リレー小説企画「瑠璃色の華」

FINAL 2回目(分岐1):ステンドR 作
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 さて、妹たちの寝顔ビデオと引き換えに天羽乳罩は入手した。あとはこれをどうやって翠に渡すかが問題だ。
「姉から妹に下着のプレゼント・・・これは普通。むしろほほえましい光景だけど、
 これが兄からとなると一気に変態ね・・・なんて微妙な立場なんだろ私って」
 頭を悩ませる瑠璃。しかしすぐにアイディアを思いつく。
「そうだ!飛鳥ちゃんからのプレゼントってことにしとこう!」
 早速瑠璃は飛鳥を装った手紙を書く。

 『翠ちゃんへ  いよいよ明日は本番だね。そこで飛鳥お姉ちゃんからプレゼント!
          このブラには必勝のおまじないがかけてあるの。
          がんばれっ!このブラで明日は絶対優勝よ!』

「・・・っと、これでよし」
 包装紙を用意し、ブラをきれいにラッピングした瑠璃は、妹の部屋へと向かう。
「みどりーーー、居るー?」
「なぁにー?瑠璃姉」
 部屋から出てきた翠は多少息が上がっていた。トレーニング中だったのだろう。服装も体操着にブルマだ。
 横から見ると幼児体型から急激に盛りあがった胸が犯罪的なラインを描いている。
 ノーブラでも全然垂れずに前方へどーんと突き出した胸はさすがに若さの成せるワザだ。
 しかも汗で透けかけの白い綿生地の下で、一挙動ごとにぷるるんぷるるん揺れる。
 たまらず瑠璃は唾を飲み込んだ。
「あ、飛鳥ちゃんからプレゼントだって。本番の前日に渡すように言われてたの」
 瑠璃が包みを差し出すと、翠は即座に
「ホント!?なになに〜?」
 と言って包装紙をビリビリ破き始める。
「あっ!ブラだ〜・・・ちょっと変わったデザインだね」
「でも可愛い〜。いいなぁ〜翠ちゃん」
 いつのまにか居た藍がうっとりと天羽乳罩を見つめる。
 確かにデザイン的にはふりふりふわふわ系が好きな藍の趣味だろう。
 翠はもっとスポーティーでシンプルなのを好むはずだ。
「とっても嬉しいけど・・・でも、『運動するときはノーブラ』っていうあたしの信条に反しちゃうな・・・」
「だめよ!窮屈でもちゃんとブラしないとまた内出血起こしちゃうでしょ?」
「えぇ〜瑠璃姉は前、男だったくせにわかんないかなぁ〜?
 ノーブラで体操着ってのが最高のぷるぷる感を演出できるのに」
 力説する確信犯、翠。
「そ、そーゆうもんかなぁ。翠ちゃん恥ずかしくない?」
「なに言ってんの?ずっと、藍をうらやましいなぁ〜って観察しながら研究を重ねた結果よ!」
「わ、私?」
「うむ!」
 胸で魅せることには余念がない。これでは飛鳥と仲がいいはずだ。
「そ、それにほら。必勝のおまじないがかけてあるって。だから本番はそれ着けようよ。ね?」
「そうだね。飛鳥姉ちゃんからもらったんだし。ところで・・・」
「?」
「また大っきくなったでしょ?瑠璃姉」
 おもむろにぐいっと瑠璃の胸を押す翠。すると凄い弾力が翠の掌を押し返す。
「きゃ・・・う、うん。ちょっとね」
「ちょっとって程度じゃないよねーこりゃ」
 そう。瑠璃の胸は今日から世間的にはVカップだ。しばらくはこれでもたせなければいけない。
「大いに結構結構!あたしにも同じ血が流れてるんだしー、明るい未来が待ってるってことね!」
「それって私も・・・?」
 翠とは対照的に不安そうな藍だった。

 そして翌日。
「うわぁすっごい!体かるーい!」
 飛び跳ねて喜ぶ翠。しかし揺れ方にはいまいち重量感がない。
 ぷるぷる感の演出・・・なるほど、昨日翠が言っていたことはまさに正論だ。
 かつてルーミンの言っていたことも少しわかる気がする。
「き、きっとおまじないの効果だね」
「うん!これなら今日は新記録出せそう」
「頑張ってね、翠ちゃん。私たち応援するから」
 こうして午前中の競技が始まった。翠が出場したのは走り幅跳びだ。
 助走の段階で揺れまくるIカップが、踏切りでポーンと持ちあがる。
 天羽乳罩の効果で翠の胸の重さは100分の1に軽減されているのだ。
 その甲斐あって翠は見事に小学校3年生女子の部で1位、しかも大会記録を作ることができた。
 計測係は巻き尺を持ちながらひそかに思ったらしい。
(幅跳びの記録よりも胸囲を測りたい・・・)と。

「やったね!翠ちゃん、1位だよ」
「まあね。でも本番はこれから。午後の長距離走でも優勝しなきゃ」
 よかったよかった、と瑠璃も嬉しそうだ。しかし・・・
「翠ちゃーん、応援に来たよー」
「あっ!飛鳥ちゃん?魅鈴ちゃんも」
「瑠璃じゃない!藍ちゃんも、今日は皆で応援?」
「うん・・・」
「飛鳥姉ちゃん、ブラありがとう!おかげで幅跳び1位になったよ!」
「やったじゃない!でもブラって・・・?」
 やばい!と瑠璃は焦る。が、
「キャー、ルリルリのおっぱいまた一段とでっかくなったね」
「うん・・・今日からVカップなんだ」
「さすがは瑠璃ね。私もうかうかしてらんないなー」
 とか言いつつも早速瑠璃の胸を両手でつかみにかかる飛鳥。
「きゃん!飛鳥ちゃん・・・こんな人の見てるところで」
 しかし魅鈴が騒いでくれたおかげで何とかこの場をごまかせたので良しとしよう。
 一方、この光景を見ていた男子生徒数名が、出血多量のため棄権を余儀なくされたという。 
「私お弁当作ってきたんだー。みんなで食べよっか?」
「魅鈴の料理ってすっごくおいしいのよ。瑠璃はまだ食べた事ないでしょ」
「うん。そう言えばもうお昼だね」
「あたしもおなかすいたなー」
 こうして一行は競技場の隣の公園へと向かった。
(まずい!翠と飛鳥ちゃんを一緒にしておくとブラの話題に触れかねない・・・)

 かくして午前の部で翠の実力(って言うかむしろ巨乳)は早くも広まった。
 しかし一方、高学年の女子の間では、
「ほら、あの天野翠って娘。すっごい胸でしょ?あれで小3だって」
「そこまでして目立ちたいかねぇ」
「でしょ?私あの子の幅跳び見てたけどあの揺れ方は不自然よ」
「絶対、風船か何か入れてるよね」
「ヘリウムだったりして」
「それって反則じゃーん」
「ううん。空気抵抗を軽減するために、前方に突出した胸の山で空気を上下に分けてるのよ」
「おお〜航空力学とはさすがミカちゃん」
 などと噂されていた。

 そして始まった午後の部。長距離は最後の種目だった。
「じゃ、行ってくるね」
「がんばってー」
 こうして午後の競技が始まるまでの間、瑠璃は身を呈して(ご想像にお任せします)、
 飛鳥の注意を引きつけなければならなかった。
 その結果、競技場に3度にわたって輸血用の血液が運搬されることになったのだが。
「はてさてようやく一安心、と」
「・・・お姉ちゃんさっきから変だよ?」
「ねえ藍ちゃん、長距離に出る選手って何だか男女も学年もバラバラに見えるけど・・・?」
「うん、最後の種目は全学年・男女合同でやるんだって」
「そんな運動会みたいな・・・これって一応地区大会でしょ?」
「大会の趣旨としては『参加することに意義がある』んだって」
「いいかげんなのか何なのか・・・」
 あきれた様子の魅鈴。
「ほらほら、私たちも応援しに行きましょ。早くしないとゴール前、人で埋まっちゃうでしょ?」
 そう言って飛鳥はビデオカメラを取り出す。
「翠ちゃんの乳揺れ・・・もとい走りっぷりをチェックしなきゃ」
 こんなんばっかしか、と瑠璃は思う。その世界にハマりつつある自分もふくめて。
 きっと飛鳥とルーミンが知り合ったら盟友同士になるだろう。

 翠は久々に体感する軽やかな走りで、スタートからゴール前300メートルの現在まで3位を維持していた。
「う〜ん爽快っ!胸も全然痛くないし」
 天羽乳罩を着ける前は1キロのリュックを前に担いで走っていたようなものだ。
 今、その重みから開放されて翠は絶好調のペースで2位との差を縮めている。
 少なくとも自己ベストは間違いなく更新されるだろう。しかし・・・
「来たよ!ほら、あの娘っ」
「うわぁほんとデカいね」
「でしょ?」
(んっ?あたしの噂?ふふっ、もう困っちゃうなぁ。巨乳小学生ってのも)
「絶対ニセ乳よね。あれって」
「そりゃ当然よ。あの揺れ方どう見ても不自然だもん」
 ぷち(怒)
「なにも大会だからってあんなにキバんなくてもねぇ」
「とんだマセガキよね」
 どっかーん!!(激怒)
 翠がキレた。まげも逆立って天を衝いている。
「ちょっとそこのぺちゃんこ先輩!あたしの胸をニセ乳だァ?これを見てもまだ言うかっ!」
 翠は体操着をまくり上げ、おもむろに天羽乳罩を取って投げつけた。ここは天下の公道で観衆も大勢いる。
「あたしの揺れ様を見さらせぇえええ!」
 そしてノーブラのまま、重量を取り戻した乳を振り乱し、一気にスパートをかけた。
「すご・・・でか」
「本物、だったね・・・」
 敗北感に打ちのめされるぺちゃんこ先輩s。
 その手からパサっとブラが落ちるのを合図に、数十人の男がブラに飛びかかり、壮絶な争奪戦が始まった。

 こちらは瑠璃一行。
「あっ!来た来た。翠ちゃんだよ!」
「すごい追い上げ。いけーーーっ!2位のやつをぬいちゃえーーーっ」
(なにっ!?)
 2位の村下君(6年)は飛鳥達の声援を聞き、後ろを振り返った。それがいけなかった。
 次の瞬間彼の目に飛びこんできたものは、小3の体躯に実ったたわわなIカップがその重量感を全開にして
 白の体操着の下でダイナミックに揺れながら、しかも接近してくるという光景だった。
「う、うぉっ・・・」
 たまらず前かがみになってしまう村下君。くり返すがここは天下の公道で観衆も大勢いる。
 人生最大のピンチを迎えている彼を横目に、翠は乳を振り乱しての疾走を続ける。
 村下君はついにしゃがみこんでしまった。立ち上がろうとはするけれども、
 数秒前の光景が眼に焼き付いて離れない。
「かわいそうに・・・あの子に同情するわ」
 憐憫のまなざしを向ける魅鈴に対して飛鳥は、
「まぁ若いしねー」
 ちなみに15才女子の会話である。
「ねえ、あの人しゃがみこんじゃったよ?大丈夫かな?具合悪いのかな?」
 いまだ男の仕組みを知らない純真そのものの藍。
「うん・・・あれは・・・ツラいよね。たしかにね・・・」
 そして瑠璃。

「ゴーーール!・・・ハァ・・・ちぇっ、結局2位かぁ。ハァ・・・」
 達成感と疲れからどかっと腰を下ろす翠。
「いや、君が1位だよ」
「えっ?」
 顔を上げると翠と同じ年頃の美少年がさわやかな笑顔で立っていた。1位でゴールしたはずの少年だ。
「あんたが・・・ハァ、1位でしょ?」
「いや、僕は正式な選手じゃないから。まぎれ込んだだけなんだ」
「えっ?」
「自分の足で走れるって気持ちいいね。寄生してた頃はこんな清々しさは体験できなかったよ!」
 満足げに彼は言う。
 聞きながら翠は記憶を捜っていた。この少年どこかで見たことがある。そう昔、ごく身近で・・・
「・・・瑠璃兄ィ?」
 自然に口からこぼれたのはかつての兄(現在は姉)の名だった。
 それを聞いて少年は少々申し訳なさそうな顔をすると、
「うん、瑠璃さんにはいろいろ迷惑かけちゃったね。ごめん。
 でも、こうして今僕が走ったりできるのも瑠璃さんのおかげなんだ。
 だからありがとうって伝えといてよ、翠ちゃん。じゃあねっ!」
 そう言い残して再び駆け出していった。翠は呆然とそれを見つめる。少々頬を赤らめながら。
「あいつ誰?瑠璃兄ィにそっくりだったし・・・あたしの名前を・・・」
「翠ちゃ〜ん」
「あ、飛鳥姉ちゃん」
 瑠璃一行が翠のもとへ駆けつけた。
「どうだった?あれから1位のやつもぬけた?」
「ううん・・・ダメだった。でもアイツ正式な選手じゃなかったんだって」
「じゃ1位じゃない!おめでとう!」
「うん・・・でもイマイチ勝ったって気が・・・あ、そうそう。そいつが瑠璃姉に『ありがとう』だってさ」
「へ?」
「ルリルリ知ってるの?」
「いや・・・まったく心当たりないけど?」
「それから飛鳥姉ちゃん、ごめん。プレゼントにもらったブラ、途中で脱ぎ捨てちゃったんだ。
 でもあたしのニセ乳疑惑を晴らすためだもん!わかってくれるよね?」
「・・・プレゼントって何のこと?」
(ビクッ!!!)びびる瑠璃。
「えっ?昨日瑠璃姉から受け取ったんだけど・・・ほら、こんな手紙も添えて」
(って持って来てるし!)
「どれどれ?あ、これってモロ瑠璃の字じゃない」
(筆跡把握されてる!?)
「どういう事かな〜瑠璃?」
「あっははは・・・さあ」
 とぼけて逃げようとした瑠璃の背中をガシッと掴む飛鳥。そしてその瞬間!
 ぶるんっ!
「!・・・キャアッ」
 瑠璃のダブルMカップの乳が服をはだけさせ剥き出しになった。
 飛鳥に背中を掴まれたとき、如意乳罩のホックが外れてしまったのだ。
 胸を隠す瑠璃を尻目に、吹っ飛んだ如意乳罩を拾う飛鳥。
「な、何なの!?このブラ」
「うわ〜ルリルリ、こんな小さな(つってもVカップ)ブラによくそんな大っきなおっぱい入るね」
「そう言えばプレゼントにもらったブラも、着けるとすっごく胸が軽くなったんだよ」
「そんなの常識じゃ有り得ないわ!さあて瑠璃、どういう事か全て説明してもらうわよ?」
「あ、あれ〜?私もわかんないな〜・・・アハハ」
「素直に白状しないと『総身性感』のツボを・・・」
「い、言います!」
 こうして瑠璃は仙人界のことについて洗いざらい一切を飛鳥、魅鈴、妹達に白状することになった。

 一方こちらは霞先生。喫茶・チャームベル(魅鈴の家)にて。
(ど、どうしましょう・・・生まれて初めて『逆なんぱ』しちゃいました・・・)
 しかし当人の雰囲気は逆ナンパどころではなく、むしろ『告白』だったが。
(しかも瑠璃君以外の、こんなに若い子を・・・ホント私って美少年に弱いのよね〜・・・)
「あ、あの〜」
(ああ私、研究が進まないストレスをこんなところで・・・)
「あの!」
「は、はいっ!?」
「実は僕・・・」
(それにしてもこの子、男の子だった頃の瑠璃君に似てるわね・・・)
「今晩寝るところが、無いんです。それで・・・泊めていただけないでしょうか・・・」
 どきーーーん!
「ええっ!それはもう何泊でもっ!」(即答)
「本当ですか!ありがとうございます!ぼく、ヌシイタッゼ・ウイルスといいます」
「ウイルス?」
「い、いえ、ウィルソン、ウィルソンです」
「ウィルソン君ていうのね。見た目日本人っぽいけど、もしかしてハーフかしら?」
「はい、そんなとこです。じつは・・・両親に日本に捨てられてしまって・・・」
(か、可哀想!&そそるっ!)
「ウィルソン君、もう大丈夫ですよぉ。私がお母さんになってあげますからねぇ」
「先生・・・」
 こうして霞先生はウィルソンを養うことになった。
(とりあえず学校の研究室に連れてきちゃいましたけど・・・)
「すごい!ここに住まわせてくれるんですか?」
「え?う、うん。こんな所で良ければ・・・私もしょっちゅうここで泊りがけの研究してるから、ね」
「ありがとうございます!僕も研究のお手伝いさせてください!」
「うふふ、ありがと」
「んっ?」
 ウィルソンの視線が、方程式や化学反応式で埋め尽くされた黒板に止まる。
「こ・・・これは!」
「うふふ。私が今やってる研究ですよぉ。でもウィルソン君には何の事だか・・・」
 すぐさまウィルソンは近くにあった紙切れと、ボールペンを取る。
「わかんないでしょ?・・・え?」
 そして赤い下線の引かれた化学反応式を、あっという間に導き、完成させてしまった。
 その紙を上から覗きこむ霞先生。ウィルソンの頭にずしりと重い2メートルの乳が乗っかる。
「ちょっとこれは・・・あっ!こんな方法が・・・なるほど、この酵素を!」
 驚く霞先生をウィルソンはただじっと黙って見ていた。
「すごいですぅ!ウィルソン君てもしかして天才ですかぁ?」
「・・・・・・」
「これで薬が作れます。うふふ、杉山さん大喜びしますよぉ。
 『完成したら私が喜んで実験台になりますから!』なんて言って、意気込んでましたもんね」
 喜ぶ霞先生とは対称的に、ウィルソンの顔は切実だった。
(僕が・・・何とかしなきゃいけない!そうだ、せっかくこの体を得たんだから!)

続く