私の中のミス・灰戸/灰戸@

またたび 作
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ところ変わり直琉近辺の道。
達樹(たつき)という男がいる。

直琉の彼氏で結婚なんかも考えている。
仕事で忙しい直琉をサポートするような形で専業主夫になっている。
「あれ、鍵開いてる…?」
家に帰るとなぜか鍵が開いている。
まさか泥棒と思ったが、家の中に荒らされた形跡がない。
ふと、風呂場でのシャワー音に気付く。

「(もしかして、直琉…?)」
今日は仕事が早く終わったのか?と思い脱衣所へ。
脱衣所にはなぜか敗れた服が散乱されている。
「ん?何だこれ…何かあったのかな。  直琉〜?いるのかい??」
『あれ?達也君?』

と、シャワールームから慌てて出てくる女性。
直琉かな?と振り向くとそこには…

顔は直琉に似ている。
しかし、それ以外は全くの別物だった。
髪は綺麗な金髪に、砂時計のような体に巨大なバスト。
胸のインパクトが凄いが、安産型の丸い張りのあるヒップ。
男の女性に対する性欲を全部詰め込みました、というモデル体型。

達也「っっっ!?!?!」
直琉?「一体どうし…た…の…。(はぇぁっ!?)」

直琉もすっかりと自分の状態を忘れていた。
今の姿は普段のそれと全くの別物だということに。
達也「は…あの…どどどどちらさささ。」
直琉?「あ え〜 その ん〜  とりあえず、タオル、下さらない?」

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達也「え〜と…直琉のお姉さん…そんな話一度も…。」
直琉?「あはは…妹とは疎遠なんです…はっはは…。」

少し落ち着いた達也に直琉は妹であると伝えた。
なるほど(体はともかく)顔は面影がある、と達也は納得してくれた。
達也「えと…お姉さんのことは、その…お姉さん、て呼べば大丈夫でしょうか?」
直琉「え ん〜と、そうですね…。」
別に呼び方は何でも良いが、お姉さんは何かむず痒いし、何か適当に名前を考えよう。
ん〜いざ考えると何も思い浮かばない。友達のペットの名前を考えるのに何時間もかかった自分の名前センスのなさに腹が立つ…。

直琉?「…ど(うしよう)」
達也「はい?」
灰戸「あ、そう!はいど!灰戸って言います!」
達也「はい…ど?」
灰戸「…………………。」
達也「…………………。」

灰戸「(わかるよ〜『ジキル博士はハイド氏』みたいって思ったのは〜実際そうだし〜!!)」
達也「えっと、じゃぁ灰戸さんで。いいですかね。」
灰戸「えっと、はい…。」
何か普段話している男が急に他人になると、変な感じだ。

達也「その服…直琉が昔、間違って買った服ですよね…ブカブカでサイズ合わなくて。灰戸さんが着ているんですね。」
灰戸「あ…ははは。もらっちゃって…。」
達也「?  この前洗濯したばっかりなのに…。」

ギクッ

灰戸「今日!?今日もらったばっかりなのででで…。」
達也「ふぅん…そういえば、直琉の服が脱衣所でボロボロになっていましたけど…何か知ってます?」
灰戸「えっ!?あ〜んと…そのぉ…。えと、何か薬品をかけちゃって破けちゃったとか、言っていたような…。」
達也「そうなんですか…。そういえば、この家は?」
灰戸「妹に教えてもらって〜鍵も貸してもらったんです〜。」
達也「え、今日着ていった服、破いちゃったのに、ダイジョブかな直琉。」

ギクッ

灰戸「よよよ予備の服があったそうなんでダイジョブですよぉ!?」
達也「え、あ…はい。(なんで結構な勢いで詰めてくるんだ。)」
まずいまずい。変に達也と会話しているとボロが出るかもしれない。
よし、とりあえず…

灰戸「はは…すみません勝手に家に上がって…私、そろそろ失礼しますね〜。」
達也「え?何なら直琉本人に会ったらいいんじゃ…。」
灰戸「あ、もう会ったんで大丈夫ですよははは〜!」

灰戸「じ、じゃぁ!あっしはコレニテ失礼シマスゥゥゥゥウウウゥ!!」
そのままドヒューンとドアから飛び出す。

達也「…。」
すごいスピードで家から出たな。
それにしても、まるで間取りを理解しきっているようだ。
実はよく来ているのかな…と思う達也であった。

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灰戸「……。」
外に出てしまった。
しかし、街は当然人がいる。

そして、多くの人間の目がある場所だ。
今の灰戸はノーブラ・ノーパン。ブルンブルンと胸や尻がブルブル揺れる。
男は愚か、女性陣までもナニアレナニコレと見る。

して、当の灰戸本人は…

「(あれ…何か嫌じゃない…。)」
普段の直琉は人目を嫌う。
誰かに何か気にされるのが嫌なくらいだ。
しかし、灰戸となった自分にはそんな感情が抜けている…
「(何か…注目されてるのも、悪くない、かも♥)」
というか、何か変な気分に…

灰戸「ってアバズレかぁっ!?」
とりあえず、この格好を何とかせねば…。
肌は見えてないが、すっかり巨大化した乳首とか、尻もギリギリ隠しているものだ

灰戸「…。」
仕方ない。恥を忍んで買いに行こう…。
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「えっと…お客様、そのぉ…本店でもIカップが最大なので…さすがに、このサイズは…。」
灰戸「…え、え〜。」

確かにデカいけど、Iカップ以上にあるのか…この胸。
確かに肩にダンベル5,6個つけてる感覚だけど…

「お客様、それにしても凄いですね。こんなにお胸やお尻は膨らんでいるのに…腰回りには無駄な脂肪一つないなんて…何かグラビア的な…。」
灰戸「いやぁ、そんなぁ…エヘヘヘ…。」

身体のことに言われるのは何かちょっとくすぐったい。

「しかし困りましたね。こんなサイズ海外にも…オーダーメイド価格になるのではないでしょうか。」
灰戸「オーダーメイド…。」
とんでもない値段になるんじゃないか…。
しかし、下着を着けないのは御免だ。
さすがに恥ずかしいし、何より重い。

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灰戸「♪〜♪〜」

一通りの服を購入。
なお値段は考えないものとする。
しかし体型の関係からかわいい物、という訳にはいかない。
なので結構な露出とが、体型がわかるようなピチピチな服しかなかった。
何か個人的には何故かまんざらでもない。

しかし普段から他人の目が嫌なのに何でかな、薬の影響?
フリフリ揺れる胸も尻も嫌じゃない。
皆の熱い視線も気持ちいくらい…

気持ちいい?

何か性格まで別人になったような…まぁ考えても始まらない。
とりあえず元に戻るために調べ物をしないと、会社に戻るか。

___

社員達には質問攻めにあったが、変わった姿は適当にごまかす。
『ジキル著 もう一人の自分』

この本をしっかり調べる。
出所の会社はもう倒産しているらしい。
ジキル、というのも検索しても、小説の話ばかり…


灰戸「う〜ん…八方ふさがり…。」
困った。本当に情報が無し…

となると、あの本をもう一度読んでみるしかない。
まだ薬品開発の部分しか読んでいない。最後の部分に元に戻る方法があるかも…。

達也「あれ?灰戸さん?」
灰戸「●×△※〜っ!? たたたた達也君!?」
達也「えぇ、直琉の夕飯を持ってきました。」

達也は普段多忙な直琉に毎日お弁当を持ってくる。
そういえばもうそんな時間か…。つかやべぇ…。

達也「直琉はどこに…というか灰戸さんも何でここに…?」
灰戸「え〜とあ〜とん〜と…。」

やばいやばいやばい…どうやって言い訳つけようかななななな…

灰戸「あ〜んと、じ、じ…直琉は急遽出張で…わ、私はその…穴埋めのために派遣されたんですぅ〜。」
達也「…………。」
灰戸「(さすがに無理ある!でももうそうとしか言えない…。)」
達也「……ふ〜ん。まぁ、直琉らしいっちゃ直琉らしいですね。」
灰戸「(普段の無精が役に立った〜でも嬉しくね〜。)」

どうも達也の中では直琉は『同居人に何も言わずに出張に行く女』らしい。
普段そんなことは…してない…してない、よね?

達也「ん〜でも、お弁当どうしよう…。あ、灰戸さん、もう夕飯食べました?」

ということで灰戸は夕飯をいただくことになった。
その間、達也は灰戸にいろんな話を振ってくれた。
直琉との出会いとか、経緯とかを主に…

灰戸「(み、妙な気分っていうか…恥ずかしい)」
自分のことを他人から聞くのは変な感じだ…
灰戸「(でも達也って…私のこと、イロイロ見てくれているんだ…。)」

自分のことをあまり顧みずに薬品に没頭したり、それで体調悪くして寝込んだこととか。
本当ダメな人、と思ったがそこが放っておけないとか。
女性らしさはないけど、自分はそれに安心するとか…。

灰戸「仲がいいんですね…あなたとその…直琉って…。(私もやっぱり、達也君がいないとダメ…)」
達也「いや、そんな…僕は仕事できないし。家事くらいしか能がないから…。直琉にも、必要とされているのかわからないし。」
直琉「そんなことない!?」
達也「え…。」
灰戸「あ、いや…と、彼女は思ってますから…ははは…。」
やばい、直琉が出た…。

達也「あはは…そうだと嬉しいですね。あ、こんな時間だ…帰らないと。」
灰戸「あ、下まで送ります。」

_

達也「今日はすみません。遅くまで話し込んで。」
灰戸「そんな…妹を知れるいい機会だったわ。それと彼氏さんは相当惚れてるってことも、ね♥」
達也「え…そ、そんなこと///」
灰戸「うふふ♥」

かわいいな、達也君…私のモノにしたい…♥
ん?何か変な感情がでてしまった…。

灰戸「直琉に飽きたら…私が彼女になってもいいですよ♥」
達也「え…えぇっ!?」
灰戸「顔以外にオッパイとか尻とか、話している間チラチラ、見られてたし…。」
達也「あ   あの、その  ごめんなさいですぅ!」

小恥ずかしくなったのか急いで帰る達也。
まるで子犬みたいだ。可愛らしいこと…。
何か脳内がピンク色だな…薬の影響かも…。
さて、薬品の調査しなおし…

ズズズ…と鳥肌が立つ。
「…っ?」

なんだ…身体がおかしい…。
右手を見てみる。
右手の、勝手についていた赤いマニキュアが、溶ける様になくなっていく。

灰戸「え?…」

そして、スルルル…と直琉の時に生えていた産毛が…生えてくる。
灰戸「ま、さか…ぁん!♥」
ドクンッ!と子宮に衝撃が走り、ブリュンっ!と巨大な胸と尻がこれでもかと弾む。
灰戸「こ、この感覚…っ!♥」間違いない、これは…

ズリュゥッ!と胸が1サイズダウンする。
まだ変化は終わらず、ムチュムチュと胸の中身が脈動しながらドンドン萎んでいく…。

灰戸「はぁぐっ♥はぁん! んんっ!?♥ も なんでこんな気持ち…いひゃぁん!♥」
グチュ…メキメキ…ヌチュゥ!!
骨格が変わり、ムチムチの脂肪が体の中に吸い込まれるようになくなる。
何とか会社の事務所に辿り着く。

服はすっかりブカブカになり、ズボンはすり落ちる。
髪の毛も金髪は抜け落ちはじめ、スルルル…と頭に戻る。
普段の直琉の短髪黒髪に戻っているのだ。

灰戸「アギィッ う  ガハッ!!♥」
ドクンドクン…と更に子宮への衝撃が増してくる。

ドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッ
「また、これ…にぃっ!!!♥

ドクッドクッドクドクッドクッドクドクッドクッドクドクッドクッドク
「も、またッ…♥」

ドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドク
「イグゥゥゥゥゥウゥッッ♥!!!!」

ドックゥンッ!!!
「はうっ♥   う ぁ   ぁ…」
人一倍の衝撃で直琉は限界を迎える。
それを最後に残っていた体の脂肪はすっかりなくなる。
汗と蜜でびしょ濡れだが、意識は飛び、体に合わない服をそのままに、灰戸は気を失った…。