ここは春日根市立桜ヶ丘中学校。わたしが昨日から通っている中学校です。
保健室内に少女がずらりと列をなしています。今日は身体測定の日です。
名前の順なので、1番がわたし(明石エマ)のはずなんですが、3学期からの転校なので、一番最後にまわされています。で、1番が(雨宮)遙ちゃんです。
わたしははじめてのことなので、遙ちゃんのやることを注意深く観察していました。
まず身長をはかるようで、靴下だけ脱いで測定器にのりました。
「176.8cm」
「やったー!4.2cm伸びたよ。」
遙ちゃんをちっちゃいちっちゃいと思っていましたが、わたしをのぞいてクラス一の体格です。次に背の高いコは170cmありません。一番小柄なコは140cmそこそこです。平均すれば155cmくらいでしょうか。次々によどみなく列がながれてゆきます。
わたしの番になりました。
計測係のコが椅子の上に立って、計測バーをめいっぱい上まであげました。
でもどうみてもそのバーはせいぜい目の高さしかありません。
「あのう、ちょっとそれでは低いと思うんですが。」
「先生、エマさんの身長をはかれません!」係が保健の先生を呼びました。
「困ったわねえ。2mまでしかはかれないのよ、これ。仕様がない、エマさんだけ後で計るわ。」
わたしはそのまま次の項目にうつりました。
次は体重を量るらしく、みんな次々制服をぬいで下着姿になっています。
まだ胸の全く膨らんでいないコもいます。それでもみんなブラをつけているのが、なんだか滑稽です。みんな毛をむしられた羊のようにやせっぽちです。
みんなのひそかな視線を感じながら、ぴったりと張りついた服を、一枚一枚苦労してはがして脱ぎます。体勢を変化させる度に、容赦無しにうねる乳房。衣服の厚いベールが徐々に取り払われます。
「………」
みんな声もなくわたしを盗み見ています。
身をくねらせやっとのことで最後の一枚を引っぱがせました。
ずどんっ!ずどんっ!と挑発的に張りだしたあまりにも壮大な白いブラ。そのなかにはぎっちりと重い重い肉塊が詰め込まれています。ブラの上にのぞかせる、深く長い谷間。でもそれを垣間見るにはある程度の身長が必要です。
わたしの番になりました。体重計に乗ろうとして目盛をみると、160kgまでしかありません。
「あのう、わたし160kg以上あるんですが。」
「先生、エマさんが…」係が先生をよびました。
「なあに、またあなた?これ一割オーバーくらいまでなら量れるわよ。」
「それでは全く足らないと思います。」
「とにかくちょっと載ってみて。」
仕様がなしにわたしはそっと片足を載せ、徐々に体重をかけました。
「うわっ!」みんなが声をあげました。
体重計の針はアッという間に一周して振りきり、カンッと音をたてて20kg付近をさして止りました。
「あっ、やめて!体重計が壊れるわ。仕様がない、体重も後でなんとかするわ。エマさん、次いって。」
その次はみんなブラをはずしています。胸囲を測るのでしょう。
ブラを手にしたままみんな恥ずかしそうに、腕を組んで胸をかくしています。でもそれは胸の膨らみが恥ずかしいというより、胸が膨らんでいないのが恥ずかしい、という感じをうけました。比較的胸の大きなコのほうがガードがあまく、胸の無いコは必死で覆い隠しています。
わたしもブラをはずそうとしました。今までわたしのことを見て見ぬふりしていたみんなも、さすがに興味があるのでしょう。容赦のない視線を四方八方から感じます。
おととい〔ELLE〕で作ってもらったばっかりの真っ白なブラ。わたしの40kgもある巨大な乳房をがっちりとガードしています。
背中全体をカバーする15段ホック、胸のラインをリファインするワイヤー。肩紐は10cmもありますが、50cmちかくも突き出しているカップにはまだまだ役不足の感はいなめません。これ以上胸が大きくなると、こういうスタンダードタイプのブラでは、乳房を抑えきれない、と遙ちゃんのママに言われました。ボディスーツのようなもので、上半身全体をカバーし封印しなければならないそうです。それをつければすこしは乳房の重さが分散され、肩の負担も減るそうですが、でもそれはサイズの変化に余裕がなく、体重が5キロかわってもギチギチになって装着できないそうです。
みんなの熱い視線を感じながら、背中のホックを一つずつ丁寧にはずしてゆきます。一つはずすごとに、たぷんたぷんと胸肉がおどります。
きゃーきゃーいって騒いでいた嬌声が消え、シーンと静まりかえりました。
最後の一つをはずしすこしかがんでカップを浮かすと、乳房がドシンッ!ともんどりうってカップから溢れだしました。
「わあぁ!」驚嘆の声があがりました。
いままでブラのチカラで重力に逆らい、これでもか!と強引に前に突き出させ、全校生徒教員を挑発煽情し、言葉で言い表せない劣情感をいだかせていたわたしの規格外の隆起。
双方あわすと40kgにもなり、クラスの女子の平均体重にもせまる、わたしに科せられた外すことのできない肉枷(にくかせ)。
ブラのカップから堰を切って溢れだしたわたしの乳房は、万有引力の法則のなすがまま、床につくかの錯覚までおこすほどのボリュームです。
しかし若く張りのある肉塊は、落下エネルギーの反動も強烈です。所定の位置に落ち着くまで、こまかくどるるん!どるるん!とリバウンドし、呼吸による共振もあって、なかなか揺れがおさまりません。
それをみんなが呆けたように魅入っています。
ワイヤーで補強された巨大なブラを、みんなのまねをして片手にさげ、両腕を前手に組んで、乳房を持ち上げ気味におさえはさんで先端の突起を隠します。しかし突起のフチの彩りさえ十分に隠すことができません。
「エマさん、ブラが大きすぎて邪魔になるわ。ちょっとそこら辺に置いてくれない?」
先生にいわれたとおりブラを棚に置くと、測定を終えて制服をまとった少女たちが、小山のようなそれをシゲシゲと眺めています。
「モンゴル人のおうちハッケ〜ン!!」
遙ちゃんです。うれしそうにおどけて頭にかぶっています。すると肩まですっぽり隠れてしまいました。さらにもう一方のカップは遙ちゃん自慢の123.2cmのJカップの胸を、片方で悠々と包み隠しました。さらに背中のホック部は地面にとどきそうにぶらさがっています。
「ええ〜っ!! すごーい!」
みんなはあまりのスケールに改めて驚いています。
「こら、雨宮さん。何やってんの!終わったらさっさと次に行きなさい!
ほらみんな、ちゃんとならんで。
はい、次!村上さん。胸はずして両腕あげて! ハイ63.7cm!
はい、次!山崎さん。胸はずして両腕あげて! ハイ85.2cm!
はい、次!渡辺さん。胸はずして両腕あげて! ハイ72.8cm!」
胸囲は保健の先生が測っています。みんな胸囲を測る瞬間だけ、ちいさな胸をかくした両腕を真横に小さくあげ、先生がメジャーの目盛の数字を読み上げるやいなや、再び腕を組んで小走りに去ってゆきます。
「はい、次!明石さん。胸はずして両腕あげて!」
みんなの注目は最高潮です。わたしは言われるがまま、組んだ両腕をほどきました。両乳房が左右にドドッ!と広がります。
「なぁに、間近でみるとホント大きいわねえ!先生飲み込まれそうよ!」
170cmたらずの小柄な先生は、驚きを隠せません。
「どこをはかったらいいのかしらねぇ。でも背中に手がまわりそうにないわ!記入係さん、ちょっとメジャーの端っこ持って、エマさんの周りをまわって!」
「はい先生、どうぞ。」ちいさな女生徒が、わたしの腋の下をちょこちょこ廻り、先生にメジャーの先端を手渡たしました。
「はい、ありがと。あれっ、これでいっぱい!?」
メジャーの長さが全く足りず、先生の両手がわたしの先端の突起部の真上で、ぐいぐいメジャーを喰い込ませ締め上げています。
〈ブワン!〉「先生、くすぐったいです!」
思わずわたしは肩をふり身をよじりました。
するとあまりにもわたしに接近しすぎていた小柄な先生が、ひとたまりもなくわたしの乳房の餌食となり、振り殴り倒されてしまいました。
「あっ先生、大丈夫ですか!?」
「いたたたた、大丈夫よ、大丈夫。
明石さんの特別おおきなおっぱいは、150cmのメジャーじゃ計測不能ね。いいわ、これもまた後でなんとかするわ。
一年A組、明石エマ。身長2m以上、体重160kg以上、胸囲150cm以上、それぞれ計測範囲超過のため測定不能。のちに測定と。
はい、いいわ。服着て次いって!」
あとの項目、座高と視力は問題なくはかることができました。
また身体測定ノゾキ行為で、男子生徒が今までになく大勢処分されたそうですが、わたしにはあまり関係のないことなので、今回はここでおはなしを終わります。