灰戸「…んんぅ♥」
灰戸は目覚める。
頭がボーっとする。
汗と蜜でベッドシーツはベトベトだ。
灰戸「ぅ…ん、さて…と…。」
胸部部分のボタンが全部吹っ飛んだYシャツと、ゴムが馬鹿になったパンツを脱ぎ捨てる。
全身生まれたままの姿になったが灰戸は気にせずリビングに向かう。
勿論狙いは中和剤である。
灰戸「もう私ったら…何考えてあんなもの作ったのかしら…。」
せっかくこんな美しい美ボディーを手に入れたのだ、それを捨てるなんて…阿保らしい。
あんな薬品捨てて、達也と幸せなハッピーライフを得て、作った香水で出世街道まっしぐら。
…彼が望むなら何人でも…子作りしてあげる♥
だからその幸せを破壊する。あんな注射は消さないと。
製造方法も消して、二度と変な考えを起こさないようにしなきゃ。
ま、元のスレンダーも捨て難いけど、こっちの方が気持ちいいし♥
カバンの中にある注射と本を取り出す。
さて、日記は燃やして…と考えていると、達也の寝室が目に入る。
あと少しだったんだけどなぁ…と思ったが、それ以上に…
灰戸「 …?」
何かあの部屋に感じる。
なんだろ?
そんなことより早く薬を…
いや、気になる。
灰戸「 …っ。」
何か、感じる
体が疼いてくる…。
我慢できずに注射と日記を置いて、達也の部屋に入る。
何が気になるんだろう、とあたりを見回す。
何の変哲のない男性部屋。
灰戸が目にとめたのは、ごみ箱だった。
特に特別なものでない、プラスチックの円柱の箱。
その中のティッシュに…
ふと、1つ摘まみ上げる。
灰戸「ぁ…ぅぁ♥…ぁ…♥」
まさか、まさか…
うそでしょ?自分はこれに反応したのか…?
閑話休題。昨日に遡る。
さて、1人の男性がいる。
なんとモデルスタイルの女性に誘惑され、それなりの前戯をし、いざ愛し合おうと思ったときにいきなりお預けをくらったら、どうなるだろうか?
答えは簡単。昂ぶりに昂った性欲を自分で寂しく処理するしかない。
灰戸が反応したのは、そんな彼の”一人遊び”の”残り香”である。
灰戸「…っ♥ …っ♥」
普通、少しでもまともな神経をしていれば、そんなことより優先することがあるだろうと思うはず。
しかし、薬品の影響で『性欲の権化』と化している灰戸には、この匂いは体中が反応するのだ。
灰戸「(達也の…♥達也の…♥達也の…♥達也の…♥)」
もう彼女の脳みそは性欲で一杯だ。
既に下半身は濡れ濡れ。彼女の大きな乳房も乳首もパンパンになる。
灰戸「もう…もぅ…我慢できないっ!?♥」
彼のティッシュを鼻にこすりつけ、彼のベットの上で自慰を始める。
胸を片手で乱暴に揉みながら、もう片方の手で自分の秘部をいじめる。
クチュクチュ…という彼女の秘部の音が、更に興奮を掻き立てる。
灰戸「ぁあ♥ いいわぁ…達也ぁ♥ んっ!?♥ 強引…なんだからぁ♥」
彼女の頭の中は、彼との愛撫の妄想でいっぱいである。
灰戸「ぁ おぉんっ♥ ん ふぅうっ♥ 」
達也の部屋、ベット、そして…。
灰戸「 ぁ、ぁ、ぁ、ぁぁあぁっ!!!♥」
ビクッビクンッ!とわずか数分で果てる。
しかし、彼女は一回程度では満足しない。
灰戸「 はぁ は もっとぉ♥もっとぉ♥」
もはや彼女に直琉の面影は顔以外にない。
だれも彼女のことを直琉とは思わないであろう。
男性の残り香で自慰に耽る野獣、と思うだろう。
今の状況を見ていれば、誰もがそう答える。
灰戸「はぁ…♥ 達也…♥ かわいいよぉ、達也ぁ♥」
もう4,5回イっている。
でもまだ冷めない。ああ、薬を壊さないといけないのに。
でもまだ冷めない。日記を燃やさないといけないのに。
でも
まだ
灰戸「 っ!?♥ 〜〜♥ っ!!!」
バクンッ! と反り返る…。
そのままガクガクと痙攣する。
すっかり大量の潮と汗で、ベットどころか部屋の床もビショビショ。
しかし、その中央の灰戸は、これ以上ない程の快感を感じていた。