試着室Re

ケン 作
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《第二話:ワンピース》

「ねぇ、このワンピースどうかな?」

私が選んだのはピンク色の可愛いワンピースだった。ただしサイズは少し大きめなようで、小学生高学年くらいのサイズに見える。
でも試着する分にはタダなのだから気にしない。

「春香には少し大きめじゃないかしら?とりあえず試着してみたら?私も手伝ってあげるから」

「もうママったらいつまでも子供扱いしないでよ〜!私も来週から小学1年生なんだから服くらい自分で着れるよ!」

そう言って私は試着室の中に入っていった。

「ねぇあなた!春香も随分しっかりしてきたわね。これからもうお姉ちゃんになってもいいころよね?えっと・・・・そろそろ2人目を作らない?」

「じゃあ今日は春花の誕生日であり、春花の妹か弟ができるかもしれない素晴らしい日になるな!千夏も今夜の為に刺激的な下着や服を買っていくかい?」

「もうエッチなんだから〜♪でもあなたがそれで喜んでくれるならお言葉に甘えちゃおうかしら。春香の服選びが終わったら私の服選びにも付き合ってよね。うふふ‥‥今夜がタ楽しみになって来たわ♪」

両親がそんな話をしている間に私は試着室の中でワンピースに着替え終わっていた。
大きさはダボダボでスカートの裾は完全に床についてしまっている。
身長110pの私に対してこのワンピースのサイズは145pと書いてあるのだから仕方のないことだ。私は鏡に写るダボダボな服を着た自分の姿を見て少しがっかりしていた。
この服は諦めて別の服にしようと思いワンピースを脱ごうとした時に私は試着室の中にある不自然なものに気が付いた。

「このボタンなにかな?」

試着室の正面には鏡がある。これはごくごく当たり前のことだ。
しかし横の方を見ると壁に大きな赤いボタンがついているのだ。消火栓などの非常時を現す表示はないのでそういうものではないのだろう。
ついでにいうとエレベーターのボタンのように身長に考慮されているのか私では到底届かない高い位置、それと大人の腰くらいの位置、1〜2歳児でも届くような低い位置の3カ所に大きなボタンが設置されていた。

「こういうのって気になっちゃうよね。何も書いてないし押しちゃおうっと!それポチっとな〜♪」

ボタンを押した直後、軽いめまいのようなものを感じて身体がふらついた。
なんだか変な気分になり顔を上げると鏡に写っていたのはダボダボのワンピースを着ていた私ではなく・・・・

「あれ?服がピッタリになってる!?うっ!でもパンツが食い込んで痛いや・・・えいっ!脱いじゃえ!」

どうみてもワンピースのサイズは私にピッタリになっていた・・・いや私の方がワンピースに合わせて大きくなったのだ。
現にパンツなどの下着はサイズが合わなくなってしまったので脱いでしまい、今はワンピースのみで下には何もつけてない状態になってしまっている。
少しスースーするけど特に問題もないし大丈夫だろう。


「ねぇ、見てみて〜!このワンピース私にピッタリだったよ〜!」

私が試着室のドアを開けるとパパとママはまだいちゃいちゃしている最中だった。

「似合ってるわよ!さっき見た時は春香にサイズが大きい気がしたけど、着てみると意外と合うものね!」

「なぁ、春香さっきより少し大きくなってないか?」

「あなた何言ってるの?いつもと違って少し大人びた服を着たからそう見えるだけよ!」

「そうだな、いくら成長期とはいえそんなに急に大きくなることなんてないしな」

2人とも私の身体の変化にはっきりと気づいていないみたい。
そう思うと今度はもっと大きい服を着て驚かせてみたくなってきたな。