第1話 メイドは超乳
バイトを探していた天野優希は、一枚の紙に目を止めた。
『アルバイト募集 バストに自信のある方求む』
高校に入学したばかりの十五歳にもかかわらず、優希のバストは学校で一番大きい。入学直後の身体測定では140cmもあった。もちろん、優希はバストに自信を持っているし、一番のチャームポイントだと思っている。時給やその他の条件もよかったので、優希は迷わずこのバイトに決め、さっそく電話をかける。
「アルバイト希望の方ですか。では面接を行いますので明日三時にこちらへ来ていただけますか? 身体測定をしますので、脱ぎやすい服装でお願いします」
次の日、延々と続く塀づたいに歩いていると、ようやく門が見えてきた。とにかく大きな家だ。家というより屋敷という方がいいだろう。門の前にたどり着いたときには、優希はもう汗をかいていた。
表札には神代とある。巨大な門を見上げながら、優希はインターホンを鳴らした。
用件を告げると背の高いメイドがやってきた。ただ歩いているだけなのに胸が激しく揺れている。メイド服にむりやり押し込まれている乳は、どんなにひいき目で見ても優希をより大きい。
「そん……な」
絶句する優希。下を向く。大きな乳が見える。メイドに視線を移す。さらに大きなバストが目に入る。呆然と下を向く。メイドの胸を見る……以下繰り返し。
「こちらです。ついて来てください」
壊れた人形のように二人のバストを見比べる優希に、メイドが声をかけた。
歩きだすメイドの後を、ショックを受けたまま優希はついて行った。
メイドが軽くノックする。ここまで来る途中、数人のメイドとすれ違ったが、その全員が優希以上のバストの持ち主だった。優希を案内したメイドよりも大きいバストの持ち主もいた。優希の自信とプライドが音を立てて崩れていく。
ドアを開けると、体重計やらメジャーやら身体測定に必要な道具があった。部屋の中には三人の女性がいる。一人は中学生くらいの女の子。もう一人は優希より一つか二つくらい年上の少女。最後の一人はメイド服を着た美女だ。全員、優希よりも胸が大きい。特にメイド服の美女は、もう桁違いに大きい。
中学生が優希の胸元を見つめながら口を開く。
「お姉さんもココで働くの? そんな小さなオッパイで?」
もう優希には言い返す気力もなく、ガックリとうなだれるだけだった。
「うーん、ちょっと小さいけど顔はかわいいし、まぁいいかな」
そう言って、メイド服の美女が苦笑する。
「全員、採用ね。今からサイズ測るから服脱いで」
中学生が真っ先に脱ぎだす。下着すら脱ぎ捨て素っ裸になる。真っ白なバストは大きさだけではなく、張りでも優希を上回っていた。2mはある豊かな乳房は、重力を物ともせず、しっかりと上を向いている。見事としか言いようがない美乳だ。
「そういえば、まだ名前を聞いてなかったわ。私は神代家のメイド長、結城紗英よ。バストは432cmあるわ」
「あたしは渡瀬美佳です。この前測ったときは、206cmでした」
中学生が自己紹介する。
「桜井あやめ、311cm」
もう一人の少女が簡潔に答える。いつの間にか、あやめも裸になっていた。さすがにあやめのバストは自重を支えきれていないようだ。
「わ、私は天野優希……です。胸は……140cmしかありません。す、すいません」
消え入りそうな声で優希が言う。三人のバストサイズを聞いて、とどめを刺されたようだ。特に年下の美佳に負けたことのショックが大きい。
「とにかく、天野さんも脱いで」
紗英に促され、恐る恐るブラウスのボタンを外していく。純白のブラジャーに包まれたおっぱいは、一般的な基準で見れば規格外の超乳だが、この部屋の中では“貧弱”だ。
ゆっくりとフロントホックのブラを外すと“小さな”乳房が“控えめ”に揺れる。美佳には負けるものの、十分に形のいいバストと言えるだろう。
顔を真っ赤にしてうつむく優希。恥ずかしがりながら下も脱いでいく。
「ついでに久美も自己紹介して」
紗英が優希を案内して来たメイドに声をかけると、長身のメイドは優雅に一礼して、森崎久美と名乗った。衣装の中へギュウギュウに詰め込まれた209cmのバストが激しく踊る。
全員の自己紹介が終わり、身体測定が始まった。
まずは身長体重。あやめ――167cm、※※kg。美佳――142cm、※※kg。優希――162cm、※※kg。(本人の希望により体重は伏せ字)
三人とも身長のわりに体重が重い。といっても、胸が重すぎるだけで腹回りに余計な肉が付いているわけではない。
次いで、ウェストとヒップ。あやめ――W62cm、H90cm。美佳――W52cm、H78cm。優希――W58cm、H87cm。
そしてバスト。あやめ――TB322cm、UB72cm。美佳――TB218cm、UB62cm。優希――TB144cm、UB68cm。
三人とも、前回測ったときより成長している。わずか半月ほどで、あやめと美佳は10cm以上大きくなり、優希も4cm大きくなっていた。
「じゃ、今日はこれでおしまい。働くのは明日、4月29日から9日間。日給は1万円で今日の分もいれて10万円ね」
身体測定を終え、紗英が仕事について説明している。
だが、優希は魂が抜け落ちたような状態で、話をほとんど聞いていなかった。気がつくと家に戻ってきて、夕飯を食べていた。茶碗が空になってもご飯を食べようとしているのを、母親に注意されるまでそのままだった。
「どうやったら、あんなに大きくなるのかなぁ」
優希は力なくつぶやいた。
つづく