私の中のミス・灰戸/終劇

またたび 作
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直琉「…っ…ぅ…。」
夕方。

直琉は目を覚ます。
何してたんだっけ…。
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直琉「…はぁっ!?」
飛び起きる。
そうだ、注射!? 注射は無事なのか!?
ドタドタとリビングに出る。そこには…

達也「おはよう、直琉。」
直琉「………っ!?」

達也と、注射、日記があった。

直琉「ぁ…ぁ…。」
ひとまず安堵。解決策は無事だった。


えと、仕事を終わらせ、変身したのが16時くらいだから…。
直琉「い、今何時?」
達也「17時だよ。」
…変身時間にしては短いな…。

達也「驚いた。1日中寝てたんだもん。ちょっと心配になっちゃった…。」
直琉「え…1日?」
まさか、昨日の16時から、いままでの17時まで変身していたとでも???

直琉「時間がない…。」
達也「…変身に?」
直琉「っ!?」

達也「正直、今でも自分の目が信じられない。」
直琉「……。」
達也「家から帰ったら、灰戸さんが僕の部屋で寝ていてね。」
直琉「……。」
達也「どうしようかと思いを巡らせていたら、突然悶え始めて、そして…。」
直琉「……。」
達也「見る見るうちに君になった…。」
直琉「……。」
達也「説明…してくれるかな?」
直琉「……。」

直琉「……うん。」

_________

達也「そんなことが…。」
直琉「ごめん…なかなか相談できなくて…。」
達也「別に、構わないよ…でも、次回はそこまで追い込まれる前に言ってね。」
直琉「う…うん…。」

達也「わかった。注射は僕が打つよ。」
直琉「ありがとう。達也君…。」
達也「でも、注射なんて打ったことないし…。」
直琉「大丈夫…」

直琉は腕に油性ペンでしるしを書いている。
直琉「ここに打てばいいの…。」
達也「なるほど、わかりやすい。」
直琉「あと…もうひとつやってほしいことがあるの。」

__________
達也「えっとぉ…これは?」
直琉「拘束。」

直琉は、なんとベットに自分の手足を頑丈なロープで縛り上げてる。

達也「な、何故?」
直琉「…達也君。もう灰戸は…私であって、私でないの。おそらく、その薬を投与されるのを私は嫌がるはず…。」
達也「……。」
直琉「いい?その中和剤で戻れればいいけど…。もし、次に変身して…中和剤が打たれなかったら…直琉は、いなくなる…。」
達也「っ!?」
直琉「だから…お願い、達也君。変身した後の私がどんなに嫌がっても…必ず打って。」
達也「うん…僕は直琉が好きだ。」

直琉「っ!?♥ ちょ…もう…。」
達也「だから、必ず君を…直琉を信じる。」
直琉「達也く…んぅっ!?♥」

ゾクゾク…と奇妙な感覚が直琉の全身を襲う。

達也「っ!? じ、直琉?」
直琉「お願いっ!?♥ その…注射をぅ♥ 変身がっ終わっ―らっ!?♥」
グチュ…ヌチュ…と彼女の身体が歪に歪み始める。

直琉「打って…絶対ぃ!?♥ 達也ぁ♥」

ボグンッ!?と彼女の胸元が大きく膨らむ。
直琉「んぁッ!♥  あ  うぁぁっ!?♥」
メキメキ…と骨盤が更に女性らしく変化する。

直琉「あぁっ♥  ぁぁうぁっ!?♥  おぉ…ぉ♥」
ブリュンッ!と尻が弾み、ムチムチィッ!?と胸が更に膨らみ、タンクトップを思い切り押し上げる。
直琉?「ぉあ♥ ダメ、キモチ…嫌ぁ!?♥やめ…てぇ!?♥」
ビンッと服の上からはっきりわかるほどに乳首と乳輪が勃起する。
灰戸?「あぁっ!♥ いいっ♥ キモチイ♥ たまんないぃ♥」
ビュ…と何か彼女の股間から水が噴き出てくる…。
灰戸「あ、あ、ぁぁぁあぁぁぁあぁぁ!?♥ ぁぁ…♥」

ビクビクビクゥ!!!と彼女の全身が痙攣する。
灰戸「はぁ…はぁ…もう、達也に恥ずかしいの、見られちゃった…。」
頬を少し赤く染めて、灰戸は言う。
灰戸「ひどいんだぞ〜乙女がイく姿見るなんてぇ…♥」
達也「……。」
灰戸「んふ♥どうしたの達也…? 拘束プレイ、に飽きちゃったぁ♥」

ス…と青い液体の入った注射を見せる。
灰戸「っ!? た…達也…」
達也「ごめんね灰戸さん…本当に…姉妹だったら、仲良くできたかもね。」
灰戸「や、やめ、やめてよ達也。もう、私の正体は、し…知ってるでしょ?」

灰戸は露骨に余裕を失う。
だろう。灰戸の状態なら、これを死ぬほど嫌うだろう。

灰戸「わ、わたし…直琉なのよ。薬でこんなに綺麗な、Hな姿になって…最高でしょ?」
達也「…。」
灰戸「大丈夫。絶対に達也を満足させられる♥ だから…それは…捨てて? 楽しことしてあげるぅ♥」

さすが直琉の判断力を持っているだけある。
そんな誘惑的なことを言い続けている最中、拘束をいかにして外すか考えている。

達也「直琉を…返してくれ。」
灰戸「な、何言ってるのよ…私が直琉でしょ? 灰戸ってのはあくまで…。」
達也「いや、君は、直琉であって直琉でない…。」

灰戸「た…助けて、誰か 誰 かぁっ!?」
達也「それが…遺言でいいですね?」
灰戸「っ!? この、くんな、この〇○○!? ○○○○!!!」

汚い言葉を…直琉の顔で言わないでくれ。

達也「さようなら。『灰戸』さん。」

ブスッと注射を刺す。
そのまま薬品を流し込み…

灰戸「い、嫌ぁっぁぁぁぁぁっぁぁっぁああああああ!!!!!」
ガタンッと全力で抵抗する灰戸。
ベットごと揺れるほどの力だ。
達也「ぅあっ!?…」
思わす達也ものけ反り、注射を抜いてしまう。
くそ、まだ半分しか投薬してない。

その反動で…
パリン、とライトが机から落ちる。

ボゥッ!と部屋が燃えてしまった…。
達也「っ!?しまっ…」
灰戸「あっははははははははは!!!いいわ、元の姿に戻るくらいなら…死んでやるから…」
達也「っ!?」

灰戸が死ぬ…それは即ち…直琉の死!?

達也「くぅっ…。」
灰戸「あ〜らら、どうしたのた〜つやく〜ん♥ 助けてくれないのぉ?」
達也「うっ…くそ…。」
お前なんか…でも、その体は…

達也「…くそぉっ!」

大急ぎでロープの拘束を解く。
直琉を…死なせるわけには…。

手の拘束を解く。
そのあとの結果は早かった。
思い切り何かで叩かれ、脚の拘束を解かれて…逃げた。
達也「ゲホ…くそぉ…直琉…。」
灰戸「あっははは!!じゃ〜ね〜♥」
注射器は無事だ…この残りを、彼女に刺せば…。

___

灰戸は結構な格好で住まいの外に逃げ出す。
たまたまそこにタクシーが。
取り合えずどこか遠くに…あ、そういえば…今日は…

急いで止める。
運転手「はい…どちら…でぇ!?」
え、何?痴…何かいろいろ何かイロイロ事情があった女性か何か!?
灰戸「●●市●●町●●番地…ここまで言えばわかるわよね。」
運転手「あ…はい。」
灰戸「いきなさい…早くっ!?」
運転手「ひぃぃっ!?」

灰戸の凄みに気圧されたのか、車は発進してしまう。

達也「しまった!?くぅ…。」
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灰戸「(よし…部屋は燃えたから、日記は消滅…あとはあの注射さえなくなれば…。ふふ、バカね。製造方法を別媒体で記録していれば良いものを…。)」
直琉は灰戸の反旗に驚いて、そういったもしも、を考える暇がなかった。それは”自分自身”が良く知っている。
そして注射の製造方法を完璧に記憶していないことも…。

灰戸「(そしたら反抗的な達也を縛り付けて…とことん楽しんじゃいましょ♥)」

運転手「あの、つ、つき、つきました。」
灰戸「ご苦労さん。運賃はこのあと追ってくるタクシーに乗ったイケメンちゃんにつけといて♥」
運転手「え…ぇえぇっ!?」

そんな嘘みたいなこと…と思っていたら…。
達也「追いついた…っ!」
しばらくして、本当に男が追ってきたのだ。
達也「この人混み…一体なんだ!?何がはじまるんだ…?」



今日は直琉が販売した香水に関するプレゼンテーションパーティーである。
上司「あ、直、琉   なのか?」
灰戸「はい、直琉です。」
え?直琉??
いや髪の色は勿論だけど、体型おかしくね?
グラマラス…てか、いろいろデケェ!?
ていうか短パンにタンクトップ!?
いろいろ女性的に見せちゃいけないものを!?

上司「き、今日は株主への説明だからドレスコードちゃんとしろって…っ!」
直琉「あ…そうでした。どうしよう、合うドレスないかなぁ〜♥」

まぁ…その巨大なスイカ胸と桃尻を抑えきれるものは、そうすぐに見つからなさそうだが…と思う上司。
ふと、灰戸は1人の貴婦人が視界に入る。
すぅ、と貴婦人の前に出る灰戸
貴婦人「???」
灰戸「いい、ドレスですね☆」



達也「プレゼンテーションパーティー…聞いてないぞ。」
直琉が制作した香水に関してのパーティー…マズイ、公的に誘われていない自分では、入ることすらできないではないか…。


灰戸「よ〜し、ドレスげっとぉ〜♥」
灰戸の目の前には気を失っている先の貴婦人がスッポンポンでいる。
肌に張り付くタイプなので彼女のプロポーションが丸見えである。
ついでに彼女のメイクセットで簡単に化粧もすます。
灰戸「これが終われば私は出世コース、そしていい家買って達也をペットに…クス♥」

それのこのパーティーは都合が良い。
まず達也はここまで来て会場に入れない。
仮に入ったとしても、片手に注射器を持った男を見て不審がらない人はいない。
即座に捕縛、最悪逮捕だろう。
当然薬品は没収・破棄だろう。そうすれば2度と作れない…。



達也「くそ…どうすれば…。」
同僚「あれ、達也…くんだっけ?」
達也「っ!?」慌てて注射器を隠す。
同僚「あ〜やっぱり達也君だ。直琉ちゃんの晴れ舞台見に来たの〜?」

確か、直琉の同僚…

達也「いや、自分は招待されてないから…入れないんだ…。」
同僚「え〜何で!?直琉なら一番早く誘いそうなのに…。」
…おそらく灰戸騒動でいっぱいだったんだろうな…。

同僚「ん〜でも、せっかくだし見たいよね〜…よし。」
達也「えっと…よしって?」



社員A「頑張れよ〜直、る?」
社員B「何か雰囲気変わった?」
社員C「いや雰囲気どころか…え?誰??」
社員D「も、盛りすぎでしょ、そのオッパイは…。」
社員E「あれ…触ったら本物だったよ…。」
社員D「えぇ…マジ…?」

会場は見た目が激変した直琉の話題で大盛り上がりだ…
それは今ま女性的な膨らみが一切なかった直琉がだけに大盛り上がりだ。

灰戸「(ふふ…達也に見せるのが一番いいけど…モブキャラに褒められるのも悪くないわね。)」

上司「直琉。そろそろスピーチだ。準備しといてくれ。」
灰戸「は〜い。了解〜っす。」
上司「な、なんだ?普段の君らしくない…髪の毛も派手だし…やけに盛ってるし…何か別人みたいだぞ。」
灰戸「? 頭から足の指先まで直琉で〜す。ていうか盛ってる、とかセクハラで〜す。」
上司「…。」
灰戸「(はぁ…メンドクセ…もうじきお前も私の部下になんだから…今のうちにエラソーにしてりゃいいわよ。)」
灰戸「(ま、ここで一気に出世街道に)ぃぃいぃいんっ!?♥」
上司「え…いん?て何だ?」
灰戸「な、なにっ!?♥」

ビクッ!?ビクン…ビクッ!と急に尻の肉が勝手に蠢き始める。
両手で尻を確かめる。
ムグ…ムググッ!?とまた独りでに尻肉が踊りだし…
ズリュリュゥゥウ!? と尻が一気に体の中に引っ込んだ。

灰戸「   っ!?」
パン!と両手で尻を確認する。
灰戸「 っ   っ   っ…。」
くそ…何で直琉の体型に戻った!?

上司「ど、どうした…ん?」
パサリ、とドレスの中から布切れが…

灰戸「(ま、さか…)」
それは短パンだった。
着替える途中に脱ごうと思ったが、巨大化したヒップが引っかかって取れず、まぁいいかとそのまま着ておいたのだ。
上司「一体、これは何」
灰戸「あぁ先輩!?主催者の方がお見えなので挨拶とかもろもろお願いしますぅ!?」
上司「え、ほんとか!?って誰もいないじゃ…あれ?直琉は?」



灰戸「はぁ…はぁ…ななななんで…。」
もう直琉に戻ることはないと計算していたのに…。
灰戸「まさか…あの…中和剤…。」
半分くらいは体内に入れられてしまったのだ。全部でないと効果はないと思ってたが、おそらく少し直琉の体に戻ろうとする力が増したのだろう…。
灰戸「直琉め…邪魔をぅっ!?♥」

ブルルゥンッ!!!と尻が巨大化する。
元のバインバインヒップに戻った…。

灰戸「♥    っ!♥   っ…♥」
体が変身する際の快感は悶絶級だ。人前ではとても見せられない。
灰戸「ふっ♥  ふっ… ふぅ…。」
マズイ。この後に皆の前に出るプレゼンなんて…最悪だ…。
さすがにドタキャンは不可能だろう…

上司「おい、大丈夫か?」
灰戸「ヒグッ!?」
上司「変な声が聞こえたが…先方がお待ちだ。早く…直琉、髪の色変わってないか。」
灰戸「は、ひ…っ!?」
灰戸の髪の毛は金髪の中に部分部分、黒髪が混じっている。

灰戸「あ、いえ、その…大丈夫です。染め直すんでぇ!?」
上司「お、おう…その、しっかりな…。」



同僚「良かったね〜私、今日お手伝いで配膳係なんだぁ。」
達也「(助かります。ありがとうございました…。)」
何と達也は同僚の気遣いで配膳カートの下部分に隠れて入れてもらった。
普段なら絶対やらないが、今回に関しては背に腹は変えられない…。

達也「(何とか灰戸と接触して、この薬品を打たないと…。)」
同僚「お、ナイスタイミングだよ。達也君。」
達也「え…?」

すると会場が薄暗くなり、拍手が起こる。
そしてスポットライトが照らされ、その先に…

達也「(は、灰戸…っ!?)」



灰戸「今日はお忙しい中、お集まりいただきまして、感謝いたします。」
灰戸(さっさと終わらせて…ん?)

会場を見渡すと、ふと、同僚の近くの配膳カートの中に見知った顔がいる。

灰戸(たつ…や…。)
嘘でしょ。まさか、会場に忍び込むとは…。
まぁプレゼンの最中、私に注射を刺すのは不可能…
そして終わった後、係員に不審者通報を出せば詰みね。
わたしに見つかったことを後悔しなさい達也…

灰戸「今回、僭越ながら当社販売の新作品のプロトタイプの運営、企画、製作に関わらせていただきました。」
あ〜ぁ、留置所行きは確定ね。
毎日会うのは難しいかしら…まぁ前途多難の方が恋は燃えるっていうし。
灰戸「ではまず思いったちました経緯…をっ  あっ♥!?」



同僚「ん?どうしたんだろ…。」
達也「(何かあったんですか?)」
同僚「急に直琉ちゃん、胸に手を当てて、そのまま背中むいちゃった…。」
達也「胸…っ?」
まさか…少し直琉に戻りつつあるのか?
達也「(直琉も必死に戦っているんだ…ここでボーっとしてられない…。)」
同僚「え、ちょ…達也君!?今近づくのは危険じゃっ?」
達也「いえ、大丈夫です。  ちょっとサプライズ してきます…。」



灰戸「っ!?♥    ぅぅ♥   くっぅぅ…♥」
ズリュ…ズリュリュ…と段階的に胸のサイズが萎んでくる。
ドレスにミチミチにつまっていた果肉が体の中に吸い込まれる。
よりによって…このタイミングに一番”皆に見られる”ところを…

灰戸「(ほんと…にぃっ!?♥ いい 性格 してやがるっ!?♥ わ…直琉ぅ!?♥)」
タプタプの長乳はジュルジュルと根元に吸い込まれて重力に逆らい美巨乳になるが、そのまま更にジュルジュルと吸い込まれ半球型に。
ジュル…ジュル…と脂肪が溶けては消えを繰り返し。
ジュルル…と脂肪という脂肪がなくなり、完全な無乳になる。

灰戸「(はっ♥   はぁっ♥  くっ…。)」
「あの…直琉さん?大丈夫でしょうか?」
さすがにただことじゃないと感じたのか、係員が心配して声をかけてくれる。
しかし灰戸にとっては問題だった。
今の姿を見られるわけにはいかない。

灰戸「ご、ごめんなさい…体調が優れないので…。」
灰戸はUSBをすかさず取り出して、係員に見せつける。
灰戸「念のため。動画を作成しておいたんです。お流しいただけます?」
「え、あぁなるほど…わかりました。今から流しますね。」

そして程なくしてモニターに映像が流れ始める。
それは人の目が灰戸ではなくモニターに集中される。
灰戸「(ほ…危なかった…。)」

よし、これでしばらくは…

灰戸「  んっ♥  きたっ!?♥」
ピク…ピクピクピク…と胸が蠢き…
ムグ…ブリュリュンッ!?
灰戸「(はぅ…くっ!?♥ ぁ♥ んんっ♥)」
手で口を覆い、何とか喘がないようにするが、完全には消せない。
無乳が貧乳、貧乳が美乳、美乳が美巨乳、巨乳、超巨乳、爆乳、そして…
灰戸「(うぅん♥…私のミルクゥ…♥)」
ボリュンッ!と灰戸の特大長乳に戻る。
乳首はすっかり出来上がり、ドレスに入れるときに擦れて「っ!?♥」と喘ぎそうになる。

灰戸「はぁ…ふぅ…ふふ…ふふふ…。」
尻、髪の毛、胸…変身できそうなところはもう残されていない。
もう一度起こるのも可能性があるが、灰戸は直感でそう思わなかった。
灰戸「短い反抗だったわね直琉…もうこれで消えたも同然…後は…。」

達也「灰戸」
灰戸「達也…あなたの持っているその薬品さえなくなれば、私の勝ちよ。」
達也「…っ」

灰戸「わざわざ届けにきてくれるなんて…さすが私の愛しい人♥」
達也「終わりだ。これを打ち込んで…。」
灰戸「あぁ、それ以上進んだら悲鳴上げるわ…。」
達也「っ!?」
灰戸「いくらなんでもそっから走ってきて係員を吹っ飛ばして私の腕に薬品を打ち込むのは神業でしょ?」
達也「…なら、なんで今やらないんだ?」
灰戸「まぁ恋人を不法侵入者の変態にしたくないから、かしら。」
達也「…。」
灰戸「素直に薬品をこっちに投げてくれれば、私の交際人として終われる。その方が楽でしょ?」
達也「(ほんとに…薬だけでここまで変わるのか…人っていうのは。)」
灰戸「さ♥ 選んで、イケメンの彼氏になるか、恋人の出所不明の薬を打ち込む狂人になるか。あんまり時間ないわよ。動画が終わったらまた皆、私を見るでしょうし。」
達也「(直琉は…確かに頭が良すぎて、他人を怖がる…本当に優しい、弱い子なのに。)」

灰戸「ふふふ…苦虫を噛んだみたいな顔、か〜わい♥」
達也「(こんな…人の苦痛を喜ぶ人なんかじゃない…。)」
達也「……”直琉”」

灰戸「う〜ん?なにかしr…」

ドクゥンッ!!!と

灰戸の体、下腹部近くに巨大な衝撃が走る。
確かに灰戸の読み通り、直琉の反抗は各部位一回だけだった。
なので”外見的な変化”でわかる胸部、臀部、髪を使い切り、もう何もないと灰戸は踏んだ。

しかし1つ、毎回、実は変身していた部分がある。
それは女性の象徴。子どもを育てる器官。

子宮である。

灰戸「ぁぁっ♥!ぁっ♥!ぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁっっ!?」
毎回直琉と灰戸が入れ替わる瞬間に変身が完了するそれは、毎回気絶するほどの快感を2人に送っていた。

当然、灰戸がその感覚を抑えることができない。

灰戸「ぁ   がぁっ!? ぅぐ…ギィッ!!!」
もう喘ぎ声にもならない声で悲鳴を上げる灰戸。
ドバドバと、1人の女性で出せるのかというほどの愛液が迸る。

灰戸「はぎぃ! あぅ  ァっぁ…  ぉぉ…。」
達也「……っ!?」
灰戸?「た  つや  く」
達也「っ!?直琉。」

ドンと走る達也。
灰戸は何とか距離を置こうと動こうとするが、子宮からの衝撃で脚はいっぱいいっぱい。
灰戸「く   るな   ッ!?♥」

ドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッ
ドクッドクッドクドクッドクッドクドクッドクッドクドクッドクッドク
ドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドク
ドックゥンッ!!!?

灰戸「っ♥!!!!!  ン♥」
前のめりに倒れそうになる。
しかし、何かに支えられる。
それは達也であった。

灰戸「  ぁ   達 也?」
プス、とストレスなく注射は刺され、液体は彼女の腕の中に全部入ったのだ。



会場は軽くパニックになっている。
いきなり直琉さんが奇声を上げ。見ると謎の男が注射器もって走り、倒れた直琉を抱きかかえ、薬を打ち込んだのだ。

灰戸「あ   あ   ぁあ…。」
バンとその男を彼女は吹き飛ばす。
灰戸「うそ   やだ   いや   うぅっ!?♥」
バクッバク…と直琉氏が痙攣をおこし…
灰戸「うぁぁっ!?♥ ぁ  ぁぁあぁっ!?♥」
彼女の身体の胸と尻の部分が歪に蠢き、徐々に萎む。
長髪だった金髪はスルスル短くなり、黒髪へ…
あんなにそだった爆乳や爆尻も、ジュル、ジュルルルル…と体に吸い込まれて…

バタンと直琉氏は会場に倒れる。
同僚「え、え、じじじ…直琉ぅ!?」

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目覚めた直琉は会社に嘘偽りない報告をした。
奇妙な薬で定期的に自分の姿が変わっていたこと。
だんだんと別人格が生み出され、自分を消そうとしたこと。
それを彼氏が助けてくれたこと…

なまじ信じられない話ではある。
当然社内では事後処理を相談の上決める、といわれた…。

達也「直琉。夕飯できたぞ。」
直琉「うん。いただきます。この子の分までしっかり食べないと。」
達也「無理して食べると体に毒だからね。」

2人はあの騒動後結婚し、第一子の準備をしている。
既に直琉のお腹はポコリと膨らみが確認できる。

直琉「貧相な体型だから目立っちゃう。」といってはいたが。
達也「直琉は直琉でいるのが一番だから。」と平気で恥ずかしいことを言われた。

達也「どんな子になるかな…。」
直琉「どんな子でもいいわ…だけど…。」

直琉「二重人格だけは、ごめんだわ。」