「ハァ・・・ハァ・・・っく、はぁぁ〜・・・」
突然の快感に息を切らせた久美は、その快感が消滅したことを理解した。
あの快感の正体は既に体験したことがあり、分かっていた。もちろん前感じた快感と今回の快感はまるで比べ物にならないほど異なったものであったが・・・
フラフラと立ちあがり、自分の胸を確認する久美。
すると、たった一瞬の出来事ではあるが、彼女のために仕立てられたブラジャーの上下に収まりきらなかった乳肉が溢れだしてしまっていた。
「す、すごい・・・たったあれだけで・・・」
いい加限苦しかったのか、その胸を押さえつけるブラジャーを外そうとする久美。
「・・・っく、ふん〜っ!」
だが、突然の膨乳に背中のホックがバカになってしまったのか、上手く外す事が出来ない。
それでも、半ば力任せにそれを外すことに成功すると
――――――ボロンッ
支えを失った事で、前よりも目に見えて成長した彼女の胸がその姿を見せる。
相変わらずその胸は綺麗な形をしており、主人の志穂よりも少しばかり濃い色をした彼女の乳首が申し訳なさ程度にその頂に鎮座していた。
「うわぁ・・・一体どのくらい大きくなったんだろ・・・」
胸の大きさが全てであるこの世界において、自分の胸が大きくなることは人々にとって最大の喜びでもある。
久美はその喜びを噛みしめるかのように、成長した自分の胸をゆさゆさと揺らしてみる。
すると、その二つの膨らみは、まるで成長を祝福するかのように一拍遅れて上下に動く。
何回かその行為を続け、喜びに浸る久美。
すると
「・・・ん、んん〜・・・・・」
部屋の中に居るもう一人の女性から、艶のある声があがる。
「あっ・・・志穂様っ!!大丈夫ですかっ!?」
その時思い出したかのように久美がその大きくなった胸を揺らしながら駆けより、主である志穂を起き上がらせようとする。
が、しかし
「いぃ〜よいしょ・・っしょ・・・」
久美よりも遥かに遥かに大きくなった彼女の胸は、まるで彼女を起こそうとする久美の腕から与えられる力を全て受け止めるかのようで、それでいてその全てを反発するかのようで、正直全くといって良いほど志穂を起こすことが出来ない。
まるで底なし沼のようなその乳房は、その掴みどころの無さゆえに久美を困らせる。
すると、結果的にではあるが自分の胸をまさぐられる形となった志穂が、その刺激をもって段々と意識を覚醒させていく。
「・・・んんっ・・・く、み・・・?私は・・・」
その細い腕を床につけ、体を起こしていく志穂。
だが、今までの感覚で起き上がろうにもビクともしない自分の体から、段々となにが起こったのかを理解する。
「・・・!! そうだっ!! 私の胸・・・ってぇ!?」
慌てて確認するかのように顔を下にさげようとしたものの
「・・・・・」
目の前は肌色一色と言っていいほどで、彼女は二の句を失ってしまう。
「志穂様・・・・・」
無言で俯く主の様子に、なんと声をかけて良いか分からず、それ以降黙ってしまう久美。
そしてしばらくの沈黙の後
「・・・ふっ・・・・・」
俯いたままで、表情をうかがうことの出来ない志穂から息が漏れる。
「・・・志穂様?」
やっと見せた志穂の変化に首を傾げる久美だが
「・・・っふ、ふふふふ・・・あははは・・・あははははははっ!!」
今度は大きな声でさぞ愉快そうに笑いながら、ゆっくり、ゆっくりと立ち上がる志穂に得も知れない畏怖を感じながら驚き見つめる久美。
そして
「あはははははっ!! 素晴らしい、素晴らしいわっ!!なんて大きなおっぱいなのっ!!」
完全に立ち上がり、自分の臍すら覆い隠そうとする自らの乳房をさぞや愛おしそうに撫で擦る志穂。
その表情はどこか狂喜に満ちており、うっとりとした様子で乳房を愛でる。
「し、志穂様・・・?」
今まで見たことのない主人の様子に戸惑い、名前しか呼ぶことのできない久美。
志穂はその声で久美の存在を認めると
「久美、よくやったわ。あなたのおかげでこんなにも大きく素晴らしいおっぱいを手に入れた・・・」
そう言って久美へと一歩近づく。
「えっ・・・あ、はい・・・」
久美はその様子や、圧倒的な大きさを誇る彼女の乳房からか、志穂の一歩に合わせて後ずさる。
その際、久美の乳房もユサリと揺れ・・・
「あら・・・あなたの胸も大きくなったのね・・・」
喜びを共有し、それでいてどこか勝ち誇ったように微笑む志穂。
「あ、う・・・はい・・・」
もはや絶対的な王者たる風格を持った志穂にあてられ、額に汗を浮かべる久美。
――――――下手な真似をしてはいけない・・・
咄嗟にそのような思いが頭をよぎる久美。
そのまま何も言えず、ただただ立ちすくむばかりとなる。
すると、志穂が徐に「そうだわ・・・」と呟くと、背後から見てもそのほとんどが見えてしまう巨大な乳房を揺らしながら、自分の机へと近づいて・・・
「・・・ねぇ、久美。私の胸のサイズを測るの・・・手伝ってくれるかしら?」
『3m』と書かれたメジャーを久美へと渡そうとする。
が、正面から久美へと腕を伸ばし、メジャーを渡そうとすると
――――――ムニュ・・・
当然先に届くのは彼女の巨大な乳房であり、それでもなおメジャーを渡そうと、志穂はその胸で久美を壁まで押していく。
そして、壁際まで追いつめられた久美は
――――――ムニュゥゥゥゥゥ〜〜〜・・・
志穂が自分の体をまるで包み込むかのように胸を押しつけてくるのを感じ、何も話すことが出来ないまま、彼女の右手にあるメジャーへ手を伸ばす。
グニュゥッ・・・と圧縮された志穂の乳房ではあるが、久美がメジャーを手に取ったのを確認すると、その圧力から彼女を解放する。
そして
「・・・お願いね?」
逆らう気すら失せるような声で、久美へと命令した。
「は、はいっ・・・」
慌てて彼女の背面に回り、そこからメジャーを回すと
「・・・っしょ・・・・・」
その巨大さながら、まるで垂れること無く、むしろ若干上向きについた乳首へとメジャーの先を『合わせようとする』。
だが・・・
「えっ・・・そ、そんな・・・」
志穂の目の前で目を見開き、驚きを表す久美。
「・・・? どうしたの?」
未だサイズが発表されない事を不思議に思ったのか、自分の乳房によってそのほとんどが隠れてしまいながらも、その向こうに居るであろう久美へと声をかける。
すると、まるで陽が昇るかのように久美の顔が徐々に見え始め・・・
「め、メジャーが・・・足りません・・・・・」
衝撃の事実を耳にする。
その台詞を聞くや否や
「・・・っく、あはははははははっ!! あ〜、愉快だわ。こんなにも愉快なのは初めてかも・・・あはははははははははっ!!」
心底嬉しそうに声をあげて笑う志穂。
その姿に羨ましさどころか、先ほどまで感じていた畏怖の念を再度感じつつ、志穂の顔色をうかがう久美。
そして、志穂がひとしきり笑い終えると
「あぁ〜・・・ふふふっ・・・じゃあ、机の上に『5m』のメジャーがあるから、それを使って頂戴。」
尚も嬉しそうな様子で久美へと指示を出す。
久美は言われるがままに、何にかは分からないが、何かに慌てた様子でそのメジャーを取りに行く。
だが、先ほどまで彼女らの膨乳が行われていたせいか、机の上は滅茶苦茶になっており、どこにその『5m』のメジャーがあるのか分からない。
慌てて何かの資料と思える紙をめくりながら探していると
「・・・まだかしら?」
その背後から少し不機嫌そうな志穂の声が聞こえる。
「は、はいぃっ!!た、ただいまっ!!」
その声に得も知れぬ恐怖を感じた久美はその探す速度を上げる。
その時、久美はこの自分を襲う『恐怖』の正体を咄嗟に理解した。
この世界の基準は何においても胸の大きさである。
世界で最も大きな乳房の持ち主は『女王』とされ、神かも知れぬ何かから特別な加護を受けるとも言われている。その真偽のほどは分からないが、少なくとも胸が大きければ大きいほど、その地位、権力、その他いろいろな力は大きいと言える。
そう。久美が感じていた恐怖とはこの『力』であった。
今までは自分より大きいとは言っても若干の差であった志穂との胸囲の差。
しかし、今ではその差は天と地ほど離れてしまっている。
さらに、今や彼女の胸は『3m』のメジャーですら測りきれない大きさを誇っている。これに恐怖せずに何に恐怖しようか。
「あ・・・ありましたっ!!」
と、その時彼女は机の上に散らばった紙の下から『5』という文字を見つけ出す。
その声を上げた途端、背後からの威圧感は消え去り
「そう・・・じゃあお願いね?」
それと変わるように主人の声が響く。
「そ、それでは・・・えっと・・・」
さすがに『5m』とあってか、余裕を持ってサイズを測ることが出来る。
久美は目を閉じて腕を上げる志穂の胸囲を測りとると
「・・・さ、328cm・・・・・」
目盛りが示す値を読みとった。
「っく、あはははははははっ!! 328cm!!328cmねぇ!!あはははははっ!!」
志穂は何度も自分のバストサイズを口にすると、その度に喜びを噛みしめるかのように笑い続ける。
その間、何ともいえぬ感覚に苛まれた久美は、自分のバストサイズを自分で測ってみた。
――――――152cm。
決して小さくない。むしろ都でもなかなか見ないほどの大きさである。
だが、目の前で揺れている自分の倍以上もある乳房を見ると、なんだかちっぽけに思えてしまう。
「・・・ふぅ。くふふっ・・・あら?久美も測ったのね・・・いくらだったの?」
ひとしきり笑い終えた志穂は目ざとく久美の胸に巻かれたメジャーを見て、その目盛りを聞く。
だが、久美としてはなんだか恥ずかしくなったのか
「え、いや・・・そのぉ・・・・・」
俯いて押し黙ってしまう。
が、その反応が気にくわなかったのか
「・・・いくらだったの、と聞いているんだけど?」
その声に少しの怒気を孕ませながら久美へと再度質問する。
その瞬間、一気に額から汗が噴き出て
「ひぅっ!! ひゃ、152cmですっ!!」
主の怒りを治めるかのように、慌ててサイズを口にする。
「そう・・・15・・・2。」
志穂はそう呟きながらも、自らの乳房を誇示するかのように揺らしていた。
「・・・まだ、祭りは始まってないのかしら?」
二人の住む家で最も広い部屋。
玄関を開けて真っ先にあるその部屋の中央に肘掛椅子を用意し、まるで自分がこの家の主であると誇示するかのように上半身裸で座る志穂。
「は、はい・・・そのようです・・・まだ祭りの始まりを告げる花火が上がっておりません・・・」
その声にビクビクしながらも、志穂と向き合うように床に座って答える久美。
この部屋において、世界のルールからみても志穂が主人であることは明らかであり、その命令は絶対であった。
「そう・・・まだ時間はあるわけね・・・・・」
志穂が今まで着ていた白衣は当然使いものになるわけもなく、それと同時に今まで久美が着ていた『浴衣』も、窮屈そうに彼女の胸を押しこむ形となっていた。
二人のブラジャーが揃って意味をなさないものとなった今、久美の着ている『浴衣』が本来の着方に落ち着いたようにも思える。
「・・・ねぇ、久美。あなたこれからお使いを頼まれてくれない?」
少し思案していた様子の志穂が、久美へと命令を下す。
「・・・お使い・・・ですか?」
なんのことか分からず首を傾げる久美。
彼女の胸元からは胸が膨らんだせいか前よりも深く谷間が見える。
「ええ。見ての通り私の着れる服が無いじゃない?だから、今から杏奈さんのところに行って、彼女を連れて来て欲しいの。その時、下着を作る材料を多めに持って来て貰ってね・・・ここで作って貰うわ。」
「えっ!?ここで・・・ですか?」
なぜここでなのかが分からず聞き返す久美。
が、返ってきたのは
「・・・あなた、私のこの胸を裸のまま都を歩く人に見せろって言うの?」
「っ!!?」
少し不機嫌な様子を見せる志穂の返事であった。
「わ、分かりましたっ!!そのように伝えてきますっ!!」
「ええ。早めに頼むわね。私も祭りを楽しみたいから・・・」
久美が慌てて出て行く後ろ姿を見ながら、志穂はこれからの事を考え笑みを溢した。