超乳ハピネス!

盛眼瑠笛 作
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「よし!ついに完成よ!」


ユリアが手のひらをデコに付け満足そうに眺める。


「でもユリアさん、本当にいいの?私のためだけにこんなに……」


「いーのよ千秋ちゃん!だってこんなにおっきなおっぱいしているんだから今のままじゃ住めないでしょ?水臭いことはなし!」


ここ数日かけ、研究所の地下を改装し、超乳化した千秋に住みやすいようにしたのである。

ちなみに改装するための工事はユリアが専用の機械とやらでやってくれたそうである。

急成長遺伝子と言い超乳に合う服を作る技術といい本当にただの科学者なんだろうか?と千秋はどうも疑いの目が絶えない。


「何しろ千秋ちゃん、あなたのおかげでこっちにもガッポガッポお金が入ってくるのよ!これぐらいは当然のお礼よ!」


「そ、それはどういたしまして…」


「おまけに研究費用の確保にに設備拡充までできたしねー」


千秋の人気はとどまるところを知らず、番組出演のオファーも増え、写真集やDVDも何度も増刷しているのに以前入手困難な状態が続くほどの売上であった。

DVD第2弾、「超乳の女神 千秋様」は、ネット予約開始後30分で締切になり回線が落ちてしまったほどであった。


「あ〜ホントにおっぱい様様だわ〜。千秋様のおっぱいありがたや〜」


千秋の胸の前で拝み手をすり合わせるユリア。


「………もうっ」


改装は主に地下室の拡充。

超乳の千秋でも広くスペースが使えるようにしており、特に寝床と風呂場が顕著である。


「おお〜ふっかふか〜大きい!王様になったみたい!」


「ふふ、でしょう?」


千秋のベッドは想像以上に改造、というよりここまで来るともはや新造されていた。

縦横ともに千秋の身長の2〜3倍の長さであり、それこそキングサイズのベッドを複数繋げたような立派さである。

これは、千秋の超乳がベッドの中に収まるようにするためのもので、仰向けでもうつ伏せでも眠れるようになっている。

ちなみに、仰向けに寝る際には乳を左右に掻き分け、うつ伏せに寝る際は胸の上に体を乗せるようにして上から毛布をかぶって眠る。


「わ〜い転がれ……ないや」


広大なベッドの上で転がるという誰もが思い描く夢を実現しようと思ったが超乳がつっかえてしまうので断念した。


「今度はお風呂場も見てみましょうか。驚くわよ〜」


言われるがままにかつてシャワールームのあった扉を開けると、


「おおお!ひ、広い!」


シャワールームはベッド以上に大きく様変わりしていた。

大浴場を思わせる広さとなり、湯船も洗い場も泳げたり走り回れたりできると思えるほどの面積である。


「ほとんどスーパー銭湯ね……あ!あれはサウナかな?」


浴場の奥に更に扉を見つけ入ると、見覚えのあるものがそこにあった。


「しょ、触手……」


「そう。オナニーもひろびろとした所じゃないとね!」


オナニー用の部屋を新たに作ったらしい。

千秋は今夜早速この部屋の世話になり、ミルクを噴き出しつつ喘いだのであった。












「じゃ、今日も収録頑張ってね」


「はーい」


千秋は今回もテレビ番組のゲストとして呼ばれていた。


「ユリアさん……やっぱりスクール水着はきつい…」


「いやあの……だって……ディレクターさんがそう言うんだもん」


今の千秋は紺色のスク水姿であった。

構造上、スクール水着は本来胸より下は露出しないはずなのだが、千秋の超乳相手ではそんな定石はあてはまらない。

264cmもある千秋の下乳をギリギリ覆いきれているという感じで、少しでもずれると乳首が見えそうで危なかしかった。


「ええとね……なんかビキニだと露出度が高過ぎてクレームがどーたらこーたらってぇ…言ってたかなー?」


「………見えそうで不安」


胸元がいつずれるか、はたまた肩ひもが取れるかもしれなくて仕方なかった。

水着の生地が胸に食い込み、露出度は低いにも係わらずビキニよりいやらしい。

もうちょっと大きめに作ってくれてもいいのに、と千秋は眉をひそめるのだった。


「行ってくるわユリアさん。後で迎えに来てね」


「うん、後でねー」


ユリアはまたしても別の打ち合わせで外に出ることになっていた。

ユリアが出た後、スタジオまで向かっていると、


「あ……歩ちゃん?こんにちは!」


「はーい!何です………あ、千秋さん」


前を歩いている歩と出会った。

だが、呼びかけられた時は明るい声で返そうとしていたが、相手が千秋であることが分かった途端に声のトーンが下がった。


「歩ちゃんも今から収録?お疲れ様」


「ありがとうございます……そちらこそお疲れ様です」


明らかにこちらの目を見ようとしない。最低限あいさつをするだけだ。

よそよそしさが嫌でも目立ってくる。避けられているのだろうか。


「う、うん……じゃあ頑張ってね」


「はい。では……」


歩は踵を返すと足早に千秋とは別のスタジオに向かった。しかし、


「ね、ねえ!歩ちゃん!」


「ふわっ………」


一瞬、驚いて素に返りかけたのがわかった。


「な、なんですか…?」


振り返らずないまま返事をする。千秋はすかさず、


「あの……この前助けてくれて……ありがとうね。」


「………」


「その……ちゃんとお礼言えてなかったと思って…うん」


なんで自分を邪険にしているような子に対してここまでして話しかけようとしたかはわからない。だが、どうしてもそのままでは気が済まなかった。

とはいえこんなたどたどしい様子では知れていたが。


「………すみません、私行きますね」


歩はそのまま角を曲がり、姿が見えなくなった。


「歩ちゃん……どうしてなのかな……」


千秋は顔を下に向けたまま、既に騒がしいスタジオへと重い足を運ぶのだった。










「ん〜疲れた!!!」


千秋は収録を終え、控室に戻っていた。

今回の収録もスリーサイズや胸の重さを測ったりした他、顔にカメラを付けられ「超乳の目線」というものを撮影したりした。

無論、千秋の目には自分の胸しか見えない。


「ふう……きついなあ。脱いじゃお」


肩ひもを外し、スクール水着を半分脱いだ。ゆったりと上下しつつ特大の超乳があらわになる。


「はあ……おっぱい、もう大きくならないのかな…」


体重や服のサイズに困らないので本当は体の成長が止まって嬉しいはずなのだが、どうにもそう簡単には割り切れなかった。


「ユリアさんまだかな……」


着信がないか確認しようと控室に置いていた携帯を見ようと後ろを向くと、扉が開く気配がした。


「あ、ユリアさん戻ったの?おかえりな…」


前に向きなおすと、千秋は目を見開いた。


「えっ!!!あ、あなたは……えっえーと!?」


「ふわっ!あっあああ…あの…ああ……ちが、あわわわ……」


そこにいたのは、

今まで見たことのない、顔面蒼白で狼狽する歩の姿だった。