漆黒の演奏者『前奏曲』

パトリオット 作
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その日は休みだった、学園にも少しづつ慣れてきたがかばんを探していると
「あ…」
僕は重大なことに気がついた…するとリュークが話しかける。
「どうした?宿題でも忘れたか?」
「いや…5つの楽譜のひとつがない…」
「んだとーーー!?よりにもよって俺の自信作を!?さっさと取りに行くぞ!」
「明日じゃ…だめ?」
「だめだ!さっさと行け!」
学園は歩いて12分なのでそれほど時間はかからなかった、学園は休日にもかかわらず部活で頑張る少女達でいっぱいだった、職員室で鍵をもらい教室で机の中を探した。楽譜はあったが改めて楽譜を見るとこんな作曲法があるなんて…
「ねぇ…リューク…この楽譜はなんなの?」
鍵を返した後にリュークに聞いた。
「そいつは『性欲のプレリュード(前奏曲)』っていうんだ。聞いた女は性欲が暴走してしまい肉体的にも精神的にも自分をみたそうとする、俺の魔力がないと発動しないが…」
「じゃあ、そのまま弾いても大丈夫なんだね?」
「まぁ…練習程度なら…」
「練習ならいいところを見つけたからそこで弾いてみよう…」
そこは広い庭園であった。小さな少女たちが遊んでいるがいるが気にする量ではなかった。
「弾くよ、リューク」
…素晴らしい、ほどよいリズムの中にあるアンバランスな音の強弱…完璧であった、前奏曲だからまだあと4つある。その4つもこの音色を聞いては弾きたくなってきた。ふと僕は小さい子達が集まっているのに気がつかなかった。まだ10歳ってところか。
「うわ…本物の花京院恭助だ…」
少女達の中の一人が言ったがよくみると男子の制服を着ているので男の子か…女の子と間違えた…
「それはお褒めの言葉ありがとう」
「稔ちゃんのお姉ちゃん大ファンなんだよね〜」
「うん、恭助兄ちゃんが出たTVの録画全部取ってるよ!」
「聖堂で弾いてたときなんて目がハートだもんね〜」
彼らの会話に入り込めない…次々よくまぁ話題が出るなぁ…
「あ、稔…キャ!」
稔という少年を呼んだのは気にコソコソ隠れている女の子であった。
「あ、お姉ちゃんもバイオリンの音色を聞いてきたの?」
ピンクのロングヘアーに赤いリボンをつけている少女が彼のお姉さんか…ん?たしか彼女は…
「まさか、同じクラスの狭間春香さんでしょうか?」
「あ…覚えてくれてましたの…?」
「隣の席の人ぐらい覚えれますよ、コソコソしないで木からでたらどうですか?」
気から出たのは隣の席の春香さんだったがそのあらわになった体はスタイルが他の子とは違った。ウエストは引き締まりヒップも女性らしいが一番目立つのは胸であった、他の子はGcupぐらいだが春香さんの場合Lcupはありそうだった。一樹から聞いた話だが彼女は視聴覚委員でその声は天使の笑顔と歌声と言われており別名「ホワイトエンジェル」さらに気が優しく性格も良く、誰とでも上手く付き合える性格なので学園内のアイドル的存在であるとか…
「演奏どうでしたか?」
「え…は、はい!素晴らしかったです…」
木から出てきたがその分一層モジモジしていた。
「恭助兄ちゃ〜ん、もう一回弾いてよ〜」
「稔!そんなわがまま言わないの!(もっと言いなさいー!)」
ふぅ〜とため息をついて…やれやれ仕方ない。
「もう一曲弾きましょう…」
「わ〜い!」
「ご、ごめんなさい…稔のわがままに付き合ってくださって…(やったーー!恭助様の生演奏ーー!)」
「いいね?リューク」
「おいおい!俺様は慈善実業家じゃな…OK…弾きな…ケケケ…」
リュークの態度がガラリと変わったような…とりあえず弾こう。さっきと同じでアンバランスな音の強弱が前奏曲をいっそう引き立てるがさっきと何かが違う…そう、女性の何かを望む声が…
「あれ…?なんか気分が変…」
春香さんの様子が変だ…顔がドンドン赤くなるばかりかフラフラしているそして
バタン!と倒れてしまった。
「お姉ちゃんが倒れたよぉぉぉぉ!」
稔君がパニックに陥った。
「とりあえず落ち着いて!保健室開いてるかな…?」
春香さんを抱きかかえ保健室に直行した。
保健室は休みの日とはいえ部活で怪我をした子が運ばれてくる。来たときに陸上部の子が足をすりむいて血を流していた。保健医は女の葉月先生だった。(当然爆乳)
「先生、春香さんが…」
診察を終えた後に事情を聞かれた。
「ということはあなたの演奏を聞いているときに倒れたということね?」
診断書に事情を書いていた。
「変ね…特に異常もないのに倒れるなんて…とにかく今は安静にしておくことね」
そうして保健室を後に家へ帰った。倒れた理由…まさか…
「リューク、君…もしかして…」
「今頃気がついたか?魔力入れてやったぜ、ケケケ…」
ガタガタとバイオリンが震える。
「じゃあ倒れたのは…」
「そう、あの女自身初めての感覚のせいだ、慣れればなんともないが…」
「彼女自身は性欲が暴走したがそれに耐えられず気を失ったと…言うわけ?」
「そうだわかってるじゃないの?起きたら起きたでどうなるか予想はつくな?」

保健室では春香が目を覚ましたところであった、自分はなんでこんなところで寝ているんだろうとそして花京院恭助様の演奏を聞いていたらムラムラと変な気分になったということ、それが原因だけど何だったのだろうと考えている時にまたもやあの感覚だった。
「ん…苦しい…」
とかがんで胸を触るとなんだろう…何かが満たされた感覚がする。ためしにもっと揉んで見るとムニュ…ムニュ…
「あ…気持ちいい…え…なんで?なんでわたしはこんなことを…く…」
乳揉みがやめられなくなっていた、しかし自分では物足りなさを感じつつ…

「どうすればいいんだ!」
リュークを怒鳴りつける。
「言ってるだろ?残り二つの楽譜で料理の完成だ」
「料理って…彼女をお前の生贄にしてたまるか!」
リュークはやれやれとつぶやいたが次の瞬間とんでもないことを口にした。
「前奏曲を聞かせたら性欲が暴走する…言ったはずだよな?あの調子じゃあの女…発狂するぜ?」
「なっ…!どういうことだ!」
「わからないか?あの女は性欲の暴走に耐え切れない、つまり誰かが性欲を満たす必要がある。自分だけじゃ満たせないものだからな。誰がやるか?お前だ。」
衝撃の事実だった、僕が彼女を?そんなことはできない…
「自分じゃできないって顔をしているな、それじゃこれを見るがいい…」
突然別の空間に移動したかのような気分だった。ここは…保健室だ…誰かがベットにいる。春香さんだった。
「あの…春香さん?」
聞こえているのか聞こえていないのかわからないけど胸を押さえている。ふとそれが自分で自分の胸を揉んでいることに気がついた。
「どうだ?前奏曲を聴いた女はこうなる…」
「そんな…こんなことって…」
自分がこんな風にしてしまった…天使を淫魔にしてしまった…
「僕はどうすればいいんだ…」