とある医者の日記

サラウダムS 作
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5月19日

今日は奇妙な患者が1人やってきた。
この件は特別に記録をとることにする。
結論から言うと、彼女は乳腺が異常に発達する病気であった。
彼女は15歳で身長は平均的であるのにも関わらず、胸は異常に発達し、すでに130cmにまで成長していた。
真球にほぼ近い形で、服の上からではバスケットボールを入れているかのようだった。
話によると、1週間前までは胸はまったく無かったらしいのだが、1週間でここまで巨大化したらしい。
156cmの体に130cmの胸は非常に負担となるはずだが、何故か彼女本人はピンピンしていた。
検査の結果も異常はない。胸の大きさ以外は。
国外で乳腺が異常に発達する症例は幾つかあるようだが、国内では全くと言って症例がないので、この件は経過を観察することにする。



5月24日

今日は例の患者が、胸が張ってきている気がする、と言ってきた。
前に検査の際、彼女の胸に触った看護師に確認させると、確かに以前ほどの柔らかさが無いということだった。
そこで、以前と違って、様々な検査を実施してみた。
その結果、胸囲は30cm以上成長していて164cmであった。
真球から少し変形してラグビーボールのように成長していた。
たった5日で身長を超えてしまった。
まだ成長するのだろうか。どうにかしなければいけない。
次に、採血検査の結果、胸を成長させるホルモンが通常の10倍検出された。
また、胸の35%が乳腺で占められており、そこへは通常ではありえないほどの血管が張り巡らされていた。
普通、乳腺の大きさの個人差はあまり無いはずだが、彼女はすでに成人女性5人分にあたる乳腺にまで成長していた。
最悪、胸の脂肪を手術で除去することも考えていたが、今回の検査で、胸中に太い血管が張り巡らされていることが判明したので、別の手を考える必要がある。
これからは定期検診を行う。



5月31日

例の患者の定期検診を行う。
胸囲は187cm。前回より23cm成長。鈍化した可能性あり。
胸の張りは少し和らいだようだが、乳腺は着々と成長しており、胸全体の50%を占めていた。
成人女性15人分にあたる。
血中のホルモンは2ポイント上昇して12倍になっていた。
これからは、おそらく、胸囲の成長は鈍化し、かわりに乳腺が発達していくのだろう。
また、検査に携わった看護師の話によると、彼女の乳首、乳輪も肥大化しているようで、目測で5cm程になっていたという。



6月7日
定期検診。
胸囲は207cmと大台を突破。20cmの成長。明らかに成長が鈍化している。
胸に大きさ以外の異常は見当たらない。
乳腺は胸の70%を占める。成人女性30人分である。ここまで発達していて乳癌にならないのが不思議なほどだ。
患者の体のどこにも何の異常もなく、本人もその巨大な胸なんて無いかのように軽々と動く。
乳腺は胸の空間をどんどん占領していき、脂肪はどんどん外側へと追いやられている。
血管は前回の検査より、より隅々にまで張り巡らされ、もはや手術は不可能だった。
血中ホルモン濃度は3ポイント上昇して通常の15倍。もはや誰にも止められない気がする。
看護師の話によると、彼女に胸は前回より柔らかくなってきているようだ。
いつまでも触っていたくなる、とか、ついつい撫で回してしまう、とか、何をやっているんだ、仕事に集中してほしい。



6月14日
定期検診
胸囲は226cm。19cm成長。微鈍化。

乳腺は胸の85%を占有。成人女性の50人分。

あと残されているのは乳輪の下あたりくらいだ。

ホルモン濃度は通常の20倍。
最近、食欲が増してきたという。食べれば食べるほど、胸を巨大化させるに違いないが、止められないという。

あまりにも異常なので、胸を大きくさせるような…例えば異性交友について聞くと、顔を真っ赤にして俯いてしまった。

どうやらその線では無いようだ。



6月21日
定期検診。
胸囲は250cm。24cm成長。食欲が増したためだと考える。
胸だけがキレイに成長し、その他の身長を始めとしてウエスト、ヒップなどは最初から1cmも成長していなかった。
乳腺は胸の90%を占有。成人女性の75人分。乳輪のすぐ下まで胸のほとんどが乳腺だ。
すべての乳腺に血管が縦横無尽に張り巡らされていた。
ホルモン濃度は20倍。これだけ変化がないのが気になる。
乳輪は10cmほどに成長し、乳首はちょうど咥えられるくらいだそうだ。
また、彼女の胸はブラジャーが不要なほどきれいな形をしているが、決して硬いわけでなく、むしろ天国のように柔らかいそうだ。
あれほどに胸を乳腺で占められておきながら、キレイで柔らかいとは、彼女の胸はどうなっているのだろうか。
もし、ブラジャーを着けるとなれば、一体どれほどの大きさとなるのだろうか。



6月22日

定期検診。
今日、彼女の胸から母乳がでた。
今日はいつもより胸が張っている気がする、という事だったので、乳癌の可能性もあり、触診していたところ、彼女が短い悲鳴を上げ、小さく身震いしたかと思うと胸が大きく震え、乳
首から、白く、甘い香りのする少し粘性のある液体が発射された。
その後、彼女の胸からはトロトロとその液体が流れた。
わざわざ調べるまでもなかったが、それは正真正銘の母乳だった。
異常に発達した乳腺が活動を開始したのだ。
彼女がこの病院にいたのは1時間ほどだったが、その間ずっと母乳は流れ続け、5リットルもの量が出た。
胸囲は268cm。18cm成長。
乳腺は胸の90%を占有。成人女性の90人分。彼女の胸は前だけでなく、上下左右の3次元全ての方向に成長している。
彼女の胸はの、巨大なミルクタンクとなったのだ。誰に飲ませるともない母乳の。
これからは母乳を止める効果のある薬を処方することにする。
あの巨大なミルクタンクがその程度で母乳の生産を止めることはないだろうが、多少なりとも生産量を減少させることができるはずだ。
ホルモン濃度は18倍。



6月29日

定期検診。
今日から、彼女は入院することになる。
母乳の量を記録していく。
胸囲は292cm。24cm成長。もう300cmを超える。
身長、ウエスト、ヒップは1mmも大きくなっていない。体重のほとんどは胸だ。
だが、彼女はまるでそんなものが無いかのように振る舞う。
少し歩けば、胸は自由自在に変形しながら柔らかく動き、振り向く動作をすると、胸は慣性でボヨンボヨンと動く。
男性看護師には刺激がきつすぎるようだ。
乳腺は胸の90%占有。どうやらこの値が限界らしい。成人女性の115人分の乳腺に値する。
ホルモン濃度は15倍。
母乳の量は、おそらく薬によって少ないはずだが、それでも1時間で10リットルの量を出した。
話によると、毎日どんどんと量が増えているらしい。
毎日出たから、少し我慢できるようになったという。
食欲はますます盛んになっているようだ。
もはや無意識に食べ物を、それも高カロリーな物を、選別して食べてしまっているらしい。
このままでは母乳によって日常生活が不可能になる日は近く、強制的に入院させる。
非常にデリケートな問題なので、個室へと入れる。
しかし、入院させると言っても何か有効な治療手段もない。
これからも経過を観察するしかないが、とりあえず、胸の成長のもととなっているであろう食事に制限をつけてみる。



6月30日

今朝、ナースコールで彼女の個室に呼ばれた看護師によると、「母乳を出したいけど、トイレじゃ溢れる。」とのことで、急遽風呂場に連れて行って搾乳したようだ。
その量は、とても人間からでるような量では無かったらしい。
母乳の出方も、ダムの放水のように激しかったようだ。
また、とても甘い香りがしたとも言っていた。
どうやら寝ている間にもお構いなく母乳は生産されるようだ。
昨日の結果と、睡眠時間から考えて、少なくとも80リットルは出たはずだ。寝るまえにも搾乳したはずなのだが。
だがこの量はまだまだ序の口だろう。
一週間後には2倍になっていたっておかしくはない。
また、今日の検診では、胸囲は296cm。4cm成長。不気味なほどに順調な成長であった。前から見ると、巨大な肌色の球体の後ろから人の顔と腰から下が見えるだけだ。
乳腺は胸の90%を占有。成人女性の118人分。一体どこまで増えるのだろうか。
ホルモン濃度は15倍。投薬を続けているというのに、ホルモン濃度がこれ以上減少しない。
母乳の量は1時間に12リットル。母乳の量も、薬なんて無いかのように、増えている。
しかし、投薬を止めるとどうなってしまうか分からないので、危険ではあるが、投薬の量を増やして対応する。
彼女の食欲は凄まじい、これまでの食生活について詳しく調べてみると、一回の食事で5人分は食べていたようだ。
どれほどの高カロリーな食事も例外ではない。
豚骨ラーメン5杯にチャーハン3皿を食べた、という本人からの証言もある。
その食事のほとんどは、胸の維持、成長に使われたのだろう。



7月1日

今日も彼女は早朝、風呂場で搾乳。
おそらく100リットル近く。
書いていると、とても現実のこととは思えなくなる。
今日付き添った看護師は、本人に隠れて少し飲んでみたようで、「今までに飲んだどんなジュースよりも甘くて、美味しくて、香りが良かったです。先生も飲みたかったら、少しとっておきますよ、グフェフェ」とゲスい笑い方をしていた。遊ぶな。

検診結果。
胸囲は298cm。2cm成長。
乳腺は胸の90%を占有。成人女性の120人分。
ホルモン濃度は15倍。
母乳は1時間に15リットル。
薬の量を思い切って2倍にしてみたが、全くの無駄だったようだ。
こちらの苦労は知らず、彼女は元気だ。
今日も検診に来た私が、結果に唖然としていると、「先生どうしたんですか?顔色が悪いですよ?お疲れなら、私のおっぱい飲みますか?元気出ますよ!」と無邪気な笑顔で言ってきた。
性行為について聞いたときは顔を真っ赤にして俯いたというのに、なぜ胸のことは何でもないかのように扱うのが分からない。さすがに断ったが。
男性看護師には近づけさせないようにしないと、何が起こるかわからない。
母乳は薬をどれだけ使っても止められないだろうと感じ、明日からは一切の投薬を止めてみる。
明日は一日に出る量を実際に計測してみる。



7月2日

今日は朝から寝るまで搾乳し続けてみる。
朝、ナースコールで呼ばれた看護婦は昨日の打ち合わせ通り、彼女に事情を説明し、彼女専用に強化した搾乳機を胸に装着。
巨大なタンクを幾つも部屋に運び込み、搾乳を開始した。
タンク群はみるみるうちに満タンになっていったらしい。
私はそれが始まって3時間ほどしてから彼女の部屋に向かった。
彼女の胸からはいつもどおり、母乳が吹き出し続けていた。
搾乳機で搾られた母乳はホースを通って搾乳タンクに届けられていく。
人間一人が横になって入れるくらいに大きいのだが、その中にトプトプと母乳が満たされていった。
看護師は満タンになった母乳タンクを風呂場まで持っていくという仕事を延々とやり続けた。
男性看護師も、タンクを部屋の外から風呂場まで持っていく、という仕事に駆り出された。
記録をしていた看護師は、「これ、お風呂にためたらミルク風呂って言えますよね。飲んでも美味しいですし、それに、量もたっぷりありますから。誰も、母乳とは思いませんよ。」と言っていた。
たしかに、この量だから何かに使いたいというのは分かるが、今はそれより増え続ける彼女の母乳が問題だ。
その後彼女は、午後10時まで母乳を、量の増減はあるものの、一度も止めることなく出し続けた。
本日の検診は寝る前に行った。
胸囲は301cm。3cm成長。ついに3mになってしまった。
彼女の身長の約2倍だ。
彼女が立つと、後ろからでもその大きさがよくわかる。後ろから見ると、巨大な胸の一部が腕の後ろから顔を出している。
乳腺は胸の90%。これに変化はない。
なんとかして乳腺の成長を止めなければいけないが、何も思いつかない。成人女性の125人分だ。
それらが一斉に母乳を生産し続けているのだ。休むことなく。
ホルモン濃度は25倍。投薬を1日止めただけで濃度が跳ね上がった。
母乳の量は、16時間の合計で約1200リットルに達した。
医学どころか、物理学ですら超越している。
彼女は無邪気だが、私は恐ろしい。
彼女の胸は異次元にでも継っているのか。




7月3日

昨日の搾乳のせいかもしれないが、きょうは一段と母乳の量が多かったようだ。
今日は3時間に一回ナースコールが押され、その内容は毎回「胸が苦しいから搾乳したい。」だったようだ。
付き添った看護師全員が、「部屋に行くと、彼女の服の乳首のあたりが濡れていて、部屋中は甘い香りで満ちていた。」といった旨のことを言っている。
おそらくは、胸の中にたまりに溜まった母乳が乳首からガスとして放出され続けているのだろう。
もはや彼女の体は母乳を生産するためにあるのはないか。
そして風呂場に行き、軽く100リットルをこす量の母乳を放出する。
今日は彼女に許可をもらって、どんな感じで母乳が出されるのか見てみることにした。
やはり、以前、ダムの放水のようと言った奴の喩えは正しかった。
まさにその通りだった。
大人の口にちょうど入るくらいの大きさの乳首が、ヒクヒクッと動くと、白く甘い香りの液体がドバっと出るのだ。
昨日の搾乳で1200リットルも出し、それから1日も経っていないのに、まだ出し足りていない、といった感じだ。
人間の胸から出ているとは到底考えられなかった。
彼女の顔をふと見ると、頬を紅潮させ、その溢れ出していく母乳を恍惚とした表情で見ていた。
胸囲は306cm。5cm成長。昨日の影響だろう。
乳腺は胸の90%。変化なし。成人女性135人分。
ホルモン濃度は25倍。
母乳の量はもうあまり書く意味はないのではないかと思うが、1時間に100リットル。
しかし、これは1時間に外に放出される母乳の量でしかない。
彼女の胸は24時間常に使われることのない母乳を生産し続けている。
しかも、その量を増しながら。
最初に診察にきてから5週間ほどだが、もう止めるのは不可能だ、と思う。
投薬しても、食事制限をしても、彼女の胸は日増しに大きくなり、母乳の量は誰も手がつけられないほどだ。
彼女自身、口に出してはいないが、母乳を出すことに快感に近いものを感じていると思われる。
彼女はより快感を感じたいが為に、無意識下で胸の成長と母乳の量が増えることを願っているのだ。
こちらが手をどんなに尽くしても、成長は止まることはないだろう。
明日からは、この無限に生産される母乳の使い道について考えていこうと思う。
幾つかの案はすでに考え出されている。
ミルク風呂、乳児に与える、牛乳として出す…。
とりあえず、明日の朝、彼女の病室に行き、母乳を飲ませてもらうことにする。
きっと、快く飲ませてくれるだろう。