巨乳小学生

カンソウ人 作
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[5] 得大寺と別れた後で

「もう帰りなさい。」
と言われて智那子は、シティーホテルをグレーのブレザーとタイトスカートを着て出た。
巨大の胸はブレザーを押し上げていて、身体に合っていない。
タイトスカートは、かなり大きめに作ってあるので、後ろから見ると尻肉の動きが分かる。
智那子は、そんなこと意に介さない。
そんなものだと思っているのだろう。

友だちたちは、小学生らしい着こなしをファッション雑誌で学ぶ。
5年生ともなれば、Dカップ程度の巨乳小学生は探せば見つかる。
智那子レベルまで行けば、見本にするようなファッション雑誌はなかった。
オーダーメイド以外にはXXL体型の女性の着る服を手直しして着る以外に方法が無かった。
おまけに輸入ものだが、ネットで買えば安いものである。
グレーのブレザーとタイトスカートの地味な色の組み合わせになるのも仕方が無い。
色に関係なく、目立つのは仕方が無かったが。


このホテルの経営者は変な趣味があり、防犯カメラの性能が必要以上に高く設定されていた。
そんなことは、フロント担当の誰一人知らなかった。
盗撮というよりは、客層をチェックするために始めたことである。
防犯上役立つことは多かった。
フロントの担当者が、お金のやりとりを正確にするかどうかのチェックになる。
カード詐欺の場合でも、捜査しやすいのだ。
客の安全も保持しやすい。

得大寺が、何人もの女性を招き入れて撮影をしていることぐらい分かっているが、それ自体に違法性は無い。
今回の女性は、智那子のことだが、巨乳と言う言葉では表せない程、大きなバストをしているぐらいは既にキャッチしていた。
外人にも、こんな身体をした女性はめったにいない。
声を掛けたくもあるが、相手のリアクションが読めず、その意味では厄介な存在にも思える。
小学校の制服を着ていなければ、智那子が小学生であると、相手に分かる筈が無い。
後で、この経営者が撮ったビデオが独り歩きするが、このネット時代にそれは仕方が無いだろう。

女性に年齢を聞くことがタブーだから、小学生だとは分からないだろう。
質問されると、智那子は正直に答えようとはしないだろう。
それぐらいは、自分がどう見えるのか分かっている。
その関門は何も無く通り過ぎた。
得大寺もフロントに連絡しない。


智那子は、ホテルから外に出て、地下鉄の駅へと急ぐ。
歩きながら、かばんからソニーのウォークマンを取り出して、ヘッドフォーンを耳に突っ込んだ。
ノイズキャンセリング機能は便利である。
これで、いろんな雑音は遮断されて、入ってこない。
スタジオジブリの主題歌集と名探偵コナンの主題歌集がお気に入りである。

得大寺を誘ったのは、ラヴホテルでは無かったので、ホテルの周りは都心の高層マンション群である。
車の音はそれ程うるさくは無い。
智那子は足早に、駅へと向かっている。
大人たちのささやきが嫌なのだ。
そんな声が、自分の容姿を高く評価していても、悪口を言っているように思えるのだった。
褒めてほしくない。
素直でないと思われるかも知れない。

智那子は、得大寺と一緒にいた時には、大胆に行動出来ていた。
自分の身体に自信があるように思えたのだったが、環境によって安定しないのが子どもである証拠だ。

高校生や大学生、20代のサラリーマンにとっては、男女を問わず、スタイルが良いことは価値があると思っているだろう。
バストやヒップがここまで大きくて、身長が高くて、しかも運動能力が素晴らしそうである。
実際、素晴らしそうでは無くて、想像を絶する物なのである。

噂されることが嫌だった。
ささやかれるのが一番嫌だった。
急成長を始めてから数カ月、何を言われても、悪口のように感じることがあるのだ。

もう数度、盗撮されている。
すべて女性である。
あからさまに、携帯電話を向けて撮影するのは、30代半ばを過ぎた女性である。

様々な声が聞こえているが、智那子のウォークマンは、バリアーを貼ってくれる。

「ブレザーのボタンが、締まりそうもないじゃないの。」
「もの凄く大きなおっぱいね。」
「『にしまきとおる』の『Blue Eyes』から、飛び出して来たのじゃない。」

「年はいくつでしょうね。」
「10代か、20代か?」
「日本人かなあ?」

「あら、もの凄く大きなお尻ね。」
「タイトスカートが、破れてしまいそう。」
「お尻の丸みは、女の私でも見てしまう。」

「私もあんな身体に生まれていれば、こんな苦労はしなくて良かったのに。」
「セクシーと言うよりも、余りにも健康的なのね。」
「あんな身体で、平気で歩けるなんて・・・。きっと、凄い力なのよ。
あの腰回りだから。」


全く余計な御世話である。
特に最後の一言は。
しかし、5年生の彼女にとってみれば、羨ましがられても迷惑でしかないのである。

自信を持て、自分のボディーに。
智那子。
余計なおせっかいを気にするな、きっと読者は全て味方だぞ。
きっとだが・・・。

速足で歩いて、地下鉄の駅の入口の階段を、慎重に足元に気をつけながら降りて行った。
夕方のラッシュ時と言っても、この町では1号線と2号線以外の地下鉄は、比較的空いている。
手慣れた雰囲気で、定期券を出して自動改札を抜けていく。
私鉄に乗り替えなければ、家には帰れない。