[3] インタビュー
互いに名前も知らない同士である。
しかも、小学生とシティーホテルに入るのはおかしいが、フロントでは何も言われなかった。
大人びていたからだ。
時間は、チェックインの時間を過ぎている。
「大丈夫なのかな?
大人とこんな所に入っても。」
「それよりも、きちんとインタビューしてや。
智那ちゃん神話の、始まりやねんから。
しっかりせんとあかんのは、あんたの方やから。
三流雑誌の記者か、フリーのライターやろ。
録音しながら、メモせんとあかんで。」
「まず本名と、年齢を教えて下さい。
それから、現在のサイズなどから・・・。」
「名前は、黒江智那子。年齢は10歳。
大切な事は、今もまだ成長中やってこと。
誰もキチンと質問してくれへんから、まともに話してあげたことはないねん。
感謝しいや。
真面目に話したい気分になったの、初めてや。
ちょっと今の感じじゃあ、臭い感じやなあ。
標準語ってやつで、話したいなあ。」
「話し方は、どちらでも良いですよ。
関西訛りの標準語も、味があるような気がします。
無理して、中身が薄くならないようにして下さいね。
それから、このインタビューの様子を写真に撮らせて下さい。」
私がきちんと雰囲気を作り、ていねいに相づちを打つと、黒江智那子は滑らかに話し始めたのである。
「私がこんな風になったのは、ゴールデンウィークの間です。
そうそう、5月3日です。
その日までは、普通の少しだけ体格の良い小学5年生でした。
身長152センチで、バスト83センチ、ウエストは66センチ、ヒップは86センチでした。
あの頃は、ぽっちゃりだったかなあ?
思い出せないなあ、あの頃のことも。
眼が覚めると、私の身体は誰かの身体と入れ替わっていたのです。
まるでそんな感じでした。
本当に突然です。
鏡を見てビックリしました。
とっても美人でした。
自分とは違う、他人の顔が鏡に映っていたからです。
どう見ても、大人の顔でした。
ただ、肌の美しさは10歳の私でした。
身体は、まるで外人さんの、おっぱいの大きなモデルみたいな身体でした。
今、振り返ると。
お尻も大きくて。
きれいな身体で、しかも迫力満点。
私の驚きが、理解できますか。」
「理解出来ると言えば、嘘でしょうね。
無理です。
想像するだけです。」
「セクシー過ぎるのも、なかなか大変なことでした。
自分の周りで、いろんなことが起こるのですから、大変なことでした。
日記には書いてあるけれど、良い事とは思えない。
本当です。
本当にびっくりです。
急にあんなことになったから、そのことを受け入れられなくて、しばらくは自信喪失でした。
あの頃のことを人に話すのはまだ無理です。
涙が出そうになります。
いつか話します。
あの日から自分の身体の成長が、始まったのです。
生理も始まりました。
毎月バストが10センチ以上も、成長するのです。
ヒップだって同じぐらいに。
そうなのです。
身長は少しずつだけど、体重はぐんぐん増えるのです。
まあ、バストとヒップの成長とともにですから、仕方ないかもしれません。
3か月前のあの日は、身長は163センチでした。
まだと言って良いでしょうね。
バスト127センチ、ウエスト62センチ、ヒップ102センチでした。
十分に規格外です。
小学5年生の分際でと、良く言われました。
それが今や身長176センチで、バストは177センチ、ウエストは52センチ、ヒップは152センチです。
規格外と言っても、あのころとは比べ物になりません。
身長の伸びが緩やかになったので、バストが追い越してしまいました。
この5カ月の成長のことも、苦労がいっぱいなのでまたいつか話します。
でも、成長のスピードは早まっているのです。
これからのことの方が心配かもしれません。
これでおしまいです。
取り敢えず。
それから、若い男の人とホテルに入っても、私はちっとも心配ではありません。
だって・・・。
大丈夫だったのだから。」
頷いてばかりいた私が、そこで口を挟んだ。
「どうして、そんなに自信ありげに?」
「無理ですよ。
どうにかしようとしても、絶対に無理です。
私がその気にならないと。
とにかく。
聴いてくれてありがとうございます。
ホッとしたと言うか、不安が自信に変わってきた気分がします。
今度は、11月に会って下さいね。
お兄さんの名前とメールアドレスを教えて下さい。
パソコンの方です。」
私は素直に、名刺の裏にアドレスを書いて渡した。
「必ず、メールしますから。」
智那子はそう言った。
「それから、水着の写真なんか、撮られても平気です。
一か月後、私はそんな身体じゃないから。
得大寺さん。
そんなの、使い物になりませんよ。」
智那子は名刺を見ながらそう言った。
そう言うと、かばんから数枚の写真を取り出したのである。
「見て下さいね。
毎月友だちに撮ってもらったけれど、1か月に10センチも大きくなるとこうなるのです。
水着を、毎月買い替えないといけないのです。
うちの学校は、温水プールで授業が毎週あるから。」
127−60−102の時だって、十分にすごい迫力だが、137−60−112とは比べ物にならなかった。
同じことが、137−60−112の時でも、147−58−122とは比べ物にならない。
まして、157−56−132、167−54−142である。
今は、177−52−152だった。
「ウエストは、細くなっているね。
2センチでも、違いははっきりするね。」
私は言った。
「同じ10センチでも、違うでしょう。
成長が加速しているのが分かる?
だって、体重が・・・。」
言い終わらないうちに、智那子はゆっくりと、服を脱ぎ始めた。
「裸だって、恥ずかしくないから。」
「おいおい。
どうするつもりだい。」
得大寺は止めたつもりだったが、智那子は意に介さない。
泣きながら、ブレザーを脱ぎ、タイトスカートを脱いだ。
そして、ブラジャーとパンティーだけになると、大きな声をあげて泣き始めた。
「私、自分の身体のことで泣いたのは初めて。
泣いたかもしれないけれど、こんなに心から泣いたことは無かった。
本当にすっきりする。
お父さんやお母さんの前でも無かったのに。
泣くことで、解決する事もあるのね。
知らなかった。」
「そうかも知れないね。」
「一か月後の私は、違っているから。
身体だけじゃ無くて、中身も成長しているから。
得大寺さん。
写真を撮って下さい。
今から、下着も取ります。 」
「私が、児童福祉法で捕まってしまうよ。」
得大寺の言葉は、思いとはうらはらであるが、智那子はそうは思わなかったようだ。
「私の為に、撮って下さい。
お願いします。
私は大丈夫です。
無理ですから。」
智那子の身体は、大人のように成長していたが、陰毛は薄くて5月のトランスからまだ日が浅い事を物語っている。
脇の毛もそうである。
乳首も乳輪も小さくて、ピンク色だ。
得大寺は、何回もシャッターを押した。
写真に関しては、得大寺はプロとは言えないが、パパラッチまがいの事や、ライターとしての取材で経験は積んでいる。
素人とは言えない。
ヌードの撮影だって経験しているし、ビデオカメラでAVの撮影すらしたことがある。
今までに、これ程の肉体美を経験したことは無かった。
性的刺激が強いので、得大寺には受け止めることが出来ないのだ。
肉体だけ極度に成長したからと言って、中身は小学5年生なのだ。
騙されてはいけない。
得大寺は、良心的なのだ。
あの姿を受け止めるには、智那子のことを知る必要がある。
そうなるかどうかは分からないが。
智那子を襲おうとした男は何人か居ただろうが、無理であったのは事実だった。
強烈な視覚的な性的刺激に騙されて、勃起と射精を繰り返した揚句、精神的に疲れ果ててしまうのだった。
智那子には幸せな事だったが、自分の肉体を肯定できない気分が残ったのは確かだ。
得大寺は撮るだけならば、幾らでも撮れたが、情熱を掛けて写真を撮ることが出来なかった。
それでも、飯のタネにはなるだろう。
高校を出て、二年目のフリーライターにとっては、口糊をしのぐことがもっぱらの目標なのだ。
家賃と飯と、取材機器だってローンなのだから。
「もう帰りなさい。」
それ以上、旨い言葉が出なかった。
得大寺は、本当は自分が情けない気分に襲われていたのだった。
智那子がそんな感情に気付くことは無い。
「じゃあ、帰るわ。
メールするから、電話かも知らんけど。」
言葉遣いが、関西訛りに戻ったのは、本当に不思議だ。
何か秘密が隠されているのだろうか?
渋々、智那子はその言葉に従って、ホテルを出た。
得大寺には、さっきまで自分と一緒にいた女の子の姿が、強烈に脳裏に焼き付いていた。
あの美貌。
智那子のバストの、見事というしかない大きさと形。
くびれたウエスト。
あの突き出たヒップ。
それらを総合したあの見事というしかないプロポーションが、日に日に成長を続けていて、来月にはもっと見事になるのだ。
あのきめの細かい白い肌だけでも。
裸の智那子の姿は、永遠に忘れられないだろう。
また、会いたいものだ。
智那子は、本当の男女のことを知らない。
知る必要は全くないし、そんなことよりもっと色々な経験を積むことが必要だ。
智那子の言う、無理とはどんなことなのだろうか?
単に、犯されないと言うことだろう。
智那子には、大人と恋愛をするだけの大人の心は無い。
これから、思春期を迎えて、その後のことだ。
肉体と心のギャップが、エピソードを生む。
興味があるのは、そこの所だ。
超乳超尻の女の子の様々なエピソードが、今度こそ書きたいのだ。
何回チャレンジしても、そこまで行かない。
力の無さを感じるばかりだ。