沙奈のブラ事情

冷.弐 作
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「やっぱり…ブラ……嫌い…着けたくない……」

超がつくほどの大豪邸に住む少女、春原沙奈は呟いた。
大きなため息も一つつく。
その表情は涙こそ無いものの「もう耐えられない」という感情が伝わってくる。

なんせブラを着けようとしていた彼女の胸は凄まじい大きさなのだ。
巨乳にも爆乳にも収まり切らない、完全に超乳の域に達しているだろう。
それも並大抵の超乳ではない。
バストは1000センチ超え、3桁の大台全てを軽々と突破し4桁の超大台にいとも簡単に乗り上げている。
この大きさだ、乳重も当然凄まじい。
片胸だけで余裕の1トン超えだ、並の軽自動車よりも遥かに重い。
その気になれば両胸で軽自動車を2台同時に押し潰し、一瞬で鉄くずに変える事もできてしまう胸。

これだけでも沙奈の胸の大きさが存分に伝わるだろう。
そんな人間離れした胸の膨らみが、幼い身体つきに見合った小さな胸板から突き出されていた。
もちろん大き過ぎるものだから彼女が立っていようが座っていようが関係なく堂々と接地する。
彼女の視界の正面は常に自分の胸の後乳で肌色一色、この胸の桁違いな大きさを間近で感じさせられる。

しかもこの超乳、今もなお凄まじい勢いで大きさを増し続けていて成長期真っ只中なのだ。
大きめに作られた新品であるはずのブラが僅か3日で信じられない程きつくなり、少し動くだけで頑丈なホックを全て吹き飛ばすような大爆発を起こしそうになるほど。
しかもこの成長がいつまで続くのかも、一体どれ程の大きさになるのかも、持ち主である彼女自身ですら全く予想がつかない。

そんな胸の持ち主である沙奈が、今こうしてブラを嫌がる理由。
深く考えなくともすぐに分かるだろう。

「なんで…すぐ小さくなるの……」

なんせ今日沙奈が着なければいけないブラは着け始めて3日目。
怒涛の成長を遂げた胸にはもうあまりにも小さ過ぎるブラだ。
無理矢理押し込んで着なければならない。
当然容量オーバーを起こした乳肉が至る所から溢れ出し胸の形は大きく歪む。
締め付けるものだから跡も至る所に付いてしまう。
いつホックが限界を迎え爆発するかも分からないのだ。

そんなブラなんて着たくない、嫌がってしまうのも当然だろう。
彼女はこの胸の大きさにも成長の速さにも慣れきっているが、すぐに小さくなってしまうブラだけは一向に慣れることができずにいた。


「このブラは…こんなに大きい…」

今日着なければならないブラを見つめながら小さく呟く沙奈。
市販されているものと比較するのが馬鹿馬鹿しく思えてくるどころか、そもそも同じ衣類とは思えないほどの巨大なブラだ。
巨大娘のために作られたものかと勘違いしそうになる。
軽自動車よりも大きな胸を包み込むための特大カップ、幅30センチはあるベルト、金属製の糸が編み込まれたストラップ、背中を完全に埋め尽くす大量のホック。
どう考えても人間が着るような衣類ではないこの超特大ブラ。

「けどこの胸は…もっと大きくなってる……」

しかし今日はこのブラを着け始めて3日目。
沙奈は再び視線を正面へと戻し、3日前とは比べ物にならないほど大きくなった自身の胸を見つめながら呟いた。
バストも乳重も確実に激増している。
今のこの胸にとってあのブラはあまりにも小さ過ぎる。
3日前は着けても隙間が至る所に出来てしまうほど大きかったはずのブラが、今はもう小さく見えてしまう。
やはり沙奈の胸は僅か3日という短い期間で凄まじい成長を遂げてしまうのだ。

「こんなの着たくない……けど…着なきゃ……」

それでも沙奈はこのブラを着なければならない。
彼女が暮らすこの豪邸の中では例えノーブラでも全裸でも許されるだろう。
そもそも一人暮らしなのだから。

しかし外出するとなったら話は別だ。
ただでさえ圧倒的迫力を持ち、目立ち過ぎる胸。
すれ違う人全員が驚き、穴が開いてしまいそうなほど見つめてくるものだから恥ずかしくて仕方ない。
ノーブラで外出する、つまりこの巨大な胸のありのままの形をさらけ出すことなんて絶対にできない。
着たくないと駄々をこねていては外出する事すらできないままだ。

「うぅ…きつい……痛い……」

諦めた沙奈は嫌々、もう小さ過ぎて嫌になる特大ブラを仕方なく着ていく。
と言ってもこの大きさだ、彼女一人では到底着る事なんてできない。
その代わりの着衣室と専用の機械だ、全てこなしてくれる。

だが人の手ではなく機械である以上、その着せ方は雑で乱暴だ。
小さくなったカップから溢れ出す乳肉を無理矢理押し込んできたり。
ホックを留めるため力任せに締め付けてきたり。

「ちょっと……だめっ……」

巨大な胸がありとあらゆる場所から何度も刺激される。
沙奈の胸は大きい分鈍感なんて事は全くない、むしろ超敏感。
我慢できずに可愛らしい喘ぎ声が何度も何度も漏れた。


「ふぅ……やっとできた………けど…やっぱりきつい……」

数分後、ようやくブラを着け終えた沙奈。
もちろん喜びの感情などない。
本当にきつくて痛いのだ。
無理矢理押し込められた乳肉は至る所で押し潰され、入りきらなかった乳肉はカップの外へと大きくはみ出す。
はみ出した部分の乳肉だけでも何十キロとあるだろう。
3日前に隙間があったブラとは思えない。
この胸の成長の凄まじさがよく分かる。

「…んうぅ……」

胸を引きずりながら左右に動かしブラをどうにかフィットさせようとしていく。
片胸1トン超えの超乳が引きずられることで大きな重低音を響かせる。
互いの胸がブラの中でぶつかり合った瞬間はもはや爆音といえる凄まじさだろう。
しかし小さいものは何をしようとも小さいまま。
巨大な胸が揺さぶられる迫力は圧巻の一言だが、はみ出した膨大な乳肉は収まる気配を見せない。

しかもむやみやたらに動かせばフィットするどころか、無理矢理押し込まれていた乳肉も一緒に溢れてそのままブラから飛び出してしまうかもしれない。
ホックも悲鳴を上げ既に爆発寸前。

「…はぁ……やっぱり嫌い…」

もう何をやっても無駄だと思えてきた沙奈。
このブラを一日中着続けなければならないのが本当に辛い。
やっぱりきつ過ぎる、こんな小さなブラ着けていたくない、大嫌い。

けど今日一日このきつさに耐えてしまえば明日は新品のブラを着ることができる、そう考えてしまえば多少気分も晴れてはくる。
だが明日着る新品の特大ブラも僅か3日で極小ブラへと変わってしまう。
今と同じかそれ以上に小さくきつくなり、再び彼女を苦しめるのだ。
胸の成長が止まらない限りこの苦痛のループは延々と続く。
ここまで考えてしまうと気分は晴れるどころか落ち込む一方。

「…もういい……」

沙奈は考えるのを止めた。
ブラの事でこうして落ち込むくらいなら最初から考えない。
もう勝手にすればと言わんばかりに自分の胸を大きく揺らす。
それもさっきよりも強く大きく。
だがブラを着けてから今この瞬間までのたった数分間でも、沙奈の胸は僅かながら確実に成長を遂げていてホックに掛かる負担もさらに増えていた。
そこに揺れという衝撃を加えてしまう。
結果起こされる出来事は一つだ。

「…え…?…きゃうっ……!」

背中で小さな音がしたかと思えば。
何十個とあるホックが凄まじい勢いで歪み、次々と破壊されていく。
沙奈は思わず腕を回しベルトを必死に引っ張るが始まってしまったホックの崩壊はもう止められない。
一つまた一つとホックが吹き飛び、胸を締め付ける束縛が緩くなっていく。

そして最後の一つが破壊された瞬間。
束縛から解放された巨大な胸は風を起こすほどの勢いで元の形へと戻り、使い物にならなくなったブラは遥か遠くまで吹き飛んでいった。
元の形へ戻ろうと柔らかく波打ち続ける胸はまるで解放されたことを喜んでいるかのよう。
数十秒して慣性も収まりようやくいつもの球形に戻った超乳は、やはりブラを着ける前よりも一回り大きく見えてしまった。

そんな光景を目の当たりした彼女。
ついさっき考えるを止めたばかりだが我慢できるわけがない。

「やっぱりブラ…嫌いっ…!」

沙奈のブラ嫌いはこれからも続きそうだ。