第1話〜勇気がない人ほどリスカする〜
オレは山本 功。14歳の現役中学生なり。そして、大企業、「山本財閥」の社長、山本 泰三の息子なり。え・・・いや好きで「なり」とか言っている訳じゃない。作者の趣向だ。ホント怒るよ。
あ、前書きにも言ってたよな、このセリフ。ま、それはいいとしてオレは待ちに待ったいや、待っていなくともやってきやがった4月。オレは実家から数キロ離れた一戸建てへと連れられた。
「がんばって暮らしてみろ!」
そう言い捨ててメルセデスでさっさと帰って行った親父の背中は割れた風船みたいに小さくなっていった。オレはその一戸建てをみてこう吐いた。
「・・・・下流層って・・・こんな家に住んでいたかな・・」
今度友達を家に呼んで確かめたいもんだ。一応向こう三件両隣の家々も似たような感じだったが、もしやオレと同じく上流層かもしれぬ。
こんなくだらないことを考えながらオレはマイハウスの中にはいり、見ていったのだが、ふとあることを思い出した。昨日のあの一言・・・
「お父さんはねぇ、これをみなさい。お父さんが中学1年の期末の成績。なんと数学24点しかとれてなかったのよ!」
「ぷははは!!バッカでぇええーー!!オレでも悪くても60はあんのに!」
いやいやいやいやそんなことはどうでもいい。なにを思い出してらっしゃるのかオレの頭は、ひいては脳髄は。あれだ。そう、親父の一言。
「(中略)〜お前の一人暮らしをしばらくフォローしてくれる召使い・・・みたいな者を使わせる!それでいいだろう・・・・」
誰だろうね?もし臭っさいオッサンだったら、せっかくこの家には二階もあることだし飛び降りて死のう・・・いや、すいません。オレにそんな勇気はない。
♪ピンポ〜ン
「はいはい・・・・」
オレは玄関までスタスタ歩く。どうやらモニターも付いていないらしい、この家は。新聞の勧誘の断り方なら親父に教わった。というよりそんなんしか教えなかった。家具の使い方とかの方が知りたいのだが・・・
「はいはい、すいません。ウチはもうまにあってますからさっさと・・・・・・!!!!」
と、そこには、新聞勧誘の兄ちゃんではなく、かといって臭っさいオッサンでもない、えらい美人がそこにいた。