豊胸試作薬No.001

777cm 作
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「ついに、ついに完成したぞ!」
「ついにやったのか!俺達は!」
「ああ、やっと俺達二人の努力が報われる日が来たんだ。この薬を売り出す事ができたら、俺達は大金持ちだ。」

俺達は大きい胸が好きな男性、そして小さい胸に悩む女性の念願をかなえる薬の開発についに成功した。
この薬を1錠服用した女性は、元の胸の大きさや女性によって個人差はあるが、
服用から2週間で5〜10カップほどバストサイズが大きくなるはずだ。
本当は1錠あたりに大きくなる胸の大きさをもう少し小さくして、
何錠服用するかを調節することで好みの胸の大きさになりやすいようにしたかったのだが、
残念ながらこれ以上錠剤を小さくするとこの薬は吸収されずに、体外に出てしまうのだ。

「さて、あとは実際に人間に投与して効果を確かめるだけか。」

数万回に及ぶ実験用ラットへの投与、そして念の為に行ったよりラット人間に近い猿への投与でも、
この薬の安全性と効果は実証されているが、やはり最後には人間での検証が必要だ。
幸い、この薬の検証にならたくさんの女性が協力してくれることだろう。

「俺達の仲間に女がいれば手っ取り早かったんだがなあ…」
「まあそう言うな。金持ちになれば出会いもあるさ。なんならお前で検証してみるか?」
「ちっ、別に出会いがどうとかいう意味で言ったわけじゃねえし、馬鹿言ってんじゃねえ。
 だいたい、この薬を男に投与したら…、想像しただけで吐き気がするぜ。」
「それには同感だな。じゃあ、さっそく秘密裏に協力者を募集してみよう。
 公開募集だと大手の製薬会社やライバル達になにをされるかわからんからな。」
「そこまで心配する必要は無いと思うが…、まあ念には念を、だな。ついでにかわいい子が来ればいいなあ。」

このとき、秘密裏に募集をすることにした僕達は、後で心から秘密裏にして良かったと思うことになるのだった。


ー数日後

結論から言うと、そういう専門の業者に頼んで募集して来た娘はそこそこかわいかった。
若い方が効果が期待できるし結果も測定しやすいのでなるべく若い子を、と頼んでいたのだが、
さすがに女子高生は無理だったようで19歳とのことだった。

「さて、ではこれからご協力していただく内容を改めてご説明いたします。」
「はい、よろしくお願いします。」

そういう娘の声には期待するような明るさと、やはり初対面のおっさん(俺だ…)と話すことへの緊張の両方が聞き取れた。
前者の理由は…、まあ、非常にストレートに言うなら、娘の胸が“非常に小さい”のが原因だろう。
大きくなれるのが嬉しいようだ。俺も嬉しい。
もちろん喜んで貰えた事が、だ。決してやましい意味では無い。


「はい。はい、わかりました。」
「それでは、1日目と1週間後に連絡いたします。事情があって、連絡先はお教えできないので、
 なにか困ったことがあったらその時にお願いしますね。では、説明は以上です。」

担当者さんの説明がやっと終わった。優しそうな人だな?と思っていたけど、少し慎重すぎるような気がする。
まあ、細かい注意事項が多いのは私のためでもあるから文句は言えないけどね。

「では、こちらがお薬とお水です。一気に飲んでください。」
「あ、はい。んくっ…、ふう。飲みました。」
「さて、ではもう帰っていただいて大丈夫ですよ。先程も言いましたが、明日と1週間後にお電話させていただきます。
 次に直接お会いするのは2週間後ということになります。場所はここですね。」
「はい。ありがとうございました。」

口には出さなかったけど、意外と呆気なかったなあ。説明が長かった割に…。
本当にあんな錠剤ひとつで私のコンプレックスが解消されるんだろうか。


ー1日目

朝起きて真っ先に胸を触ってみたけど、やっぱり変化はなかった。
今はえ、Aカップだから…GカップからJカップになるはずなのに。
2週間しかないのに、こんな成長速度で本当に大丈夫なのかなあ。
夜にかかってきた電話で担当者の人に聞いてみたら、

「大丈夫です。明日以降を楽しみにしてください。」

と言われてしまった。
いつもの真面目そうな声だったけど、心無しか笑いそうだった気がする。
明日が楽しみで眠れないけど、とりあえず横になっていよっと…。


ー3日目

「やった!」

思わず声に出してしまった。明らかに胸が大きくなってる。
測ってみると、80.4センチのBカップ“も”あった。
この調子で行けば2週間後にはEカップくらいになる!
さっそく担当の人にいっぱい渡されていた色んなサイズのブラジャーからぴったりものを選んで大学に行った。
大学の友達が変化に気付いてくれなかったのは残念だけど、まあそれは仕方無いかな。
なんとなくいつもより男性の視線を感じる気がする。
残念だけど気のせいだね。
ブラジャーをつけてない方が胸が大きくなりやすそうな気がするから、今日は外して寝ようっと。


ー4日目
81.2センチ

ー5日目
82.3センチ

ー6日目

このままだとギリギリEカップかあ…と思っていたけど、そうでもないみたい。
もちろん、Eカップでも十分なんだけどね。
なんと、朝起きたときは83.8センチのCカップだったのに、
寝るまえに測ってみるとギリギリDカップの84.7センチになっていた。
この調子だとけっこう大きくなるかなあ。
正直、この薬に出会うまではDカップなんて夢のまた夢だったけど、
実際になってみるともっと大きくてもいいかなあ、なんて思ってしまう。
今日は嬉しいので日課の牛乳をたくさん飲んでしまった。
最近は寝るのが本当に楽しみになってきてる。
この薬は起きてる間にももちろん効果を発揮するんだけど、説明によると夜のほうが少し成長速度が早いらしいからだ。
はやく朝にならないかなあ。


ー7日目

今日は連絡が来る日だ。
朝に測ったときの胸のサイズは86.2センチだった。
今はもっと大きくなっている気がするし、なんだか成長が早くなってきた。今日聞いてみよう。
早めに帰ってきたけど、帰り道であきらかにいつもより男性の視線を感じた。
これは気のせいじゃないよね。何となく嬉しい。
昨日から大きくなったことに薄々気付いていたらしい大学の友達にもいろいろ聞かれた。
まだこの薬のことは口外してはいけないと言われていたから、新しく買った豊胸グッズのおかげかもしれないと言っておいた。
豊胸手術をしたんじゃないかと疑っていたみたいだけど、そんな暇はなかった上に、
一気にじゃなくてだんだん大きくなってきた説明がつかないから納得してくれた。
あまり大きくありすぎるのは問題かもしれないなあ。
まだまだ大きくなりたいのに。

「あ、こんばんは。お久しぶりです。」
「お久しぶりです。何か変わったことや困ったことはありますか?」
「いえ、大丈夫なんですけど、ちょっと成長が早くなってきた気がします。
 全然問題ないって言うか、むしろ嬉しいですけどね。」
「はっはっは。それは良かった。動物実験でも、途中で成長が早くなったり遅くなったりすることはよくあったので、
 心配しなくても大丈夫ですよ。」
「そうなんですか。ならよかったです。」
「はい。では、また1週間後に。」

遅くなることもあるんだ…。
遅くならないように祈っとこ。
ちなみに寝るまえに測ったら88.1センチだった。
大台突破が見えてきた。このまま成長したら、Jカップになれるかもしれない。

ー8日目
90.0センチ

ー9日目

祈りの効果があったのか、あれからも成長速度が遅くなることはなかった。
と言うか、むしろまた少し早くなってきた気がする。
最後の1週間は大学を休みにしておいて正解だったかもしれない。
朝測ったときは97.8センチもあった。
ずっとこのままの速度で成長したらさすがに大きくなりすぎるけど、きっともうすぐ遅くなるんだろうな。
研究結果から何があっても絶対に12カップ以上は成長しないことが解ってるらしいし。
たまたま運が良かった(?)のかもしれない。
形が崩れたら嫌だから、寝るときにもブラジャーをつけることにした。
夜に測ったら100センチの大台を突破していた。
ちょっと複雑な気分。

ー10日目
106.7センチ

ー11日目
さすがに大きくなりすぎだ。
自分で正確に測るのが難しくなってきた。
朝測ると120センチ以上もあった。
念の為と言ってLカップまで貰っていたブラジャーも、もうつけることができないから、
バスタオルを巻いてなんとかするしかない。
足下が見えないから今日だけで何回も躓いてしまった。
胸が重い。胸の大きなひとがこんなに大変だったなんて。
ただ、自分で見ても胸の形は素晴らしいと思う。
担当の人に連絡したいけど、連絡先をしらないからどうしようもない。
あと3日頑張ろう。

ー12日目
145.2センチ


ー13日目
明日で本当に成長が止まるのかかなり心配。
朝測った時のバストは、相変わらず正確には測れないけど2メートルのメジャーでぎりぎりだったから、
190センチ以上はあると思う。
とうとう一番大きいバスタオルでも胸を隠せなくなってしまった。
最初はどうせ誰も家にはいないからと思って、上半身裸で歩き回っていたけど、やっぱり嫌だ。
ふと思い付いて少し小さめのTシャツを、胸の“片方”ずつに着せてみた。
すごくすごく変な格好だけど、裸よりはマシかな。
でも、シャツの首のところから乳首だけ突き出てるのがやっぱり恥ずかしい。
お風呂で体を洗う時に、うっかり乳首を触ってしまったら、

「ひゃぁっ」

すごい快感で思わず変な声が出てしまった。
次からはすごく気を付けることにしよう。
私の顔より大きくなってしまったけど、相変わらずすごい張りを持っていて形は綺麗だ。


ー14日目

今日で成長が止まるはずなのに、朝に測ると2メートルメジャーでは足りなくなっていた。
そこまではなんとなく予想はしていたけど、2メートル半のメジャーでもぎりぎり足りなかったのには本当にびっくりした。
手をのばして乳首に触るのが難しいくらいの大きさだ。
そのせいで、急に大きくなったことも手伝って乳首がいろんなものに擦れて大変。
昼頃に宅急便の人が来て困った。
まさかおっぱいにシャツを来た状態で応対するわけにもいかないし…。
結局、なんとかインターホン越しに説得して、荷物を扉のまえに置いておいてもらうことに成功。
うちの玄関は結構狭いので、出るときに胸の両端が扉の端に当たりそうになってしまった。
胸が重くてとても仰向けでは寝られないので、横を向いてなんとか寝た。
早く明日になって!


ー15日目

今すぐにでも家を飛び出して待ち合わせのビルに行たかったけど、集合時間は夜の7時以降ということだったので、
そういうわけにもいかない。それに、こんな胸だと夜遅くになってからしか出歩けそうにない。
朝起きてまずびっくりしたのは、おっぱいに着せていたシャツがパンパンになっていたこと。
もちろん大きさなんて自分で測ることはできなかった。
昼頃になるとびりりと嫌な音がした瞬間に千切れとんでしまった。
もともと前は隠せてなかったけど、いくら郊外で深夜は人通りが無いとはいえ、
さすがに胸を全く隠さずに外出するのは嫌だったので、布団を巻いたりいろいろ試してみた。
結局、カーテンを巻くことにした。
ごわごわで着心地は最悪だけど、とりあえず前を隠すことはできた。

さあ出掛けようという時になって重大な問題に気が付いた。
昨日は狭いなあとしか感じなかった玄関が、どうしても通れないのだ。
思い切ってぎゅうぎゅうを胸を押し込むと、カーテンと乳首が擦れてものすごい快感が走って、力が抜けそうになる。
それでもなんとか外に出ることができた。自転車にはとても乗れないので、歩いて行く。
待ち合わせは徒歩で20分ほどのビルだ。胸が重くてすぐに息が切れる。
途中で1度だけ酔っ払ったサラリーマンに遭遇したが、相手は一瞬酔いがさめたような顔をした後、
すぐにまた赤ら顔に戻ってフラフラと歩いていった。

息切れしながらもようやくビルに着くと、ひどく苦労して2階まで上ってドアを押し開けた。

「やあ、遅かったじゃないか。7時以降って言ったのになかなか来ないから今日はもう来ないのかと…
 ってどうしたんだその服は…ええっ!?」

私の胸があまりに大きくて、上手く遠近感が掴めなかったようだけど、やっと私の胸の大きさに気付いたみたい。
男はしばらく硬直したあとこう言った。

「それは…本物か?本物なら俺達の研究は大成功…いや逆に大失敗だ…こんな大きさにしかできない薬など売れるわけがない…
 いやそもそももう成長は止まっているのか?…とにかくそれが本物がどうかを…」

なにやらぶつぶつ言いながら近付いてくる男。
怖くなった私は後退ろうとしたが、すぐに壁際に追い詰められてしまう。
男の手が伸びてきて私の胸を無遠慮に鷲掴みにする。

「ひゃぁぁぁぁっ!」

ものすごい快感が走って足の力が抜けて、座り込んでしまう。

「嘘だ。本物なのか…嘘だ嘘だ嘘だ…」
「ひゃぁっ!はぅうっ!止めてください!ひゃぁぁっ!」

あまりの快感に私の意識はそこで途切れてしまった。


娘の悲鳴で我に返える。
なんということだ。
目の前で気絶している娘の胸囲は目測でも3メートルはあることがわかる。
正確な大きさは研究室にある機材を使って測るしかないだろう。
とりあえず、研究室に戻るためにこの娘を車まで運ばなければ…。
だがどうやって運ぼうか。
まず背負おうとしてみたが、巨大な胸が邪魔でとても背負うことなどできなかった。
台車に乗せて運ぶこともできるが、階段を降りるのは不可能だ。
お姫様だっこの要領で運ぼうとしてみたが、女性には失礼な表現だが…非常に重かったので諦めた。
その後も四苦八苦したが、やはり良い手段は思い付かなかった。
いや、正確には1つだけ方法は思い付いているが…実行するのは気が進まない。
だが、他に方法も無いので仕方無く実行することにする。
まず、娘の巨大な胸を隠しているカーテンを取り去る。
そして、巨大な乳房の前に座り込むようにしながら、自分の肩のうえに乳房を片方ずつ乗せて、なんとか娘を背負う。
こうすれば巨大な胸が邪魔にならずに背負うことができるのだが…。
胸に頭を挟まれるような格好になっているので、非常に恥ずかしい。
なにより、この娘にはひどいことをしてばかりだ。
出会い頭に胸を揉んだ上に、気絶している間にこんなことまで…。
あとで謝らねば。いや、秘密にした方が得策だろうか。
そんなことを考えながら、やっとの思いで車まで辿り着く。
そして、なんとも言えない気持ちで仲間の待つ研究所へと向かうのであった。


「よお。遅かったじゃねえか。あの娘、結局何カップになってたんだ?」
「自分で確かめてくれ…」

そう言いながら、車の後部座席の扉を開ける。

「おい、こりゃあ…」


その後、娘の胸は実験開始から3週間、研究所に来てから1週間が経つころにようやく成長を止めた。
以下にその週間の記録を記載しておく。

ー16日目
410センチ
まだ成長するらしい。
今でさえ片方の乳房でバランスボールほどの大きさがあるというのに。
気休めに抗成長剤…と呼べるほどの効果があるのか疑わしいものを投与。

ー17日目
473センチ
わずかに成長の速度が鈍った。
このまま成長が止まることに期待。

ー18日目
516センチ
明らかに成長速度が遅くなっている。

ー19日目
548センチ
このあたりで、ごくわずかだが母乳のような成分が分泌されるようになった。

ー20日目
570センチ
母乳の量が増加。
一般的な妊婦くらいの量は出ている。

ー21日目
583センチ
まだまだ成長しているが、終わりが見えてきた。
母乳分泌量は変わらず。

ー22日目
590センチ
娘を今後どうするかについていろいろ走り回っていた仲間から連絡。
まあ、良い知らせだ。

ー23日目
594センチ
ようやく成長が止まった。
もしかしたらまだ成長しているかも知れないが、この大きさだと正確に計測できない。


世の中には物好きな連中がいるものだ。
仲間が見つけた解決法は、この娘を引き取りたいという物好きな金持ちに娘を渡すというものだった。
もちろん、娘はものすごく反対したが、その金持ちから派遣されてきた男の話をしばらく聞いたあとは急に乗り気になって、
どこかに連れて行かれてしまった。
何を言われたのかは気になるが、娘が納得しているならそれでいいんだろう。
無責任ではあるが、どうしようもない。
ちなみに俺達はその金持ちからの融資で研究を続けることになった。
次こそは必ず成功させるつもりだ。