爆乳中学生2

文平 作
Copyright 2001 by Bunhei all rights reserved.

 美紗子はクローゼットから予備の制服を取り出した。
「毎日毎日これだもの、制服代もバカにならないのよね。」
 クローゼットの中は縫製工場の倉庫のように特大の制服がずらりと並んでいた。毎日特注の制服を使い捨てにする少女、何て奴だ。

「あ、急がなきゃ、電車に遅れちゃう。」
 口ではそう言っているものの、身体はちっとも急いではいなかった。いや、急ぎたくても自慢の超乳が言う事をきいてくれない。
「行ってきます。」
 朝食代わりに牛乳を2リットル飲むと玄関のドアを全開にして飛び出していった。よかった。きょうは玄関で突っかからずに済んだようだ。
「さあ駅までダッシュよ。かそくそーち。」
 駅までの道を全速力で走って行く美紗子。Zカップの胸はものすごい勢いで揺れ、いや暴れまわる。
「キーン。」
 飛行機のように両手を左右に伸ばして角を曲がる。美紗子の胸は遠心力に逆らうかのようにカーブの内側を向き、高速ターンを可能にする。遅刻常習犯の美紗子が編み出した裏技のひとつである。テレビに投稿しても採用されないだろうが。

「カンカンカンカン」
 駅手前の踏切警報機が鳴り出す。
「あ、やばっ、乗り遅れる、どいてどいてどいて!」
 美紗子は更なる裏技を駆使して駅へと向かう。目の前を歩くサラリーマンやら学生やら美紗子の進路に立ちはだかる者に乳パンチをくらわせてなぎ倒すのである。
 ヘビー級ボクサー並みの威力を誇る乳パンチで数人が吹っ飛んだ。残った者たちは巻き添えを食わないよう美紗子のために道を空けてくれた。

「どもっ。」
 駅の改札を飛び越えて袴線橋を上がって行く。ここでもまた数人が美紗子の乳パンチの犠牲となった。美紗子の乳房は日々こうして鍛え上げられた賜物である。尊い犠牲の上に聳える乳房、凄いぞ美紗子。

「おっしゃー、間に合った。」
 乳房を一際大きく弾ませると美紗子はホームに降り立った。
 3両編成の満員電車がホームに入ってくる。空いている2両目の前のドアが美紗子の指定席だ。乗客も馴れたものでちゃんと美紗子の乗る場所は確保されている。
 恐らく過去に多数の犠牲を出したのだろう、美紗子の胸の谷間から生還できる可能性を考えると、実に懸命な行動である。
 美紗子も一応は礼儀としてお尻から乗るのが習慣になっていた。他のドアは押し合いへし合いしているのにここだけは別世界。そんな美紗子の指定席に厚かましくも乗り込もうとする輩は、美紗子の胸の谷間で遭難し生死の境をさ迷う羽目になるだろう。

「ピリピリピリピリ」
 車掌がドアを閉めようとスイッチに手をかけるが1箇所だけ閉まらない。駅員は、またかよと言う顔をすると閉まらない2両目へと向かった。
 パンパンに張った巨大な球体が2つ、ドアを押し広げていた。

「オバちゃんを呼んでこなきゃ。」
 一目見るなり駅員は応援を呼びに行った。一人では到底歯が立たない事を知っている。ありゃあ遭難した経験があるな。もっとも美紗子は知っててからかっているのだが。

「あいよ。」
 モップとバケツを持った掃除のおばちゃんがやってきた。
「またお嬢ちゃんかい。」
 おばちゃんは腕を捲り上げ両手で美紗子の乳房を掴むと器用にドアの内側へと押し込んでいった。凄いテクニックだ、どこでこんな技を習得したんだおばちゃん。

「あふん。」
 初めておばちゃんのテクを味わって以来、美紗子は毎朝の通学電車が楽しみになった。おばちゃんに揉みほぐしてもらうと肩こりが嘘のように収まるのだ。

「あいよ、出発進行。」
 ようやっと美紗子の超乳が電車の中に納まった。ドアの窓からはプレスされた乳房で覆い尽くされている。駅員が合図を出すと電車は15分遅れで出発した。むろん美紗子のせいである。

「助かったよ、おばちゃん。」
「ふっ、あんたたちもまだまだだね。
 今じゃもう垂れちまったけど、あたしだって若かったころはあのお嬢ちゃんに負けないくらい大きかったんだよ。」
 おばちゃん、太ってるんじゃなくてそのお腹は全部胸の残骸だったのか。
「・・・・・・・」
 げ、駅員は思わず想像してしまって後悔した。今夜は多分うなされる事だろう。

 (お嬢ちゃん、あたしが毎日マッサージしてやってるんだ、あんたは世界一の胸になっとくれ。)
 おばちゃんの目は遠くを見ていた。

「ふふ、今日も会えるかな。」
 おばちゃんのテクで感じてしまった美紗子は次の駅から乗ってくる彼氏の事を考えて一人ほくそえんだ。