視線から逃れたら

ニュウセイ 作
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その2

半年ほどたったころ、私はどことなく違和感を感じていた。
それが何かと考えながらお風呂に入っていたとき、ふと目に入った胸を見て、その原因が分かった。
この施設に入るときにはBカップ程度だったはずの私の胸は、「持ち上げる」ことができるほどの大きさになっていた。
大体大きめのリンゴぐらいだろうか。
ここまで大きくなるまで気づかないとは、と思わなくもないが、
どちらかというと「胸が大きくなってきていることを認めたくなかった」が正しいのだろう。
思い返してみると、最近机に胸を置くようになっていたし、入浴中にぼ〜っと水に浮く胸を眺めていたこともあったはずだ。
それでも私は、そのことを無理にでも意識しないように過ごしてきたようだ。
だが、現実は変わらない。
そもそも、淫魔族の血のことを考えなくても、母があの体型なのだから、
私もそれに近くなるまで成長することは仕方がないことなのだろう。
そう思いながらおしりを触ってみると、こちらも一回りは大きくなっているようだ。
早く成長が止まってほしいと思いながらため息をついた。
次におなかを確認しようとしたが、胸のせいで目視はできない。
そこでこちらも触って確認してみたところ、日ごろの運動のおかげか引き締まっているようだ。
そうしてボディチェックを終えたところで、私は改めて、この部屋での生活での体型維持の難しさを感じた。
体型維持のためには変化の有無を確認できるだけの情報が必要になるはずだが、この部屋ではほとんど確認できない。
鏡はおろかそれの代わりになるものすらないので、客観的な自分の見た目を把握することはできないし、
メジャーや体重計のように自分のスタイルを計測する機器もない。
それどころか、着ている服が自動調整されるがために「服がきつくなってきている」かどうかすらわからない。
私は確かに見られるのは嫌だが、さすがに「見れたものではない」体型は避けたい。
そこで私は、月に一回、体の各部を目視や触って確認し、その感触や感想などを記録していくことにした。
こんなものでもないよりはましだろう。

それからひと月して、私は先月決めた通り体の各部のチェックを行った。
ひとまずおなかは相変わらず引き締まっているし、おしりも触ってわかるほどの変化はしていないようだ。
先月は気づかなかったが、最近目線が上がってきているような気がするので、背も伸びてきているようだ。
そして胸は、先月よりも明らかに大きくなっていた。
先月時点では、記録からすると「大きめのリンゴ程度」だったはずだが、さすがにこの大きさのリンゴはないと思う。
ちょうどよい比較対象は思い浮かばないが、一回りは大きくなっているようだ。
手で持ち上げたときに重量感も明らかに増している。
成長期が始まってからまだ1年たっていないことと、これまでの成長ペースを考えると、まだまだ途中経過でしかないのだろう。
私は大きなため息をつくとともに、思わずつぶやいていた。
「いつになったら止まるのよ・・・」

そんなこんなでさらに数か月経過し、この部屋での生活を始めてから1年が経過した。
学習はきちんと進めていて、中1の範囲どころか、一部中2の範囲も始めている。
運動面も、割と長時間ランニングマシーンを使い続けても問題ない程度になっている。
また、毎日料理を続けているうちに腕も上がってきたのか、レシピからある程度アレンジしても味に問題が出るようなこともない。
ただ、アレンジするようになってから、作りすぎることが多くなってきてしまった。
量は多くとも味はいいので食べきることは問題ないのだが、ただでさえ成長期と運動していることとが重なって食欲が増しているのに、
さらにそれを加速させていっているようなものなので、食事量がどんどん増えてきてしまっている。
幸い、おなか回りはほとんど変わっていないようだが、その分の栄養は胸とおしりの成長に回されているようだ。(身長も伸びてはいるようだけど)
おしりは、この一年で二回りほど大きくなったようだ。
そして胸は、この年ではありえないほどの大きさになっている。
サイズは小さめのメロンほどになってしまっているし、重さはおそらく3キロ近くあるだろう。
持ち上げるのにもかなり力がいるようになってきて、最近では胸を持ち上げようとすると手にずっしりと重みを感じるようになっている。
これだけのサイズになると日常生活に支障が出てきてもおかしくないと思うのだが、
服にかけられている自動調整魔法が優秀なのか、それともほかに理由があるのか、それほど問題にはなっていない。
また、胸がここまで成長しているためか、最近「エッチなこと」への興味も増してきてしまっている。
最初はそういう画像をチラ見する程度だったが、最近は官能小説を読むことも増えてきた。
今月のボディチェックのときも、胸を触っているときに、必要以上に触り続けたいという思いが湧いてきて、抑えるのに苦労するほどだった。
普通なら親や周りに視線を気にしてそういうことは制限されるのだろうが、ここにはそんなものはない。
さすがにまだ自慰行為までしようとは思わないが、そう遠くないうちにするようになってしまうのだろうか。