「君、女の子らしくないので採用したんだよね。」
彼女の名前は直琉(じきる)
大手薬品会社のOLである。
子どもの頃から化学反応が好きで、化学の成績はピカイチ
なので薬学大学も趣味の感覚で主席卒業。自分の能力に見合わない会社に何のご縁か入れたが…
何とこの会社に入れたのは自分の容姿だった。
確かに自分の体には女性らしい身体はない。
中学からの不動のAAカップ、というかブラ着けなくても大丈夫、ていうか着けてない。
尻も特に膨らまなく、性徴という性徴が全くない。
確かにない。女性らしさは。
何故か身長だけ妙に伸びたし、ハッキリ言えば「女性らしくない」
だが、何か癪に障る。
採用理由が『女の子らしくない…』
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直琉は古本屋が好きだ。
乱雑に詰め込まれた古本の匂い。
自分が世界最後の人間のような感覚。
「…ん?」
そんな中、自分の目に止ったのは、一冊の本。
『ジキル著 もう一人の自分』
「…。」
ジキル博士とハイド氏
薬品を飲んだら別人格が生まれた本。
自分とたまたま名前が同じなので興味があり読んだ。
まぁファンタジー的なものなのね、と思った程度。
なのでジキル著、という時点で嘘に決まっているが、何か自分の中で興味が惹かれた。
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「…………ふ〜ん」
意外に面白い。
『新しい自分』を手に入れる方法等、中々に手の込んだものだ。
薬品の名前なども正確だし…何なら今の時代、簡単に手に入る。
「…女性ホルモン?」
何で女性ホルモンがいるんだ…まぁいいか。
何か面白そうだ。せっかくだし作ってみるか。
自分も薬学好きだし。製薬会社の関係から薬品をくすねるのも簡単(軽く犯罪だが)
……
果たして、数日で薬品は完成した。
ややネバッとした桃色の液体。
こんなので『新しい自分』とは笑える。
でも何故か興味惹かれる。なんでだろ。長い社畜生活で心が荒んだのかな。
『君、女の子らしくないので採用したんだよね。』
上司の言葉がフラッシュバックする。 私だって女だ。 女性として…少しは見て欲しい…
ゴク、と薬品を飲んでみる。
思いのほかストレスなく飲み込める。
全て飲み干す。
明日。何も変化起きず。
「…はぁ。」
何やってるんだ私は。
こんな馬鹿馬鹿しいことを…。
あ、もう朝じゃん。
仕事行かないとな…
お昼。
上司と近場のレストランに行く。
ウェイターさんにコーヒーを頼む。
「そうだ直琉。君に頼みたい仕事がある。」
直琉「え?…何でしょうか。」
「新しい香水を作って欲しくてね。最近君の成績が上の目に止ってさ、君に任せてみたいと思う。」
直琉「…っ! はい やってみます」
何と自分に出世チャンス。
ここで上手くいけば昇給・昇格も夢じゃない。
まさか薬品を飲んだから?そんな馬鹿なことではないと思うが…。
直琉「頑張ってみ… ぅ♥」
ゾゾゾ…と何か妙な感覚が直琉を襲う…。
ドクンドクンと鼓動が早くなり、体が熱くなる。
「…? 大丈夫かい?」
直琉「あ…はい、何か…急に怖気が。」
「これから一大仕事なんだから、体調には気を付けてね。」
直琉「は、 はい…ぅぐ♥」
今度は右手に違和感。
「え…ちょ、爪から血が出てる!?」
直琉「え、嘘…??」
透明な爪に、徐々に赤い色が浮き出てくる。
血か?にしては妙に明るい…というか、血じゃない。まるでマニキュアのような色だ。
直琉「…!?」
不肖ながら放っておいた、腕の産毛もみるみるなくなっていく…
直琉「ぁうっ! ぐ ぁ♥」
お腹、いや…下腹部。ちょうど股間付近に未知の感覚を覚える。
そこは子宮と呼ばれる箇所である。バクンッ!!バクンッ!!!と定期的に脈動する。
「ちょちょちょ…本当に大丈夫?」
直琉「い いえ…なんでもっ! なんでもないですっ!」
「え…その髪の毛、なに?」
髪の毛…?何を言って…
ふぁさ…と何か肩に羽毛が落ちてくる感覚が…と、レストランにあった鏡を見る。
直琉「っ!!?」
なんと自分の髪の毛が伸びているではないか。
耳まで切りそろえたはずの黒髪が、徐々に伸びて、更に色あせて茶髪のように色が変わる。
更に伸びた髪の毛が、まるでカールでもかけているかのようにくるくる曲がり始める。
直琉「な、ななななななな…。」
上司「ちょ、ちょっと…調子が悪そうだね。」
直琉「あ、いや…そん なことはっ!?」
ウェイター「きゃぁっ!?す すみませんっ」
急に立ち上がった直琉にちょうどコーヒーを持ってきたウェイターが驚きコーヒーをこぼしてしまう。
見事、直琉の胸元付近ぶっかかる。
「あぁお客様っ! す、すぐ拭きます!」
テキパキと布巾を用意し拭こうと…
ズリュゥン!?と直琉の左胸から何かが出てくる。それは一般的に言うところの乳房、というものだ。
上司・ウェイター・直琉「っっ!!!?」
今まで膨らみどころか「胸」の形すらなかったところに急に万人認める「おっぱい」が急に出てくる。
直琉「え…はいぃ!? (な、何…これ、むむむ…胸ぇ!?)」
上司「ぇ…」
ウェイター「あわわわわ…。」
直琉「あ… たたた多分、アレルギーか何かで っ♥!?」
ブリュゥンッ!?と右胸にも遅れて乳房が出てくる。
いきなり絶壁AAカップが息をつく間にDカップ程
直琉「あ の えと」
上司「………………。」
直琉「そ 早退しますぅうぅ!!!」
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「ふぅん♥ く うぅ…♥」
レストランから自宅までは徒歩圏内。
なのですぐに帰れる。が…
その間にも体の変化は収まるどころかひどくなる一方
メキメキ…ズリュ…グチュグチュ…と骨格までも変わり、内側から女性の柔らかさが出てくる…
ドユンドユゥン!とノーブラの服の中で出来立ての巨大な餅が暴れまわる。
「ぅ ぅあっ♥!」
何とか自室に帰る。
一体自分に何が起きているのか。
洗面台に向かう。
まるで別人だった。茶髪は更に色あせ金髪に。
今まで木の棒のような体型には、すっかり女性的な脂肪がつく。
「あぁ… なに これ…。」
パツパツになった服を思い切り破ると…
「 」
ダプゥォン!とメロンほどの大きさの房が現れる。
10分前まで視界良好だったはずなのに、ムチムチの乳がぶら下がっている。
あまりの様に絶句する直琉。
まさか、 あの薬?
「っぅうぅっ♥!」
ズグンッ!と定期的に続いていた子宮に、更なる衝撃が走る。
「っ!! ぅぁ ぁ ぁぁああぁぁっ♥!?」
ドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッ
「い、嫌ぁっ♥!」
ドクッドクッドクドクッドクッドクドクッドクッドクドクッドクッドク
「も、ダメッダメッ…」
ドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドク
「ダメェェェェェエッ♥!!!!」
ドックゥンッ!!!
「うぐぅぁっ がぁぁっ かっ っ♥」
人一倍の衝撃で直琉は限界を迎える。
ムリュリュ!!!と更に爆乳が膨らむ。
しかし既に直琉に意識はない…。
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直琉?「 ぅ ぅぅん…。」
ここはどこ?わたしはだれ?
むくりと起き上がる。
直琉?「こ、これは…夢じゃなかったのね…。」
ユッサァ…と乳袋が揺れる。
まな板からいきなり、スイカが2つ飛び出してきた。
乳首もプックリと膨らみ、咥えて欲しいと言わんばかりにピクピク痙攣している。
直琉?「ど、どうしよう…。」
いきなりの細身の棒体型から、こんな大きさになってしまったのだ。
胸の他、お尻や体のあちこちにも妙に女性らしいムチムチと肉付きが良くなっている。
直琉?「着る服…ないよなぁ…。」
タンスの中をかき回し、何とか前に通販で間違えて買った大きいサイズの服一式を見つける。これなら着れるかも…。
その前に、シャワーを浴びよう。
先の変身で汗まみれだ…。