第2話〜クラスの子がメガネかけて来てもからかうのはやめなさい〜
オレは山本 功。14歳の現役中学生なり。そして、大企業、「山本財閥」の社長、山本 泰三の息子なり。え・・・いや好きで「なり」とか言っている訳じゃない。作者の趣向だ。ホント怒るよ。
あ、前書きにも第一話でも言ってたよな、このセリフ。よほど好きなんだろうなぁ。
それはどうでもいい。ホントにどうでもいい。問題は、今、オレの目の前にいる美人のことだ。オレは、あの追い出すセリフの続き、「〜さっさと帰らねーと鼻毛ひきちぎって腕に移植するぞ」も言わずにつっ立っているだけだった。
「あ・・・・あ・・・あのぉ〜・・・・」
美人が言った。
「あ・・・・あな・・あなたが・・・その・・山本・・・い・・功さんですよ・・・ね?」
と続けて聞いてきたので
「は、はい・・・・そうだが・・・オレが、山本 功だ・・・」
と答えると、美人さんは恥ずかしそうに縮まっていた顔を急に輝かせ、
「ほ・・・本当ですか!!よかった〜。本当に夢みたい・・・」
何が夢なのかは知らないが、息つく暇もなく美人様は天真爛漫な笑顔でこう続ける。
「ええと・・・・その・・や・・・山本 泰三・・さんって人から・・・その・・お手伝いさんが来るとかって・・・聞いて・・・ますよ・・・ね?」
ああ、聞いてます、と答え、やっと理解できた。
つまり、この美人伯爵が、オレの一人暮らしを手伝ってくださると言うわけだ!
お互いに事情がわかったところで、オレは美人・・・・これ以上ランクアップさせるのもアレなので、先に名前を言っておく。
オレは、眼 鏡子を家の中に入れた。
彼女の名は眼 鏡子(ひとみ きょうこ)
おい、今、絶対メガネかけているだろといったヤツ、正解だ。確かに彼女はメガネをかけている。俗に言えばメガネっ娘。特徴と言えばそれと後ロングヘアーなぐらいで後付け足すとしたらやらたもじもじしていることだろうか。
年は今年で17歳で、なんとオレと同じ学校に通っていることも知った。オレの学校は中高一貫なのだ。
と、彼女についてはこれくらいしか情報はない。今のところは。さっきも言ったとおり、彼女はやたらもじもじしてあまりしゃべっちゃくれない。顔を下に向けながらハアハアと息を吐いている。よほど疲れているのか、恥ずかしいのかはわからないが、お手伝いがこんなんじゃちょっと困るが・・
なんだかんだでオレの日暮ら・・・いやいや一人暮らしは始まる。いやいや、確信的に間違えてるんじゃなくて。