前編「乳戦争勃発」
沖原姉妹が向き合っている。その目には怒りの表情が混ざっているようだ。
「だからぁ、なんでそういうウソつくの!?」
美奈が口を開いた。
「何度も言わせないでよ。私じゃないって!」
真奈が反論。
さっきからずっとこのように二人の会話は平行線である。
これはどっちかが途中で折れないと半永久的に交わらないかもしれない。
なんでこういう状態になったかって言うと・・・
40分前・・・
「美奈、お母さんがシャトレルのケーキ買ってきたって!」
真奈が美奈の部屋の扉を勢い良くあけて言った。
「え!ホント!?」
宿題中の美奈が顔を上げて笑顔になった。
美奈は(真奈もだが)甘い物に目がない。そしてその中でも一番好きなのがシャトレルのショートケーキである。
当然、今すぐにでも食べにいきたいところだが・・・
「あ・・・先に食べてていいよ。宿題が終わったら私も食べに行くよ。」
宿題が今一番集中できる時間だったので、その後のご褒美としてとっておくことにした。
「うん。わかった。冷蔵庫の中に入れておくから。」
真奈が事情を理解して、同意した。
その後の宿題は、一級品のご褒美がついたものだから俄然やる気が出てすいすい解けた。
その30分後・・・
「真奈、ちょっとどういうこと!」
美奈が真奈の部屋の扉を壊しそうな勢いで入ってきた。
「ちょっと壊れるって。で、どうしたの。」
読書中だった真奈が美奈の顔を見上げる。
「どうしたもこうしたもないでしょ!あたしのケーキどこへやったの!?」
美奈は今にも爆発しそうな状態だ。
「どこって・・・冷蔵庫の中に入れておいたけど。」
真奈はあくまで冷静にこたえる。
「ないからこうしてきてるんでしょ!ちょっときて!」
「え?あっ、ちょっと・・・」
美奈は真奈の腕を掴んで引っ張り出した。突然のことだったので危うく転びそうになるが真奈はそんなことお構いなしにずんずん進んでいった。
・・・
「ホラ!何処にもないじゃない!」
冷蔵庫を全開にして美奈が示した。
「あれ〜おかしいなぁ。たしかにここにおいたんだけど。」
真奈が不思議そうな顔をした。
「でもないじゃない!あ〜もう食べたかったよぉ・・・シャトレルのケーキ・・・」
美奈は今にも泣きそうだ。
そりゃそうだ。行ってみればそのために宿題を頑張ったといっても過言ではないから。
そのときふと美奈の視界に白い物が写った。
それは真奈の口の部分についていて、クリームのようである。
美奈の頭のなかに疑念が浮んでくる。
真奈は美奈の視線に気が付いた。
(・・・もしかして)嫌な予感が走った。数秒後現実となる予感が。
「・・・真奈、もしかして二個食べた?」
(・・・勘弁してよぉ〜)真奈は心底そう思った。
「食べてないよ。」
誠意を持って答える、が。
「でも、真奈以外に考えられないもん。正直に言って。食べた?」
「食べてないって。」
真奈は美奈の性格を少し恨んだ。美奈は少々思い込みが激しい傾向がある。今回もそう簡単には納得しないだろう。
困ったことになった、と真奈は思った。
そして現在・・・
「ちょっと落ち着いて。」
真奈が美奈により近づこうとした、そのとき。
ポヨン
「「あ」」
二人の巨大な胸がぶつかった。弾力がいい分、少しの力でも大きな力になる。
美奈が反動でしりもちをついた。
「痛っ!よくもやったなぁ〜」
結果的に火に油を注ぎ、火山に活を入れてしまった。
美奈が立ち上がって真奈をにらむ。
「もう許さないもん。真奈、勝負だ!」
なんで?と真奈が思った。変にスポーツマンシップである。がこうなっては美奈はもう止まらない。
「二人で共通している物で相手を打ちのめす物・・・!おっぱいで勝負!」
なんで??はてなの数がより増えて真奈は思った。
「っていうかどうやっておっぱいで勝負するのよ!?」
「ボクシングと一緒よ。ただ拳の代わりにおっぱいで殴るのよ。・・・どうしたの負けるのが怖いの?」
美奈は既に上半身裸で待っている。
こうなっては仕方がない。美奈が納得するまでとことんやってやろう。
・・・美奈の格闘技好きも困った、真奈は心底思った。
二人が胸に手を添えて構え、向き合う。
「えいっ!」
先手を打ったのは美奈だった。横に振りかぶって乳フックを繰り出す。
「わっ」
真奈はとりあえずしゃがんでよけた。と、美奈の懐が空いていたので乳ストレートを繰り出す。が、
ポヨン
美奈は反応して乳で受け止めた。乳同士がぶつかり柔らかく変形する。
二人は反動で離れる。
「真奈、やるじゃない。」
(・・・これでほめられてもなぁ)真奈はちょっと複雑だった。
次に繰り出したのも美奈だった。
下から乳を持ち上げる乳アッパーである。
奇襲攻撃に真奈は反応できずに食らってしまい、かがみこむ状態になる。
今が好機、とばかりに胸の谷間に真奈の顔を挟み込む。乳ホールドだ。
「む、むぅ〜」
柔らかい乳肉が密着して動けず、これでは本当に落ちてしまいそうだ。
「はぁはぁ、どう、ギブアップする。」
息が上がってきてるようだ。(そりゃ大きな胸を振り回すのには相当な力が要る)
これで決めるつもりらしい。
(なんか負けるの悔しいな・・・あれやるか。)
と同時に真奈の手が美奈の胸を掴みもみ始めた。
ムニュ、ムニュ、ムニュ、ムニュン・・・
「あん・・・ちょ、ちょっとぉ」
だんだん力が抜けてきたのか締め付ける力が弱くなってきて、何とか乳の牢獄から抜け出せた。
「ちょっと、ずるいじゃない。おっぱい揉むなんて」
「・・・一言も胸揉むの禁止なんて言ってなかったけど。」
「だからって・・・もう、それならこっちも使うわよ。」
そういうと、美奈は自分の乳首をいじりだした。
(うわぁ、美奈暴走しすぎ。もうそろそろとめないとまずいかな・・・)
そう考えているうちに美奈の乳首は硬くなっていき(ある現象)の前兆を表し始めた。
そして・・・
「はぁん!」
ピュッピュ〜
美奈は胸を真奈の方へ突き出し、母乳砲を発射した。
真奈の顔や体に母乳がかかり目潰し効果になった。
「いまだっ!」
美奈が真奈に乳ストレートを繰り出す。が、
ポヨン、ツルッ
美奈の母乳が潤滑油の役割を果たしてうまくジャストミートしなかった。
その間に母乳目潰しがとれた真奈が美奈の顔に向かって乳ストレートを繰り出す。
「これで、終わり!!」
美奈もほぼ同時に反応して真奈の顔に向かって乳ストレートでカウンタークロスを繰り出す。
「え〜いっ」
ボ〜ン
二人の繰り出した乳パンチは見事にクロスしてお互いの狙ったところにヒットした。
美奈の頬に柔らかくてあたたかい感触がする。
「・・・引き分け、ね。」
真奈の顔にも柔らかくて暖かい感触がする。一部分だけ硬くてコリコリしているが。
「・・・そのようね」
二人同時に倒れた。
第一次乳ボクシング戦争終結。結果は両軍互角の戦いの末、引き分け。
と、戦争が終結した直後のことである。
コンコン
ドアをノックする音が聞こえる。
「ちょっと真奈・美奈。どたばたしてうるさ・・・」
メガネをかけた理知的な女性がドアを開ける。この女性は真奈や美奈よりも一回り二回りはおおきい胸をしている。
沖原姉妹の母である。どうやら姉妹の爆乳は遺伝的要素が強いようだ。
「・・・あなた達、なにしてたの?」
「あ、お母さん。え〜っとこれはその・・・」
真奈が答えに詰まってると、
「真奈が美奈のケーキを食べたのに正直に言ってくれないから、勝負してはっきりしようって」
美奈が答えた。
(・・・私、完全に食べたことになってる)
「いや、あのね・・・」
真奈は事の発端を手短に話した。
「・・・あなた達、ちゃんと冷蔵庫の中探した?」
「うん。」
「・・・そう、ちょっといらっしゃい。」
二人は不思議な顔をしてついていった。
お母さんが冷蔵庫を開ける。そして、なにか大きい弁当箱のようなものを取り出した。
ふたを開けると・・・ケーキが2つ。
「「あ」」
「やっぱりあるじゃない。ちゃんと探さなきゃケンカにならなかったのに。」
あきれたようにお母さんは言った。
「「そんなとこにいれないでよぉ〜」」
「仕方ないじゃない、箱は捨てちゃったし他の入れ物は空いていなかったんだから。」
((そんな台所事情なんて知らないって))美奈と真奈は心の中で突っ込んだ。
「ん?そういえば私、お皿に乗せてあったケーキを入れておいたはずなんだけど」
真奈が突然思い出したように言った。
「・・・ああ!あのお皿に出してあった奴ね。あれは私が食べたわよ。書類整理の休憩に。」
・・・起る気力も失せた。
(ヤッテモナイコトデ犯人ニサレテ、乳ボクシング、マデ付キ合ッタ私ッテ)真奈は脱力した。
「真奈、ホント〜にゴメン。」
さっきから美奈はずっとこの調子だ。もう何度目か分からない。
「もういいよ、ってさっきからいってるじゃない。」
「でもぉ〜」
困った美奈の顔も可愛い。って今はそんなこと考えてる場合じゃないって。
でも、なんかいじめたくなってきた。
「・・・じゃあさ、今日だけ私が王様で美奈が奴隷ってことで私の言うこと何でも聞いたら許してあげる。」
美奈は困った顔したが
「・・・む〜、いいよ。」
楽しくなってきた♪これからどうしよっかな〜・・・
後編に続く