「386センチか…だいぶ小さくなったわね」
初めの譲渡契約から2ヶ月程でリンの胸は当初の2分の1程度まで小さくなっていた。(795cm→386cm)
実際はもっと縮んでいるはずなのだが、彼女の凄まじい発育速度によって半分程は発育分で取り戻してしまっていた。
知識の幅広さではサエコとは互角以上であろう。だが、物足りなさも感じていた。B、Cランクの取引がほとんどで、あったとしても質の悪いB寄りのA-ランク。Aランクより上は人気もあり、出品数が少ないために中々契約までに至らないのだ。
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WTA事務局
浅井リン様
下記の【知識】の………
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「たまにはもっと上の知識も欲しいわね…どうにかならないものかしら……あら?」
もう一通メールが届いていた。
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【重要】WTA事務局
浅井リン様
この度はWonderfulTransferAgreement(不思議な譲渡契約)をご利用頂き誠にありがとうございます。浅井様の契約件数100件達成に感謝致しまして、「A+、Sランク専用市場」をご利用いただけるようになりました。
今後ともWTAをよろしくお願い致します。
なおこの専用市場は他のランクと異なり、入札式の市場となっております。
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「Sランクねぇ…このサイズで足りるのかしら……」
覗いてみると、出品されているのはどれも常人の理解の及ばない、あわよくばノーベル賞さえ狙えるレベルのものばかり。案の定リンの今どころか契約前のサイズですら到底落札出来ないようなものであった。
「じゅっ、14メートル…信じられないような物好きもいたものね…」
余談だが、自前の分でSランクを落札出来るものはほぼいない。不要なもの(知識、身長、バストetc.)を出品し、そこで資金(?)をかき集めるのだ。
だが彼女は違った。何と言っても天才の名を欲しいままにしてきた生物化学者である。
「ま、大きくすれば良いわね♪」
彼女にかかれば誰もが考えついても出来ないことをいとも簡単にやってのけてしまう。
「どんなものにしましょう…一気に大きくするのも良いけど、継続的に成長するようにした方が負担も軽そうだし……あっ、でも服が…」
悩んだ挙句、色々な種類のものを作ることにした。当然ながら実験台は自分である。
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1週間後
「ふぅ〜、やっとできた」
リンは
『@長めの期間でゆっくり大きくする』『A短時間で一気に大きくする』
という対照的な2つに加えて中間の効果(B)の3つを完成させた。前述の通り、実験台は自分なので効果のほどは全く不明である。
「よしっ!準備完了!」
まずは@を服用。1週間程掛かったがリンの予想よりは大きくはならなかった。(386cm→601cm)
次にB。こちらは2日程で予想通りの効果が出た。(601cm→967cm)
「あら、いつの間にか契約前よりも大きくなったのね♪次が楽しみだわ」
以前はギリギリだったが、これほどまでに巨大化した胸は地面につくようになってしまっていた。それでもリンはその巨大な胸を更に大きくすることを望んだ。
「さっ、次で最後ね…」
深堀サエコを超える為だけに。