「な、何…これ、俺なの?」
千秋は声を上げたが、耳に入る自分の声は間違いなく高くなっていた。
顔を触ると、鏡の中の女も顔を触る。間違いない、この女は自分だ。千秋は確信した。
「ごめんなさいね……昨日の実験はそういうことだったの」
言葉とは裏腹にあまり悪びれる様子もなく、実験成功に小躍りして喜ぶユリア。
それとは対照的に、当然ながら千秋は戸惑っていた。
髪は黒のロングヘアとなっており、絹のような光沢を放っていてシャンプーのCMに出てくるような麗しさ。
顔も小顔で少々幼めな顔立ちだが、まつ毛が長い上に鼻が高く妖絶さも兼ね備えた美人といった感じだ。
肌も美白で一切のシミもなく、赤ん坊の様にみずみずしくて触るとしっとりと柔らかい。
自分の顔ながら見とれていたが、はっきり言ってそこはまだどうでもよかった。
「お、重い……この胸…大き過ぎるよ!」
下を向かなくても否が応に目に入る巨大な乳房があった。鏡を見ればわかるが、いくらなんでも常識の域を超えた爆乳で、上半身の大部分を覆い隠している。
直径は千秋の顔2つ分弱はあり、しかも普通の乳房とは違い完全な球形をしている。
支え切れていないわけではなくそのまま立って歩くこともできているが、手で持ち上げてみると確かに異常な重量を蓄えた乳房であることがわかる。
ここまで重いのに係わらずこの爆乳は一切崩れずに美しい形を保っており、先端には艶めかしくほのかに盛り上がった桃色の乳輪と乳首がついている。
「でもいいわよ!本当にうらやましいボンキュッボンなスタイルしているわ!」
確かに全体的な体のバランスも、胸を除けば素晴らしいと言える。
ウエストはくびれてはいるが、全体的に程よく脂肪がついており、むちむちな体である。だが一方で太っている印象は全く感じさせない絶妙な体系だ。
尻も胸ほどではないが相当大きく、そこから延びる足もすらりと長い。
「じゃ、じゃあもしかして…」
千秋はパンツを脱ぐと、股間を見た。しかし、
「む…胸で見えない…」
自身の爆乳に遮られて確認できなかったが、手を触れてみると確かに男性はなかった。
「そ、そんな……本当に女になっちゃったよ…」
「どう千秋君?新しい自分の体は?」
「聞いてないよ…」
千秋はその場で膝から崩れ落ちた。寝起きな上に胸が重くてたまらないというのもあったが。
確かに野垂れ死ぬよりはいいとは言え、女にされてしまうとは思いもしなかった。
「元に戻してよユリアさん!」
「実験が終わったら男に戻してあげる!それまで悪いけど待ってて!」
ユリアはウインクして手を合わせ、「お願い」のジェスチャーをした。
文句の一つも言いたかったが、世話になる身分なだけありこれ以上は憚れた。
「一体何の実験なの?」
「よくぞ聞いてくれました!」
ユリアは手を叩くと、喜々として説明しだした。
「実はこの研究所ね、日本政府の命令で作られた、少子化対策の研究所なのよ」
ユリアは生理学の研究者で、医学的な面から少子化対策を研究してきたらしい。
そこで考えたのが、男女ともに性機能を高めることで、セックスを促進しより子供を増やそうとすることだった。
そしてその研究の末できたのが、昨夜千秋に注射した薬であった。
「あの薬には『急成長遺伝子』っていうのが入ってて、女性ホルモンの分泌を促進して、胸やお尻の成長をもたらすのよ。」
「でも、それじゃあいくらなんでも男が女に変わらないんじゃ…」
「そこであなたに先に飲ませたのがあの液体よ!」
千秋が飲んだのは性転換させる薬。急成長遺伝子の薬を作る過程で偶然生まれ、今まで使い道がなかったのだが男の被検体が来た時に役立つということで取っておいたらしい。
「まあこの急成長遺伝子は男には効果がないから、実験の経過観察が終わったらまた性転換の薬を飲めば大丈夫よ」
「な、ならいいんだけど…」
多少腑に落ちないながらもひとまずは納得することにした。元に戻れるということなら我慢するしかない。
「じゃあ、そろそろシャワー浴びましょうか!」
「ええ!ユリアさんも入るの!」
「だってまだその体慣れてないんだから一人じゃ洗い辛いでしょ?」
確かにそうだった。でも今は女の体とはいえ女性に裸を見られるのは恥ずかしい。
「あ、私は服着たままだから!昨日から服替えてないからどうせ後で着替えるしね!」
シャワールームは結構広く、一応バスタブも付いていた。
「じゃあ、バスチェアに座ってね」
「は、はい…」
座った瞬間、千秋の爆乳が上下にふわふわと揺れた。ここまで大きいと自然に揺れるらしい。
「じゃあまずは体を洗いましょうか」
ユリアは腕まくりをしながらスポンジに石鹸を付け泡立てていく。
「まずは腕からねー」
ゆっくりとスポンジで洗っていく。なんだかこそばゆく感じ声が出てしまう。
「ん…んん!」
顔を紅潮させながら耐えていると、
「あらあら大丈夫?それにしても本当に綺麗な肌してるわねー妬けちゃうなあ」
引き続きなぞるように丁寧に泡でこすっていく。
「では次は……胸いっちゃいますか!」
スポンジが胸に触れた瞬間だった。
「ん…ひゃう!」
千秋は飛び上がるような刺激にたまらず声を上げた。
「きゃっ!びっくりした…まあ当然か」
驚いたのは千秋の方である。胸全体に電撃のような快感が走ったのだ。
「本当にでっかいわねーこのおっぱい…表面積も大きいし」
そのまま胸を洗い続ける。
「ああん…んあ…はうう、いい…あ、あ、あぁ…!」
くすぐられるようで刺激的な気持ちよさが胸に波紋の様に広がる。
「おお〜やっぱりおっぱい柔らかいわね。こんなに張りがあるのに」
スポンジで乳を押し込むように触られると更に快感が鋭くなる。おまけに泡で滑りがよくなっているのでなめらかに刺激が伝わる。
「ん…くぁ…ああ…ゆ、ゆりあさ…お、おぱ、おっぱいが…ああん!」
「おっぱい…あ、乳首立ってきてるじゃない!」
度重なる至福の快感に耐えかね、乳首が隆起していた。先端がかすかに震えているようにも見える。
「せっかくだし、ここも洗っちゃいますか!」
「……だ、だめ!そこは!」
嫌な予感がして必死に声を上げて止めようとしたが、遅かった。
「ひゃっきゃあああ!ああああんいやあああ!」
スポンジが乳首に触れた瞬間、体が大きく震え、頭の中が真っ白になった。
千秋の意識はここで途絶えた。
「ん…こ、ここは…?」
「えーと…身長は172…男の時と変わりないか。」
どうやら寝室のベッドの上のようだった。ユリアが運んでくれたようだ。
「ユ、ユリアさん…」
まだ意識が朦朧としていながらも千秋はしゃべろうとするが、
「まだゆっくりしてなさい、やっぱり性転換にまだ体がなれてないのよ。えーと、上から172、60、92っと」
上からということはスリーサイズだろうか。ということはバスト172。身長と同じくらいなのか、と千秋は静かに驚いた。普通のグラビアアイドルの2倍ほどある。
「ここから運ぶ時重かったわよーさっき測ったらおっぱいの重さだけでも両方で50kgもあったんだから」
50kg…ちょっと小さめの女子の体重くらいの重さだ。あの時異様に重かったのも納得だった。
「じゃあ、当分休んでるのよ。また後で見に来るから」
そういうとユリアは寝室を出て行った。
その直後に、千秋は再び眠りに落ちた。その瞬間、仰向けにも係わらず見事にそびえたつ自身の爆乳がしっかりと目に映っていた。