超乳アイドル プロデュース伝説 第5話

盛眼瑠笛 作
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「ここか...」

ようやく着いた私は自らの住処を見上げる。
見た目は何の変哲もない広そうな白いアパートだ。
大きさからして高級なところとは容易に想像がつく。
新築らしく、少なくとも遠目からは汚れらしいものも見当たらない。
私は社長からもらったカードキーをカバンから取り出した。

「これでアパートのエントランス、それと自室に入れるから。なくさないようにね。」

黒いプラスチック製のそれと、アパート前の小さな石碑に刻まれた文字を見比べながら、間違いなくここだと確信した。

『Pendragon』

ペンドラゴン、とおそらく読むのだろう。
今日からここが私の住処だ。
早く向かおう、と私はカードキーをそれらしい機械に通そうとした。
電子切符の要領でかざすと、小気味いい音と共に赤いランプが点き、目の前の扉は開いた。
少々幅が広すぎな扉ではないかとは一応思いつつ自室へと急いだ。

「部屋に着いたらまず電話して。部屋のものについていろいろ説明してあげるから」

真正面にあったエレベーターに乗り込んだ。
カードキーによると私の部屋は601号室。
6階を押してエレベーターは上がった。
何やらエレベーターも妙に広い。
特に横幅は4mを超えているのではないか。
すぐに6階に着いた。
601号室はすぐに見つかったが、少し奥を見ると、フロアの広さの割りには2つしか部屋がないようだ。
まさか部屋も無駄に大きいのか?と思った矢先エレベーターやエントランスのと勝るとも劣らない大きさの扉が確認できた。
スペースの無駄遣いではないだろうか?
どうやら、部屋の開閉もカードキーで行うらしい。
セキュリティは万全の様である。
かざすと、エントランスと同様、ひとりでに扉が開いた。
なぜこんな風にするかは分からないが、部屋の扉も自動ドアの様だ。
私は怪しみながらも我が新居へとに入室した。

またしてもだだっ広い廊下を進み電気を手探りで見つけ点けると、私はおっ、と思わず息を飲んだ。
部屋は丁寧な作りの木目のフローリングが敷き詰められており、絨毯やソファまで備えられている。
机の上には、最新のものと思われるパソコンまで完備されていた。
奥の方なのでよくは見えないが、キッチンも相当なものが用意されているように見える。
特に私の目に真っ先に飛び込んだのはベッドだった。
ベッドというだけでも贅沢だったが、その上ダブルサイズで横に広い。

私はにわかに身に付けたものを全て脱ぎ捨てると、ベッドに飛び込んだ。
裸になったのは、一応着られているとはいえセーターもズボンもこの豊満な体にはかなりきつい。
一種の拘束具のようで長時間身に纏っていると辛くてしょうがない。
何と言っても、今日はいろいろあり過ぎて疲れもピークであったのだ。
柔らかいベッドの上で仰向けになって一息つきながら改めて何も身に付けていない自分の胸を見る。
全く支えがないにも関わらず、球体を保ったままそびえ立っている。
首をあげても胸から先の半身が隠れて全く見えない。
改めてこの女体は紛れもなく自分なのだなと実感する。

間も無く、携帯が鳴った。
慌てて画面を見ると案の定社長。裸のまま電話に出た。

『ちょっと?電話してって言ったわよね?』

疲れのあまり忘れかけていた。申し訳ありません、と返すと、

『まあしょうがないわね、あなただって今日は大変だったでしょうし。どうせ窮屈な服を全部脱いで裸で寝てたんじゃないの?』

後半の言葉を耳にした途端顔がガク、と震えた。
なぜ分かったのだろうか。まさか監視カメラでもあるのか?
反射的に胸を腕で隠していた。といっても、胸が大き過ぎて腕を手一杯伸ばしても乳首と乳輪を手のひらで隠すので精一杯だったが。
それどころか腕が乳肉に食い込んだ際に快感が走り、甘い声をあげてしまっていた。

『今日のところはそのまま休んでいいわ。明日から頑張ってもらうから』

そういえば社長に聞きたかったことがあった。
なぜ田舎から出てきたばかりの、お世辞にも取り柄があるとはいえない自分をこんなにもあっさり雇い、立派な住処まで提供してくれるのか疑問だった。
礼の言葉を述べつつそれとなく尋ねると、

『今はちょっと…教えられないわね。とはいえすぐにわかると思うわ。今日はもうお風呂にでも入って寝たら?それじゃあ明日。』

有無を言わさず電話が切られた。
どうにもスッキリしないが、言われた通り風呂場に向かうことにした。キッチンの更に奥だ。

風呂を入れるまでの数十分の間に部屋の物を大体確認して勝手も少しはわかってきた。
そうしている間に薄々気づいたのだが、このアパートの扉や部屋が妙に広いのは恐らく、胸のためだ。
自分はこの通り爆乳に成長させられてしまったわけだが、そのお陰で両乳の幅が肩幅を優に超える。
もしかしたら片方の乳でも肩幅を越えているかもしれない。
下手に扉を狭くなどしたら通れずに途中でつっかえてしまうだろう。
自動ドアなのも乳が邪魔で開けるのが辛くなることへの配慮か。事実私も腕を前に伸ばそうとすると胸がうっとうしくてやり辛い。
特に規格外の超乳を持つ茉莉など並みの家屋ではまず暮らせまい。きっと自分と同じような所に住んでいるのだろう。
だが、自分は流石にそこまで…というわけでもない。
いや、一般的な目から見たら同じく凄まじい爆乳なのは間違いないだろうが。つっかえるにしては余裕が十分ある。
まだ一般的なアパートでもなんとか暮らせる範囲内だと思うのだが…
そんなことを考えている間に風呂が沸いたようだ。

浴槽もまるで銭湯のそれに匹敵する広大さだ。縦も横も私の身長の2倍以上は優にあるだろう。
洗い場も相応の面積があり冗談抜きで大浴場と見紛う程だ。
何はともあれ入浴することにした。
ゆっくりと湯船の中に腰を下ろす。湯の温かみが体中に染みてきた。

「ふう……はああ…」

思わず声が出てしまった。相当疲労していたんだろう。
体のあちこちの重さがふっと消え、楽になった。
特に胸は元々とてつもない重さだったのか顕著だった。感度も高いのか湯の熱さでもなんだが感じてくる。
やはり乳房は水に浮くのだと実感した。

自身の爆乳を見つめているうちに、なんだか変な気分になってきた。
本当に美しい形をした乳だ。自分の体ながら欲情してしまったのかもしれない。
私は胸に手を伸ばし揉んでみた。

「ふ…ふあ…ああん……」

指が飲み込まれそうなくらいに食い込んでいく。柔らかい。
少しでも揉む力を抜くと中から押し出すように肉が戻り、照かった柔肌の張りを戻していく。
大きさこそ遥かに劣るが、茉莉のとほぼ同じ感触だ。
大きな違いがあるとすれば、私自身が揉まれる感触を他でもないこの身で実感しているということか。

「く…んん!はあ…ああ!やあん!」

胸全体を優しくくすぐられるような感覚。静かに、だが鋭い快感が脳に走る。
私も男だった時はよく自慰をしていたが、一揉みごとにその時の絶頂に匹敵する快感が胸全体に生み出される。
駄目だ。手が止まらない。止めたくない。
味わったことのない愉悦に浸りながら身をよじる。声をあげずにはいられない。
もはや男だった時の自分の面影はなかった。

だんだんと胸の奥から少しずつ津波のようなものが押し寄せて気がした。
比喩ではなく本当に胸の奥から何かが来る。
射精する寸前のような…突然快感が急に高まり―
爆発した。

「きゃっ!!!」

思わず女のような声をあげてしまった。今は本当に女だが。
乳首の先から、白い液体が噴水のように勢いよく溢れ出してきた。
同時に胸全体に波紋のように広がった電撃のようなものが私を更に喘がせる。絶頂を迎えたのだ。
目もあけていられない。こんな感覚は男の時には味わったことがない。体が快感で張り裂けそうになった。


「はあ…はあ……はあん…」

息が整うのに十数分はかかっただろうか。絶頂はようやくおさまり、私は力が抜けぐったりとしていた
一部が白濁し、甘い匂いを漂わせた湯を、緩んだ目で見つめながら悟った。

これは母乳だ。茉莉が出していたものを私も…

子供も産んでいないのに、巨大な胸を持つ女は絶頂を迎えると母乳を出してしまうものなのか。
信じられないが、他でもない自分が実体験した以上受け入れるしかあるまい。
私はもう上がって寝ることにした。

用意されてあったバスタオルで体を拭う。胸は面積が広いから特に重点的に拭かなければいけない。
絶頂したてで敏感になっているからかは知らないが、タオルを表面に走らせるたびに飛び上がりたくなるほど感じてしまうのはどうにかならないのか。
拭きながらすぐ近くにあった鏡を見た。本当にすごい体だ。
出るところは極端なほどに出たグラマラスな体。
胸については言わずもがなだが………
やはり気になる。それほどの存在感があるのだ。

ふと横を見ると妙な機械のようなものがあった。
体重計のようなものが2つ、柱で上下に繋がっている。
上の方に説明書きがあった。

『これは体重計です。上の体重計では胸を乗せた状態で測れば、胸の重さ、胸を除いた体重、全体重が測定できます。胸を測る場合は高さ調整をして下さい。美容のために有効活用を』

何のためにこんなものを…
確かに今の自分は女性だがアイドルではないのだから特にスタイルについては気にはしない。
茉莉も使っているのかと思うが、流石にこれと同じものではとても乗り切らないだろう。
とはいえ一応使ってみることにした。

付いていたリモコンで高さを丁度いい具合に合わせ、重たい両胸を乗せて測ってみた。

数値見て目を疑った。


胸の重さ:108.35kg

故障かと思ったが、きっとこれが嘘でもなんでもない本当の重さなのだろう。
言われれば、100kgほどの重量感は見た目から判断できそうな上、実際にもとんでもなく重さを感じる。
むしろ数字を見せられて納得したくらいだ。
仮にも200cm以上あったのだった。しかも茉莉の乳は2700kgと遥かに凌駕しており、上には上がいる。

ちなみに他の値は、

胸を除いた体重:76.83kg

全体重:185.19kg

合計が計算と合わないが、おそらく別々に測ると四捨五入されるのだろう。

身長は変わってないそうだから、180cmでの体重か。
胸がなかった場合の体重は約77kg。男の時は73kgだったので少し増えている。
恐らく、全体的に薄く脂肪がついているのと、尻も大きいのでその分が重いのだろう。

それにしても全体重が180kgを越えているとは思わなかった。
全体的には全く太ってなどいないのに重さだけを見るならば相撲取りを越えている。
もっとも、その大部分が胸なのだが…

よくもまあ自分の体重より重い乳を支えられるものだと我ながら思う。
もしかしたら支えている筋肉も相当なもので、重さに貢献しているのかもわからない。

ふと思いつき、少しジャンプしてみた。180kg以上の体重でできるか不安だったが、意外とすんなりいけた。
鏡を見ると、勢いをつけられた私の胸は、上下に盛大に揺れていた。
一回跳んだだけだったのに、100kgもの物体が、形を自在に変えながら何度も上下を往復しているのだ。

だが、すぐに後悔した。
激しく乳揺れした瞬間、胸に、先ほどの絶頂と似たような感覚が走り、快感に腰を抜かしながら、地べたにへたりこんだ。
重い体が地面に激突する。全く、バカなことをするものじゃない、と思い知った。

もう寝よう。

私は、明日に備え寝床に着くことにした。寝間着は用意されていたがバスト150cmサイズ想定なので着られないので裸のままだ。
本当にめまぐるしい一日だった。私はベッドに潜りながら回想しつつ、眠りに落ちた―

と言いたいところだったが、最後の最後で困った。寝る姿勢だ。
仰向けは100kgもの胸がのしかかって苦しい。
うつ伏せも体が浮き上がる上に胸が潰れてしまう。
横向けもバランスが取り辛くうつ伏せになってしまう。

困った私は―

仰向けになって胸を左右にかき分け、ベッドに乳の重さを預けて寝ることにした、これが一番楽だ。
ベッドが大きくなければ使えない方法だ。私は心の中で今一度、社長に感謝した。