《第三話:セーラー服》
「ねぇママ、今度はこの服着てみたいなぁ」
私が次に選んだのは中学生用のセーラー服だった。
ちなみにサイズをよく見てみると160pと書いてある。
今の私の身長は145pになってるけどまだまだ足りない大きさだ。
「あらあら春香ったらおませさんね!小学校の入学式もまだなのに中学生のセーラー服はちょっと気が早いわよ。」
「でも試着するだけならタダなんだからいいでしょ?」
「そうね、試着だけならいいわ。でも春香には大きすぎると思うわよ!」
「うふふ・・・どうかな?」
「あら?何か言ったかしら?」
「ううん、何でもな〜い!」
この服を着て出てきたときにパパとママがビックリするのを想像してちょっとワクワクしてしまった。そして私はセーラー服を抱えて再び試着室の中へと入るのだった。
「う〜ん、やっぱりこれも今の私には少しダボダボだな〜!スカートなんて手を離したら落ちちゃいそうだよ・・・でもこのボタンを押せばきっとまた『ピッタリ』になるんだよね?」
先程は一番下のボタンを押したので今度は真ん中の高さになるボタンを押してみた。
すると私の身体はたちまち服に合わせてピッタリになった。
それ以外には特に何も起こらなかったのでどうやら3つのボタンに関してはただ単に押しやすい高さになる以外の意味はないらしい。
「あはは、私まだ小学生にもなってないのに中学生の制服がピッタリだ〜♪身長も大きくなって凄く良い気分♪でも、おっぱいは全然膨らまないや。私大きくなったらきっとママみたいになると思ってたんだけどな・・・・」
私は自分の身体を触って確かめる。下着は付けてないのですぐに感じられる。
胸を触ると少しあばら骨の浮き出ている胸板に手がペタペタと当たる寂しい音だけが響く。
身体が成長して嬉しい反面、成長してもおっぱいが大きくならない現実に直面して私は何だか物足りない気分だった。
まぁでもそれも次の服を選ぶ時にちょっと工夫すればいいことだよね。
ひとまずはママたちを驚かせないと。
「見て見て〜!こんどもピッタリだったよぉ〜♪」
私が試着室から出てくるとさすがに今度は2人の表情が変わった。
だって小学生にもなってない私がセーラー服がピッタリの体型に成長してるんだもん。
見た目は14歳か15歳くらいかな。
「春香・・・よね?何でそんなに大きくなってるの?」
「だから言っただろ!やっぱり春香は急に成長してたんだよ!もしかしてあの試着室のせいなのか!?」
「あれあれ〜?パパもママもビックリしてどうしちゃったの?そんなに私のセーラー服姿可愛かったかな?」
くすくす。2人ともビックリしてるビックリしてる。
驚いてどう反応していいのか分からないって感じだよね。今度はもっともっと驚いてもらうかな〜!
そんな事を考えながら私は次の服を選び試着室へと向かった。
少し放心状態だったパパとママも私がまた試着室へ入ろうとするのを見ると近寄ってきて止めようとしたけどその前に中に入ってカギをかけてしまった。