科学のチカラ その8

せい 作
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「はぁ、はぁ・・・あ、杏奈さん!!居ますかっ!?」

杏奈が取り仕切る下着屋に飛び込んだ久美は、返事を待つ間に息を整えていた。

「・・・久美さん?どうしたんです?そろそろ祭りも始まりますけど・・・」

久美の声が聞こえたのか、店の奥から杏奈が顔を覗かせた。
杏奈も今日の祭りを楽しみにしていたのか、既にその体を浴衣で包み、祭りの始まりを今か今かと待ちわびていたようだ。

「・・・って、どうしたんです!?それ、全然サイズが合ってない・・・」

「そんなことは今いいんです!と、とにかく下着とか、あと・・・そう!綺麗な浴衣を作るだけの道具を、っと、材料の布はとにかくいっぱい持って!えっと、それからそれから・・・」

「お、落ちついてください!とにかく、今お茶でも出しますから・・・」

久美の気も知らないまま部屋の奥へと戻ろうとする杏奈。
確かに慌てているのは確かだが、ここでお茶を飲んでいる暇など毛頭ない。

「そんなのいいですって!とにかく、今言ったものだけ持って私と一緒に来て下さい!急いでっ!!」

「なっ・・・なんなんですか?一体何が・・・」

「早くっ!!」

久美の気迫に押されたのか、それ以上は何も言わず、ただただ首を傾げながら言われた物を準備し始める。
ブラジャーのみならず、浴衣の材料まで揃えるとなると結構な荷物なようで、一人ではなかなか持ちきれない様子だ。

「私も荷物を持ちますっ!あ、布は一番上等な物にして下さいっ!」

じれったいという思いを隠そうともせず、杏奈から乱暴に荷物を受け取ると、今度は慌てて店の外へと飛び出した。

「急いで下さいっ!こっちですっ!!」

「な、何だっていうんですぅ!?」

二人は陽が沈みかけた都を、両手いっぱいに荷物を抱え飛び出した。






「ふん、ふ〜ん♪ ・・・ふふっ。」

上半身裸のまま久美の帰りを待つ志穂は、今までよりも遥かに大きくなった自分の乳房を指先でつつきながら、機嫌良さそうに柄にもなく鼻歌をならしていた。
底なしの柔らかさを持つ乳肉は、指の全てを飲みこむかのようにズブズブと沈んでいく。
椅子に座った状態だと、自分のヘソや膝はおろか、胸の先端にある乳首すら満足に見ることが出来ない。

「ああ・・・素晴らしいわ・・・少し計画が狂ったとは言え、これはこれで・・・」

志穂は傍らに置いてある、先刻自分が作った遠隔操作機に目を落とした。
文献からの名前にあやかって、『万能リモコン』と名付けたその機械は、文字通りどんな機械でも一括して操作できる優れ物であった。
とはいうものの、その範囲は「どこまでも」というわけでは無く、特定の周波数を登録しない限りは、使用者を中心として半径50m・・・まあ100mほど届けばいい方だろう。

「・・・この機械は大事にしないと。もう一々指を鳴らす必要も無くなるわけだし。」

彼女の胸がなぜここまで大きくなったのか。
本来彼女が作った『胸を大きくする装置』は、彼女が範囲を指定して指を鳴らす事で作動するようにしていた。

だが、これでは『口で範囲を指定する以上、細かい指定が出来ない』という問題と、『自分しか動作を入れたり切ったりすることが出来ない』という問題があった。

今までの経験からして、胸が大きくなればなるほど、さらに胸を成長させる際にとてつもない快感が襲ってくる。
そんな状況で指など鳴らす事が出来るはずも無く、また、範囲の指定・変更も難しい。
そこで彼女はこの機械に例の装置の周波数を登録して、どこでも操作できるようにしたのである。

とはいうものの、その試運転がわりに「吸収力」をいきなり最大にしたのは不味かったが・・・
さらに重ねて、久美が誤って「吸収範囲」を一気に「世界中」なんかにしてしまったせいで大変なことになった。たまたま久美が「還元対象」の範囲を広げたせいで助かったと言えたが、あのまま際限なく胸が大きくなっていた可能性も否定できなかった。

というわけで、彼女は例の装置をより正確に動作させる方法を手に入れたのである。


「・・・にしても、ここまで大きくなったら母乳とか出ないのかしら。やっぱりそれは無理なのかしらね・・・」

ふざけ半分ではあるが、彼女本来の科学者という観点から研究がてら自分の胸を段々と力を込めて揉み始める。

「・・・ん、ふぅっ・・・ふぁぁっ・・・」

段々と顔が上気し始め、乳房の先端が存在を主張し始めたその時


「し、志穂様っ!!ただいま戻りましたっ!!」

部屋の中になだれ込むように久美が駆け足で戻って来た。
その後ろには久美よりも激しく肩を揺らす杏奈の姿があった。

「あら、意外と早かったわね。御苦労さま。」

志穂は胸をまさぐっていた手を元に戻すと、自分の乳房の上へと置いた。

「はぁ、はぁ・・・こ、これは一体・・・はぁ・・・どういうことですか・・・っく、はぁ・・・」

久美の後ろでいかにも疲れた感じを出しながら、その諸悪の根源と思われる志穂へと批難を浴びせようと、ゆっくりと顔をあげ・・・

「志穂・・・さ・・・・・ん・・・・・」

目の前の光景を見て言葉を失っていた。

「あら、ごめんね。急に来てもらって。久美ったら、なにもそんなに急ぐ事ないのに・・・ねぇ。」

スゥっと目を細め、蠱惑的に微笑む志穂。
だが、杏奈の目はそこでは無い所に注がれていた。

「な、なな・・・なんですかそれっ!?」

目の前の志穂が抱える巨大な乳房。
椅子に座っている彼女の膝をも越え、なお前に突き出された丸い大きな膨らみは、見る者を圧倒させ、それと同時に強く強く惹きつける。

だが、杏奈の言葉を受けて、志穂の目に不機嫌の色が入る。

「・・・『それ』だなんて・・・失礼ね。これは私のおっぱい。大きくて、綺麗で、やわらか〜いおっぱいなの。」

「「ッ!!」」

到底持ちあげることなど出来ないが、両手を使って下から巨大な膨らみを持ち上げる仕草に気押される杏奈と久美。
それどころか、志穂が不機嫌になったためか、その場に居る二人は何とも言えない恐怖や圧迫感を感じていた。

(杏奈さんっ!志穂様を下手に刺激しないで下さいっ!!)

カチカチと奥歯を鳴らしながら杏奈を見つめる久美の目はそう訴えかけていた。
杏奈はこの瞬間、『なぜ久美がここまで焦って店にやって来たのか』を理解していた。

「・・・まぁいいわ。ところで杏奈さん・・・いえ、杏奈。お願いがあるんだけど?」

「は、はいぃ!」

もはや敬称など付けなくても良いと思ったのか、自分の名を呼び直し、話しかけてくる志穂に、得も知れない恐怖を感じながら上擦った声で返事をする。

「そんなに緊張しなくていいわ。別にあなたをどうこうするわけじゃないし。」

志穂はまた蠱惑的な笑みを浮かべながら手を振って、杏奈の緊張を解こうとするが、その程度で解れるほど簡単な威圧感を与えてはいないため、いまだに緊張した面持ちで杏奈は志穂を見つめる。

「・・・お願いというのはね、私のブラジャーを急いで作って欲しいの。私だって祭りに行きたいんだけど、今のままだったらダメでしょ?だから、急いで作ってもらえるかしら?」

自分の胸が大きくなって、この世界のルールの通り、目の前の女性達に断ることの出来ない願いを出していると知っている志穂。
だがそれでも志穂はそれを毛嫌いすること無く、むしろ上手に利用していた。

「い、今からですか?今からだと祭りまでに間に合うかどうか・・・」

「トップは328cm。アンダーは変わってないわ。頼めないかしら?」

志穂の有無を言わさぬ物腰に

「・・・分かりました。やってみます。」

頷かざるを得なかった。






「・・・い、一応出来たには出来ましたが、お気に召すかどうか・・・・・」

杏奈はそれこそ今までにないほど集中してブラジャーはおろか浴衣まで手にかけていた。
外を見ればすっかり陽は落ち切って、もう今すぐにでも花火が上がっても良い頃だった。

なんとか花火の音を聞く前に仕上げることが出来て内心安堵すると共に、今度は志穂がこのブラジャーを気にいるかどうかが心配になって来た。

「ありがとう。相変わらず手際が良いのね・・・あ、つけてみるから手伝ってくれる?」

「は、はい。」

「あ、私も手伝います!」

志穂が椅子から立ち上がると、彼女の小さなヘソを隠すほど大きく、それでいてまるで型崩れしていない見事な乳房がダップンと音が鳴るかのごとく揺れる。
その動きを目で追いながらゴクリと喉を鳴らす二人。

志穂はその反応に得意気になりながら腕を頭の後ろに組んだ。

「じゃあお願いね・・・あ、久美。そこにある髪留めの紐を取ってくれる?ついでに髪も結んじゃうから。」

「あ、はいっ!これですね?」

「ええ、ありがとう。」

志穂は久美から受け取った紐を口に咥えながら髪の毛をまとめ、いつものポニーテールを作る。
その間に、杏奈と久美は協力して、巨大なブラジャーを持ち上げ・・・

「・・・っしょ。久美さん、ちょっと抑えててくれますか?」

「あ、はい。」

志穂の背後に回ってホックを・・・留める。

「へぇ・・・さすがにピッタリね。ありがとう、気に入ったわ。」

「い、いえっ!本来は浴衣の時はあまり下着をつけないのですが・・・志穂さn・・・志穂様のお胸でしたらつけたほうがよろしいかと。」

もはや志穂が自分の手の届かない存在になったと感じた杏奈は、口調を改め志穂へと進言した。

「そう。あっ、浴衣もお願い出来る?前とか上手く着れないから・・・」

「はい。かしこまりました。」

杏奈の恭しい態度に悪い気はしないのか、志穂は上機嫌なまま浴衣が着付けられるのを待つ。
久美は杏奈と協力して帯を締めるのを手伝っていた。




「・・・はい、これで全部ですね。お綺麗です、志穂様。」

「ありがとう杏奈。まさか化粧まで手伝ってくれるなんて・・・」

すっかり祭りに行く格好に着替えることが出来た志穂。
浴衣の前面は大きく大きく張り出され、歩くたびに「ユサリ・・・ユサリ・・・」と揺れ動く。
それでいて彼女は引っこむところが見事に引っこんでいるため、腰につけられた帯によってその巨大な胸が大きく強調されることになった。

「・・・あ、そうだ。」

志穂は何かを思いついたように歩きだすと、自分の胸をここまで大きくした『万能リモコン』を手に取り、手提げの中に入れようとする。

「志穂様?それ、持って行くんですか?」

「ん?ん〜・・・何かに使うかな・・・ってね。」

首を傾げる久美に、上機嫌に答える志穂。


その時

――――・・・ヒュルルル・・・・・ドンッ!!

「あ、始まったようですよ!」

家の外から祭りの始まりを告げる花火の音が鳴り響く。
パッと楽しそうに笑顔になった杏奈の声に

「そうね。それじゃあ・・・あ、そうだわ。杏奈にお礼をしなきゃ。」

祭りに行こうと一歩踏み出した志穂が、思いついたように鞄から先ほどの『万能リモコン』を取り出すと

「それじゃあ・・・『最大』の『世界中』で・・・はいっ!」

対象を杏奈へと設定して、電源を入れた。

「へっ?ふやぁぁぁあああああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

突然の快感に頭をあげ、喉を見せる杏奈。
いきなり『最大』の『世界中』などという設定に、もはや絶叫と表現していいほどの嬌声をあげる。

「まだまだ。もうちょっとサービスね。」

「あはぁぁぁぁぁぁあああああぁああぁぁぁぁ!!! なにこ、れっ!!お、おっぱいがぁぁぁぁぁぁ!!!」

止まらない快感にビクビクと体を震わせる。

志穂はたっぷり30秒ほど電源を入れ続けると

「・・・はい、おしまい。どう?おっぱい大きくなったかしら?」

クテッと膝を折ってその場に正座する体勢になった杏奈に近寄る志穂。
久美も気になったのか共に近づいてきた。

ハァ、ハァ・・・と息を荒げる杏奈を無視して、彼女の浴衣の胸元を覗きこむと

「あら・・・みっちり詰まって・・・もしかしたら・・・いや、確実に久美より大きいわね。」

杏奈の胸はかろうじて浴衣の中に収まっているというレベルで、それこそみっっっちり、乳肉が詰まっていた。

「はぁ・・・はぁ・・・・・い、今のは・・・?」

「今のは私からのお礼。ほら、立ちあがってみて。久美、手伝ってあげて。」

フラフラになりながらも、久美の肩を借りつつ立ち上がる杏奈。
ふと彼女が自分の胸を見下ろすと

「・・・!! えっ!?こ、これ私のおっぱい!?」

先ほどまでとはうって変わって大きくなった自分の胸を、パンパンに張り詰め、今にも破けそうな浴衣の上からスリスリと撫で擦る。
杏奈はどうやら下着をつけていなかったようで、先ほどの快感からか、それとも胸が大きくなって張り詰めたせいか、その先端の突起が浴衣の上からでも見えるようになっていた。

「どう?嬉しい?」

杏奈の反応を見て微笑む志穂。
彼女としては急ピッチで自分の服を仕立ててもらったお礼の気持ちだったが

「えっ、は、はいっ!!勿論ですっ!!こんなに大きく・・・そうだっ!私からもお礼として、これからも志穂様の服や下着を作らせて貰えませんか?」

思わぬ副産物として、杏奈が自ら願い出てきた。

「えっ、いいの?私としてはそうして貰えると嬉しいけど・・・」

「構いませんっ!ここまでして頂いて・・・い、いつでも仰ってください!」

「そう・・・じゃあ、お願いしようかしら。」


こうして志穂は専属の仕立屋を手に入れた。



「それじゃあ改めて行きましょうか。」

志穂が祭りへ向かおうと二人に背を向けると

「あ、あのっ!志穂様・・・わ、私にも御褒美を頂けないでしょうか・・・?」

背後から久美の声が聞こえてきた。

「そ、その・・・確かに杏奈さんは志穂様の服を仕立てて・・・で、でも私よりもおっぱいが大きくなって・・・そのぉ・・・」

どうやら自分の胸囲を杏奈に抜かれたことが悔しいようで、自分から褒美を願い出てきた。

「・・・あのねぇ、久美。ご褒美なんてそんな簡単に・・・・・」

主として、キッパリと断ろうとした志穂ではあるが・・・
ふと、何かを思案する顔になると

「そうね・・・これから私の言う事をきちんとこなしてくれたら・・・考えても良いわね。」


ニヤリと口元を歪ませた。