「第二話」「新撰組との出会い」
ボート共々、滝に流された二人は、浜辺に打ち上げられた
気絶している麻美たち
そこに、一人の男がやって来た。その姿は、刀を二本差し、頭は丁髷に白い鉢巻、それに来ているのは時代劇でよくつかう浪人の着物
そんな格好をしていたのだ
現代の人から見れば、それは、何処かの映画村でやっている時代劇だろう
男は、麻美たちに「おい、起きろ」と言う
そして「それにしても、何て姿だ、異国の者かな、変わった格好してやがる
ふうん、凄い乳だな、どうしたらこんな乳になるのかね、全く」
「おい、起きろ、起きろってば」
麻美の顔をぺシ、ぺシ叩く
「うう、うん、ここは、何処?」
麻美は、横を向いた。横には眠っている桜の姿が
で、逆側を向いた
そこには、男の顔が「男、男ーっ、ええ、嫌ぁ、な、何故男がいるのよ」
麻美は、びっくりして、乳を振り回し暴れだす
男の顔は、そのおっぱいに叩かれてしまい、とても痛かった
「おい、痛いではないか」
「あ、ごめんなさい、私の顔にあなたの顔があったから、それにしても
あなた、けったいな格好してるわね、その姿、あ、そうそう新撰組よね
へえ、何かの時代劇でも映しているのかしら」
麻美は、男に、そう答えた。そりゃあそうだろう、麻美はまだ現代にいると
思っていると言うよりは、滝で落ちたぐらいで自分が住んでいた現代から
過去へ行くなんて事は、考えてもなかったからだ
「確かに、私は、新撰組の一人だが、映画村などは知らん」
「え、でも、それじゃあ、何故、そんな姿をしているの、それとも新撰組
が、好きなマニア、だから、そんな姿をしているんでしょ、ねえ、その刀
もプラスティックモノでしょ、時代劇でよく使う」
「何を言っているのか、何処か頭を打ったのではないか、この刀は真剣だ
この真剣は、ようく斬れるぞ、いいか切れ味を見てみるか」
男は、そこにあった木の枝を斬った
「う、嘘、本当に斬れちゃった、でも、あれ、そう言えば、えらく変わった
所ね」
麻美は、やっと気がついたのだ、浜辺には船がある
だが、それは、今で言う、機械の船ではなく、木造の船
ましてや、ボートなどは存在していない
で、あっち、こっち見渡しても、町はあるが、自分達がいたはずの
マンションや、ビルがいっさい消えている、と言うよりは初めからそんな物はないのだ
「ま、まさか、本当に、新撰組?」
「だから、さっきから、そう言っているだろう」
「うう、うん」
やっと、桜が目を覚ました
「お姉ちゃん、如何したの」
「訳は、後で話すわ、それより、あのう、ここはいったい何処なんですか」
「ここか、ここは、京だ」
「京って、京都の事?そうかあ、京都なんだ」
「それより、貴様達は、何処から来た」
「何処って、東京、あ、東京です」
「東京って、何処だ」
「東京は、東京、あ、あのう、私達は未来から来たんです」
「未来ね、未来って何だ」
「あなた達の100年後の世界から来たんです」
「な、何を言っているんだ、怪しい奴め、そうか貴様達は
そう言って、俺達をその姿で誑かす、長州の犬だな」
「そんな訳ないでしょ、それに、長州藩は、あなた達の敵、私達は
本当に来てしまったんです、この幕末に」
「ええい、黙れ、おのれ、長州の犬め、世迷言を、貴様達のような奴は
俺が叩っ斬ってやる」
「え、」
男は、そう言うと、麻美の頭に刀を振り下ろす
だが、その刀を持っている、腕は、麻美の胸で真剣白羽どりのように
止められた
「こ、このお」
「う、ううん、エイ」
刀を振り下ろそうとする男、それに相手の手を爆乳の谷間で受け止め
ギリギリの寸前で、刀を止め、引き剥がそうとする麻美
で、同時に二人は吹っ飛んだ
「きゃああ」
「うわああ」
「お姉ちゃん、大丈夫」
「ええ、大丈夫よ、それより、あの人、どうなったのかしら」
麻美は、男の方へ近づく、男は、気を失っていたみたいだが
どうやら、刀は何処にも刺さっていなかった
「ねえ、お姉ちゃん、今の内に逃げよう」
「ええ、じゃあ、」
そして、麻美達は、浜辺を抜けて、京の町に出た
もう外は、暗闇であった
「ハア、ハア、ここまでくれば大丈夫ね」
だが、安心は束の間であった
麻美たちに忍び寄る数勢の足音、そして、表れたのはさっきの男と
同じ姿をした浪人たちであった
「お姉ちゃん、逃げれないよ」
「くう」
「ハハハハ、町に怪しい奴がいるとは、聞いていたが、女か
本当に怪しい奴だ、どうれ、局長に合わせてみるか、おい、捕らえろ」
「お姉ちゃん?」
「とにかく、ちょっと抵抗してみよう」
男達は、麻美たちを捕らえようとする、だが、麻美たちは踊るように
おっぱいだけを振り回し、相手にぶつける
だが、脚を持たれた
「お姉ちゃん、」
「しょうがないよ、これじゃあ」
彼女たちは、男達が自分の体に群がっているので、おっぱいの抵抗も
やめたのだ
「さてと、随分梃子摺ったが、おい、連れて行け」
彼女達は、目隠しをされ、籠に乗せられ何処かへ連れて行かれた
そして「おい、出ろ、局長が会いたいと言っている」
麻美達は、そこに放り出された
「あ、いったい、乱暴なんだから、もう」
目隠しを取り、その場所へ座らさせられた
そこにやって来たのは一人のえらっそうな男であった
「この方が、新撰組局長、近藤勇である」
「え、あ、あなたが、あの有名な、へえ、意外と格好いいじゃない」
「え、ゴホン、で、早速だが、お前達は、長州から来たのか」
「違います、私達は、未来から来たのです」
「未来だと、本当にそんな事があるのか」
「私たちだって信じられません、だけど、自分達が証人なんですから」
「確かにな、まあ、いい、とにかくだ、まだ何も判らん
当分の間は、牢に入っていて貰うぞ、おい、ぶち込んどけ」
すると、近藤は向こうへ行った
「あ、あのう、ちょっと」
「さあ、来るんだ」
彼女達は、男達に連行され、牢にぶち込まれたのだ
その夜、一人の商人が、近藤を頼ってやってきた
大黒屋である
「局長、そんな事があったのですか」
「まあな、疑わしい奴らだが」
「ほう、未来から来たと、こうなりゃ、その女たちを局長のモノにして
私達の未来の事を聞いてみましょうよいや、局長も好きでしょ」
「ああ、あの女二人の爆乳は堪らん」
「へへへ」
大黒屋は未来を変えようと企んでいた
一方、牢に入れられた二人は
「ねえ、お姉ちゃん、このままじゃ私達、新撰組に殺されちゃうよ」
「歴史が変わることをしては行けないわ、いい私達は、これから
色々な人と会って、多分新撰組と戦わなくちゃいけないと思うの」
「でも、私達、戦うなんて」
「まあ、正確には、逃げ延びる事よ、そのために爆乳があるんだから」
「ええ、そうね」
「だから、まずは、ここを出ましょ」
「はい」
麻美たちは、先に牢から出て、いろんな人に会おうと考えていた