられなかったのだろう。
このまま乳首を露出したら、陽子も失格。共倒れになってしまう。

一方、敗北を覚悟したももは、その一瞬で閃く。
(どうせ負けるなら……いっそ!)
今こそ欲するままに。制していた両手を伸ばす。
その勢いに乗り、倒れそうだった身体をもグンッと前へ振り戻す。
おっぱいへの純粋な欲望が成し得る、奇跡的な動きだった。

ぷにゅんっ!!!

一瞬後、ももの十指はビキニの上から、陽子の乳房を力強くわしづかんでいた。
ちょうど肌を離れようとしたビキニの上から、である。
弾力に富んだぷりぷりの乳肉が指の間からあふれ、手全体をほとんど覆いつくす。
ナイロン越しとはいえ、何千回と想像した極上の感触をついに実体験し、ももの脳内はドーパミンで満たされた。

「きゃああああああーーーーーー!!!」
水面を震わせる陽子の悲鳴。
それは羞恥心だけでなく、不意打ちの強烈な快感にも由来していた。
生まれて初めて味わう、敏感な部位への容赦ない圧搾。
たまらず腰は砕け、その場にフラフラとへたりこむ。

しかし、陽子はももに感謝すべきである。
偶然とはいえ、ビキニを押さえてくれたおかげでポロリを免れたのだから。

<おおっとー!これはいけませんっ!
 もも選手、手の使用は反則。ハンドですっ!
 よって勝者・朝日奈陽子!先鋒戦は白組の勝利です!>

決まり手は押し出しではなかったが、とにかく勝ちは勝ち。
意外な強敵・葉山ももを倒せたことを、陽子は素直に喜ぶべきだろう。


「よっしゃ!勝負ありばい!」
「イェー!勝った勝ったー!」
白組の勝利を喜ぶ温子と愛矢。琴子の遠まわしな解説は途中から聞いていなかったらしい。
「と、いうわけでぇ〜…ん?……あら〜?…もう終わっちゃいましたぁ〜…?」
それに気づいていなかった本人。
「もぉ〜…陽子さんったらぁ〜…勝つの早いですぅ〜…まだ私が解説してるのにぃ〜…」
「おいおい姉ちゃん、ムチャ言わんとき」
「あん☆」
芽衣にツッコミ入れられる琴子。胸にぽよんと当たった裏拳がちょっと気持ちよかった。
「うふふ〜…冗談ですよぉ〜…陽子さーん…おつかれさまぁ〜…ナイスファイトでしたぁ〜…♪」


そんなねぎらいの声が届いたかはいざ知らず、浮き島上でへたりこんだままの陽子。
「うう……思いっきりわしづかみにされちゃったよぅ……」
さすがに年頃の少女らしく、恥ずかしさから涙目になる。
胸をつかまれたシーンも、渚のカメラにしっかり撮られてしまっただろう。
DVDにもしっかり収録され、全国に知れわたるところとなる。
それでも、結果的にポロリを防いでくれたももを責める気にはなれない。
いい闘いだった!
スポーツマンらしく、それでスッキリ締めくくることにしよう。

ビキニの紐を結び直して、
「ねえももちゃん、そろそろ手、離してくれない?」
「……や」
「え?」
「や…わらか…きもちいい…し、あわ…せ」
緊張の糸が切れたのか、ももは恍惚の表情を浮かべている。
そのままゆっくり目を閉じて……
「ちょ、ちょっと!おっぱいつかんだまま気絶しないでよ、ももちゃーん!