リレー小説企画「瑠璃色の華」

3回目(分岐1):ステンドR 作
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「すっごォい・・・162センチってっことは、3日で30センチも膨らんじゃったわけ?」
 唖然としながらも逆算してみせる魅鈴。情報通の彼女は目を付けた女性のデータを決して忘れない。
「えへへ ま、そ〜ゆ〜コトかな」
 飛鳥は得意気に張ち切れんばかりのセーラー服の表面を両の掌で撫でる。
「いいなァ〜、日に10センチ膨らむおっぱいかァ・・・こんなんじゃ次の身体測定には走り幅跳び用の巻尺が要るね!」
 掌が簡単に全部隠れてしまうほど深い谷間に、魅鈴は遠慮なく羨望のまなざしを注ぐ。
 瑠璃もここまでくると、ただただ見入ってしまうしかなかった。
「飛鳥ちゃん、触らせて・・・ダメ?」
 魅鈴がもの欲しそうな眼で訴える。
「のぞむところよ!」
ゆっくりと伸ばした魅鈴の手が飛鳥の胸元に触れる。
「うわぁ・・・あったか〜い」
「つめた〜い、でもなんか気持ちいー」
 魅鈴の指先で変形する飛鳥の胸は柔らかく、かつ弾力に富んでいる。
「ほら瑠璃も」
「い、いいよ私は・・・」
「そう言わずにさー!」
 飛鳥はおもむろに瑠璃の手を掴んで自分の胸の谷間に突っ込んだ。
「!!!!」
 両面から隙間なく、瑠璃の手に心地よい体温と感触が感じられた。どういうわけか瑠璃はその手を動かすことが出来ない。
 あまりの心地よさに運動神経が休止し、感覚神経だけが働いているのだろうか。
「う〜ん、瑠璃の手きもちいー!」
 飛鳥もゾクッと身震いする。そこで一時間目のチャイムが鳴った。
「あ、席着かなきゃ」
 魅鈴が離れた後、飛鳥が瑠璃の耳元でこっそりと囁いた。
「ね、今日の夕方、瑠璃ん家行ってもい〜い?研究の成果を見せたいの」
「研究?って、ああこないだの・・・」
「気になる?気になるでしょ?はい決定〜!そんじゃ6時ごろおじゃまするんでよろしくねっ!」
小声を弾ませる今日の飛鳥はやけにハイテンションだ。

 午後5時、瑠璃は帰宅した。
「あ〜 おねえちゃんおかえり〜」
「兄貴、小包届いてるよ」
 帰りを出迎えてくれた2人の少女は瑠璃の双子の妹だ。現在小学3年生である。
 セミロングの髪にカワセミ色のまげゴムで一本だけまげを結っているのが姉の翠(みどり)。
 活発な顔立ちにCカップの胸をあわせもつ元気溌剌とした健康体だ。いまだに瑠璃を『兄貴』と呼ぶ。
 背中までの長い髪を藍色の伸縮ヘアバンドでオールバックにして、眼鏡をかけているのが妹の藍。
 いつも眠そうな目をして間延びした口調の彼女はEカップの胸をもつのんびり屋さんである。
「小包?」
「ほら、これ」
 大きくも小さくもない一見普通の小包だ。しかし差出人は書かれていない。
 瑠璃は自室にてそれを開けてみた。木箱だった。かぐわしい芳香を放っている。続いて木箱を開けると、
 シュレッダーにかけられた紙をクッションに、陶器製の香炉が入っていた。東洋的な美しい絵が描かれている。
 さらにその香炉の中にはピンク色の可愛い便箋が一枚。「中で火をたいてね」と丸文字で書かれ、ハートマークが添えられていた。
「?」
 怪訝に思いながらも瑠璃は台所からマッチを取ってくると、一本擦って香炉の中に入れた。すると
「うわっ!?」
 たちまち辺りに桃色の霞がたちこめた。部屋の中の物が一切見えなくなり、桃色の空間の中で瑠璃意外にもう一つの人影が見える。
 霞の中から現れたのは一人の美女だった。中華風な模様の、浴衣にも似た薄紫色の着物をまとっているが、
 胸元は形容しがたいほど盛り上がり、その深い谷間からは魅惑的な芳香が発せられているようだった。
 年齢は23歳くらいだろうか。艶やかな漆黒の長髪に星の飾りの付いたヘアピンを挿し、額を露出していた。
「にいはお〜 瑠璃ちゃん、はじめましてぇ〜」
 声が若い。さながら女子高生のようなその口調が容貌の神秘性とアンバランスだった。
「だ、誰ですか!?」
「あたし仙女見習いの乳命(ルーミン)っていいまーす。よろしくぅ〜」
「仙女!?あっ、もしかして私に薬をくれたあの仙人は・・・」
「うん、あたしの師匠。結構偉いのよ、ああ見えて」
「教えてください!私はどうなっちゃうんですか?このまま女の子として暮らしていくしかないんですか?」 
 真剣な顔で迫る瑠璃。だがその顔がすでに言い様もないほど可愛い。
「え、えっとね 瑠璃ちゃんはついこないだまで『ヌシイタッゼ病』だったよね。
 あれは体内で男性ホルモンが毒性をもつ病気なわけ。
 だから治すには・・・その、女の子になるしかなかったんだなぁ」
 語尾に可愛気を込めて苦笑する乳命。瑠璃はがっくりと凝った肩を落とす。
 男に戻る希望を絶たれてしまった。しかし命には代えられないだろう。
 女の子の生活にも慣れてきたしそれでもいいか、と瑠璃はあきらめの歎息をフッともらした。
「でもって瑠璃ちゃんが服用した『ルナクヨデジマ』ってのが師匠の開発した新薬でね。
 女性ホルモンをガンガン湧かせる効能があるの」
「それいつまで続くんですか?今も胸がどんどん大きくなり続けてるんですけど」
「それがね・・・わっかんないんだなぁ これが!」
 あっけらかんに乳命は答える。
「そんな!?」
「いや〜ホントごめん。でもさっき言ったでしょ『新薬だ』って。
 何をかくそう、あたしの役目は瑠璃ちゃんのその後の経過を師匠に報告すること、
 何か問題が生じたら責任を持ってアフターケアをすることなのです!あらためてよろしく!」
「はぃ・・・」
「見たところ急激な速さで胸は膨らんでいるみたいね。こうしてる間にも滾々と女性ホルモンが湧いてるわ。
 とりあえず着るものに困ってるんじゃない?そんな瑠璃ちゃんにプレゼント!」
 それは虹色の不思議な光沢をもつ美しい織物だった。
 縁取りのレースには、よく見ると小さな蝶や花や小鳥が遊ぶ、桃源郷が描かれていた。
「これは・・・ブラジャー?」
「そう、『如意乳罩』っていってね、仙女が羽衣の素材で織った特殊なブラなの。
 胸の大きさをブラに合わせて収納するというすぐれもの!でもさすがにサイズの2倍が限界かな。さっそく着けてみてよ」
「は、はい」
 瑠璃は
 そして如意乳罩に98センチの豊かな胸を包みこんだ。肌触りは絹のようである。
 だがそれ以上に、左胸の奥の心臓を優しくなだめるような不思議なおちつきがもたらされた。
 瑠璃はしばらくその不思議な装着感に浸る。
「きゃー 似合う似合う!っていうか瑠璃ちゃんカワイイよぉ!たまらんっ!」
「でもこのブラ自体すごく大きくないですか?今の私に丁度いいってことはLカップですよ、これ」
「えー!それ瑠璃ちゃん用に特別に織ったやつなのに!?
 あたしが今着けてるやつは5尺8寸(約191センチ)だけど、これでも乳仙谷じゃ小さいほうなのよ。」
「え!?じゃあ実際は・・・」
「ほら」
 乳命はおもむろに着物の前をはだけ、如意乳罩を片方だけ外した。
 するとたちまちダムが決壊したかのように乳房が溢れ出す!
 ダプンと音を立てて目の前に現れた膨大な胸は、両方で3メートルは超えているだろうか。
 梅花色の乳首は大きいと言えば大きいのだが、乳房全体の容積に比べれば全然小さい。
「ふふ驚いた?しばらく測ってないけど9尺(約297センチ)は超えたと思うな。でもこのくらいで普通なのよ、向こうじゃ」
 見たこともない巨乳に圧倒され声も出ない瑠璃。乳命の胸は完全に今までの瑠璃の常識を超えていた。
 かたや巨大な胸をカップに押し込めるのに苦労している乳命。ダイナミックに変形する胸がそのやわらかさを物語っている。
「よいしょ・・・っと でも場合によっちゃ瑠璃ちゃん私くらいじゃ済まないかもね」
「ええっ!?」
「また困ったことがあったら呼んでねぇ〜 それじゃ!」
 乳命が顔の高さでバイバイすると一瞬にして霞は晴れた。後に残ったのは香炉の中に燃え尽きたマッチ一本と、
 瑠璃の胸を包み込む天女のブラジャーだった。しばらく呆然とする瑠璃。しかし、
「おっじゃまっしま〜っす」
「うわっ!」
 突然飛鳥が部屋に入ってきた。
「なんだ兄貴、居るんなら返事しなよ」
「おねえちゃん、飛鳥お姉ちゃんが遊びに来てくれたんだよぉ」
 後から翠と藍も続く。
「こっちはちゃんとノックしのに・・・はっは〜んわかった。着替え中だったわけだ」
 飛鳥は瑠璃の着けている如意乳罩に目をやると、つかつかと瑠璃に近づく。
「まったくもー 女同士なんだから恥ずかしがることないっての!」
「きゃっ!」
 飛鳥は大胆にも瑠璃のブラをひっぺがす。Lカップの胸がタプンと音を立てて揺れた。
「あっ、兄貴またおっぱい大きくなってる!ちぇー ほんとは男のくせにぃ」
 急激な成長を遂げている瑠璃の胸を見て不機嫌そうな翠に、飛鳥が問う。
「翠ちゃんはおっぱい大きくなりたいの?」
「ばかにしないでよ!あたしは十分大っきいんだから!・・・でも藍には負けてるし、男の兄貴にも負けてるし、それに・・・」
 飛鳥の162センチの胸にじっと視線を注ぐ翠。それを見て飛鳥は
「うんうんわかったわかった イイなぁ〜こんな妹私も欲しいよ。
 もう翠ちゃんには飛鳥お姉ちゃんがおっぱい大っきくしてあげちゃう!」
「え!できるの?」
 翠の顔がパッと明るくなる。
「もっちろん!さ、おっぱい見せて」
「はいっ!」
 言われるままに上半身裸になる翠。その様子を飛鳥は満面の笑みを浮かべて見ている。
「おねがいしますっ!」
 ぷるんとCカップを揺らして気を付けの姿勢をとる翠。
「それじゃ・・・いっくよ〜」
 飛鳥は両手の指を『フレミングの左手の法則』のように3本ずつ立て、翠の胸に手を伸ばす。
 そしておもむろに三本指で両の乳房を、揉んだ。
「うっ!」
「翠ちゃん、痛いの?」
 心配する藍、だが翠は顔を紅潮させて
「ううん、一瞬だけどすごく気持ち良かった。あっ・・・」
 翠の胸が急に成長し始めた。
「翠!」
「翠ちゃん!」
 数秒で胸は膨らむのを止めた。だがその大きさは・・・ 
「うわぁ翠ちゃんやったね、85センチのGカップだよ」
 飛鳥が持参したメジャーで翠のバストを測る。
「よかったね。翠ちゃん私より大きいよ」
 満足気な翠。小3の体格にGカップのバストは確かにものすごい存在感だ。Tシャツの模様が縦横に伸びている。
「さ、次は藍の番だよ」
「あ、あたしはいいよぉ〜!」
「わかってないなぁ藍、あたしは対等な勝負で藍に勝ちたいの!」
 翠はフェアプレーを望むスポーツマンシップをもっていた。動きのトロい藍は翠の手から逃げられず、簡単に捕まってしまう。
 そして上着をまくり上げ、ブラジャーを取り去った。
「それではいきま〜す」
 飛鳥は三本指を動かしながら嬉しそうに藍の胸に手を伸ばす。
「翠ちゃんのいじわるぅ・・・ああんっ!!」
 そして藍の胸も急成長をはじめる。Eカップだった胸が・・・
「あ、藍・・・」
「すごいよ藍ちゃん、89センチだけどIカップ!これで翠ちゃんが瑠璃のIカップ着けられるから無駄になんないね」
「ちぇっ、また2カップ差で負けちゃった。あ〜あ 藍にはかなわないや」
 翠は残念そうに自分の胸を掌で持ち上げる。
「えぇ〜こんなにおおきいのぉ〜」
「藍ちゃん落ちこまないの、私が小3の頃なんかJやKはあったもんよ」
 ものすごい過去をさらっと明かす飛鳥。
「じゃ翠ちゃん藍ちゃん、ちょっと席を外してもらえない?瑠璃と話があるの」
「うん、それじゃ飛鳥姉ちゃんありがとー!」
「あ、翠ちゃん待ってぇ」
 部屋を出て行く二人。そして飛鳥はくるりと瑠璃の方を向き直る。
「今の見てた?瑠璃。これこそが3ヶ月におよぶ研究の成果!うちの蔵から見つかった中国の古文書を必死で解読したの。
 そしてついに胸を大きくするツボを解明したのよ!」
「う、うん すごいね飛鳥ちゃん・・・もしかして飛鳥ちゃんの胸も?」
「その通り!でもね、私としたことがうかつだった・・・これ以上は無理なのよ。
 ツボは3点を同時に刺激しなきゃいけないんだけどね、ほら、ここまで大きいと指が届かなくってさ、
 あとは自然に任せるしかないの」
「で でも十分おっきいじゃない」
「それよりこれで私の長年の夢が叶うわ、ついに」
「夢?って」
「昔から私ね、女の人が、おっぱいが大好きで・・・そのうち自分のも大きくなっちゃったけどさ、
 大きなおっぱいに囲まれて暮らしていけたらいいなってずっと思ってたんだ!
 ズバリ 『飛鳥ちゃんのおっぱいエステ』!胸を大きくしたいって言う女性の夢をかなえる私の天職よっ!」
「すごいねー、それだけで生活していけるんじゃない?」
「瑠璃・・・」
 今までのハイテンションから突然真剣な顔つきになる飛鳥。それに瑠璃も戸惑う。
「なに?」
「私・・・私ね、女の子の瑠璃が好き!」
「えっ!!!?」
 自分の耳を疑う瑠璃。男だった頃告白されるならまだ分かる。しかし飛鳥は「女の子が大好き」とさっき言っていた。
「瑠璃が男の子の頃から、私は惹かれてたと思うよ。
 でもね、その頃は正直言ってどこかためらいがあったの・・・それが今は、無い!!」
「えー・・・あの・・・」
「瑠璃は私のこと嫌い?」
「い、いや!す 好き、だよ」
「よかったっ!!」
 突然瑠璃の視界が真っ白になる。飛鳥に抱きしめられたのだ。巨大な胸の盛り上がりに顔をうずめる瑠璃。
 瑠璃は酸欠気味の頭で自分の前途多難な人生を考えるのだった・・・

続く