女子小学生の日々 一日目

ななしのごんべ 作
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-朝-
ジリジリジリジリ・・・
ベルが鳴りっぱなしになってはや50分
「あーよく寝た・・・えっもうこんな時間?」
時計を見るともう7:45になっている
「うわ遅刻しちゃう、急がないと」
それはそうだ学校の始業時間は8:00なのだ、いそいで着替えをする、この娘(林由香)の通う小学校では制服着用が義務付けられている
ブチッブチッ
「あーまた大きくなってる」
それはそうだ由香のつけようとしているブラは特注120センチだが由香のバストはそれを上回っている、仕方なく由香はもうひとつの
ブラ(特注130センチ)を取り出した、これはなんとか入る、その上からこれまた特注の胸囲調節可能の制服を着る
階段を駆け下りると台所へ向かった、みると誰もいないだから誰も起こしてはくれなかったのだ
「急がなきゃ急がなきゃ」
朝食のトーストを食べるといそいでランドセルを持ち学校へ急ぐもう7:56だ遅刻まで後4分
由香の家から学校まで徒歩15分、走れば間に合いそうだが由香の場合そうはいかない、由香は50m走15秒、
小6女子にしてはかなり遅い、それもこの胸のせいだ、走ると胸が揺れて走りにくいのだ、教室に入った時、
キーンコーンカーンコーン
「あーやっぱり間に合わなかった」
「林さん、間に合わなかったじゃないわよ、今のは一時間目の始まり、もう朝礼も終わってるのよ」
担任の浅井先生に怒られる
「すいません」
そういうと席に着いた、由香の席の机は木とパイプの普通の机ではない、頑丈な鋼鉄の机だ
学校の机では由香の胸でへこんでしまう為に学校が購入した学校に一つしかないものだがビー玉を転がすと中心に向かって走り出す
「おはよう」
隣の席の吉田裕子が声をかけて来た
「おはよう、ゆうちゃん」
カバンの片付けをして席に戻った、一時間目は社会だった、がまだ眠いきちんと授業を受けていなかったそこへ
「じゃ次、林さん源頼朝と北条政子との関係は?」
「えっそのーあのー」
「夫婦だよ」
裕子が教えてくれる
「夫婦です」
「はい、そうですね、今度からはもう少し早く答えてください」
「ふー」
あぶなかった危うくばれるところだった
キーンコーンカ−ンコーン
「はい、今日はここまで、二時間目は体育です」
「ふー体育か」
今はもう六月中旬、体育は水泳だけである、しかし、由香は水泳が嫌いだ胸が水の抵抗を受け前に進むのを阻むからだ
「はい、背の順に並んで」
みんなが並んで階段を下りていく、男子は何か騒いでいる
「おい、PS2のこの前のヤツクリアしたか?」
「いや、最後のとこまだできてない」
騒いでいる男子の話を聞いているうちにプールに着いた、5、6年はプールの中にある更衣室で着替えるのだ
「由香、胸おっきーい」
「でもこれ邪魔だよ」
胸が膨らみ始めているのは由香(由香の胸が膨らみだしたのは4年の二学期)だけではない、大柄な須野さんや富川さんもかなり膨らんでいる
が由香ほどではない
「でもさー、男子ってホントいやらしいよね」
「そうそう、いっつも胸ばっかみてるし」
そんなことを言いながら皆は着替え終わった、この後準備体操の為に体育館に移動する、体育館とプールはかなり近い、
みんなが並んでいくがさっきの男子の数人がしゃべっている
「男子、ちゃんと二列に並んで!」
男子たちが先生に怒られている、しかしこのスクール水着(無論、特注)もいつまで持つか分からない、
しかし今日破れるなんて事はないだろう
「はい一段降りて」
今日はまた水が冷たい、なんで学校のプールはこんなに冷たいのだろうか、
バッシャン
男子達が水の掛け合いをしているのだ、迷惑にも女子の方にまで水が飛んできている
「じゃあまずけのびから」
胸に水の抵抗があって前にうまく進めない、他の子よりはるかに後ろでとまってしまった
「じゃあみんな上がってコースに分かれてください」
由香のコースは3コースだから隣は男子のコースになっているので男子の話がよく聞こえる
「にしても林って胸デケエよな」
「あいつ、水着きつそうだから乳首見えんじゃねえか?」
「うっわーホントくっきり」
「おい、聞こえるぞ」
この声が聞こえた由香は4コースに背を向けた
「次、スタート」
由香の順番が来た、四年の時からどんどんタイムは悪くなっている
「次、高山降りて、・・・ヨーイスタート」
やっぱり他の人から離されていく、ついに次のグループの男子にも抜かれてしまった
「はあー」
やっと25m泳ぎきるとプールサイドに上がった、もうすぐ2時間目が終わる
「じゃあ次の時間はタイムと距離に分かれて練習します」
キーンコーンカーンコーン
全員がシャワーに向かう、男子は25分の休み時間がよっぽど貴重らしく我先にシャワーに殺到する
女子はそれの後から冷たいシャワーをくぐった、そのときどさくさにまぎれて誰かの手が由香の胸を触った
由香はそれに気付いたがそのままタオルを取って女子更衣室に入った
「ねえ聞いてよ、さっきシャワーのとこで胸触られたんだけど」
「えー」
「多分それ杉山だよ、なんか笑いながら更衣室入ってったよ」
「そう」
そのまま誰も何も言わなかった
「ゆうちゃん、今日遊ばない?」
「いいけど」
みんなそれぞれ更衣室を出て行った、教室に戻って髪を拭いていると前の席のものすごく真面目な村上が本を読んでいる
(村上は女子にまったく興味は無い様でさっきのいやらしい男子達の話にもまったく加わっていなかった
読んでいる本は[部下を育てる上司]という題だった聞いてみると哲学書だという、由香は本を読むのが嫌いだ
読むのはマンガくらいなものだ
キーンコーンカーンコーン
「国語の勉強を始めます、礼」
日直の号令で授業が始まった
「今日は昨日言っていたようにディベートをします」
ディベートとは、肯定側、否定側、審判に分かれある議題に関して討論することである、今日の議題は鉛筆よりシャーペンを使うべきだ
というものであるが由香はジャンケンで否定側となったが同じ否定側に村上がいるこれは否定側の勝ちだろう、口が達者でいろいろな知識が脳に
詰め込まれている村上に口げんかで勝てる人などいないのだ
「・・・よって否定側の勝ち」
やっぱり、思ったとおりだった
国語を3、4時間にとった為に次は給食だ、今日の献立はコッペパン、スパゲッティ、大学芋、牛乳、だった
「手を合わせてください、食前の挨拶、いただきます」
みんなと喋りながら給食を食べていいると裕子が小さな声で話しかけてきた、
「ねえ知ってる、須野さんって高山君の事好きなんだって」
「へえ、そうなんだ」
こういう噂が今学校でははやっている、しかしそのほとんどは噂に過ぎない、しかし裕子の情報はほとんどが確かだった
ついでに言うと、由香にも好きな男子はいる、宮石君というスポーツができ、成績は村上についでクラスで2番目というなんら問題がない
男子である
「はー」
由香の口からため息が漏れた、そうこうしているうちに昼休みになった、裕子と一緒に外に遊びに行こうとすると村上に呼び止められた
「本の返却期限はちゃんと守ってください、君は返却期限を1週間も過ぎているのにまだ返していない、早く返してください!」
「いや、家に本を忘れてきちゃってさ」
自分の机を見ると運悪くその本がはみ出して見えている
「ちゃんとあるじゃないですか、そんな嘘で人を騙そうなんて考えないでください、1年生でもちゃんと返していますよ、それを5年にもなって・・・」
「はいはい、返しますよ」
イヤイヤ図書室まで本を返しに行く
「今度からはちゃんと返してくださいよ」
村上の真面目すぎるところには少々困る
「えーと、6年林・15日、3回目」
返却滞納者のリストを作っているらしい、まったく迷惑だ
『皆さん、清掃の時間です早く掃除場所へ行きましょう』
村上のせいでまた遊ぶことができなかった由香は腹が立った、由香の掃除場所は教室前の廊下である
「林さん、端の方もね」
「はい」
いわれなくったって分かっている、しかし胸が壁に当たって端の方が拭けないのだ
『後2分で清掃が終わります、掃除用具の後片付けもきちんとやりましょう』
やっと、掃除時間が終わった、今日は木曜日で教員研究日なので午後の授業がない、席に戻るとランドセルに教科書を入れ帰り支度を始めた
家に帰ると宿題をする、今日はいつもより宿題が多い、全部終わるのに1時間もかかった
「ふぁー」
そういって由香は伸びをした、するときつくなっていたブラが
プチン!バーン!
とうとう、特注130センチブラもちぎれ制服のボタンは飛んで行き柱にあったて傷跡を残してしまった
由香はもうひとつ大きいブラを出したり制服のボタンを直して終わると、なんだか眠くなってきた、そのまま寝てしまったらしい
電話の音でやっと目が覚めた外はもう真っ暗、電話に出ると裕子の声が聞こえてきた
「ゆかー、どうかしたの、約束は?」
やっと由香は裕子との約束を思い出した
「ごっめーん、ついウトウトしちゃっててさ・・・」
「まあいいけど、じゃあまた明日ね」
「うっうん、じゃあね」
そういうとまた睡魔が襲ってきた、また明日は遅刻することになるのである