漆黒の演奏者『鎮魂歌』

パトリオット 作
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春香の意識が戻った。そして目を合わせた瞬間、僕は驚愕した。目が赤かったのだ。充血とかじゃない。茶色の瞳は光の失せた赤一色に変わっていた。そして耳のある少し上のところにこうもりの羽のようなものが生えていた。
「私…淫魔になっちゃったみたいだね…」
口を開いたときに牙のようなものが見えた。
「どうしたの?怖い?」
「いや、その…」
淫魔になった春香はかわいくなったとか綺麗になったとかじゃなく妖しくなった、そういう感じだった。さらになにか誘われるような匂いと甘いと表情で攻めてくるのでたまらない…
「え〜と淫魔になったら…」
当然胸が何もしていないのに集まってきた!胸に包み込まれて身動きができない…
「まずオッパイが自由に動かせるのよね〜どう?気持ちいいでしょう?」
そういえば肌の感じも変わっている…どんな繊維も布も今の春香の肌にかなうものはないぐらいの心地よさだ。って…僕は何を言ってるんだ?
「ああ…もう我慢できない!なんだかどんどんHな気持ちが湧いてきてしょうがないの…」
そう言って胸の谷間に顔を挟まれてしまった。さらに胸が動き完全に包み込まれてしまった。
「どうやってかわいがってほしい〜?」
鼻息がかかるぐらいまで接近されてしまい、腕を首に回されおまけに周りには胸で逃げ場はない。
「そういえば私たちってキスしたことないよね?じゃあ、今ここでしちゃうからね…」
春香の唇が近づいてくる、そして
「ん…」
唇と唇が重なり合う、ん?口の中に何か奇妙なものが動いている。しばらくしてそれが春香の舌だったことに気がついた。何分たったのかやっと離れてくれた。
「もう…ちゃんと反応してよ…今日はもう帰してあげないんだから…」
てことはもしかして朝までやるってこと?
「じゃあおやすみ」
あ…ただのお泊りか…でもこっちもよくない…しかも春香はもう寝ていた。
「よく眠れるな…リュークいるかい?」
だが反応はない。
「どうしたんだろう?」

恭助たちが寝静まった深夜…
「こっちの獲物に手を出さないでくれないか?」
話しているのはリュークと春香の夢に現れた淫魔だった。
「私が誰を獲物にしようと勝手でしょ?」
「500年たってもその性格だけは変わらないか…」
「それはお互い様でしょ?天使ラディウス?あ、今はリュークだっけ?」
「これはまたずいぶん懐かしい名前で呼ばれたもんだな…」

そして夜が更けた。
「ん?朝か…」
結局寝泊りすることになってしまっていた。春香の胸は依然大きいままだった。
「ふぁぁぁ…」
春香もお目覚めだ。
「おはよう…それとも朝からする?」
どうやら寝ぼけているご様子。
「それより僕は家に帰らないと…」
「ん〜そうね、しょうがないなぁ…」
開放してもらい家へと帰った。
「ふぅ…疲れた。」
だが僕と春香の関係はおわらない。ということはこの話ってまだ終わりじゃないらしいな…

D.C(意味ははじめに戻って繰り返す)