魔法少女界隈誌 序章

またたび 作
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ここは少女たちの町。しかし普通の街と違うところがある。
それは…

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「はぁ…はぁ…はぁ…。」
1人の女の子が何かから逃げている。
その少女は一般的な「人間」とは違う。背中に翼を生やし、皮膚は紫色。

「こ…ここなら…大丈夫、でしょ…はぁ…はぁ…。」

しかし…

「いたぁ!!!ここにいたわぁ!!!」
「ひ…ひぃ!」

「奴ら」にバレてしまった。
逃げなければ。と裏通りを進む。

「逃げんなぁあ!!これはアタシの獲物よぉ!!」
「ひいいいいいぁ!!」

今度は別の少女にバレる。
また逃げる。しかしまた別の…

「いたぁ!!」
「逃がすかぁ!!!」
「二か月ぶりの『獲物』よぉ!!!」

「う、う、うわああああああああああああああ!!!!!」


――この町は、人口の9割が『魔法少女』なのだ――


残りの1割が「悪役」と呼ばれる「被害者」である。


なので、よくある「限られた少女達が巨大な悪に立ち向かう」とかではなく、
「正義を名乗った集団が一部をリンチする」という、なんとも聞こえの良くない世界になっている。
勿論、1割の人間が進んで敵役にはならない。
この街に入居するときに勝手に「配役」がなされる。
「敵役」にされたら最後、魔法少女たちに捕縛されエネルギーを搾り取られる運命なのだ…。

一方勝ち組のように見える魔法少女側も楽ではない。
定期的に敵を倒さないと魔法少女状態を維持できない。

彼女たち魔法少女の姿は彼女たちの『理想の姿』である。
彼女たちは自分たちの『理想の姿』を少しでも長く維持しようと躍起になっている。
なので敵を見つけるや否や「栄養だぁあああああああ!!!」とそこらじゅうの魔法少女たちが『狩り』に躍起になる。
こんな風に、魔法少女と敵役のバランスがあまりにも悪すぎるため、魔法少女同士で敵を奪い合ったり、敵情報を騙しあったりと、治安は仁侠映画ばりに悪いのだ。

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世界で暮らす女の子たちの日常風景を掻い摘んでお伝えさせていただくのが、この雑誌でございます。
お手すきの間でも結構です。彼女達の日常にお付き合いくださいませ…。