先生 その5-1

NOW 作
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今日もあの人の事ばかり。
彼女には悩みがあった。普通の女の子らしい悩みだ。

それは、3年前。よく晴れた日の夕方。公園で遊んでいて、いよいよ帰る時だった。友達
と「じゃーねー」と言ってわかれる。公園の外に出ると、ちょうど音楽と共に、小学生は
家に帰りましょう、のコールが町内放送で流れた。
一人帰り道を歩いた。そのとき、後ろからゆっくり車が通った。中の男は、周りにだれも
いないのを確認すると、車をとめ、いきなり飛び出した。
「キャ…ん………!!!」
口を塞がれ、しゃべる事ができない。体も完全に持ち上げられ、できる事がない。じたばた
しても、無駄なだけだった。車に入れられてしまう…と思ったその瞬間、
「何をしている!!」
という声のあと
「うっ」
という声が聞こえたかと思うと、体を掴んでいた腕の力がなくなった。襲った男が誰かに
殴られたのだ。その直後、掴んでいた男の体から放り出された落とされた衝撃で、気絶して
しまった…

目が覚める
知らないところ。
ここはどこだろう。周りを見ると、一人の男の姿があった。パソコンに夢中で、こっちは
向いていなかった。
「あ……」
「お?あ!お!?」
慌てた。急いでパソコンの画面を消す。
「気付いたかい?君が誘拐されそうになってたんで助けたんだ。いきなりでなんだが、
俺の名前は来狗猛(たける)26才。怪しい者じゃないから安心してねっっ……。隣町の
学校で教師をやってるんだ。で、ここにすんでるんだ。さっきも言ったけど、君がさらわれ
そうだったから助けたつもりなんだけど、気絶しちゃったみたいだから、連れて来ちゃっ
た…。気絶した君を公園で抱いて待ってるのはヤバそうだったし、、」
「あ、どうも、ありがとうございます…!土浦雅っていいます。小学3年生です」
「よかったよかった、無事で。ケガもないみたいだし…痛いところとか、ないよね?」
「大丈夫です」
「そっかー、じゃあ、君の家の電話番号を教えてくれるかな?お母さんに連絡しないと、
きっと心配してると思うから」
「○○○○です」
「…よし、じゃあ、ちょっとここでまっててね。電話してくるから」
カッコよく見えた。そう、雅は彼に一目惚れした。
「はい、はい、そうです……」
彼の声が聞こえ始めた。そして、彼が電話をしている間、ちょっと暇になった。部屋を
見回してみた。テーブルにはテレビか何かのリモコンが置いてある。本棚には難しそうな
本が列んでいる。教育なんとか、と書かれている本が多い。テレビにコンポ、パソコン、
ソファなど、ここは私生活的な部屋のようだ。そして自分はその部屋のベッドの上にいる。
初めての男の人の部屋…。ベッドから降りて、読書が好きな雅は本棚の本を読んでみたが、
さっぱりわからなかった。次に、パソコンを覗いてみる。そういえば、さっきあの人が
使っていた。慣れない手つきで、パソコンのディスプレイの電源を入れる。
「………!!!」
そこには、えっちな絵や写真が沢山あった。中でも割合の多い物は、超のつく爆乳の人の
絵だった。雅は意外と冷静で、あの人はこういう人がすきなんだーと思った。
一つは、やせてる女の人の絵で、だが、その体は局部的にでかかった。Tシャツ姿で、
しかし、Tシャツは胸を抑えるために面責を全てをとられてしまい、胸の下の部分がシャツ
からはみだしていた。B−145、W−55、H−80と横に書いてある。設定も書いて
あったが、雅には漢字が多く読めなかった。
もう一つは、電話ボックスに入っている女の人の絵だったが、様子が変だ。B−268、
W−57、H−83、設定:「あれぇ、入るときは平気だったのに、またあの人と話して
コーフンしちゃったら、おっぱいがふくらんじゃったみたーい!い…いや、ぬけないわ〜!!」
(そうか、好きな人の事を考えると、おっぱいって膨らむのかぁ)
しかし、それはあまり正しい知識ではなかった。設定のその続きに、精神系膨乳病と書か
れていたが、小学校3年生の雅には読めなかった。もっとも、こんなものは作り話であり、
実在はしないのだが。素直な雅は、がんばろう!と思っていた。きっと胸を大きくして、
この人に見てもらうんだ、と思った。
一つだけ、生の写真がある。その女性は、恥ずかしそうに、でも嬉しそうにこちらを見て
いる。
「うそ…」
それは、まぎれもなく写真。だが、そのバストと思われるものは、人知を越えるものだった。
その球体は全く垂れていない。だが、へそも股も隠れてしまうほどでかいのだ。乳輪は
その巨大な乳房に対し、小さく、それがよけいその乳を大きく見せている。重そうに下から
手で押さえられているようだが、腕はすっかり隠れてしまい、手の先がかろうじて乳房の
下から見えているだくである。データは…B494W54 真由美と書かれている。
あれ、この写真の中の本棚…
その時、来狗がこっちに来たので、反射的にあわててパソコンを元通りにした。
「ほら、電話にでてあげて。本人の声が一番お母さんが安心するだろうから」
…それから車で送ってくれる事になったが、来狗は優しかった。そして、いろいろ話して
くれた。ますます彼が好きになった。だが、彼の家への道も電話番号もわからないまま、
別れる事になった。別れる時に雅は涙を流したが、恐かったんでしょう、でも、ここに
帰ってこれて安心できたんでしょうね、という事になってしまった。本当は別れの悲しみの
涙だったのだが。そして雅は、決心する。ずっと彼の事を想い続けて、きっと大きな胸に
して見せる!と。そして、胸が大きくなったら、きっと彼が私を見つけてくれるはずだと
思った。

それ以来、雅は彼の事が忘れられないでいた。そして、5年生になった時、事態は大きく
かわる。先生のいれかえで、間違いなく、彼が自分の学校にきたのだ。彼女は喜んだ。
だが、ちょっと気になるのは、まだあまり胸は大きくない。こんなものではまだだめだ。
そしてもう一つ。はたして、彼は自分の事を覚えてくれているだろうか。
翌日、廊下で来狗と会った。
「先生!!」
「ん、こんにちはー」
それだけだった。来狗は歩き去っていく。やっぱり覚えていなかったのだ。でもしかたが
ない。覚悟はしていたし、会ったのはたった一日だけだ。雅はもう一度決心した。絶対
先生に注目してもらう女の子になるんだ、と。
彼女は努力した。食事を気にしたり、改善や、軽くトレーニングなどをした。そして、
毎日彼の事を考えた。胸が大きくなると信じて。…彼女の努力は少しずつ実り、胸も大きく
なったが、どうやら体全体にいい具合に栄養がまわり、とても女性らしい体になった。
しかし、それは雅の望んだものではなかった。もっと、超のつく爆乳がほしいのだ。体は
どうでもよかった。
6年生になって、彼女は息がとまるかと思った。彼が担任だったのだ。体にはまだまだだ
とは思うが、自信がもてる程度に成長した。自分で測った時には70cmあったのだ。
だが、クラスで一番ではなかった。一番は、矢大房子さん。この人にはかなわなかった。
相手にならないくらいでかすぎる。彼女の自己紹介の発表の時の先生の目の色が違った。
でも、雅は彼女を羨ましいとは思いつつ、憎んだりはしなかった。むしろ、尊敬した。

続く