「え? リオンが脱獄した? ……つーかリオンって……誰?」
突然部屋を訪れた騎士団長ヴォルトに、マリエルが聞き返す。
「少し前にリーゼが捕まえた暗黒魔導師だ。半年前にこの国の南の方で起きた『邪神復活未遂事件』の首謀者で、3年前のケンクロイツ神聖帝国とアンデルス王国の戦争を裏から操っていたという噂もある男だ。」
3年前の戦争、と聞いて、マリエルの傍らに居たフィルが体を硬直させた。その戦争で両親を亡くした直後の事を思い出してしまったのだろう。今でこそ落ち着いているが、マリエルが彼を引き取ってすぐの頃はうなされて夜中に飛び起きることもしばしばあったのだ。
「あ……済まない、嫌なことを思い出させてしまったようだ。現在非常線を張って、リオンを捜索中だ。ところで、リーゼは今どこにいるか分かるか?出来れば彼女の力を借りたいのだが……。」
「リーゼなら『アルベリヒの木』の辺りにいるはずよ。友達が遊びに来るからそこで待ち合わせ……とか言ってたけど。」
『アルベリヒの木』は城下町の表玄関近くに生えている大きな木である。遠くからでもよく見えるので、待ち合わせに使われることもよくあるのだ。
「……そうか、わかった。……ん? どうした?」
ヴォルトの元に部下の騎士団員が駆け寄る。
「隊長、遠眼鏡班がリオンを見つけました! アルベリヒの木の近くだそうです!」
「! ……わかった。……よし、今すぐアルベリヒの木に向かう!」
○
「そろそろ来てもいい頃……ですかねぇ。」
リーゼはアルベリヒの木に寄りかかり、大きな手でつまんだリンゴをかじりながら友人が来るのを待っていた。
「ヒューネに会うのは半年ぶりでしたっけ……楽しみです……?……!」
なにやら重く、どす黒い気配を感じて右の方に視線を移すと、黒髪の冷酷そうな美少年……リーゼが少し前に捕まえた暗黒魔導師、リオンがいやらしい笑みを浮かべて立っていた。
「くくく……久しぶりだな……。貴様……リーゼという名前だそうだな……。」
「そうですけど……それが何か?」
リーゼは腰に刺した大きな短剣の柄に手をかけ、身構える。
「その馬鹿でかい乳には、さぞかし大量のミルクが詰まっているのだろうな……くくく……。」
「……出たとしても、あなたみたいな人に飲ませるミルクなんてありませんよ……!」
「そう言うと思ったよ……くくく……そうでなくては面白くない……。」
「とにかく、もう一度牢屋に入ってもらいますよ!」
リーゼが短剣を引き抜き、斬りかかろうとした瞬間……。
「トレント・ソウル! さぁ、そこの大女を縛り上げろ!」
突然、アルベリヒの木の枝や根が激しく震えだしたかと思うと、鞭のように唸りを上げてリーゼ目がけ伸び、彼女の手足に絡みつきギチギチときつく縛り上げた。彼女の怪力でもふりほどくことが出来ない。
「……!? なんで……普通の木なのに……。」
「くくく……我が暗黒魔術にかかれば植物を操ることなど他愛もない……。さあ……その体で楽しませてもらうぞ……。」
リオンはリーゼに近づくと、懐から取り出したナイフで、彼女のスカートを切り裂いた。黒いショーツに包まれた、大きく形の良いプルンとしたヒップと、ムチムチとした太ももが露わになる。
「下半身もかなりのボリュームだ……これはいじり甲斐がありそうだ……。」
冷酷な笑みを浮かべると、リオンはリーゼのショーツに顔をうずめ、両手で彼女のヒップを鷲掴みにし、ぐにぐにと揉みしだく。
「……くっ……このむっつりスケベ……!」
リオンはそのまますらりと引き締まったリーゼの腰に手を這わせ、いやらしい手つきでなで回す。
「この細い腰でこれだけの大きな体を支えているのか……巨人族の身体能力、恐るべし……だな……くくく……。さて……そろそろ……その胸でたっぷりと遊んでやるとするか……。」
リオンのナイフがリーゼの胸元に突き立てられ、そのまま服を切り刻んでゆく。程なく、彼自身の頭よりも大きなバストが現れる。黒いブラに包まれたそれは、リーゼが呼吸をする度に小刻みに震えている。リオンがブラを両手で下ろすと、固く勃起したピンク色の乳首と、ぷっくりと膨らんだ乳輪が露わになった。
「くくく……乳輪だけでもわたしの手と同じくらいの大きさとはな……。つくづくいやらしいな……。」
「……く……ヴォルトさん達は……どうしたのかしら……。」
「ああ、騎士団ならあらかじめ呼んでおいたあいつと戦ってるよ……くくく……。」
「……何ですって……!」
○
「魔物どもを街に入れさせるな!」
「こいつら一体一体はたいしたこと無いが、数だけは多い、気を付けろ!」
ヴォルト率いる騎士団は、街の入り口でリオンが召喚した巨大な魔物『ジェネレーター』と異界に繋がるその口から吐き出される無数の怪物と戦闘を繰り広げていた。
「あのでっかいヤツさえ倒せばあとはなんとかなる!」
「我々騎士団を甘く見ない事ね!」
人数こそ他国の騎士団に及ばないものの、精鋭揃いの彼らはそれぞれの得意武器で怪物を蹴散らしてゆく。
「行くぞ! “虚空斬破”!!」
ヴォルトは大剣を振り下ろして衝撃波を起こし、一瞬で百体をゆうに超える怪物達を吹き飛ばした。
「さあ、このまま一気にデカブツを叩き潰すぞ!!」
○
「くくく……乳首もこれほどまでに大きいとは……。」
リオンはリーゼの勃起乳首を指で何度もしごき上げると、乳首の先の割れ目に人差し指を突き立て、力を込めて押し込んでいった。ズブズブと人差し指が割れ目に飲み込まれてゆく。
「く……ああぁ……。」
「おお……まさか乳首に指が入るとはな……。くくく……このまま指で貴様の乳首を犯してやろう……。」
乳首に差し込まれたままの人差し指をぐにぐにと動かし、指の腹で乳首の中を刺激してゆく。
「あ……ああ……ああぁ……。」
リーゼの乳房全体が小刻みに脈打つ。それと同時に乳首の先からぽたぽたと液体が滴り落ちる。
「くくく……これはまさか……。」
……ちゅぽんっ!! びゅく! びゅぷ! ぷぢゅぅっ!
リオンが指を一気に引き抜くと同時に、リーゼの乳首の先から、濃い母乳が一気に噴き出した。
「あああぁぁっ!! ……な……何で……? ルーンの効果はもう切れてるのに……。」
「くくく……わたしの指先の魔力が影響したようだな……。さぁ……そのミルクをいただくとするか……。」
リオンがリーゼの乳首に吸い付こうとしたそのとき……
「ちょっと待ったぁ!! 勝手にリーゼのおっぱい飲むんじゃないよそこのクソガキ!!」
声のした方を向くと、すらりと背の高い、深いスリットの入ったワンピースを着たロングヘアーの女性が立っていた。
「あ……ヒューネ! やだ……恥ずかしいとこ見られちゃったなぁ……。」
今にもワンピースからこぼれそうなバストをゆさゆさと揺らしながら、その女性……ヒューネは捕まっているリーゼに近づいてゆく。
「まったく……リーゼらしくないなぁ……そんなガキにやられるなんて……。」
「あはは……ごめんなさいね……。とりあえず、絡まってるこれ、どうにかしてくれません?」
「……待て! わたしを無視して勝手に話を進めるな! アイスゴーレム! その女を殴り殺せ!」
ヒューネの背後に巨大な氷の巨人、アイスゴーレムが現れる。しかし……。
「まったく、他人をけしかけることしか出来ないのね……。“フレイムソード”!」
魔術で作り出した炎の剣で、ヒューネは一撃の元にアイスゴーレムを切り伏せてしまった。
「な……まただ……またアイスゴーレムが……」
「あら? またって事は前もやられたんだ、ふ〜ん。とりあえず……。“ソーンバインド”!!」
ヒューネが念を込めると、リオンの足元の草が一気に成長を始め、彼の体をきつく縛り上げる。
「あんたはそこで待ってなさい! リーゼ、あそこで戦ってる人達を助けるわよ!」
「解りました!……って、下着で!?」
「しょうがないでしょ! 緊急事態なんだから!!」
ヒューネがリーゼの手足に絡まっていた枝や根を切り落とす。そしてリーゼは下ろされたブラを再び着け直すと、ヒューネと共に騎士団の援護へと向かった。
「隊長! リーゼ殿が援護に来てくれました! 友人も一緒だそうです!」
「ありがたい……ッ!? リーゼ! 何て格好なんだ!」
「わけはあとで話しますから!」
「すげぇ……でっけえおっぱ・アグ」(怪物に殴られた)
「さあ、残りの怪物を退治するわよ!!」
「オォーーー!!ッ」
☆
「ありがとう、リーゼ……それに……ヒューネさん。貴方が居なかったらリーゼを助けることが出来なかったかもしれない。」
「あはは、いーのいーの、そっちもたいしたことなくて良かったじゃない。ね、リーゼ。」
今回の騒動での怪我人はほとんど出ず、リオンの暗黒魔術で伸びたアルベリヒの木の枝や根も、樹医や庭師の手によってきれいに切りそろえられた。魔物は全て撃退し、リオンも無事に捕まり、今回の件は一件落着と相成った。リオンに関しては魔術処理を施した牢に入れて、警備も強化させるとのことだ。
「ところで……ヒューネ、早く家に入りませんか? もう夕方ですよ……それにわたしだけ下着なんですけど……。」
「あ……ごめんごめん。……ご飯を食べて……お風呂に入ったらたっぷりかわいがって……あ・げ・る☆」
「え……?」
そんな2人の元に、マリエルとフィルが駆け寄る。
「お姉ちゃん、ご飯できたよ……って、何で下着なの?」
「あなたがヒューネさんね。さ、わたしのところでご飯食べてって☆」
「リーゼのミルクも飲ませてくれる?」
ヒューネの言葉に、顔を紅くするリーゼ。フィルとマリエルは苦笑いをしている。
「あはは……しょうがないですねぇ……。まぁ、せっかくですから、みんなで飲んで下さいね……。」
リーゼは優しく微笑むと、巨大なバストをゆさゆさと揺すってみせた。