ますます食べて太る&アイドルを辞める&声に今の自分をどう思うか聞いてみる&その時、不思議なことが起こった(超展開用選択肢)
私は、食ベ続けました。何でもモグモグしてやりました。
身体、特におっぱいとお腹はどんどん大きくなっていきましたが、アイドルの仕事を休めるのなら、そんなことはどうでも良かったんです。
誰かの期待に応え続ける責務への焦燥感、誰かの期待を裏切ることへの恐怖心に比べれば、そんなことはどうでも良かったんでス。
途中で救急隊? 特殊部隊? よくわからない格好をした人たちがたくさン、物々しい装備をして突入してきたけれド、そンなことはどうでも良かったンです。
本当は、あのダンジョンの中で気づいていたのニ。人の想いは何であレ果てしなく膨らんでイく、と。
不安な気持ちも食べ続けていたラ、いつの間にか融けてイました。考えてミれば、考えるマでもないこトでした。
私はワたしの、ヤりたいようにやれバ良い。簡単なコとです。ソれに気づいた時、私は全部を食べるこトにしました。全部とハ、全部です。
幸福を願ウのは私。不幸ヲ恨むのも私。理想を求めテ、彷徨うのモ私。永遠に満たされていたイのに、絶対に足りない、ソれこそが私。
笑ッちゃいます。だってそんなモの、最初からアイドルの対極じャないですか。続くハず、ないじゃないデスか。
アの“声”が何度も聞コえル。私ノ名前を呼んでいマす。消えテいく人間ノ私を呼んでいる。私を、引き留める。
ダから私はもっと食べたヰ。もっと食べて、大キくなリたいのです。
嗚呼、――こんな口デは小さ過ぎルッ!
――――――どれくらい経っただろうか。いや、実際には一月も経っていなかろう。
ダンジョンを創り、ミノリに“きっかけ”を与えた者の責務として我は、なおも大きくなり続ける彼女を観察し続けていた。
「なんと純粋で狂った在り方。我の想像を遥かに超えるか。……なれば、それもまた良し」
彼女が口で食事をしていたのは、ごく最初の方だけだった。
それでは足らぬと思ったからなのか、乳房が片方だけで戦艦の主砲のように巨大化したころ、それで周囲の物を吸収するようになったのだ。
母乳としか思えない白い液体を、空高く――それこそ上空約1万mを飛行するジェット機を撃墜させたほどまで高く――吹き上げる。
それは、大輪のリコリスのような美しい花を天空に咲かせるのだ。
拡散し、地上に降り注ぐ乳の花弁は万象をほぐし、個という個を緩くする。そうして自立できなくなった存在は、水が低いところへ流れ込むように、ミノリの乳房へと吸収されていった。
そうしてまた乳房を肥大させ、次はより大きな花を咲かせる。その繰り返しだった。
やがて人間が、温かくも天高くそびえる、巨大な人間の肌の壁としてしか、ミノリを認められなくなったころ、新たな動きが群衆の中で起こった。
ミノリを破滅の権化と認識して抵抗するのではなく、世界に変革をもたらす神格的存在として崇拝し始めたのだ。
最初はごく一部的なカルト的な流れであったが、ミノリ自身が生まれた島国を食べ尽くし、国家とその全てを消し去った辺りからその機運は爆発的に高まったのだ。
彼女に吸収されることで世界は一つになり、次のステージへと至る箱舟になる、というのが大まかな思想だ。
馬鹿め。遥か高き理想へと突き進む彼女に、我々矮小な生物の都合ごとき関係ありはしないのだ。
この星は小さな食卓で、そこに載る全てがミノリにとっては馳走に過ぎない。
…………さて、少しおしゃべりが過ぎたらしい。物好きな“君”もそろそろ、元の場所に帰ると良い。この星はもう、ここを残して全てミノリの乳房に置き換わっているのだから。
我はダンジョンを創りし者。すなわち、魔王。すなわち、ラスボス。裏ボスにして邪神ミノリの誕生を祝し、世の涯を見届けんと欲す者。
嗚呼、世界は柔らかな肉へと融ける。願わくば、次なる世界にて――――
ワ、タシはワタシ。ワタ、シハみのり?
食ベル。いノち。ブんメイ。フア、ン。い、のリ。セカイぜ、んブ。ゴチソ、ウサマ。
世界は裏ボス、邪神ミノリのおっぱいになって終了
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