幕末女教師第二章「全く別の物語」

救急戦士 作
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「第六話」「落とした教科書」
麻美と、桜が屯所に来てから、何日かが過ぎた
その日の朝、麻美は、局長に呼び出された
「あのう、失礼します、麻美ですが」
「ああ、入ってくれ」
「はい」
言われたとおり、麻美は近藤の部屋の中に入る
「何かようですか、おっぱい飲みたかったらどうぞ」
「いや、今日は、そうじゃなくて、最近藩士達は、剣術の稽古で
学問が疎かになっているのだ
何でも、そなたはここに来る前は、先生をしていたそうだが」

「していたって、今でも教師ですよ、そりゃあ最近はおっぱいを飲ませるのに忙しくて、勉強の事は忘れてましたけど」
「それでだが、私はちょっと用があるので、出て行かなければならん
暫くの間、そなたが学問を教えてあげて欲しいのだ
頼めるかな」

「何だ、そう言う事ならお安い御用です。
運動は苦手でも、勉強を教えるなら判りました。
皆を集めて来ます
けど、何処で教えれば」
「それなら、ここから先に学問所がある、我々の管轄だから、何処を使ってもいいぞ」
「あ、はい、ありがとうございます、では」

そうして、麻美は、部屋に戻った
「ねえ、お姉ちゃん、話は何だったの」
「え、ええ、勉強を教えてくれって、藩士の皆に」
「あ、そうか、判ったわ、じゃあ私も、取り遅れた分を頑張るわ」
「うん、じゃあ、早速、荷物を、って何処にあるの、荷物」
「それなら、沖田さんが、」

ちょうど、そこへ沖田が通りかかった
「沖田さん、沖田さん、」
「やあ、どうしたんだい」
「あの、荷物を持って来てくれませんか、私、明日から学問所で
先生として、藩士の皆さんに、勉強を教えるんです」

「ああ、そうだったね、局長から聞いている
判った、じゃあ待っといてくれ
ついでに桜君の分も、持って来てあげるからね」
「あ、はい」
沖田は、出て行った

数分後、沖田は、荷物を持って来た
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます、あのう、中身を見ましたか」
「いや、見てはいないが」
「そうですか、もし、未来を変えれるなら、いつまでもあなた達に生きていて欲しいです」
「ありがとう、けど、その中に、私達の一生が書いてあっても
それは、仕方のない事だ、ありがとう」
「いいえ、では、」
「じゃあ」

沖田と2人は別れた
で「さてっと、教科書、教科書、ってあれ、教科書がない」
「ええ、あ、お姉ちゃん、私のも」
「へんねえ、何処に落としたのかしら」
「さあ、けど、来る時は、持って来たんでしょ」
「多分、そうだと思う」
「多分って」

「だって、あの時、男達に襲われた時に、落としたかも知れないじゃない」
「うん、そうね、まさか、それとも私達の事を疑っている人が
まだ、この中にいて、教科書を盗んだのかも」

「そんな事をしたら、歴史が変わってしまうわ、けど、これは沖田さんが
大事にしていてくれたじゃないの
それに、私は新撰組を信じたいし
鬼の副長が、そんな事を許すわけないもの」

「お姉ちゃんたら、まあ、じゃ、探しますか」
「そうね」
2人は教科書を探しに出かけた

新撰組屯所では「麻美さん〜桜君」と、明里が声を掛ける
だが、部屋に返事はない
「あれ、何処にいったのかしら」
明里は、早速皆に声を掛けた

「ええ、また、何処かに行ったのですか
心配だな、何事もなければいいのですが」
沖田を始め、皆は、麻美たちを探しに行った

一方、麻美と桜は、以前、襲われた所に教科書がないかを探していた
「落ちてないわね」
「どうしようか」
「困ったわね、明日授業が出来ないじゃないの」
麻美と桜は、その場所に座り込んだ

まだ、朝である、近くの人に聞けばいいのだが
また、チンピラや侍に、襲われるのは嫌だし
例え、爆乳があっても、疲れているために、爆乳を飲ませても捕まってしまう
どうしようか、迷っていると
また、声が聞こえる

今、出て行ったら、窒息も出来ずに、飲まれ吸われ放題になってしまうと
思い、麻美と桜は、気配を殺し、声の主の登場を待った

声の主は、侍だった
侍は、多くの浪人を従えて、何処かに消えてしまった
話は「これは、何だろう、何かの歴史みたいな物を書いているが」
と、本を持って浪人たちに言っている

「あ、あれは、教科書じゃないの、今は、無理ね
で、あの人達、何処に行くのかしら」
「ねえ、着いて行ってみましょうよ、きっと行く場所があるはずだわ」
「ええ」

麻美達は、浪人達の跡を追う
で、やって来たのは、島原だった
「あ、やだあ、ここは、花街じゃないの、全く男って奴は
如何して、こんな所に来るのかしら」
麻美と桜は、呆れ果てた

すると「それは、だね、男だからさ」と後ろから声を掛ける人がいた
ビクッとする、麻美と桜は、振り向きざま、乳でふっとばし、逃げようと
思った、が

そこには、沖田総司がいた
「お、沖田さん」
「全く、心配懸けないで下さい、こっちの身が持ちませんから」
「ご、ごめんなさい、あ、そうだ、沖田さん、今晩私達を
あそこに行かせて下さい」

「あ、あそこって、花街だよ、駄目だよ、君達はあんな所で働かなくっても」
「いいえ、働くんじゃなくて、教科書を取りに行くんです」
「教科書?」

「明日、授業で使うまあ、勉強器具ですね」
「なるほど、判ったよ、けど、無理はするな」
「ええ、いざとなったら、爆乳を飲ませますから心配しないで下さい」
「判った、じゃあ、気を付けてな、一旦、戻るか」

局長の許しを終え、2人は、沖田に連れられて、花街に来たのであった。