「南ぁ〜無〜・・・」
一人の法師がゆったりとした足取りで山道を歩いている。
その法師、白い頭巾の下から覗いている黒い目と鉄色のまっすぐな髪を持ち、透き通った白い肌に法衣をまとって、手には錫杖。
足はすらりと長く、腰は折れそうに細く、乳房は法衣を内側からはじけそうなほど大きく張り詰めている。
純日本的でありながら純日本的でない女性。
その名を、零海、という。
その零海がいるのは夕刻近い大江山の中腹。
巨大な胸をブルンと盛大に揺らしながらのんびりと歩いていた。
「山道は疲れますね〜・・・なれーしょんもグダグダですよぉ・・・的確に簡潔にしないと読者には伝わりにくいんですからね〜」
・・・すみません。
零海がこんな山の中にいるのにはやはりそれなりの理由があるからであった。
-南蛮人の女が、大江山に出没する-
立ち寄った丹波国の街で昼食を取っているときそんな話を零海は耳にした。
大江山。
(大江山といえば源頼光の鬼退治ですね)
源頼光と彼に仕える4人の武士達が大江山に住み着いた酒天童子を、勅命により神の加護のもとに退治したという伝説で有名である。
その伝説で名高い大江山に南蛮人の女が、時々現れて茶屋を経営しているという。
普段は何も無いところなのに、ごくたまに茶屋が現れて南蛮人の女が切り盛りしているという。
その茶屋にでてくる食べ物がとてもおいしいんだとか。
それだけだったら零海も
「変な話ですね〜」
の一言で終わったのだが、最後の最後で聞き捨てなら無いことを耳にした。
「なんでも、その異国の女の人・・・この世のものとは思えないくらい美人で、その上、胸もすべてを包み込むような大きさなんですって・・・」
がたーん!と、盗み聞きしていた零海は突如立ち上がってつかつかと噂話をしていた人たちに近づいた。
皆、突然のことに唖然としている。
「突然で申し訳ありませんが、その話詳しく教えていただけませんか?」
「・・・」
噂話をしていた人たちは圧倒されている。
怖がらせないように勤めて笑顔でいったのに圧倒されているのが零海は気にかかった。
しかし本当は零海ではなく、目の前に広がる零海の巨大な2つの山に圧倒されていたのであった。
「よろしいですか?」
「あ・・・いいわよ・・・・」
包み隠さず答えてしまった。
そして今、その南蛮人の女性を見に(違う意味で襲いに)零海は大江山に入ったのであった。
(にしても、南蛮の方の胸ってどういう感じなんでしょうかねー?色白らしいですし、柔らかいんでしょうか?それとも弾力がすごいんでしょうか?ふふふ、楽しみですねー。)
零海は妄想に文字通り胸を膨らませていた。
「きゃぁぁ!!!」
突然、坂道の先の方から女性の悲鳴が聞こえてきた。
駆け足で声のほうに向かう。
するとそこには女性が数人の山賊たちに囲まれて今まさに襲われようとしていた。
「こ〜ら、あなた達何やってるんですか!すぐにその人を放しなさい!」
近づきつつ声で制す。
すると山賊たちは零海に気づき振り返る。
「なんだぁ?法師がなんかようかぁ?」
むさくるしい顔でいかにも山賊です、といわんばかりである。
零海はあっという間に山賊達に囲まれてしまった。
少し離れているのでよくは見えないが、女性は大将格の男に捕らえられたまま不安そうに震えている。
「あらら・・・囲まれちゃいましたね」
「兄貴、かなりの上玉ですぜ。へへへ、胸もでけぇし」
下品な笑い方で卑猥な視線を向けてくる。むさくるしい顔でそんな風に笑われると、正直気持ち悪い。
(略すと「きもい」ですね・・・・お!語呂が良いですね。コレはいつか流行るかもしれません)
なぜか余裕たっぷりな感じである。
「こいつもかなりのいい女じゃねぇか。花街にでも売ればさぞかし高値が付くだろうよ!おめぇら、とっつかまえな」
「おう!・・・おい、姉ちゃんよ、おとなしくしていたら痛ぇ目はさせないからな、暴れんじゃねぇぞ」
じりじりと男達は零海に近寄ってくる。
零海は困った顔で、錫杖を両手で持って構える。
ただ精一杯手を伸ばしているのだが、それでも胸に腕が食い込んでなんとか錫杖のある手に届いている状態なのだが。
「ん〜、そういうのはお断りです。やっぱりもっと格好のいい人じゃないと」
「んだとこのアマ!」
起こった男達が武器を構えて一気に詰め寄る。
シュン、と一瞬のきらめきが走った。
「・・・ふっふっふ、こんなこともあろうかと錫杖に刀を仕込んでおいて正解でした。」
シャキン、と刀がおさまる音と同時に男達の持っていた棍棒が真っ二つに切れる。
男達は顔を見合わせて顔面蒼白になった。
「さてさて、武器の次は生身を斬っちゃいますよぉ?」
笑顔で言っているのが怖い。
「う、うわぁぁ!」
手下どもは我先にと大将格の男を置いて逃げ出した。
「お、おい!おめぇら、勝手に逃げんじゃねぇ!・・・く、くそっ!」
一人にされて逃げ出そうと後ろを向いたら、ポンと肩に錫杖が当たった。
振り向くと笑顔の法師がこっちを見ている。
「ひっ!」
男は腰が抜けてその場にへたりこむ。零海は前かがみになって顔を近づける。
巨大な胸がより強調されて威圧感を出す。
「その方を放しましょうね〜?」
笑顔のままなのが怖い。
「あ、ああ・・・わわわわ、わかった・・・」
震えた声で男は答える。ゆっくりと女性を捕らえていた手を離す。
「そうそう、素直な男性は嫌いじゃありませんからね〜」
そういって零海は女性に近づく。
男は助かった、と安堵の息を漏らした。
「あ、そうそう。」
零海が振り向いて言う。つられてブオンと胸も回る。
男の顔面をかすった。あと少しでも近かったら吹っ飛ばされていたかもしれない。
「もうこんなことはやめましょうね〜。次やってるところをみかけたらたたっ斬っちゃいますよ?」
男は身震いして割に合わないことはもうやめようと思い、その場から逃げ出した。
「大丈夫ですか?・・・・!」
零海は捕まっていた女性に声をかける、とそのとき始めてその女性が何者であるかを理解した。
燃えるような紅色の肩口まであるまっすぐな髪・大きくて青い目・作り物のように完璧な顔立ち・そして何より零海に勝るとも劣らない巨大な胸。というか着物に収まりきっておらず上半分がはみでている。
その人物が涙目で零海を見ていた。
まさしく零海の探している南蛮人の女である。
「はい・・・命を助けていただいてなんと感謝してよいやら」
意外に流暢な日本語を話す。
「とにかくお礼がしたいので、私のお店に来てください」
異論もなくすぐに承諾した。
「へー、峠茶屋をやってるんですか」
零海の目の前には至って普通の茶屋があった。事前調査で知ってはいたがあえて知らなかったフリをした。
「ええ、準備万端のときにしか開店しないんですけど。・・・とにかくここにかけてお待ちください」
「あ、ありがとうございます」
勧められて席に着く。女性はサカアマドウコというらしい。口答なのでどういう字を書くかは分からないが、人のよさそうな笑顔をしていた。
ドウコはいそいそと中へ入っていった。
なんとも落ち着く。360度どこから見ても立派な茶屋である。
零海はさりげなく探りを入れてみた。
「え?じゃあ普段は店を閉めているんですか?・・・でも前ここを通ったときは何もなかったような気がしますけど。」
「ああ、それはですね。実はここ2本の道が平行に並んでいまして、ちょうど分かれるところに移動式の擬装用木々草草を置いておくんです。普段はこちらに入ってくる道の入り口に置いておいて何もない道にしかいけないようにするんですが、開店するときはそれを何もない道のほうに移動させてこっちの道にしかこれないようにするんです。だからその道を通る人には一本の道しかなくて、突然この店が現れるように思えるんです」
「へー、すごいですねー」
突然、この店が現れる仕組みはそういうことだったのかと零海は感心する。
「はいお待たせしました。特製の甘酒とお団子です」
ドウコさんが胸にお盆を乗せながら(実際そうにしか見えない)品物を持ってきた。
「わぁ・・・おいしそうですねー。いただきますー」
零海はズズズとゆっくり甘酒を飲む。
「これとってもおいしいですね。お団子も口当たりがよくて・・・」
「ありがとうございます。ゆっくりしていってくださいね。」
「はーい」
ドウコさんはまた中へ入っていった。
「いやぁ、人助けってするものですねー。おかげでこんなにおいしい甘酒とお団子に出会えましたからね。今度、成海さんをつれ・・・れ・・・?・・・zzz」
零海は猛烈な睡魔に襲われてそのまま眠ってしまった。
その様子を奥からサカアマドウコは見ていた。
口元が笑っていた。
「おはよう、零海さん」
「・・・ん・・・ぅぅん・・・あと、少しだけ・・・」
「おきなさい」
「ぅ~ん・・・朝は弱いんですぅ・・・・あと少し・・・」
「おきんかい!!!」
零海が眠い目を無理やり開いて周囲を見る。
うす暗い空間にドウコと2人しかいない。よく見ると自分の両手は鎖につながれて身動きが取れない。
手は後ろに組まされ、胸を突き出す状態になっている。
おかげで零海の胸はかなり迫力があった。
「あれれ・・・これってもしかして、はめられたってやつですか」
「ご名答。にしてもお待ちしていましたわ、爆乳法師こと零海さん」
ドウコは不適に笑っている。
「・・・もしかしてうわさも意図的に流したりしてました?」
「そう、胸が大きいと付け加えればイヤでもあなたは来るでしょう?ついでにいうとあなたが追っ払ってくれた山賊も私が雇ったのよ」
「準備万端だったってことですか・・・」
「そういうこと。ようこそ零海さん。私、サカアマドウコこと酒天童子のお店へ。あなたがちょうど記念すべき1000人目のお客様。風のうわさであなたを知って、1000人目はあなただと決めていたの。」
事前調査は向こうのほうがしっかりしていたようだ。
「酒天童子って・・・あれは600年以上も前の話ですよね?」
「ええ、源頼光に成敗されてからね。アレの事実を教えましょうか。」
酒天童子の話をまとめると。
もともとこの大江山に住んでいた童子は美人聡明とうたわれていたが、胸がないことに劣等感をもっていた。
それが爆発したまたま大江山を通りかかったお姫様を襲い、胸の肉は食らったらとても美味で、自分の胸も大きくなり体中に力がわいてきたという。
それで味をしめた童子は、通りかかる女性を襲い胸を食らうことを繰り返した。
いつしか大江山の鬼としてうわさがながれていった。
ところがそれを都で聞きつけた源一行がやってきた。
神様の力を借りて彼女が眠ったところを襲い、力の源である胸を剥ぎ取られてしまった。
それでも何とか逃げ延びた童子は、復讐することを誓い隠れながら女性の胸を食らい続けた。
そして600年生き延びたらしい。胸を食らって若さと寿命を維持しながら。
「へー、単なる600歳のおばあちゃんの若作りだったんですね。」
「なーんですってぇ!!?あなたこの状況分かって言ってるの!?」
童子が顔を真っ赤に染めて怒る。
「だってそうじゃないですか。」
「・・・ふ、まあいいわ。」
童子は冷静を装い零海に近づく。
どうやら童子は、普段は冷静を装っているがカッとなりやすい性質のようだ。
「こんな立派な胸が私のものになるんですもの。」
がばっ、と法衣が開かれ零海の胸が飛び出てくる。
「ちょっと、乱暴に扱わないでくれます。大事なものなんですからね」
「あら、まだそんな軽口たたけるの。でもいつまで持つかしらね。・・・ほら、なんだか体が疼いてこない?」
そう、さっきから零海は体が火照ってきて疼くのだ。
「なにしたんですか」
「あなたが眠っている間に、媚薬を少々。といっても強力なものだから少量でも効果抜群だけどね」
「そんなことしてどうするんですか?どうせ食べるなら眠ってるときに食べればいいのに。」
「それは簡単だけどおいしくないの。思いっきり感じているときの胸が最高においしいのよ。だから、食べる前にしっかり感じなさい。」
そうやって零海の胸をじろじろ見てくる。
零海は落ち着かない。視線を浴びるだけで胸が熱くなってくるのを感じるのだ。
「ほんと素敵なおっぱいね。こんな立派な胸ははじめて。どれほどのおいしさか味わってみたいわ。10年くらいは持ちそうね。」
「あんまりじろじろ見ないでくれます?」
「ふーん。これでも?」
童子は零海の胸に手を伸ばし、じらすように揉む。2つの胸がムギュと寄せ合って柔らかく変形した。
「ぁ・・・」
思わず声が出てしまった。
「なんてもみ心地がいいのかしら、癖になりそう」
手に返す弾力、程よいやわらかさ、肌のきめ細かさ、どれをとっても一級品だった。
童子は宝物を手に入れたかのような喜びようだった。
手の動きをだんだん激しくしていく。
それにあわせて零海の巨大な双球もやわらかく変形し、はじける。
ただ揉むという動作なのにこれほどまでに夢中にさせられる。
童子はすっかり零海の胸に魅せられていた。
一方、当の零海も媚薬の効果か落ち着きがなく童子の手から逃れようとしきりに体を動かすが、胸が大きく揺さぶられてより童子を夢中にさせるだけであった。
童子は胸の頂上にある乳首に触れる。
「しっかり反応しちゃって、そんなに気持ち良いのかしら」
「いいえ、そーんなやり方じゃ1日かかったってイけませんよ」
「・・・そのわりには落ち着かないじゃない?それに乳首もどんどん大きくなってきてるし」
「・・・」
童子は乳首を指先でつまむ。
「きゃ!」
「これでもまだ耐えれるかしらね?」
そういうと童子はものすごい指の速さで乳首をはじく。
零海の乳首は残像を残すほどの速さで上下する。
「ぁぁん!」
「まだまだこれからよ。」
そういうと童子は乳首をはじきながらあまった手で零海の胸を揉みだした。
「あぁぁ!」
零海の胸が乳首を震わせつつ、いびつに変形する。
「どうかしら百戦錬磨の私の技は。これで気持ちよすぎて気を失った娘もいたわ。あなたも気持ちよすぎていきそうでしょう?そのとき胸を食らってあげる・・・ん?」
童子は動かしている手を止めてしまった。
そのとき初めて異変を察知したのだ。
「な・・・なんであんた、そんな平然としてるのよ!?」
酒天童子の愛撫を受けている零海はけろっとした表情で立っていた。
おまけに手錠まで外れていた。
「いや~、演技したおかげですんなり外れました」
零海は媚薬で体が疼いてはいたがそれは耐えられる程度だった。
そこで感じている演技をして童子を胸に夢中にさせ、その隙に隠してあった針金で手錠をはずしたのだ。
「なんで?あんた感じてたんじゃないの!?」
童子は顔を真っ赤にして声を荒げた。
「そんなに声を荒げてはせっかくの美人が台無しですよ?ま、たしかにあなたの技は一流かもしれませんけど、私、以前ある意味胸に関しては神がかり的な2人の技でイかされまして。悲しいことにそれ以来、ある一定以上はあの快感じゃないとイけない体になってしまったんですよね〜。よってこの世で私をイかせれる人物は2人だけなのです。そんなへぼ技じゃ、いくら媚薬があっても感じませんよ。まずあの方たちの技っていうのはぁ・・・・」
零海はあの2人についての講釈に夢中になっている。
「・・・このぉ!!!!」
童子は途中から話を聞かずにわなわな震えている。
自分の600年で築き上げてきた技術がこんな小娘に通用しなかったのだ。
童子は顔を真っ赤にして怒った。
その様子こそまさしく古人が「鬼」と呼んだ酒天童子の顔だったのかもしれない。
「あたしの600年の技をバカにして!!絶対、イかしてやるんだから!」
そういうと童子はまだ「2人のイかせ技について」の講釈中だった零海の胸を精一杯にもみした。
しかし
「あらあら。まだ話の中だったんですけど。最後まで話を聞いてほしいのに。大体ですね、媚薬なんてもっちゃうから、変に体が疼いちゃったじゃないですか。これはもうあなたの体で抑えてもらうしかありません。」
零海がはなしている間にも童子は懸命に零海に刺激を与えようとする。
しかし零海には多少しか与えていなかった。逆に
「この辺でしたっけ?」
零海は童子の服の中の胸をまさぐりある一定の場所を思いっきり揉んだ。
「ひゃん!!」
その瞬間、童子の体中に電撃のような刺激が走った。
その隙に零海は童子の後ろ側に回り、着物をはだけさせて思いっきり胸をわしづかみにした。
「あぁぁぁぁぁ!!!」
「ふっふっふ。成海さんの見よう見まねですが気持ちいいでしょう?」
零海は童子の胸を、押さえつけたり上下に揺さぶったりして絶え間なく刺激を与える。
童子の胸が、零海の手によって縦横無尽に暴れる。
「南蛮人の方の胸は柔らかかったんですね。まるでおもちのようです。こねるに限りますね。」
零海はさらに童子の胸をはげしくこね回す。
完全に形成が逆転していた。
童子は快感に耐えるので精一杯であった。
「あ、ついでですからあなたの技も真似してみましょう。」
そういうと零海は、童子の乳首をすごい速さではじき出した。
乳首が跳ね回る。
「ぁぁぁぁ・・・」
童子は感じっぱなしであった。
乳首は天を突こうとするほどに勃起し、胸は張り詰めている。
「で、さらにこうでしたね。」
零海は指で乳首をはじきながら胸を激しくもみだした。
突如、童子の体がビクンと大きく動き乳首から母乳を噴出し始めた。
「母乳も出るなんて・・・イったんですね。」
零海は前に回って乳首に吸い付いた。
より母乳が吹き出てくる。まるで600年間せき止められていたものが一気に出てくるかのように。
「こ、これは・・・乳忍さんたちが出す母乳に近い味がします!」
童子の母乳は成海たち乳忍の出す母乳の味に似ていた。
乳忍たちの母乳は万能薬になる。薬、食料なんにでも転用可能なものだった。
そして膨乳丸に代表されるように胸を大きくさせる効果もある。
零海はより飲もうと、思いっきり吸う。
それに呼応するかのようにあとからあとから母乳は吹き出てきた。
・・・
「あたしは生まれてはじめてイくことができたわ・・・」
ことが終わった後、童子はそう紡ぎだした。
「600年間長かったわ。思えばあたしは自分をイかせてくれるものが現れるのを舞っていたのかもしれない。あの都一の色男、源頼光でもあたしをイかせれなかったの」
そういいながら童子は自分の手を見る。すこしずつ燐粉になって飛んでいっている。
「でもあなたがイかせてくれたおかげで、ようやくあたしもあの世でいける。600歳のおばあちゃんの若作りでもよかったの。ありがとう。」
もう体の半分以上、消えている。
「あの」
「なに?」
零海は言いにくそうにいいだした。
「・・・甘酒とお団子、いくらでしたっけ?」
「あなたね・・・まあいいわ。タダよ。」
「え、ホントですか!」
零海は心底嬉しそうだ。
「じゃあね、源の末代の娘さん。」
そういって酒天童子は消えてなくなった。
「・・・なんだ、わかってたんですか。」
しばらく零海はそのままでいたが。
「さて行く準備でもしますか。」
そういって自分の荷物を探す。
結構すぐに見つかり今にも旅立てる状態であった。が。
「これどうしましょう・・・」
胸がはだけたままだった。
しかも
「んん~~~・・・どうやってもこれ入りませんよ。大きくなりすぎです・・・」
零海の胸は、童子の母乳のせいか1周り2周りも大きくなっていて着物にどうしても収まらなかった。
「・・・露出して帰りますか・・・・」
零海は今日始めて「真剣に」悩んでいた。
-終-