7月の暑い夜、瑠璃は苦悩していた。
「う〜ん・・・ダメだ、コレわからなすぎ〜!」
期末テストまであと2日、瑠璃は試験勉強に必死だった。
もともと瑠璃は勉強は苦手ではないのだが、
新学期早々の入院による遅れは、そう簡単に取り戻せるものではない。
そしてどっしりと机に乗った瑠璃の胸は、Lカップに収縮してあるとはいえ、
デスクワークを妨げるに十分な大きさだ。
「よしっ、えっと・・・あれ?解答は?」
解答集は胸の下、こんな事もしばしばである。
「もしかして・・・! あったあった、よいしょ・・・っと」
大きな胸の下敷きになっていた解答集は体温で温まっていた。
「ん?」
瑠璃はあることに気付いた。胸がかなり重いのだ。
瑠璃は机から立ち上がり、凝った肩を回して如意乳罩の背中のホックを外した。
たちまち本来の大きさに戻った乳房が、窮屈なカップを押しのける。
「うわぁ・・・普段ブラしてるときは気付かなかったけど、こんなに膨らんじゃってたんだ」
更に大きく成長した自分の胸をなで下ろす瑠璃。
艶やかな黒髪とは対照的にホクロ一つない白く綺麗な肌だった。
そのとき、部屋の隅に置いておいた例の香炉からひとりでに霞が立ちこめる。
「うわっ!?」
そして天女は再び姿を現した。
「こんばんわ〜 瑠璃ちゃん調子はどうですかぁ〜?
おっと、お着替え中でしたか、こりゃまた失礼いたしましたっ」
ぺしっと平手で自分のおでこを叩くルーミン。
「えっ?ルーミンさん!? こ、こんな時間に何ですか?」
深夜、突然の来訪に驚く瑠璃。
「定期検診で〜す。その後特に変わった様子とか・・・大丈夫みたいね、胸以外は」
ルーミンは一瞥しただけでカルテに「異常なし」と次々に書きこんでいく。かなりの手ヌキだ。
「そうだ、胸といえばこの如意乳罩って、容積は小さくなるけど、重さは変わらないじゃないですか!」
胸の前に如意乳罩を当てて欠陥を訴える瑠璃。
「軽くするブラもあるよ。『天羽乳罩』ってやつ」
「ほんとですか!?」
「ただし大きさは変わんないけどね」
「それじゃあ意味が・・・う〜ん・・・」
「とりあえず今度持ってきてあげるから、今サイズ測っていい?」
「わ、わかりました。お願いします」
両腕を上げて裸の胸をさらす瑠璃。ルーミンは持参したメジャーで採寸を始める。
細いアンダーバスト、華奢な肩、セクシーな首筋、そして端整な顔立ち。
もはや瑠璃には男だった頃の面影は微塵もなく、美少女の道を突き進んでいる。
「おぉ〜瑠璃ちゃんずいぶんでっかくなったね。118センチのSカップ。こりゃ加速度的だわ。
これなら乳仙谷でも既製品であるよ!」
「じゃあすぐに?」
「うん、仙女の幼稚園児が初ブラ着けるのって120位からよ。小さめのを探せば売ってるわ」
「・・・すごい世界ですね」
「それじゃー瑠璃ちゃん、また今度ね。おやすみ〜」
「ありがとうございました〜」
ルーミンは帰っていった。瑠璃はなんだかどっと疲れが出て、そのままベッドに倒れ込む。
後は、重たい胸を動かす気力もなく、すやすやと眠ってしまった。
翌日、教室にて。
「もうだめ〜、期末テストは絶望的だわ・・・」
「気にしないの、ルリルリ あたしと一緒に追試受けよ」
落ちこむ瑠璃をなぐさめる魅鈴。
魅鈴は体育や美術、家庭科といった実技系の科目以外は得意ではない。追試の常連だ。
「二人とも何言ってんのよ!」
クラス一の巨大な胸を揺らして、飛鳥がやって来た。
乳房膨大のツボによる爆発的な成長の後も、確実にその大きさは増大している。
現在171センチ、ダブルRカップの乳房を瑠璃の目の前にずいと付きつけて、飛鳥は力説する。
「ただでさえ『胸の大きい娘は頭が悪い』なんて言われるのに!
それが根も葉もないデタラメだってことを私達が証明しなくてどーすんの!」
プライドの高い飛鳥はそうした偏見を最も嫌うため、日々の努力によって常に好成績を保ってきた。
逆に天才型なのが里美だ。たいして勉強しなくても余裕で学年3位以内におさまっている。
今も里美は自分の席で飛鳥の言葉を聞いて、無言でうんうんと頷いていた。
そうした偏見をもっていたのは、他ならぬ貧乳時代の自分自身なのだが。
「でもテストはいよいよ明日だよ?私、5月末まで入院してたし・・・」
「またそんな弱音を・・・ ん !!!」
飛鳥は何かを思い出したようだ。
「どうしたの?飛鳥ちゃん 顔、にやけてるよ」
「いやいや、ふふふ 確かに瑠璃の言う通りだと思ってね。2ヵ月も入院してたんだもの。
やっぱここは親友として私がサポートしてあげるべきでしょ!」
「飛鳥ちゃん・・・」
飛鳥の言葉に感動した瑠璃は目を潤ませる。実に単純なのだ、瑠璃は。
「じゃ瑠璃、今日勉強道具とお泊りセット持って私んち来なよ。二人で勉強がんばろっ」
「飛鳥ちゃん、ほんとにありがとう!」
瑠璃は両手で飛鳥の手を掴み、握手した。
「いいってことよ」
飛鳥が友情の陰に一瞬見せた微妙な表情を、魅鈴は見逃さなかった。
「ほんとに二人は仲いいね〜、ああ 今夜も暑くなりそう」
胸元を下敷きで扇ぐ魅鈴。魅鈴の胸もあれから少し成長して今では93センチのHカップである。
しかしメートル超の巨乳が3人もいるこのクラスでは、彼女は何と言うか「人間代表」って感じだ。
「みなさ〜ん おはようございま〜す」
そして今入ってきたこの霞先生。飛鳥すらも凌駕するその圧倒的な胸の前では、
魅鈴の胸など、はたして胸と言えるのかわからないほどである。
噂によればこの学校にもう一人、霞先生に迫る巨乳をもつ教師がいるそうだ。
ちなみに瑠璃も身体測定の時に一度逢ってはいるのだが、保健の白河先生がそうだという。
そして放課後、瑠璃は新宮寺邸の呼び鈴を鳴らす。古いと言ってしまえばそれまでだが、
庭には石灯篭や池まである、瓦屋根のいかにも由緒有りそうな屋敷だった。敷地もかなり広い。
引戸の立派な玄関が開いて、飛鳥が出てきた。
「いらっしゃい!さあさあ 中入って」
「おじゃましま〜す」
飛鳥は瑠璃を二階の自室まで案内する。二階は下とはうって変わって現代風な造りになっていた。
「ほんと、久しぶりだよね。瑠璃がうち来るのって」
「そうね。あの頃は二階ってあったかしら?」
「建て増ししたのよ。それよりこれからはどんどん遊びに来てよ、もう女の子同士でしょ ねっ!」
「うん!」
瑠璃も笑顔で答える。今の瑠璃には飛鳥の友情が心から嬉しいのだ。
「どうぞ入って」
瑠璃を部屋に入れる飛鳥。飛鳥の部屋はいかにも女子中学生といった雰囲気だった。
しかしよく見ると、ベッドにHな雑誌が恥ずかしげもなく放ってあったり、
おそらく自分で書いたのであろう、「目指すは世界一!」などという習字が壁に貼ってある。
こういう、ちょっとズレたところも飛鳥らしさの一つなのだが。
「ん?」
瑠璃は壁に貼ってあるグラフを見つけた。そしてそれが何を示すのか理解するまで、時間はかからなかった。
「これって・・・飛鳥ちゃんの成長の記録?」
「ピンポーン!小学生の頃から付けてるんだ」
小3でJやKというのは本当だったのだ。小4の夏には早くもメートル超えを果たしている。
そしてグラフは今年の6月上旬に著しく急上昇している。
「見て、ここが乳房膨大のツボを突いたときよ。すごいっしょ、また使えないかなぁ・・・」
飛鳥は残念そうに自分の胸元を指でぷにぷにとつついた。
「なにも自分で押さなくてもいいんじゃない?」
「へ?」
目が点になる飛鳥。
「指が届かないんだったら、誰かに手伝ってもらえば?」
「そっかぁ!!くぅ〜〜〜 私としたことが!瑠璃ありがと、頭いいじゃん!」
そして飛鳥はせかせかと服を脱ぎ、威勢よくブラを外す。
本当に西瓜(大)並みの乳房がブルンとその姿を露わにした。
「きゃっ!」
初めて飛鳥の裸の胸を見てしまった瑠璃は思わず目を覆う。
しかしこれほどの巨乳を目の前にしては、どうしても指の間からちらちら見てしまうのだ。
「な〜にその反応、失礼だなぁ。もうお互い女の子、何も遠慮することなんて無いんだって!」
飛鳥は瑠璃の手を引っぺがし、深い深い自分の谷間に挟み込む。
「あ・・・」
莫大な容積、しかしこんなにも柔らかい。最上の安らぎを手の両面で感じる瑠璃は、しばし陶酔してしまう。
「じゃあここ、左右同時にお願いね。せ〜のでいくよ」
谷間深くの下の方、乳房のつけ根あたりだ、承知した瑠璃は黙ってうなずく。
「せ〜の」
ぐっ!
「あんっ!!!」
「あ、飛鳥ちゃん!?」
瑠璃がまだ見たことのない、飛鳥の恍惚の表情だった。
ほんの一瞬だったが、瑠璃は今まで気付かなかった飛鳥の一面を見た、と思った。
「気持ちいいんだぁ〜コレ・・・でもちょっとタイミングずれたかな?」
それでも飛鳥の乳房は成長を始める。
まだ谷間から手を抜いていない瑠璃の手にかかる圧力が、確かに増しているのがわかる。
そして成長は止まった。
「瑠璃、そこのメジャーで測って測って!」
嬉しそうに急き立てる飛鳥。瑠璃は更に巨大化した飛鳥のバストを恐る恐る測る。
「ひゃく・・・181センチ」
呆然とする瑠璃に対し、満面の笑みを浮かべる飛鳥。
「10センチアップか、よしよし まだまだでっかくなってやるもんね、へへ」
飛鳥は両手で片方の乳房をゆらゆらと揺らしてみせる。これだけでもかなりの力仕事だ。
そして裸のままタプンタプンと胸を揺らして壁に近づき、さっきのグラフに早速記入する。
「よしっと ふふっ、目指すは世界一!」
やはりこの事か、といった様子の瑠璃。そして飛鳥はくるりと振り返り、
「サンキュー瑠璃、それじゃ本題に入ろうか」
「そうそう、私勉強教えてもらいに来たんだ。わかんないとこまだまだあるの」
鞄を開けて教科書類を取り出そうとする瑠璃。しかし
「あーあーときに瑠璃ちゃん、前日に正攻法で勉強して、そんな付け焼刃が通用すると思うかね?」
「え?」
急に社長口調になる飛鳥。
「そして私の解明したツボがたった一種類とお思いかね?」
「どういうこと?」
「つまり・・・」
飛鳥はつかつかと、怪訝な表情の瑠璃の後ろに回りこむ。
「こういうこと!」
「うっ!」
飛鳥は瑠璃の背中、ちょうど肩甲骨の間の辺りに突きを入れた。
「ごめんね、ちょっと痛かったでしょ?今のは『仮脳形成』のツボよ」
「え・・・仮脳形成?」
「そう。人体には神経が通ってるわよね。そして脳も神経細胞の集まりだって事知ってるでしょ?」
「うん、知ってる。神経細胞同士がシナプスでつながった、複雑なネットワークが脳なのよね」
もともと瑠璃は理系が得意なのだ。
「つまり、結局は神経細胞の集まりに過ぎないってこと。このツボは感覚神経を脳神経に見立てて
シナプスを作らせ、一時的に別の場所にもう一つ仮の脳を作っちゃおうってわけ」
「す、すごい!それでどこに仮の脳を作ったの?」
「もっちろん瑠璃ちゃんの一番大っきなと・こ・ろ」
「・・・って、まさか」
突如、瑠璃の胸に飛び込む飛鳥。巨大な胸同士がかなりの弾力を返しつつ、歪む。
「では勉強をはじめよー おー!」
瑠璃の服を脱がしにかかる飛鳥。抵抗もむなしく、瑠璃は上着を奪われてしまう。
「やっぱり胸ーーー!?」
「ったりめーよぉ!さあさあ、この期に及んでブラなんて そりゃあ野暮ってもんだぜ!」
今度は江戸っ子だ。胸が大きくなったのが嬉しいのか、今日の飛鳥はいつになくテンション高い。
そして如意乳罩も剥がされてしまった。カップ以上の乳肉が溢れ出し、勢いよく弾む。
「うわっ!瑠璃ってばまた大きくなったんだ。いくつ?」
「・・・118のS・・・」
「うわーいっ!」
飛鳥は喜び勇んで瑠璃の胸を揉みにかかる。
「きゃあっ、飛鳥ちゃんやめてよぉ、勉強するんじゃなかったのっ!?」
「ふふふご心配なく、これも勉強の一環なのですよ。感覚神経に刺激を与えて活性化させなくちゃね!
さ、どうぞ勉強始めて」
むにむにむにむにむにむにむにむに・・・
「あ・・・あ、あっ・・・こんなんじゃ・・・できないよぉ」
ツボの効果で感覚神経が活性化し、快感が激しくなっているのだ。
しかもネットワークが形成されているのか、胸を快感のエコーが駆け巡る。
目を潤ませる瑠璃の顔に興奮した飛鳥は更に胸のポイントを責めていく。
「じゃ、私が出題するね。普通選挙法が実現したのは何年?」
「せ、・・・1935年?」
「ぶー、残念!1925年でしたー。それじゃ罰ゲーム!」
飛鳥は指先を駆使して桜色の小さな乳首を責める。
「あんんんっっ・・・!」
「じゃー次ね。部落差別解消のため、1922年に結成された団体は何でしょう?」
「ぜ、全国水平社!」
「ピンポンピンポーン!じゃあこれはご褒美っ!」
たぽんっ
「いゃあんっ!!!」
結局、正解・不正解どちらでも飛鳥は瑠璃に強烈な快感を与えるのだ。
「ふふっ、今夜はめくるめく一夜漬けオールナイトよ!」
「やぁん・・・ふつうに、やろうよぅ・・・おかしく、なっちゃうよぉ、あぁっ!!!」
乙女二人の吐息が充満する空間で、秘密の勉強会は夜中まで続いた。
そして数日後、ツボの効果は如実に現れた。
「すっごーい!ルリルリ学年トップじゃーん!勉強頑張ったんだね!」
「う・・・うん」
魅鈴に賞賛を受けつつも複雑な心境の瑠璃、そしてそれをにこやかに見守る飛鳥。
「・・・(この調子で受験も頑張ろうね、瑠璃!)」