科学のチカラ その3

せい 作
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都を囲むように作られた90cm以上の胸を持つ女性たちが住む町。

志穂がそこにやって来て3日ほどが過ぎようとしていた。

「・・・さて、そろそろ都に行きましょうか。」

志穂は自宅(と言っても仮住まい)で服を脱ぎ始める。

この町にきて初めて「おしゃれ」をした志穂。
胸が小さかった頃は何を着ても子供っぽく、しっくりこなかった。
背はさほど低くない彼女ではあったが、やはり胸が小さいということだけで、全然満足はしなかった。

だが、今では97cmのバストである。
それゆえ、この町で初めてブラジャーというものの必要性を理解した。

「・・・これも使えなくなっちゃうわね。」

志穂は初めて買ったブラジャーを外すと悲しそうに、それでいてどこか期待のこもった目で見つめる。
この町に来て初めて買った白い清純なブラジャー。
その店の店員は「今まで付けていらっしゃらなかったんですか?!」と驚いていた事を思い出す。
ちなみに、その店にはAカップやBカップなどのサイズは無かった。どうやらそれらのサイズは前まで居た町に戻らないと買えないようだ。

志穂はしばらく感傷に浸ると改めて顔をあげ

「・・・(パチンッ)範囲は・・・バスト80cm以下の町全域。ゆっくり吸収ね。」

左手の指を鳴らして設定を変更した。
そして

――――――――パチンッ

「・・・あ、ああああ・・・くはあああああああ!!」

装置を起動した。

「き、気持ち・・・良いわ・・・あはあああああああぁぁぁ・・・」

胸が大きくなるにつれて快感もどんどん送り込まれていく。

目に見えて膨らんでいく彼女の胸。
しかしその胸は決して下を向くこと無く、張りと柔らかさを兼ね備えたまま、まるで空気を入れたボールのように膨らんでいく。

「ひゃうううううう!!ま、まだよ・・・もっと・・・もっとおおおおおお!!」

――――――――グググググ・・・ムクムクッ

止まることなく膨らみ続ける志穂の胸。
設定を強くしていたら大変なことになっていたかもしれない。

「ふぁっ!!あ、あふううぅぅ〜・・・っく・・・も、もういいわね・・・」

どんどん前に迫り出してくる自分の胸を見た途端ハッとした志穂は慌てて右手の指を鳴らす。

すると彼女の胸は膨らむのを止めた。
あとに残ったのは

「・・・ふぅ。・・・ふふふふっ♪ 大きくなったわねぇ・・・」

今までよりもさらに大きく、丸く膨らんだ彼女の胸であった。

「えっと・・・ひゃく・・・にじゅう・・・に。122cm。すごいわ!」

メジャーには予想もしていなかった数字が書かれていた。
前のサイズが97cm。それに対して今は122cm。
25cmの成長であった。

「へぇ・・・さすがに重いわね・・・でも」

志穂は軽くジャンプをしてみる。すると

―――――――・・・ブルンッ!

「うわぁ・・・揺れてる揺れてる・・・これよ、これが見たかったのよ。」

激しく揺れる彼女の胸。志穂は嬉しくなってその後も跳ね続けていた。

「っと、こんなことしてる場合じゃないわ。早く都に行きましょう。」

志穂は近くにあった、今まで自分の着ていた服を手に取ると、ブラジャーをつけずに直接着た。

「ううっ・・・く、苦しい・・・ぱっつぱつじゃない・・・」

生地を胸に取られて少しお腹が見えてしまっている。
数歩歩いてみたが、ブラジャーをつけていないせいか、服の中で胸が暴れ回ってしまう。

「これは・・・ゆっくり歩いて行くしかないわね・・・」

志穂は出来るだけ胸を揺らさないようにゆっくりと都までの道を歩んでいくことになった。




「・・・何者だ。通行証はあるのか?」

都に入るための門の前で立っていた兵士達が志穂の行く手を阻んだ。
彼女達も女性で、兵士なのだろうが、その服装はいわゆる「ビキニアーマー」と呼ばれる物であり、彼女達の大きな胸を惜しげもなくさらけ出していた。

「えっと・・・通行証はないわ。だけど・・・」

志穂は兵士のうちの一人に近づくと

「・・・これで通してもらえないかしら?」

――――――・・・ボロンッ

「・・・なっ!!」

彼女の前で自分の胸をさらけ出していた。

「・・・ま、待て・・・おい!測りを持ってこい!」
「ハッ!!」

どうやら志穂が話しかけた兵士は少し位が高い兵士らしい。
近くに居た女性兵士にメジャーを持ってくるよう命令していた。
なるほど。よく見ると腰元になにやら飾りがついている。その他にも一般の兵士達とは違うところがいろいろあった。
部隊長だろうか・・・志穂がいろいろ考えていると

「・・・よし。100cm以上なら通してやる。ついでに通行証も発行してやろう。」

メジャーを渡された隊長らしき兵士が志穂の胸を計測し始めた。

「・・・122・・・か。確かに。・・・おい、通行証を発行しろ。」

確認が取れた兵士は通行証の発行を部下に命じる。

「おい、お前。名前は?」

「・・・志穂よ。小高 志穂。」

どうやら通行証に明記するのだろう。志穂から名前を聞くと目の前の兵士が何やら印鑑のような物を押して

「・・・ほら、これが通行証だ。これからはそれを見せてくれるだけで好きに通って構わん。」

志穂に通行証を手渡す。

「ありがとう。それじゃ。」

志穂は通行証を受け取ると都の中へと入っていった。





都の中は活気で溢れていた。
ただ、今までと違うのは町を行く女性達の胸の大きさである。
ここに居る女性の胸の大きさは最低でも100cm。上限は無い。
よく見ると今の志穂より大きな胸を持つ女性もチラホラと見受けられる。

「ここが都・・・すごいわね・・・み〜んな・・・・・揺れてるわ。」

志穂は唖然としながらも町行く女性の胸を見つめていた。



早速都の外れにある小さな家を借りた志穂。
とりあえずは

「・・・下着を買わなきゃ。」

向かう店ははっきりしていた。




「・・・こちらになります。」

「ありがとう。・・・って、大きいのね・・・」

都に住んだことの無い志穂でも聞いたことのある下着屋。
その有名な店に志穂は訪れていた。

「ええ。お客様ぐらいのサイズですと・・・」

「・・・そうね。ふふふっ・・・」

志穂はなんだか褒められているような気がして嬉しかった。
と、そこでもう一つの用事を思い出した。

「そうだわ。ねぇ、女王様がいらっしゃるお城ってどこかしら。一度見物したいんだけど。」

せっかく都に来たのである。城内の見学などもしてみたい。

「お城ですか?お城ならあちらに・・・あの一際大きな建物がお城です。」

「そう。ありがとう。早速行ってみるわね。」

志穂は新しく買った下着を受け取ると店を出ようとした。
その時

「ですが・・・入ることは難しいかと・・・」

店員が志穂に話しかけてくる。

「・・・? 難しいって?」

志穂は店員の言葉の意味が分からないまま聞き返す。
店員はその理由を話し始めた。

「・・・実は、お城に入るためには150cm以上の胸が必要なんです。都に住んでる私達でも、お城に入ったことのある女性は滅多にいません・・・」

「・・・そうなの?」

「ええ・・・私も・・・120cmなので、まだ・・・だから、都に住む女性で150cm以上の胸を持つ人は、民意をお城に伝えることの出来る女性としてかなりの力を持ってます。お客様もこのお店に来るまでに何軒か大きな屋敷を見たのでは?」

そう言えば・・・確かにやたらと大きな屋敷をいくつか見た気がする。

「・・・それに、お城の中に住む女性・・・いわゆる重臣達は200cm以上の胸を持つらしいと噂されています。私も実際に見たわけではありませんが・・・」

「200cm・・・」

志穂はその途方もない数字に呆気に取られていた。

「はい。女王様にいたっては300cmとも400cmとも・・・もしかしたらもっと大きいのかも・・・」

店員の話によるとどうやら都に住む普通の女性では城に入ることすら難しいようだ。

だが

「・・・それってつまり、150cm以上の胸になったら城に入れて、200cm以上の胸になったら重臣として城に住むことが出来て・・・300cmとか400cmとかの胸になったら・・・この世界の女王になれるってこと?」

志穂は『普通の女性』ではない。

志穂の発言に店員は驚いた様子で

「そ、そんなこと!!誰かに聞かれたらまずいです!!タダじゃ済みませんよっ?! そ、それに・・・そんなこと出来るはずが・・・」

慌てて志穂の発言を訂正させようとするが

「・・・はっきり言ってちょうだい。なれるの?なれないの?」

志穂はあくまで真剣に聞き返す。

「えっ・・・ええ。おそらく、そうでしょうね・・・」

店員はその剣幕にやられて正直に返事をする。
すると

「そう・・・ふふふふっ♪ 良いことを聞いたわ。」

志穂は楽しそうに微笑んだ。

「あ、あの〜・・・お客様?」

「志穂よ。ごめんなさいね、変なことを聞いて。・・・そうだわ。今度お礼をしてあげるわね。」

「え? ええ・・・志穂・・・さん?」

何が何だか分からない店員は首を傾げたままだった。

「・・・それじゃ、私はもう行くわね。 あ、そうそう。今度は150cm以上のブラジャーを用意しといて!!」

「えっ?! あ、あの!!」

志穂はそれだけ言うと店を出て行った。





「・・・良いこと聞いたわ・・・ふふふふっ♪」

店を出て、楽しそうに自宅へ帰る志穂。
彼女の眼は野望に満ち溢れていた。