「第十一話」「幕末から、江戸へ」
新撰組の屯所から消えた桜は、別の場所にタイムスリップした
「きゃああ、」と言いながら落ちる
「イタタ、ここ、何処かしら」
辺りを見てみると、そこには、幕末の時代でも見慣れた男が女と一緒に
いた所であった
「あ、ご、ごめんなさいね、直ぐに出て行きますから」
桜は、そう言うと、外へ出て行った
呆気に取られていたのは、男と女だった
男が、女に酌をしている所へたまたま落ちてしまったからである
外に出た桜は、あの場所を思い出し
「やだあ、あそこって、遊廓じゃないの変な所に出ちゃったわね、
あれ、けど、だったら、私、まだ幕末にいるんじゃ
でも、何か違う気がするな、
何か、幕末の京都じゃないみたい
いや、ここは江戸よ、けど、あ、そうか江戸の中期ぐらいの時代みたいね
けど、これから如何しよう、
いくらなんでも、この姿じゃ怪しまれるよ
あ、やだ、道に迷ちゃった、困ったな」
桜は、そう言うと、近くに小屋があったので
「あ、あそこで寝よう、もうすぐ暗くなるし」
と言って小屋を空けた
小屋には誰もいなかったので、そのまま眠った
翌朝「ううん、やだ、何、何で縛られてるの」と桜は自分の姿を見た
「これ、どういうことなの、変ね」
桜は、目の先に、子供が縛られているの確認する
「ねえ、ねえ」
と、桜が呼びかけ、子供達が反応する
「ねえ、君達、何故、縛られてるの」と聞く
「うん、僕達を人質にして、父さんから金を奪う人達がいるんだ」
「そうなんだ、けど、何で私まで縛られなくちゃいけないのよ」
「それは、お姉さんの姿が、いかにも怪しいからさ」
「そんなあ、けど、如何する事も出来ないな」
縄で縛られて思うように動けない桜は、困っていた
すると、小屋の中に浪人達が入って来た
「さあ、行くか、そろそろ金を貰う時刻だしな」
浪人の一人が、子供2人を連れて行こうとする
「おい、あの女、如何する」と、別の浪人が答える
「怪しい奴だし、俺達の素顔を見てしまった、ようし、殺せ」
「ああ、そうだな、けど、たっぷりと楽しんでからでもいいか」
「好きにしろ、俺達は、金を受け取りに行く」
「判ったよ、じゃあな」
「ああ、ようし、行くぞ」
浪人達は、一人を残して、出て行く
そして、下手な笑いをして迫る男
「ち、ちょっと何するのよ」
「へへへへ、あんた凄い胸してるな、縛る時も大変だったよ
けど、これでお別れだし、そろそろいいかな」
男は、桜に乗った
桜の胸に顔を埋める男
「いやあ、や、やめてえ」と叫ぶが、男がやめるはずはない
「しょうがないわね、あのう、縛られているので、ちょっとおっぱいが
痛いの、縄を斬ってよ、そうしたらまた飲ませてあげるから」
桜の誘惑に、男は簡単に乗ってしまった
男は、縄を斬り、桜の胸に顔を埋める
「あはん、あん、いいわ、いい、じゃあ私も、」
そう言うと、胸に顔を埋めていた男の頭を手で押さえて窒息させる
その後、男を蹴らないように、ゆっくりと這い上がって、小屋から出た
そして、そのまま逃げたのだが、金の取引現場を目撃してしまう
桜が、助ければいい事だが、
仮にも江戸時代、悪人全員におっぱいを飲ませ、助けたとしたら
歴史はどうなってしまうだろう
そう、考えてやめたが、突如現れた侍に浪人達は斬られた
「な、何なのあれ」
その侍の名こそ、御存知旗本退屈男である
「やだあ、もしかして、私が助けても良かったんじゃないの
まあ、いいか、あ、そんな事より、あの人追いかけないと」
桜は、侍を追いかける
捕まった子供達の親は、その侍に礼を言って帰った
そして「あのう、すみません」
「うん、拙者の事かな」
「はい、あのう、私、河合麗奈と申します
私、未来から来て家がなくて、困っているので、屋敷に置いてくれませんか」
「何、未来からとな」
「あ、はい、駄目でしょうか」
「うん、俄には信じ難いが、いいであろう、拙者に着いて来い」
「はい」
桜は、こうして、一日を終えるのであった。